「日本株にETFでインデックス投資したいけど、業種別に投資できるETFはないのかな?」とお困りではありませんか?
日本株と言っても一様ではなく、ディフェンシブ銘柄が多い食品や医薬品、成長が期待される精密機器やIT産業など、さまざまな特色を持った業種・セクターがあります。
今回は、日本株の業種別株価指数に連動するETF全19銘柄(TOPIX17シリーズの17銘柄に加えて、電気機器株価指数と銀行業株価指数)の違いについて徹底解説していきます。
業種別株価指数に連動するETFとは?
今回は、業種別株価指数の値動きに連動する日本株ETFについて見ていきます。
業種別株価指数とは、ある特定の業種やセクターの銘柄で構成された株価指数のことです。
業種別株価指数で最もポピュラーな指数は、「TOPIX17シリーズ(東証業種別株価指数)」です。TOPIX17シリーズは、東証一部に上場している全銘柄を、17業種別に区分した株価指数となっています。
東京証券取引所では、全銘柄を33業種に分類していますが、TOPIX17シリーズでは投資利便性を考慮した上で17業種に再編されており、具体的には下記のようになっています。
東証33業種 | TOPIX17シリーズ |
1:水産・農林業 2:食料品 |
TOPIX-17 食品 |
3:鉱業 4:石油・石炭製品 |
TOPIX-17 エネルギー資源 |
5:建設業 6:金属製品 7:ガラス・土石製品 |
TOPIX-17 建設・資材 |
8:繊維製品 9:パルプ・紙 10:化学 |
TOPIX-17 素材・化学 |
11:医薬品 | TOPIX-17 医薬品 |
12:ゴム製品 13:輸送用機器 |
TOPIX-17 自動車・輸送機 |
14:鉄鋼 15:非鉄金属 |
TOPIX-17 鋼鉄・非鉄 |
16:機械 | TOPIX-17 機械 |
17:電気機器 18:精密機器 |
TOPIX-17 電機・精密 |
19:その他製品 20:情報・通信業 21:サービス業 |
TOPIX-17 情報通信・サービスその他 |
22:電気・ガス業 | TOPIX-17 電気・ガス |
23:陸運業 24:海運業 25:空運業 26:倉庫・運輸関連業 |
TOPIX-17 運輸・物流 |
27:卸売業 | TOPIX-17 商社・卸売 |
28:小売業 | TOPIX-17 小売 |
29:銀行業 | TOPIX-17 銀行 |
30:証券、商品先物取引業 31:保険業 32:その他金融業 |
TOPIX-17 金融(除く銀行) |
33:不動産業 | TOPIX-17 不動産 |
※参考:日本取引所「東証業種別株価指数・TOPIX-17シリーズ」
業種別株価指数に連動するETFに投資するメリットは、資産運用の目的に合わせた業種・セクターに投資できることです。
例えば、安全に運用したい場合にはディフェンシブセクターである食品や医薬品、値上がり益を期待したい場合には成長セクターである電機・精密や情報通信(IT)といったセクターを選んで投資することが可能です。
また、ETFなら業種別に銘柄がリスク分散されているため、個別株投資をするよりも圧倒的にリスクが小さいことは言うまでもありません。
業種別株価指数に連動するETFの注目ポイント
業種別株価指数に連動するETFの注目ポイントを抑えておきましょう。
※信託報酬・分配金については、日本取引所のETF一覧ページにあるパンフレットの情報を参照しています。また、月足チャート画像や値動きについては、マネックス証券の「マーケットライダープレミアム」で当該銘柄を参照したデータを記載しています。
・手数料である「信託報酬」を要チェック!
