「ブル型ETFって?」「ブル型ETFの仕組みとは?」「ブル型ETFはどんな投資におすすめ?」「東証のおすすめブル型ETFとは?」など、ブル型ETFにお困りではありませんか?
ブル型ETFとは、TOPIXや日経平均株価といった指数の倍の値動きをするレバレッジ型ETFのことです。
東証のブル型ETFとしては、レバレッジ型ETFとレバレッジ型ETNの2種類があります。
ブル型ETFは、指数の前日比変動率2倍の値動きをするため、指数の上昇が続けば長期的にも大きな上昇となることがありますが、一般的には短期投資に適する銘柄です。
この記事では、ブル型ETFの仕組みや特徴について解説し、東証のブル型ETF・ETNを一覧で紹介した上で、おすすめの銘柄を紹介していきます。
ブル型のETFとは?
ブル型ETFとは、連動する指数の2倍や3倍の値動きをするETFのことです。
ブル型とは、雄牛(Bull)が角を下から上へ突き上げる様子から上昇を表す言葉として使われます。
一方、ベア型とは、クマ(Bear)が前足を振り下ろす姿などから下落を表す言葉として使われます。
ベア型ETF(インバース型ETF・ダブルインバース型ETF・インバース型ETN)については、次の記事を参照してください。

東証ETFでは、レバレッジ型ETFがベア型ETFとなっています。
レバレッジ型ETFとは、日経平均株価やTOPIXといった指数の前日比変動率2倍の値動きをする銘柄です。
また、東証ETN(上場投資証券)には、レバレッジ型ETNも上場しています。
つまり、東証のベア型銘柄は、次の2種類に分類されます。
- レバレッジ型ETF
- レバレッジ型ETN
いずれも2倍の値動きをするブル型ETFとなっており、東証には3倍の値動きをするレバレッジ型ETF・レバレッジ型ETNは上場していません。
ブル型ETFの仕組みと特徴
ブル型ETF(レバレッジ型ETF)の仕組みと特徴について押さえておきましょう。
完全に指数の倍の値動きになるわけではない
ブル型ETF(レバレッジ型ETF)は、単純に指数の倍の値動きになるのではなく、指数の前日比変動率2倍の値動きをし続けるものです。
このため、長期チャートで見ると、ブル型ETFは、元の指標とは完全に倍の値動きになっているわけではないことが分かります。
一例として、日経平均株価と、レバレッジ型の日経平均連動型ETF【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信の月足チャートは、それぞれ次のようになっています。
- 日経平均株価
- レバレッジ型の日経平均連動型ETF【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
チャートの形自体は、ほぼ完全に一致していますが、直近5年間の上昇率(2019年2月始値~2024年2月13日終値)は次のようになっています。
直近5年間の上昇率 | |
日経平均株価 | +82.62%(20,788.39円→37,963.97円) |
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | +217.23%(8,530円→27,060円) |
直近5年間で、レバレッジ型の日経平均株価連動型ETFは、通常の日経平均株価連動型ETFの2倍以上となっており、トータルリターンでも上回る逆転現象が起こっています。
これは、日経平均株価が大きく上昇したことが、レバレッジ効果で増幅されたことが要因です。
長期的には逓減していく傾向がある(レバレッジ効果で上振れするケースもある)
ブル型ETF(レバレッジ型ETF)は、長期的には価格が逓減していく効果があることに注意が必要です。
レバレッジ型ETFは、「指数の前営業日の2倍の値動き」となるように設定されているため、2営業日以上離れた日と比較すると、複利効果によって2倍前後にぶれてくるため、長期的には完全な2倍の値動きにはならないということは前述した通りです。
この性質について、より詳しく見てみると、長期的には逓減していくことになります。
特に、指数が上昇と下落を交互に繰り返す場合には逓減していってしまいます。
例えば、TOPIXが+5%上昇→-10%下落→+5%上昇という値動きとなった場合、TOPIXは+5%-10%+5%=100%となって元の値に戻りますが、レバレッジ型ETFは2倍の複利効果となるため、90%×120%×90%=97.20%と逓減してしまいます。
これがレバレッジ型ETFの一般的な説明となりますが、2024年2月時点の直近5年間では、レバレッジ型ETFは、通常のETFの2倍よりも大きなリターンとなっており、トータルリターンでも上回っています。
これは、直近5年間では、下落や横ばいの期間が少なく、上昇期間が多かったため、上昇へのレバレッジ効果が多く働いたためと説明可能です。
この点について詳しくは、次の見出しで詳細に検証していきます。
