ETFと株式投資の違いとは?初心者にはどっちがおすすめかを解説!

「ETFと株の違いとは?」「ETFと株はどちらがおすすめ?」「株に比べたETFのメリット・デメリットは?」など、お困りではありませんか?

投資と聞くと個別株に投資する株式投資を連想する方が少なくありませんが、リスクの小さいETFという方法もあります。

ETFは低リスクで長期的なリターンが期待できるため新NISAを使った長期投資に適する一方、株式投資はハイリスク・ハイリターンで短期投資に強いことがメリットです。

この記事では、ETFと株の違いについて解説した上で、株に比べたETFのメリット・デメリット、ETFの中でも株式連動型ETFについて紹介しています。

 

ETFと株の違いについて

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略称で、「上場投資信託」とも呼ばれる金融商品です。

ETFは、TOPIXや日経平均株価、S&P500指数といった指数(インデックス)に連動するように運用されています。

投資と聞くと、トヨタ自動車やソフトバンクグループ、任天堂といった、個別株への投資を連想する方が多いかと思いますが、ETFは複数の銘柄に分散投資された商品です。

例えば、東証プライム市場の全銘柄で構成されるTOPIX連動型ETFは、東証プライム市場全銘柄に分散投資された金融商品となっています(より正確に言うと、TOPIXは時価総額加重平均型のため、時価総額が大きい銘柄の運用比率が高くなっています)。

ETFやインデックス投信などの指数に連動する商品で資産形成することは「インデックス投資」と呼ばれます。

一方、株式投資は、【7203】トヨタ自動車や【9984】ソフトバンクグループといった個別株で資産形成するものです。

ETFと株の主な違いは、次の表の通りです。

ETF
リスク・リターン ローリスク・ミドルリターン ハイリスク・ハイリターン(銘柄による)
配当金 分配金 配当金
長期投資 ×~◎(銘柄による)
スイングトレード・デイトレード ◎(銘柄による)
必要資金 少ない 多い(単元株制度の弊害)
手数料 売買手数料、信託報酬 売買手数料
信用取引 可能 可能
取引時間 東証9:00~15:00 東証9:00~15:00
新NISA 成長投資枠(最大1,200万円)で投資可能 成長投資枠(最大1,200万円)で投資可能

 

リスク・リターン

ETFの特徴は、1つの銘柄で複数銘柄に分散投資されているためリスクが軽減されていることにあります。

一方、個別株投資は、1つの銘柄に集中投資してしまうと、その銘柄が暴落した際には資金の大半を失うことにもなります。

ETFのリスクを具体的な数値として見ると、リーマンショックのとき、S&P500指数は2007年10月に付けた高値1576.09から2009年2月には666.79まで-57.69%下落しました。

また、S&P500指数は、2007年10月の高値を回復したのは2013年4月と、5年6ヶ月掛かっています。

米国株ETFや世界株ETFの最大リスクは、この程度だと認識しておくようにしましょう。

また、長期的に見ると、S&P500指数連動型ETFは、1~2年に1度程度は-15%前後の下落となることがあります。

ただ、多くのETFは長期的には上昇を続けており、長期・積立・分散投資をすることで、高確率で資産形成が期待できます。

とはいえ、ETFのリターンという観点で見ると、最も値上がりが期待されるNASDAQ100指数連動型ETFであっても年平均20~30%程度となっており、基本的には年率平均5~10%程度を期待することになるかと思います。

一方、株式投資のリスク・リターンは、銘柄によってローリスク・ローリターンからハイリスク・ハイリターンまでさまざまです。

東証プライム市場の大型株はローリスク・ローリターンの銘柄が多く、東証グロース市場・東証スタンダード市場の新興銘柄はハイリスク・ハイリターンの銘柄が多いことが特徴です。

リスクという点で見ると、分散投資の差からして、個別株でETFよりもリスクが低い銘柄はないと断言してよいかと思います。

個別株の長期投資はギャンブルのようなものであり、数年後の株価を予測することはほぼ不可能に近いということが現実です。

ただ、リターンという点で見ると、株は年間10倍(1,000%)のリターンとなるテンバガー株も毎年のように輩出されており、その最大値はETFとは比べ物になりません。

とはいえ、そのような銘柄は本当に一握りであり、リターンの期待値で見ると、ETFの方が高いと言えます。

なお管理人は、長期の資産形成はNISAを使ったETF投資で行っており、トレードは個別株(スイングトレードは東証プライム市場の銘柄、デイトレードは東証グロース市場・東証スタンダード市場の銘柄)で行っています。