ETFの手数料には、証券会社で購入する際の売買手数料と、運用会社に支払う信託報酬の2つがあります。ETFの銘柄選びで重要なのは信託報酬です。信託報酬は年率で示され、1日ごとに引かれていきます。
業種別株価指数に連動するETF選びにおいても信託報酬は重要になってきますが、基本的にはどれも同じであるため業種間での違いはありません。
なお、SBI証券や楽天証券などの手数料が無料になる証券会社を選ぶことで、売買手数料は問題にならなくなります。ETF投資をする際には、一定の代金以下で手数料が無料になる証券会社で行うようにすることがおすすめです。
・ETFの「分配金」と「分配金利回り」を抑えておこう
ETFを保有していると、株の配当金のような形で「分配金」を受け取ることができます。
ただ、株の配当金と同じように、分配金を受け取る際には権利確定日にETFを保有しておく必要があることには注意が必要です。
分配金が年に何回・合計いくら分配されるのかは銘柄によって異なりますが、分配金の目安となる「分配金利回り」は必ずチェックしておきましょう。
分配金利回りは、過去1年間に支払った分配金をある時点の基準価額で割って算出されるものです。例えば、過去1年間の分配金が合計300円、ETFの基準価額が1万円の場合には、分配金利回りは3.00%となります。
業種別株価指数に連動するETFはそれぞれ分配金利回りが異なっています。重要なポイントとなるため必ず抑えておきましょう。
※分配金利回りは、過去1年間の分配金実績を2020年2月27日時点の終値で割った値で算出しています。
なお、ETFの分配金は投資信託とは違って再投資されないことには注意が必要です。ETFで積立・分散投資をする際には、分配金を手動でETFに再投資するようにしましょう。
・「直近3年間の値動き」はどうなっていたか?
業種別株価指数に連動するETFを比較する上では、「直近3年間の値動き」についても必ずチェックしておきましょう。
※今回は、2017年2月1日始値から2020年2月27日終値までの値動き率について記載しています。
安全に運用したい場合には値動き率があまり高くない安全な業種を選ぶようにし、値上がり益を期待したい場合には値動き率が高い成長業種を選ぶことがおすすめとなります。
・「必要投資金額」はいくらか?
そのETFに投資する際の「必要投資金額」についても抑えておきましょう。
必要投資金額が大きくなってしまうと、取引口数によってはSBI証券や楽天証券の1日定額取引で手数料を無料にすることができなくなってしまう場合もあるため注意しておきましょう。
業種別株価指数に連動するETF全19銘柄について徹底解説!
業種別株価指数に連動するETF全19銘柄について詳しく見ていきましょう。
【1617】NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 610円(年1回) |
分配金利回り | 2.34% |
直近3年間の値動き | -9.90%(28,860円→26,000円) |
必要投資金額 | 26,000円(1口) |
【1617】NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 食品」と連動するETFです。
「TOPIX-17 食品」は、日本株の中でも食品セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、JT(14.83%)、アサヒグループホールディングス(11.88%)、キリンホールディングス(10.21%)、明治ホールディングス(5.46%)、味の素(4.75%)となっています。
この3年間は約-10%の値下がりとなっています。ただ、食品セクターはリスクが小さいディフェンシブセクターであり、また分配金利回りが安定していることが特徴です。安全に運用して分配金を受け取りたい場合にはおすすめの銘柄となります。
【1618】NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 254円(年1回) |
分配金利回り | 2.52% |
直近3年間の値動き | -13.93%(11,700円→10,070円) |
必要投資金額 | 10,070円(1口) |
【1618】NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 エネルギー資源」と連動するETFです。
「TOPIX-17 エネルギー資源」は、日本株の中でもエネルギーセクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、JXTGホールディングス(41.60%)、国際石油開発帝石(28.91%)、出光興産(18.98%)、コスモエネルギーホールディングス(3.59%)、石油資源開発(2.61%)となっています。
この3年間では-10%以上の値下がりとなっていますが、2018年10月には+50%以上の値上がりとなっていました。構成上位3銘柄でポートフォリオの90%以上を占めており、リスク分散ができていないため、このような乱高下の値動きになってしまいます。分配金利回りが高いことはメリットですが、銘柄分散が十分されていないETFであるため、ハイリスク・ハイリターンの業種ETFであると認識しておきましょう。将来的に資源価格が上がることが期待される場合を除くと、おすすめできません。
【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 704円(年1回) |
分配金利回り | 3.57% |
直近3年間の値動き | -7.81%(21,360円→19,690円) |
必要投資金額 | 19,690円(1口) |
【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 建設・資材」と連動するETFです。