短期投資向けで、長期投資には向いていない
ブル型ETFは、デイトレードやスイングトレードといった短期投資(トレード)に向いた銘柄であるということがETF投資における一般論です。
短期投資においては、ボラティリティ(値動きの幅)と流動性(取引量、売買代金)が重要であるため、ボラティリティと流動性が大きい日経平均株価連動型の銘柄が特に適しています。
逆に、ブル型ETFは、次のような理由から長期的にはおすすめできません。
- 長期的には逓減していく性質がある
- 分配金が出ない
- 信託報酬が高い
- (ETNの場合)償還期間が設定されているため新NISAの恩恵が限定される
例えば、日経平均株価に投資したい場合には、レバレッジ型の日経平均連動型ETFを買うのではなく、通常の日経平均連動型ETFに2倍投資した方が、信託報酬が安く、分配金が出るためお得であると説明できます。
とはいえ、直近5年間では、レバレッジ型ETFのトータルリターンの方が通常のETFの2倍を上回っているという現実があります。
それでも、当サイトでは、ETF投資の一般論に基づいて、ブル型ETFの長期投資はおすすめしていません。
ブル型ETFは長期投資に向いていない?
ETF投資の一般論として、レバレッジ型ETFは長期投資には向いておらず、当サイトでもそのように解説しています。
東証のレバレッジ型ETF・ETNと長期投資について検証してみましょう。
TOPIX連動型ETF
TOPIX連動型ETFと、レバレッジ型のTOPIX連動型ETFの直近5年間の成績は次の通りです。
種類 | 銘柄名 | 直近5年間の上昇率 | 分配金利回り | 信託報酬 |
TOPIX連動型ETF | 【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETF | +68.21%(1,592円→2,678円) | 1.86%(50円) | 0.0495% |
レバレッジ型ETF(TOPIX) | 【1568】TOPIXブル2倍上場投信 | +191.19%(15,220円→44,320円) | 0%(0円) | 0.825% |
【1568】TOPIXブル2倍上場投信の直近5年間のトータルリターンは+191.19%となっており、信託報酬最安値のTOPIX連動型ETF【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETFの直近5年間のトータルリターンの単純な2倍(直近5年間の上昇率×2+分配金利回り×5=145.72%)を大きく上回っていることが分かります。
日経平均株価連動型ETF
日経平均株価連動型ETFと、レバレッジ型の日経平均株価連動型ETFの直近5年間の成績は次の通りです。
種類 | 銘柄名 | 直近5年間の上昇率 | 分配金利回り | 信託報酬 |
日経平均株価連動型ETF | 【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETF | +82.82%(21,490円→39,290円) | 1.54%(607円) | 0.0495% |
レバレッジ型ETF(日経平均株価) | 【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | +217.23%(8,530円→27,060円) | 0%(0円) | 0.88% |
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信の直近5年間のトータルリターンは+217.23%となっており、信託報酬最安値の日経平均株価連動型ETF【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETFの直近5年間のトータルリターンの単純な2倍(直近5年間の上昇率×2+分配金利回り×5=173.34%)を大きく上回っていることが分かります。
TOPIX・日経平均株価ともに、直近5年間ではレバレッジ型ETFのトータルリターンが通常のETFの2倍よりも大きくなっているのは、直近5年間では上昇期間が多かった点が要因と見られます。
コロナショックはあったものの、2020年や2023年など上昇の方が多かったことで、レバレッジ効果が上昇に大きく働いたと説明可能です。
結果的には、レバレッジ型ETFのトータルリターンは大きくなっていますが、一般論からすると、リスクが大きいことからレバレッジ型ETFへの長期投資がおすすめできないことには変わりありません。
原油先物連動型ETF
原油先物ETFと、レバレッジ型の原油先物ETNについて見ていきましょう。
種類 | 銘柄名 | 直近5年間の上昇率 | 分配金利回り | 信託報酬 |
原油先物ETF | 【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 | +11.06%(358円→397.6円) | 0%(0円) | 0.55% |