逆に、ETFでのトレード、個別株投資の長期投資は一切行っていません。

 

配当金

株式投資では、銘柄ごとに決められた権利確定日に、その銘柄を保有していることで、証券会社の口座に配当金が支払われる仕組みとなっています。

ETFも同様に、銘柄ごとに決められた権利確定日(分配金支払い基準日)に、その銘柄を保有していることで、証券会社の口座に分配金が支払われます。

株の配当金と、ETFの分配金は、ほぼ同じものです。

いずれも、配当利回り(分配金利回り)が3%以上の銘柄は、高配当銘柄や高配当ETFと呼ばれています。

配当金(分配金)を、同じ銘柄に再投資する「配当金再投資(分配金再投資)」も、資産を雪だるま式に増やす効果があり有効です。

株では【2914】JTや【9434】ソフトバンクなど配当利回りが5%以上の銘柄も珍しくありませんが、ETFでは日本株の高配当ETFやREIT型ETFで分配金利回り3~4%が限度となっています。

ただ、配当金(分配金)を目的とする投資としても、個別株は減配リスクがあるため、集中投資にはリスクがあります。

ETFの分配金再投資については、下記記事を参照ください。

ETFの分配金再投資とは?分配金再投資を自動化する方法や分配金再投資におすすめの銘柄を紹介!
「ETFの分配金再投資とは?」「分配金再投資を自動化する方法とは?」「分配金再投資におすすめのETFって?」など、疑問に思っていませんか?ETFは保有していることで分配金が支払われますが、この分配金を同じ銘柄に再投資する「分配金再投資」を行...

なお、個別株の場合は配当金と同時に株主優待が貰える銘柄もありますが、ETFでは株主優待は一切ありません。

 

長期投資

長期投資という観点で見ると、ETFの方が個別株投資よりも向いていると言えます。

管理人は、インデックス投資のコンテンツ作成に加えて、外部メディア向けには個別銘柄のコンテンツ作成もしており、ETFは全銘柄、個別銘柄についても月足チャートを数千銘柄以上は定期的に見ています。

個別銘柄を月足チャートで見てみると、半導体株のように全面高となっているセクターもありますが、長期的には厳しい値動きとなっている銘柄が目立つことが現状です。

一方、ETFの大半は、当サイトでおすすめしていない銘柄も含めて、月足チャートで見てみると大半の銘柄が右肩上がりのプラスになっています。

百聞は一見に如かずということで、これについて詳しくは実際に自分の目で見て確認してみてください。

さらに、日本株への個別株投資の場合は、単元株制度があるため分散投資しづらい点が致命的です。

 

スイングトレード・デイトレード

スイングトレード・デイトレードなどの短期投資においては、ETFよりも個別株の方が圧倒的に向いています。

ETFには、短期投資向けのレバレッジ型ETF・ダブルインバース型、VIX指数連動型ETFなどがありますが、個別株に比べると流動性・ボラティリティーが低いためトレードには向いていないと言わざるを得ません。

 

必要資金

必要投資資金という観点で見ると、ETFの方が個別株よりも圧倒的に優れています。

ETFは、1株から投資できる銘柄もあり、数万円から投資可能です。

一方、日本株は、東証では1単位=100株という単元株制度を導入しているため、必要投資金額が多くなってしまいます。

例えば、高配当株の5大商社株や3大通信キャリア株に分散投資したいとなっても、各100株ずつ投資しなければいけないため数百万円必要になってしまいます。

東証の単元株制度は、ポートフォリオ可能性を狭め、少額投資したい個人投資家や外国人投資家への弊害にもなっており、百害あって一利なしの最悪の制度です。

東証には、今すぐに単元株制度を撤廃してもらいたいものです。

なお、日本株には株式分割が行われることがあり、買い要因の一つともなりますが、これは単元株制度の弊害を解消するために行われるものです。

ETFには株式分割は基本的にありませんが、1口1株や10株など少額投資できる銘柄がほとんどのため、なんら問題ありません。

 

手数料

手数料という観点から見ると、個別株の方が有利だと言えます。

手数料として売買手数料が発生することは株・ETFで共通していますが、売買手数料はSBI証券や楽天証券では無料となっているため気にならないと言えるでしょう。

ETFではファンドに支払う信託報酬が発生する一方で、個別株では信託報酬が発生しません。

信託報酬は多くの銘柄で下がってきているものの、信託報酬がある分だけETFの方が株よりも不利だとは言えるでしょう。

 