「TOPIX-17 建設・資材」は、日本株の中でも建設セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、大和ハウス工業(11.36%)、積水ハウス(7.88%)、大東建託(5.31%)、大成建設(4.40%)、AGC(3.72%)となっています。
この3年間は下げているものの、分配金利回りの高さがそれを打ち消しています。住宅メーカーや建設会社にしっかりとリスク分散されているため、分配金目的で投資しても問題ない銘柄です。ただ、住宅・建設セクターは、東京オリンピック後の建設需要や人口減少による空き家問題などでリスクを抱える業種であることは留意しておきましょう。
【1620】NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 594円(年1回) |
分配金利回り | 2.61% |
直近3年間の値動き | +9.75%(20,700円→22,720円) |
必要投資金額 | 22,720円(1口) |
【1620】NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 素材・化学」と連動するETFです。
「TOPIX-17 素材・化学」は、日本株の中でも素材・化学セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、信越化学工業(10.83%)、花王(10.75%)、資生堂(9.12%)、富士フイルムホールディングス(4.69%)、旭化成(4.07%)となっています。
素材・化学セクターは、直近3年間の値動き率が+10%近い成長業種です。また、分配金利回りも3%弱と高くなっています。構成銘柄で見ても、半導体シリコンウエハーで世界トップの信越化学工業や、業績好調の花王・資生堂など東証を代表する主力銘柄に分散されているため、リスクも問題ありません。非常におすすめの銘柄です。
【1621】NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 408円(年1回) |
分配金利回り | 1.76% |
直近3年間の値動き | +21.95%(18,950円→23,110円) |
必要投資金額 | 23,110円(1口) |
【1621】NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 医薬品」と連動するETFです。
「TOPIX-17 医薬品」は、日本株の中でも医薬品セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、武田薬品工業(23.88%)、第一三共(14.94%)、アステラス製薬(11.95%)、中外製薬(6.96%)、エーザイ(6.90%)となっています。
直近3年間では+20%以上の値上がりとなっており、成長セクターを体現する値動きとなっています。医薬品は、不況になっても需要が減らないディフェンシブセクターでありながら、日本を始め世界的に高齢化が進む「人生100年時代」を迎えるにあたって、今後需要がさらに増加することは確実です。上位3銘柄でポートフォリオの50%を占めていますが、この3銘柄はディフェンシブ銘柄であるため、そこまでリスクが高いポートフォリオではないと言ってよいでしょう。ディフェンシブかつ成長セクターとしておすすめです。
【1622】NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 604(年1回) |
分配金利回り | 3.19% |
直近3年間の値動き | -8.90%(20,770円→18,920円) |
必要投資金額 | 18,920円(1口) |
【1622】NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 自動車・輸送機」と連動するETFです。
「TOPIX-17 自動車・輸送機」は、日本株の中でも自動車セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、トヨタ自動車(40.62%)、本田技研工業(11.19%)、ブリヂストン(6.71%)、デンソー(5.39%)、スズキ(4.92%)となっています。
自動車産業は日本の核となる産業ですが、直近3年間では下げています。分配金利回りが3%以上と高くなっていますが、トヨタだけで40%を占めているトヨタ偏重のポートフォリオはリスクと言わざるを得ません。これなら、トヨタに個別株投資してもほとんど変わらないのではないでしょうか?見かけの分配金利回りは高いですが、リスク分散できているとは言えないため、ETFとしてはあまりおすすめできません。
【1623】NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 1,185円(年1回) |
分配金利回り | 10.00% |
直近3年間の値動き | -44.88%(21,500円→11,850円) |
必要投資金額 | 11,850円(1口) |
【1623】NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 鉄鋼・非鉄」と連動するETFです。
「TOPIX-17 鉄鋼・非鉄」は、日本株の中でも鉄鋼セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、日本製鉄(19.23%)、住友電気工業(15.16%)、住友金属鉱山(12.70%)、JFEホールディングス(9.97%)、三菱マテリアル(5.67%)となっています。
直近3年間では-40%以上と、新興銘柄並みの大暴落となっています。2018年の米中貿易摩擦で最も大きな影響を受けたセクターとなりました。銘柄分散は特に問題がないように見えますが、ポートフォリオの20%を占める日本製鉄が大きく下げていることが影響しています。分配金利回りは10.00%という驚くべき値となっていますが、鉄鋼業界は業績が悪化しているため、いつ減配・無配が発表されて分配金利回りが大きく下がっても不思議ではありません。これから大反発する可能性はあるものの、ハイリスク銘柄であるためおすすめできません。