レバレッジ型ETF(原油先物) | 【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN | +51.19%(1,260円→1,905円) | 0%(0円) | 0.80% |
商品先物ETFには分配金が出ないため、レバレッジ型で分配金が出ないデメリットがデメリットになりません。
また、原油先物価格はドル建てのため、円安ドル高になっても為替差益でプラスとなります。
原油先物ETFも、レバレッジ型の方が直近5年間のトータルリターンは大きくなっています。
コロナショック時の下落率(2020年1月始値→4月安値)について見てみると、次の通りです。
・【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN:-91.61%(1,599円→134円)
・【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信:-84.96%(419円→63円)
いずれも大暴落となりましたが、そこまでは変わりません。
金(ゴールド)先物連動型ETF
金(ゴールド)先物ETFと、レバレッジ型の金(ゴールド)先物ETNについて見ていきましょう。
種類 | 銘柄名 | 直近5年間の上昇率 | 分配金利回り | 信託報酬 |
金(ゴールド)先物連動型ETF | 【1540】純金上場信託(現物国内保管型) | +105.70%(4,470円→9,195円) | 0%(0円) | 0.40% |
レバレッジ型ETF(金(ゴールド)先物) | 【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN | +288.54%(10,040円→39,010円) | 0%(0円) | 0.80% |
レバレッジ型の金(ゴールド)先物ETNは、通常の金(ゴールド)先物ETFの2倍どころではなく3倍近い上昇率になっていることが分かります。
これは、この期間に金(ゴールド)価格の上昇と円安ドル高による為替差益が重なり、レバレッジ効果がダブルで掛かったためと説明できます。
レバレッジ型の金(ゴールド)先物ETNは、直近5年間ではNASDAQ100指数連動型ETFよりも大きな上昇率となっていますが、一般論としてレバレッジ型の長期投資がおすすめできない点は変わりません。
今後、金(ゴールド)価格が下落し、円高ドル安になって下落した場合には、逆に下落方面にダブルのレバレッジ効果が働くリスクがあるためです。
インド株連動型ETF
インド株ETFと、レバレッジ型のインド株ETNについて見ていきましょう。
種類 | 銘柄名 | 直近5年間の上昇率 | 分配金利回り | 信託報酬 |
インド株ETF | 【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信 | +132.02(148円→343.4円) | 0%(0円) | 1.045% |
レバレッジ型ETN(インド株) | 【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN | +200.64%(9,250円→27,810円) | 0%(0円) | 0.85% |
ブル型ETFの一般論を説明できる事例です。
レバレッジ型のインド株ETN【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETNは、インド株ETF【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信のトータルリターンの2倍を下回っています。
レバレッジ型の長期投資を検討している方は、この数値の違いに注目してください。
これは、上記の月足チャートの2020年2~3月コロナショックの所を見てもらえれば分かるかと思いますが、レバレッジ型のインド株ETNは、ここで半分以下にまで大暴落した影響が長期的には尾を引いていると言えます。
実際の数値で見てみましょう。
まず、コロナショック時の下落率(2020年1月始値→2020年3月安値)は次の通りです。
・【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN:-64.95%(10,700円→3,750円)
・【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信:-37.65%(162円→101円)
続いて、コロナショック後から現在までの上昇率(2020年3月安値→2024年2月13日終値)は次の通りです。
・【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN:+641.60%(3,750円→27,810円)