信用取引

信用取引は、ETF・株ともに貸借銘柄であれば、制度信用取引で最大3.3倍まで取引可能となっています。

ただ、ETFの投資目的は主に長期投資にあるため、信用取引は可能ですが、おすすめしません。

そもそも制度信用取引の取引期限は半年間であり、買い方金利を払うことになってしまうため、長期投資では使う旨味が全くありません。

また、ETFは空売りも可能ですが、空売りに適する銘柄はほとんどなく、個別株投資の方がおすすめです(そもそもETFを空売りするなら、ダブルインバース型やVIX指数を買えばいいだけのことです)。

一方、個別株投資では、スイングトレード・デイトレードといった短期投資をする上で非常に便利なため、信用口座を開設しておくのは必須と言えるでしょう。

ただ、トレードで信用取引を使う場合には、建玉操作をするために使うことが基本であり、集中投資する場合には資金管理ルールおよび損切り規律ができていることが必須です。

当サイトの目的である、新NISAを使った長期・積立・分散投資による資産形成という文脈からすると、信用取引は一切使う必要はありません。

 

取引時間

株・ETFともに、東証が開いている朝9:00から15:00までの間に取引可能となっています。

ただ、ETFの多くは流動性が高くないため、取引量が最も多くなる寄り付き(9:00)もしくは大引け(15:00)に、引成の成行注文で投資することをおすすめします。

 

新NISA

2014年から始まった一般NISAでは、株・ETFともに年間120万円×5年間の最大600万円まで投資可能となっています。

2024年から始まる新NISAでは、一般NISA枠にあたる成長投資枠が最大1,200万円まで拡大されます。

特に、非課税期間が恒久化されるため、配当金・分配金が恒久的に非課税となることが大きなポイントです。

当サイトでは、成長投資枠(1,200万円)で米国株ETF・世界株ETFに投資し、枠を使い切ったら、つみたて投資枠(残り600万円分)で同種の投信に投資することを推奨しています。

配当金が恒久的に非課税となるため、成長投資枠の一部で【2914】JTや【9434】ソフトバンクなどの高配当株に投資するのもありでしょう。

新NISAを使ったETF投資について、より詳しくは下記記事を参照ください。

新NISA(成長投資枠)で投資すべきETFはどれ?つみたて投資枠のおすすめ銘柄も紹介!
「2024年から始まる新NISAって?」「新NISAで投資すべきETFはどれだろう?」「新NISAの成長投資枠を使い終わったら、つみたて投資枠では何に投資すればいいの?」など、新NISAについて疑問に思っていませんか?NISAは2024年か...

 

ETFを株と比較したメリット

ETFを株と比較した場合のメリットについて見ていきましょう。

 

長期投資に強く、新NISAにおすすめ

ETFは、指数(インデックス)に連動する銘柄がほとんどのため、長期投資には個別株投資よりもおすすめです。

インデックス投資が個別株投資より長期投資に強い理由は、指数(インデックス)の算出方法にあります。

TOPIXやS&P500指数、NASDAQ100指数などは、時価総額加重平均型となっており、時価総額が大きい成長株の構成比率が大きくなるようになっています。

現に、S&P500指数の構成銘柄上位はGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといった世界時価総額ランキングトップの銘柄が中心です。

つまり、時価総額加重平均型のインデックスは、産業構造の変化に対応して、自動的に構成銘柄の入れ替えが行われているということです。

日経平均株価やダウ平均株価は株価平均型であり時価総額加重平均型ではありませんが、これらの指数も産業構造の変化に対応して定期的に銘柄入れ替えが行われています。

個別株投資だと、その個別株もいつかは古くなってしまうという欠点があります。

2010年代以降は半導体株がとにかく強いですが、2020年代以降は分かりません。

AI向け半導体などGPU世界大手の【NVDA】NVIDIAが強いため、「とにかくNVIDIAに積立投資すればいい」といった意見もありますが、少なくとも管理人は推奨しません。

もしかしたら、NVIDIAが没落する可能性もあるためです。

一方、米国株ETFや世界株ETFにインデックス投資していれば、仮にNVIDIAが覇権企業となった場合には、構成銘柄比率という形でしっかりと反映されます。

このような性質があるため、インデックス投資は後出しジャンケンのようなものとなり、個別株投資に比べて長期投資で有利であると言えます。

新NISAの成長投資枠には、米国株ETFや世界株ETFがおすすめです。

 