【1624】NEXT FUNDS 機械(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 453円(年1回) |
分配金利回り | 1.45% |
直近3年間の値動き | +0.64%(30,950円→31,150円) |
必要投資金額 | 31,150円(1口) |
【1624】NEXT FUNDS 機械(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 機械」と連動するETFです。
「TOPIX-17 機械」は、日本株の中でも機械セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、ダイキン工業(15.93%)、SMC(12.23%)、小松製作所(9.53%)、クボタ(7.56%)、三菱重工業(6.07%)となっています。
この3年間は横ばいとなっています。大型株が多くリスク分散もしっかりされているローリスクETFです。ただ、分配金利回りもやや低水準となっています。リスクが小さいという以外に利点はなく、わざわざこちらのETFで運用するメリットは薄いと言えます。ローリスクETFで運用するとしても、もう少し分配金利回りが高い銘柄で運用したいものです。
【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 199円(年1回) |
分配金利回り | 1.00% |
直近3年間の値動き | +28.36%(15,370円→19,730円) |
必要投資金額 | 19,730円(1口) |
【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 電機・精密」と連動するETFです。
「TOPIX-17 電機・精密」は、日本株の中でも電機・精密セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、ソニー(10.99%)、キーエンス(8.07%)、ファナック(5.36%)、日立製作所(5.13%)、HOYA(5.09%)となっています。
直近3年間で+30%近い大きな値上がりとなっています。2020年以降のAI・IoT・5G時代において日本企業が強みとするのはセンサーなどの精密機械であり、世界的に日本企業が最も強いセクターであることが株価に表れていると言えるでしょう。構成銘柄は、技術大国日本を支えるテクノロジー企業が並んでおり、銘柄分散もしっかりとされています。分配金利回りはほとんど期待できませんが、成長による値上がりでは最もおすすめのセクターです。
【1626】NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 399円(年1回) |
分配金利回り | 1.76% |
直近3年間の値動き | +22.76%(18,450円→22,650円) |
必要投資金額 | 22,650円(1口) |
【1626】NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 情報通信・サービスその他」と連動するETFです。
「TOPIX-17 情報通信・サービスその他」は、日本株の中でもITセクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、NTT(9.51%)、ソフトバンクグループ(8.81%)、リクルートホールディングス(6.68%)、任天堂(6.34%)、KDDI(5.93%)となっています。
成長著しいITセクターということもあり、直近3年間では+20%以上の高い上昇率を記録しています。株価チャートを見ると、右肩上がりであることが一目瞭然です。分配金利回りは平均水準ですが、銘柄分散は問題なく、成長企業でポートフォリオ構成されています。値上がり益を期待する上でおすすめの銘柄です。
【1627】NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 43円(年1回) |
分配金利回り | 0.68% |
直近3年間の値動き | -8.82%(6,910円→6,300円) |
必要投資金額 | 6,300円(1口) |
【1627】NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 電力・ガス」と連動するETFです。
「TOPIX-17 電力・ガス」は、日本株の中でも電力・ガスセクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、東京ガス(13.37%)、中部電力(13.07%)、関西電力(12.60%)、大阪ガス(10.84%)、東京電力ホールディングス(10.54%)となっています。
直近3年間ではマイナスとなっています。ポートフォリオを見てみると、ディフェンシブセクターである電力・ガス銘柄に分散されています。ただ、そもそも電力・ガス会社はディフェンシブ銘柄であり、ディフェンシブ銘柄をわざわざ分散してリスクをさらに小さくするメリットはほとんどありません。分配金利回りも1%未満であり、リスクを小さくし過ぎてメリットもなくなってしまっている銘柄です。
【1628】NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 191円(年1回) |
分配金利回り | 1.23% |
直近3年間の値動き | -7.19%(16,670円→15,470円) |
必要投資金額 | 15,470円(1口) |
【1628】NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 運輸・物流」と連動するETFです。