・【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信:+240%(101円→343.4円)
コロナショック後の上昇率はインド株ETNの方が約2.7倍大きくなっていますが、コロナショック時の下落率で1.72倍となったことが響いており、2020年→2024年のトータルでは1.5倍程度となっています。
また、新NISAの成長投資枠を使う上では、レバレッジ型のインド株ETNの方が資金効率は良いものの、償還期間が2034年11月とあと10年しかない点にも注意が必要です。
結論:レバレッジ効果でブル型ETFがトータルリターンで上回ることもあるが、長期投資にはリスクがある
ブル型ETFの長期のトータルリターンについて見てきましたが、直近5年間では、日本株や金(ゴールド先物)のブル型ETFは、通常のETFのトータルリターンの2倍を上回っています。
※レバレッジ型のインド株ETNについては、2倍未満となっています。
直近5年間は上昇相場が続いたことで上昇期間が多く、レバレッジ効果が増幅されたことが原因です。
ただ一般論としては、ブル型ETFの長期投資はおすすめできない点に変わりありません。
例えば、日経平均株価について、直近5年間は次のようになっていました。
-2019年:上昇
-2020年:上昇(2~3月はコロナショックで下落)
-2021年:横ばい~やや上昇
-2022年:横ばい
-2023年:上昇
-2024年(1~2月):上昇
横ばいや下落が少なく上昇が多く、レバレッジ効果が上昇に多く働いたことによって、トータルリターンが大きなプラスになったと考えられます。
今後より長期的には、日経平均株価やTOPIXなどのインデックスは上昇していくことが期待されますが、横ばいや下落の割合は直近5年間より増えてもおかしくありません。
現に、直近5年間の成績(2019年2月→2024年2月14日終値)は、日経平均株価は+81.36%(20,788.39円→37,703.32円)、TOPIXは+65.18%(1,564.63→2,584.59)と、いずれも年率10%超です。
横ばいや下落の割合が増えると逓減効果が働くことにより、より長期的にはレバレッジ型ETFのトータルリターンは、通常のETFの2倍弱程度(値上がり益が2倍に収束しても、信託報酬や分配金の差で下回る)になると考えられます。
なお当サイトでは、長期投資には世界株ETFや米国株ETF(S&P500指数・NASDAQ100指数)をおすすめしています。
東証のブル型ETF・ETN一覧
東証のブル型ETF・ETNを一覧で見ていきましょう。
レバレッジ型ETF
レバレッジ型ETFは、日経平均株価やTOPIX、JPX日経インデックス400といった指数の変動率に対して2倍の値動きをするレバレッジ指数に連動するETFです。
TOPIX連動型レバレッジETF
「TOPIX レバレッジ(2倍)指数」は、「TOPIX(配当なし)」の前日比変動率に2倍を乗じた変動率となるように計算された指数です。
ただ、TOPIXは日経平均株価に比べるとボラティリティが小さいため、レバレッジ型ETFとしてはおすすめできません。
銘柄名 | 信託報酬(税込) | 短期投資 | 流動性 | パンフレット |
【1568】TOPIXブル2倍上場投信 | 0.825% | ★★★★ | ★★★ | リンク |
【1367】iFreeETF TOPIXレバレッジ(2倍)指数 | 0.825% | ★★ | ★★ | リンク |
日経平均株価連動型レバレッジETF
「日経平均レバレッジ・インデックス」は、「日経平均株価」の前日変動率の2倍となるように計算された指数です。
日経平均株価はTOPIXよりボラティリティが大きく、流動性も非常に高いため、日本株のトレードには最もおすすめのETFとなります。
銘柄名 | 信託報酬(税込) | 短期投資 | 流動性 | パンフレット |
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 0.88% | ★★★★★ | ★★★★★ | リンク |
【1579】日経平均ブル2倍上場投信 | 0.825% | ★★★★★ | ★★★★★ | リンク |
【1358】上場インデックスファンド日経レバレッジ指数 | 0.77825% | ★★★★ | ★★ | リンク |
【1365】iFreeETF 日経平均レバレッジ・インデックス | 0.825% | ★★★★ | ★★★ | リンク |
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 0.385% | ★★★★★ | ★★★★★ | リンク |
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信は、売買代金が1日100億円以上あり、全ETFの中で最も流動性が高い銘柄となっており、デイトレードにも全く問題ありません。