分散投資されていてリスクが小さい

ETFは、一つの銘柄に投資するだけで、複数銘柄への分散投資ができるため、リスクという観点で見ると個別株に比べて圧倒的に優れています。

分散投資によるリスクヘッジは、値上がり益はもちろんですが、分配金においても同様です。

配当利回りが高い高配当株も、業績悪化による減配リスクは避けられず、かつて高配当株として人気だった【7201】日産自動車も減配発表とともに大暴落となりました。

値上がり益・分配金利回りともに、ETFは個別株のリターンに比べると小さくなる傾向がありますが、これは分散投資によるリスクヘッジの結果です。

 

少額投資で始められる

ETFは、1単元=100株の単元株制度の影響を受けず、1口=1株や1口=10株から投資できる銘柄が多いため、個別株に比べて少額投資で始められます。

これは単元株制度があることによる個別株のデメリットですが、この影響を受けないだけでもETFにはメリットがあります。

 

ETFを株と比較したデメリット

ETFを株と比較した場合のデメリットについて見ていきましょう。

 

短期投資では個別株の方が優れる

スイングトレードやデイトレードといった短期投資においては、ETFよりも個別株の方が圧倒的に優れていると言えます。

個別株は、話題となっている人気銘柄が入れ替わって出現するため、利益のチャンスがほぼ常にあります。

ETFにもレバレッジ型・ダブルインバース型・VIX指数など短期投資向けの銘柄はあるものの、個別株の最強の銘柄・最弱の銘柄に比べると、ボラティリティー(値動き幅)が弱いと言わざるを得ません。

 

流動性リスクがある銘柄が多い

ETFは、個別株に比べると、取引量が少なく「流動性リスク」がある銘柄が多いことには注意が必要です。

短期投資をするには、最低でも1日の売買代金が10億円は必要ですが、この条件を満たすETFは全体で10銘柄あるかどうかです。

長期投資をするにも、できれば1日の売買代金が1億円程度は欲しい所であり、取引量が最も多くなる大引けや寄り付きで投資しないと、流動性リスク分のだけ損してしまうケースも多々あります。

個別株は、売買代金ランキングを参照すれば、すぐに人気銘柄を取引できるため、この点においてはETFよりも圧倒的に優れており、短期投資においても優れている理由の一つです。

 

信託報酬が発生する

非常に小さい値ではありますが、信託報酬が発生することは、ETFを個別株と比べた際のデメリットとなります。

ETFの信託報酬は、日々価格から控除されていく形で発生します。

とはいえ、これはETFの分散投資におけるコストと考えれば、余りにも小さいコストです。

ETFのポートフォリオを、自分の手で個別銘柄を集めて行おうとすると、最低でも数百万円(日本株の場合は単元株制度があるため数億円)は必要となり、世界株の場合は米国市場だけではなく世界中の市場にアクセスできる必要があります。

そのコストを考えたら、ETFではファンドに支払う信託報酬は非常に小さく、お得であるとしか言いようがありません。

では、なぜETFはこのように有利なのかというと、スケールメリットを生かした金融商品であるためです。

ETFを通して米国株や世界株に分散投資して資産運用したいと考える投資家が多いため、ファンドはインデックス投信を運用して多くの投資家から信託報酬を集めることによって商売として成り立っています。

 

投資初心者におすすめはETFと株のどっち?

ETFと株の、どちらが投資初心者におすすめなのかは、投資の目的や投資スタイルによって異なってきます。

長期投資や新NISAの積立をしたいならETFがおすすめで、スイングトレードやデイトレードといった短期投資をしたいなら株がおすすめです。

 

長期投資ならETFがおすすめ

投資初心者が長期投資したいなら、ETFがおすすめです。

そもそも投資経験がある上級者にとっても、長期の個別株投資はギャンブルのようなものであるため、自動的に産業構造の変化に対応できるインデックス投資で年率5%を狙うことが合理的です。

ただ、ETFには流動性リスクがあるため、米国株ETFや世界株ETFといった長期投資に適する銘柄であっても、引成の成行注文を使って、取引量が最も多くなる大引けに取得することをおすすめします。

 

トレードなら個別株がおすすめ

スイングトレード・デイトレードといった短期投資をしたい場合には、個別株がおすすめです。

ETFにもレバレッジ型やダブルインバース型、VIX指数などがありますが、日中はほとんど動かないため、利益のチャンスが少ないと言わざるを得ません。

個別株なら、東証プライム市場の人気銘柄や、東証グロース市場・東証スタンダード市場の新興銘柄など、流動性・ボラティリティーともに十分にある銘柄が多数あります。

トレードをする銘柄を選ぶ場合には、売買代金ランキングから東証プライム市場の銘柄を選ぶことがおすすめです。

ただ、資金管理のルールや損切り規律ができていない場合に、東証グロース市場の新興銘柄を信用取引してしまうと、一発退場となってしまうリスクがあるため注意しておきましょう。

 

おすすめの株式連動型ETF9選!