「TOPIX-17 運輸・物流」は、日本株の中でも運輸・物流セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、JR東海(14.69%)、JR東日本(13.53%)、JR西日本(6.56%)、ANAホールディングス(5.04%)、日本航空(4.57%)となっています。
直近3年間ではマイナスとなっています。JRやANA、JALは業績が安定しているディフェンシブ銘柄ですが、銘柄分散してさらにリスクを小さくした所でメリットはほとんどありません。分配金利回りも平均以下で、これならJRや航空大手に個別株投資してもそれほど変わりません。ETFとしてわざわざ選ぶ合理性はないでしょう。
【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 497円(年1回) |
分配金利回り | 1.53% |
直近3年間の値動き | +17.74%(27,560円→32,450円) |
必要投資金額 | 32,450円(1口) |
【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 商社・卸売」と連動するETFです。
「TOPIX-17 商社・卸売」は、日本株の中でも商社セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、三菱商事(16.31%)、三井物産(13.80%)、伊藤忠商事(13.36%)、住友商事(9.36%)、丸紅(6.70%)となっています。
商社は銀行と違って業績好調であり、直近3年間では+20%近い値上がりとなっています。分配金利回りは平均水準です。商社株はリスクもそこまで高くなく、銘柄分散もしっかりされているため、リスク面でも問題ありません。おすすめETFの一つです。
【1630】NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 240円(年1回) |
分配金利回り | 1.30% |
直近3年間の値動き | -0.91%(18,520円→18,350円) |
必要投資金額 | 18,350円(1口) |
【1630】NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 小売」と連動するETFです。
「TOPIX-17 小売」は、日本株の中でも小売セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、セブン&アイ・ホールディングス(14.35%)、ファーストリテイリング(7.64%)、イオン(7.54%)、ニトリホールディングス(6.45%)、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(3.67%)となっています。
直近3年間では横ばいとなっています。リスク面でも、主要銘柄にしっかりと分散されているため問題ありませんが、分配金利回りはやや低水準です。リスクが小さくともリターンも小さいため、わざわざこちらのETFで運用する合理性はあまりないと言えます。
【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 566円(年1回) |
分配金利回り | 7.20% |
直近3年間の値動き | -29.88%(11,210円→7,860円) |
必要投資金額 | 7,860円(1口) |
【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 銀行」と連動するETFです。
「TOPIX-17 銀行」は、日本株の中でも銀行セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、三菱UFJフィナンシャルグループ(28.02%)、三井住友フィナンシャルグループ(19.16%)、みずほフィナンシャルグループ(16.39%)、三井住友トラスト・ホールディングス(5.36%)、りそなホールディングス(3.72%)となっています。
銀行は、マイナス金利やフィンテックに苦戦していることもあり、直近3年間で-30%近くの大きな下落となっています。銀行は旧態依然の最たる産業であり、今後大きく復活する見込みもありません。また、同ETFはメガバンク3行でポートフォリオの63%を占めているため、リスク分散の点でもネックです。銀行株は配当利回りが高い傾向があることもあり、分配金利回りは7%を超えていますが、それ以上に下落するリスクがあるため安易におすすめすることはできません。
【1632】NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 582円(年1回) |
分配金利回り | 4.90% |
直近3年間の値動き | -6.46%(12,690円→11,870円) |
必要投資金額 | 11,870円(1口) |
【1632】NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 金融(除く銀行)」と連動するETFです。
「TOPIX-17 金融(除く銀行)」は、日本株の中でも金融セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、東京海上ホールディングス(20.97%)、オリックス(10.59%)、第一生命ホールディングス(9.99%)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8.99%)、野村ホールディングス(8.65%)となっています。
直近3年間ではマイナスとなっているものの、分配金利回りは5%弱と非常に高い水準になっています。リスク分散もしっかりされており値動きも安定していることから、分配金利回りを目的にするなら、TOPIX17シリーズの中では最もおすすめのETFです。