ただ、【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信は、信託報酬が高いというデメリットがあります。
日経平均株価でスキャルピングをするならともかく、5分足で行うデイトレードや日足で行うスイングトレードなら、信託報酬が低い【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型がおすすめです。
その他・レバレッジETF
TOPIX・日経平均株価以外のレバレッジ型ETFは次の通りです。
銘柄名 | 連動指数 | 信託報酬(税込) | 短期投資 | 流動性 | パンフレット |
【1572】中国H株ブル2倍上場投信 | ハンセン中国企業株レバレッジ指数 | 0.935% | ★★★ | ★★ | リンク |
【1464】iFreeETF JPX日経400レバレッジ・インデックス | JPX日経400レバレッジ・インデックス | 0.825% | ★ | × | リンク |
【1467】JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ) | JPX日経400レバレッジ・インデックス | 0.825% | ★ | × | リンク |
いずれの銘柄も流動性が低いため、手を出さないようにしておきましょう。
レバレッジ型ETN
ETNは「Exchange Traded Note(上場投資証券)」の略称で、ETFと違って裏付け資産を持たない点に特徴があります。
ただ、レバレッジ型ETNを含むETNの多くは、取引量が全くなく流動性リスクの塊となっていることに注意が必要です。
銘柄名 | 種類 | 連動指数 | 管理費用 | 短期投資 | 流動性 | パンフレット |
【2031】NEXT NOTES 香港ハンセン・ダブル・ブル ETN | 香港株 | ハンセン指数・レバレッジインデックス | 0.80% | ★ | × | リンク |
【2033】NEXT NOTES 韓国KOSPI・ダブル・ブル ETN | 韓国株 | 韓国総合株価指数200・レバレッジインデックス | 0.80% | ★ | × | リンク |
【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN | ゴールド先物 | 日経・JPX金レバレッジ指数 | 0.80% | ★★ | ★ | リンク |
【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN | 原油先物 | 日経・JPX原油レバレッジ指数 | 0.80% | ★★★ | ★★ | リンク |
【2040】NEXT NOTES NYダウ・ダブル・ブル・ドルヘッジ ETN | 米国株 | ダウ・ジョーンズ工業株価平均 レバレッジ(2倍)・インデックス(円ヘッジ・プライスリターン) | 0.80% | ★★ | ★ | リンク |
【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN | インド株 | Nifty50 レバレッジ(2倍) インデックス(プライスリターン) | 0.85% | ★★ | ★ | リンク |
唯一、原油先物価格のレバレッジ型ETN【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETNだけは流動性があるため、短期投資も可能です。
また、ETNは償還期間が上場から約20年後に設定されているため、仮に長期投資をするにしても新NISAとの噛み合いがよくないことにも注意が必要です。
レバレッジ型ETNの全銘柄の解説については、下記記事を参照ください。

長期投資におすすめのブル型ETF(当サイトでは非推奨)
ブル型ETF(レバレッジ型ETF)は長期投資におすすめできないということが、ETF投資の一般論となります。
「それでも、どうしてもブル型ETFに長期投資したい!」という場合におすすめの銘柄について紹介していきたいと思います。
ただ、あくまで「ブル型ETF(レバレッジ型ETF)の中で長期投資するとしたら?」という問いに答えるものであり、当サイトでは推奨しません。
【1367】ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数
【1367】ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、大和アセットマネジメントが運用する、「TOPIX レバレッジ(2倍)指数」に連動するレバレッジ型ETFです。
「TOPIX レバレッジ(2倍)指数」は、「TOPIX(配当なし)」の前日比変動率に2倍を乗じた変動率となるように計算された指数です。