株で構成されている株式連動型ETFの中でも、おすすめの銘柄を押さえておきましょう。

なお、当サイトでは、特に次の3銘柄について、新NISAを使った長期・積立・分散投資でおすすめしています。
-世界株ETF:【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信
-米国株ETF:【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信
-米国株ETF(ハイリスク・ハイリターン):【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信

※各種データは2023年10月24日終値時点の値です。

 

世界株ETF!【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信

【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する世界株ETFです。

日本を含む世界株ETFとしては、最も代表的な銘柄で、通称「オルカン」とも呼ばれます。

「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」は、全世界の大型株・中型株約2,900銘柄を対象に時価総額加重平均で算出される、代表的な世界株指数です。

全世界の時価総額が大きい銘柄が対象となるため、指数の6割程度は米国株が占めており、その分はほぼ「S&P500指数」と同じです。

信託報酬(税込) 0.0858%
分配金 259円(年2回)
分配金利回り 1.62%
直近5年間の値動き +56.71%(10,200円→15,985円)
必要投資金額 15,985円(1口)
上場日 2020年1月9日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★
ドル比率 62.4%

※ドル比率の出典:三菱UFJアセットマネジメント

ETFの長期・積立・分散投資において、最も基本となる銘柄です。

S&P500指数に連動する米国株と比べると、直近5年間の値上がり益では差があるものの、分配金利回りの値が大きくなっています。

 

米国株(S&P500指数)ETF!【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信

【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「S&P500指数」に連動する米国株ETFです。

「S&P500指数」は、米国市場を代表する500銘柄で構成され、時価総額ベースで算出される米国株指数です。

米国市場の時価総額の約75%を占めており、ダウ工業平均株価よりも米国市場全体の状態を表す株価指数となっています。

時価総額加重平均型であるため、時価総額が大きいGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといった銘柄の構成比率が高い点が特徴です。

信託報酬(税込) 0.077%
分配金 225円(年2回)
分配金利回り 1.23%
直近5年間の値動き +79.27%(10,180円→18,250円)
必要投資金額 18,250円(1口)
上場日 2020年1月9日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★
ドル比率 100%

世界株ETFと並んで、NISAを使ったETFの長期・積立・分散投資において最も基本となる銘柄の一つです。

S&P500指数連動型ETFの中では、信託報酬が低く、流動性が最も大きい銘柄となっています。

世界株ETFのドル比率は6割程度である一方、米国株ETFのドル比率は100%であるため、円安ドル高になるとよりプラスになりやすくなっています。

ETF投資における基本銘柄として押さえておきましょう。

 

米国株(NASDAQ100指数)ETF!【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信

【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「NASDAQ100指数」に連動する米国株ETFです。

「NASDAQ100指数」は、米国の新興市場NASDAQに上場する時価総額が大きい100銘柄(金融業を除く)で構成される指数です。

「NASDAQ100指数」は、「S&P500指数」よりもGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといった時価総額が大きい有力銘柄の比率をより高めた指数となっています。

信託報酬(税込) 0.22%
分配金 57円(年1回)
分配金利回り 0.25%
直近5年間の値動き +151.86%(8,830円→22,240円)
(参考)2020年1月~の値動き +132.15%(9,580円→22,240円)
必要投資金額 22,240円(1口)
上場日 2010年8月16日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★★
ドル比率 100%

NASDAQ100指数に連動する同銘柄は、直近5年間で約2.5倍の値上がり益となっており、これは全ETF中でもトップクラスの数値となっています。

リターンを求めてETF投資をするとしたら、最有力の銘柄です。

NISA枠を使った長期・積立・分散投資にもおすすめの銘柄ですが、分配金はほとんど出ないことには注意しておきましょう。

 