【1633】NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信
信託報酬(税込) | 0.352% |
分配金 | 531円(年1回) |
分配金利回り | 1.85% |
直近3年間の値動き | +3.02%(27,790円→28,630円) |
必要投資金額 | 28,630円(1口) |
【1633】NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「TOPIX-17 不動産」と連動するETFです。
「TOPIX-17 不動産」は、日本株の中でも不動産セクターの銘柄に連動する株価指数です。構成銘柄上位は、三菱地所(24.94%)、三井不動産(23.44%)、住友不動産(14.96%)、ヒューリック(4.26%)、東急不動産ホールディングス(3.31%)となっています。
直近3年間ではやや値上がりとなっており、分配金利回りは平均水準です。ただ、上位3銘柄でポートフォリオの63%を占めるため、リスク管理の点で難があると言えます。わざわざこのETFで運用する理由は特にありません。
【1613】東証電気機器株価指数連動型上場投資信託
信託報酬(税込) | 0.242% |
分配金 | 41.4円(年1回) |
分配金利回り | 1.73% |
直近3年間の値動き | +19.25%(2,000円→2,385円) |
必要投資金額 | 23,850円(10口) |
【1613】東証電気機器株価指数連動型上場投資信託は、野村アセットマネジメントが運用する、「東証電気機器株価指数」に連動するETFです。
「東証電気機器株価指数」は、東証一部に上場している銘柄の内、業種区分が「電気機器」に属する銘柄で構成される株価指数です。構成銘柄上位は、ソニー(14.15%)、キーエンス(9.79%)、日立製作所(5.90%)、ファナック(5.60%)、村田製作所(5.39%)となっています。「TOPIX-17 電機・精密」は電気機器に加えて精密機器も含んでいるため、「東証電気機器株価指数」は電気機器だけに特化した業種別株価指数です。
直近3年間では+20%近い大きな値上がりとなっています。ただ、同ETFは、野村アセットマネジメントが繰上償還を提案したことから監理銘柄となっており、2020年6月12日を最後に上場廃止となる公算が強まっています。電気機器セクターで運用したい場合は、【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信にしておきましょう。
【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投資信託
信託報酬(税込) | 0.242% |
分配金 | 7.67円(年1回) |
分配金利回り | 5.55% |
直近3年間の値動き | -27.60%(192円→139円) |
必要投資金額 | 13,900円(100口) |
【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投資信託は、野村アセットマネジメントが運用する、「東証銀行業株価指数」に連動するETFです。
「東証電気機器株価指数」とは、東証一部に上場している銘柄の内、業種区分が「銀行」に属する銘柄で構成される株価指数です。
こちらのETFは、【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信とほとんど変わりません。【1613】東証電気機器株価指数連動型上場投資信託と同じく上場廃止となるのも時間の問題だと思われます。
業種別株価指数に連動するETF比較一覧表
業種別株価指数連動ETF | メリット | デメリット | 信託報酬(税込) | 分配金利回り | 直近3年間の値動き | 必要投資金額 |
【1617】NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信 | リスクが小さい、分配金利回りが高い | 大きな値上がり益は期待できない | 0.352% | 2.34% | -9.90% | 26,000円 |
【1618】NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが高い | リスク分散ができていない | 0.352% | 2.52% | -13.93% | 10,070円 |
【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが高い | 東京オリンピック後の建設需要がリスク | 0.352% | 3.57% | -7.81% | 19,690円 |
【1620】NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが高い、リスクも安定 | 特になし | 0.352% | 2.61% | +9.75% | 22,720円 |
【1621】NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信 | 値上がりに期待できる | リスクが3銘柄に偏っている | 0.352% | 1.76% | +21.95% | 23,110円 |
【1622】NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが高い | トヨタ自動車1銘柄にリスクが偏っている | 0.352% | 3.19% | -8.90% | 18,920円 |
【1623】NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが非常に高い | 直近3年間で暴落している | 0.352% | 10.00% | -44.88% | 11,850円 |
【1624】NEXT FUNDS 機械(TOPIX-17)上場投信 | リスクが小さい | リスクが小さい以外にメリットがない | 0.352% | 1.45% | +0.64% | 31,150円 |