なお、「TOPIX」は、東証プライム市場に上場している全銘柄の時価総額加重平均によって算出される日本株を代表する株価指数となっており、トヨタやソニーグループなど時価総額が大きい銘柄の比重が高いことが特徴となっています。
信託報酬(税込) | 0.825% |
分配金 | 0円(年1回) |
分配金利回り | 0% |
直近5年間の値動き | +184.34%(11,820円→33,610円) |
必要投資金額 | 33,610円(1口) |
上場日 | 2015年1月6日 |
長期投資おすすめ度 | ★★★ |
流動性 | ★★ |
TOPIXにレバレッジを掛けて長期投資したいなら、こちらの銘柄となります。
なお、レバレッジ型のTOPIX連動型ETFは【1568】TOPIXブル2倍上場投信もあり、信託報酬は変わらず、流動性はこちらの方が高いですが、10株からとなっており最低投資金額が約45万円と高いため、時間分散の観点からおすすめできません。
ただ、信託報酬は高く、分配金(通常のTOPIX連動型ETFなら2.00%程度)も出ないため、長期投資におすすめはできません。
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型は、楽天投信投資顧問が運用する、「日経平均レバレッジ・インデックス」に連動するレバレッジ型ETFです。
「日経平均レバレッジ・インデックス」は、「日経平均株価」の前日変動率の2倍となるように計算された指数です。
なお、「日経平均株価」は、東証プライム市場に上場している代表的な225銘柄の株価平均で算出される株価指数となっており、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど値嵩株の影響を受けやすい点が特徴となっています。
信託報酬(税込) | 0.385% |
分配金 | 0円(年1回) |
分配金利回り | 0% |
直近5年間の値動き | +223.10%(9,740円→31,470円) |
必要投資金額 | 31,470円(1口) |
上場日 | 2015年7月15日 |
長期投資おすすめ度 | ★★★★ |
流動性 | ★★★★★ |
日経平均株価のレバレッジ型ETFで最も信託報酬が低いことから短期投資でもおなじみの銘柄ですが、信託報酬が低いことから長期投資でもこちらの銘柄が最もおすすめとなります。
日経平均株価は、TOPIXに比べると値上がり益の方が分配金(日経平均株価連動型ETFは1.50%程度)より大きいため、レバレッジ型の長期投資はTOPIXより期待できると言えます。
ただ、当然リスクも大きく、信託報酬は日経平均株価連動型ETFよりも高く、分配金が出ないことから、ETF投資の一般論からするとおすすめ度は下がります。
【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN
【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETNは、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイが発行している、「Nifty50 レバレッジ(2倍) インデックス(プライスリターン)」に連動するレバレッジ型ETN(インド株)です。
「Nifty50 レバレッジ(2倍) インデックス(プライスリターン)」は、「Nifty50指数(プライスリターン)」の前日比変動率2倍に連動するレバレッジ指数です。
なお、「Nifty50指数」とは、インド・ナショナル証券取引所の主要50銘柄で構成される時価総額加重平均型の指数となっています。
管理費用 | 0.85% |
直近5年間の値動き | +198.10%(9,250円→27,575円) |
必要投資金額 | 27,575円(1口) |
上場日 | 2014年11月18日 |
償還日 | 2034年11月6日 |
長期投資おすすめ度 | ★★★ |
流動性 | ★ |
インド株のレバレッジ型ETNです。
管理費用0.85%と、インド株ETF【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信(信託報酬1.045%)より手数料が低いという逆転現象が起こっています。
ETNには分配金が出ないものの、インド株ETF【1678】にも出ないためデメリットになりません。
ただ、ETNには償還期間があり、2034年11月となっているため、非課税期間が恒久化した新NISAとの噛み合いはよくありません。
信託報酬と分配金がデメリットになっていないものの、償還期間の点からインド株ETF【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信の方が長期投資にはおすすめとなります。
人口動態が強いインド経済は2034年を超えても成長が期待できるため、ETNで償還期間が設定されている点が痛恨です。
【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN
【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETNは、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイが発行している、「日経・JPX原油レバレッジ指数」に連動するレバレッジ型ETN(原油先物)です。
「日経・JPX原油レバレッジ指数」は、「日経・JPX原油指数」の前日比変動率2倍に連動するレバレッジ指数です。
なお、「日経・JPX原油指数」は、東京商品取引所に上場されている原油先物について流動性の高い限月を対象限月とした価格を基に算出される指数となっています。
管理費用 | 0.80% |
直近5年間の値動き | +53.57%(1,260円→1,935円) |
必要投資金額 | 1,935円(1口) |
上場日 | 2013年4月19日 |
償還日 | 2033年2月7日 |
長期投資おすすめ度 | ★★ |
流動性 | ★★ |
レバレッジ型の原油先物ETNです。
こちらは、コロナショック時のような原油価格暴落局面において、条件付きで長期投資に可能性がある銘柄です。
原油価格はドル価格であるため、原油先物価格の上昇に加えて、円安ドル高による為替差益にもレバレッジ効果が乗ります。
原油先物ETFには分配金が出ないため、ETNに分配金が出ないこともデメリットになりません。
今から長期投資するのはおすすめできませんが、コロナショック時の2020年4月に付けていた134円から見ると、15倍以上になっています。
今後、再びコロナショックのような原油先物価格の暴落が来た際には、長期投資を検討してみてもよいでしょう。
償還期間が2033年2月となっている点には注意が必要です。
【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN
【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETNは、ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイが発行している、「日経・JPX金レバレッジ指数」に連動するレバレッジ型ETN(ゴールド先物)です。
「日経・JPX金レバレッジ指数」は、「日経・JPX金指数」の前日比変動率2倍に連動するレバレッジ指数です。
なお、「日経・JPX金指数」とは、大阪取引所に上場されている金先物について流動性の高い限月を対象限月とした価格を基に算出される指数となっています。
管理費用 | 0.80% |
直近5年間の値動き | +284.46%(10,040円→38,600円) |
必要投資金額 | 38,600円(1口) |
上場日 | 2013年4月19日 |
償還日 | 2033年2月7日 |
長期投資おすすめ度 | ★★★ |
流動性 | ★ |
金(ゴールド)のレバレッジ型ETNです。
直近5年間では、金(ゴールド)価格が上昇し、さらに円安ドル高による為替差益にもレバレッジ効果が働いたこともあり、直近5年間ではNASDAQ100指数をも超える上昇率となっています。
ダブルのレバレッジ効果により、通常のゴールドETFの約3倍の上昇率となっています。
ただ、これから投資するにはリスクが大きいと言わざるを得ません。
今後、金(ゴールド)価格が下落して、円高ドル安になった場合には、ダブルで下落方面にレバレッジ効果が乗るためです。
おすすめ銘柄ではなく、あくまで紹介という位置付けになります。
短期投資におすすめのブル型ETF
デイトレードやスイングトレードといった短期投資におすすめのブル型ETFを見ていきましょう。
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型は、楽天投信投資顧問が運用する、「日経平均レバレッジ・インデックス」に連動するレバレッジ型ETFです。
信託報酬(税込) | 0.385% |
分配金 | 0円(年1回) |
分配金利回り | 0% |
直近5年間の値動き | +223.10%(9,740円→31,470円) |
必要投資金額 | 31,470円(1口) |
上場日 | 2015年7月15日 |
短期投資おすすめ度 | ★★★★★ |
流動性 | ★★★★★ |
短期投資においては、日経平均株価の方がTOPIXよりもボラティリティが大きく、流動性も大きいためおすすめです。
レバレッジ型の日経平均株価連動型ETFの中では、最も信託報酬が低く、流動性も十分にあるためデイトレードやスイングトレードに適しています。
短期投資においては、この銘柄さえ押さえておけば問題ありません。
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「日経平均レバレッジ・インデックス」に連動するレバレッジ型ETFです。