【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信 | 日本企業が最も強い成長セクター | 分配金利回りが低い | 0.352% | 1.00% | +28.36% | 19,730円 |
【1626】NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信 | 成長産業として値上がりが期待できる | 特になし | 0.352% | 1.76% | +22.76% | 22,650円 |
【1627】NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信 | リスクが小さい | 分配金利回りが低い | 0.352% | 0.68% | -8.82% | 6,300円 |
【1628】NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信 | リスクが小さい | リスクが小さい以外にメリットがない | 0.352% | 1.23% | -7.19% | 15,470円 |
【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信 | 値上がり益が期待できる | 特になし | 0.352% | 1.53% | +17.74% | 32,450円 |
【1630】NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信 | リスクが小さい | リスクが小さい以外にメリットがない | 0.352% | 1.30% | -0.91% | 18,350円 |
【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが非常に高い | 値下がりリスクが大きい | 0.352% | 7.20% | -29.88% | 7,860円 |
【1632】NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信 | 分配金利回りが高い、リスクも安定 | 特になし | 0.352% | 4.90% | -6.46% | 11,870円 |
【1633】NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信 | 特になし | リスク分散にやや難あり | 0.352% | 1.85% | +3.02% | 28,630円 |
【1613】東証電気機器株価指数連動型上場投資信託 | 成長セクターである | 上場廃止予定 | 0.242% | 1.73% | +19.25% | 23,850円 |
【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投資信託 | 分配金利回りが高い | 値下がりリスクが大きい | 0.242% | 5.55% | -27.60% | 13,900円 |
結論:業種別株価指数に連動するETFでおすすめはこの銘柄!
最後に、業種別株価指数に連動するETFでおすすめの銘柄についてまとめていきましょう。
まず、分配利回りでおすすめのETFは次の4銘柄となります。
・【1617】NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信
・【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信
・【1620】NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信
・【1632】NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信
この中でも、リスクも安定しており値上がり益も期待できる「素材・化学」、リスク分散ができている「金融(除く銀行)」の2つは特におすすめです。この2銘柄に分散するのもよいでしょう。
なお、「鉄鋼・非鉄」は分配金利回り10%という驚異的な値となっていますが、直近3年間で-40%以上の大暴落となっていることに注意が必要です。「銀行」も分配金利回りが高いものの衰退産業であるためおすすめできません。
次に、成長による値上がり益でおすすめのETFは次の4銘柄となります。
・【1621】NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信
・【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信
・【1626】NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信
・【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信
「医薬品」は世界的に高齢化社会が進むことから需要が増えることはあっても減ることは考えられない成長産業です。「電機・精密」は日本企業が最も得意とする分野であり、AI・IoT・5G時代に成長が期待されます。「情報通信・サービスその他」は成長著しいIT分野であり、「商社・卸売」も安定しています。この4銘柄のETFに分散投資しておくのもおすすめです。
ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!
新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。
マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。
また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。
マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。