信託報酬(税込) | 0.88% |
分配金 | 0円(年1回) |
分配金利回り | 0% |
直近5年間の値動き | +213.13%(8,530円→26,710円) |
必要投資金額 | 26,710円(1口) |
上場日 | 2012年4月12日 |
短期投資おすすめ度 | ★★★★★ |
流動性 | ★★★★★ |
レバレッジ型の日経平均株価連動型ETFでは、最も流動性が大きい銘柄となっています。
1日の売買代金が100億円どころか、1,000億円を超える日もあるほどです。
ただ、デイトレードやスイングトレードではここまでの流動性は必要なく、信託報酬が低い【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型で十分です。
より短期のスキャルピングをするような場合には、おすすめの銘柄となります。
レバレッジ型ETFの短期投資においては、以上の銘柄さえ押さえておけば問題ありません。
TOPIXのレバレッジ型ETFはボラティリティ・流動性で日経平均に比べると劣り、JPX日経400のレバレッジ型ETFは流動性がなさ過ぎて手を出してはいけない銘柄です。
また、レバレッジ型ETNでは、【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETNだけは何とか取引できる程度の流動性はありますが、それ以外の銘柄は短期投資できるほどの流動性がありません。
ブル型ETFとベア型ETFの両建ては有効?
「ブル・ベアの両建ては有効でしょうか?」という疑問を持つ方がいるかもしれません。
結論から言うと、手数料が掛かるだけで意味がありません。
※相場師が、建玉操作の一環として行う場合は例外です。
そもそも、東証ETFでは、ブル型(レバレッジ型)は2倍、ベア型(インバース型)は-1倍であるため、同数を両建てしてもブル型の方が大きくなってしまいます。
ブル型をn株買って、ベア型を2n株買えば、同倍率での両建てになりますが、手数料が発生するだけで意味がありません。
それに、ブル型・ベア型のいずれも、長期的には逓減していく効果もあるため、損するだけです(ブル型・ベア型の値動きで値動きが相殺されても、逓減効果で損してしまいます)。
逆に、ブル型・ベア型の逓減効果や信託報酬控除により長期的にはやや逓減していく性質を生かして、ブル型・ベア型を空売りで両建てするというアイデアがあるかもしれません。
しかし、制度信用取引を使うとなると、売方金利(貸株料)が約1%掛かり、結局手数料が掛かるだけです。
また、一般論としてブル型は長期的に逓減していくとされますが、金先物ETN【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETNのように、金価格の上昇と円安ドル高による為替差益のダブル利益となって、そこにレバレッジが掛かることで逆に3倍近い上昇となる場合もあります。
市場にフリーランチは落ちておらず、下手に両建てなどをしても、証券会社やファンドに手数料で中抜きされるだけです。
素直に、新NISAを使って長期のインデックス投資をしましょう。
まとめ
この記事では、ブル型ETFの仕組みや特徴について解説し、東証のブル型ETF・ETNを一覧で紹介した上で、おすすめの銘柄を紹介してきました。
ブル型ETFことレバレッジ型ETFは、一般的には短期投資向けの銘柄となっており、信託報酬が高く、分配金が出ないことなどから長期投資にはおすすめできません。
ただ、直近5年間(2019年~2024年)では、資産価格の上昇や円安ドル高が進行したことにレバレッジ効果が働いたことにより、レバレッジ型ETFは通常のETFの2倍よりも大きなトータルリターンとなっています。
とはいえ、より長期的に考えると、横ばいや下落の割合が増えて逓減効果が働くことにより、レバレッジ型ETFのトータルリターンは、通常のETFの2倍弱程度(値上がり益が2倍に収束しても、信託報酬や分配金の差で下回る)になると考えられます。
東証のブル型ETFとしては、ボラティリティが大きい日経平均株価連動型で信託報酬が低い【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型は必ず押さえておくようにしましょう。
ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!
新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。
マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。
また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。
マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。