先進国株ETF!【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信

【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する先進国株ETFです。

「MSCI-KOKUSAIインデックス」は、日本以外の先進国株式で構成される時価総額加重平均型の先進国株指数です。

日本を含まない先進国株としては、代表的な銘柄となります。

信託報酬(税込) 0.165%
分配金 65.7円(年2回)
分配金利回り 1.50%
直近5年間の値動き +74.89%(2,490円→4,355円)
(参考)2020年1月~の値動き +71.86%(2,534円→4,355円)
必要投資金額 43,550円(10口)
上場日 2010年11月25日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性
ドル比率 74.1%

※ドル比率の出典:三菱UFJアセットマネジメント

米国株ETFと世界株ETFの中間のような銘柄です。

ただ、信託報酬と流動性においては、米国株ETFと世界株ETFに比べて悪く、むしろ先進国株投信の方が、信託報酬が低い銘柄もあります(「たわらノーロード 先進国株式」など)。

 

日本株(日経平均株価)ETF!【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETF

【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「日経平均トータルリターン・インデックス」に連動する日本株ETFです。

「日経平均トータルリターン・インデックス」は、日経平均株価の配当込みの指数ですが、日経平均株価と同じと認識して問題ありません。

日経平均株価(日経225)は、東証プライム市場に上場している代表的な225銘柄を対象に、株価平均によって算出される株価指数です。

日経平均株価は、日本経済新聞が選定した主要225銘柄の株価平均から算出されることが特徴となっており、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど日経平均を構成する値嵩株の影響を受けやすくなっています。

日本株のインデックス投資においては、TOPIXよりもリスク・リターンが高い株価指数のため、日本株でリターンを狙いに行きたい場合にはTOPIXよりもおすすめです。

信託報酬(税込) 0.0495%
分配金 570円(年2回)
分配金利回り 1.76%
直近5年間の値動き +29.69%(24,950円→32,360円)
(参考)2020年1月~の値動き +34.38%(24,080円→32,360円)
必要投資金額 32,360円(1口)
上場日 2001年9月5日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★

日経平均連動型ETFの中では、最も信託報酬が低い銘柄となっており、流動性も問題ありません。

日本株ETFでリターンを狙いたい場合にはおすすめです。

 

日本株(TOPIX)ETF!【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETF

【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「TOPIX(配当込み)」に連動する日本株ETFです。

TOPIX(東証株価指数、Tokyo Stock Price IndeX)は、東証プライム市場に上場する全ての銘柄を対象に時価総額加重平均で算出される日本株の株価指数です。

TOPIXは東証プライム市場に上場している全銘柄の時価総額加重平均型となっているため、トヨタやソニーなど時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすくなっています。

信託報酬(税込) 0.0495%
分配金 49円(年2回)
分配金利回り 2.11%
直近5年間の値動き +25.78%(1,842円→2,317円)
(参考)2020年1月~の値動き +33.46%(1,736円→2,317円)
必要投資金額 2,317円(1口)
上場日 2015年10月20日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★★

TOPIX連動型ETFの中では、信託報酬が最も低くなっており、流動性も問題ありません。

なお、日本株ETFでは、高配当株で構成される【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETFや【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETFがあり、直近5年間では値上がり益・分配金利回りともにTOPIXを上回っています。

ただ、より長期のトータルリターンを考えると、高配当株ETFはTOPIXに収束すると考えられるため、信託報酬が低いTOPIXの方がおすすめであるということが当サイトの考え方です。
※この傾向を理解した上で、日本株の高配当ETFに投資しても、何ら問題ありません。

 

新興国株ETF!【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)

【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)は、日興アセットマネジメントが運用する、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」に連動する新興国株ETFです。

「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は、世界24ヶ国の大型・中型株約1,400銘柄で構成される、時価総額加重平均型の新興国株指数です。

中国のアリババ、テンセント、台湾のTSMC、韓国のサムスン電子といったアジアのグローバル企業を中心に構成されています。

信託報酬(税込) 0.264%
分配金 40.8円(年1回)
分配金利回り 2.34%
直近5年間の値動き +17.77%(1,480円→1,743円)
(参考)2020年1月~の値動き +15.73%(1,506円→1,743円)
必要投資金額 17,430円(10口)
上場日 2010年2月24日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性

新興国株ETFの代表銘柄であり、新興国株ETFでは最も流動性が高いですが、そもそも新興国株ETFはあまりおすすめできません。

また、新興国株ETFよりも、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド」などの新興国株投信の方が、信託報酬が低くなっています。

 

中国株ETF!【1309】NEXT FUNDS CHINAAMC・中国株式・上証 50連動型上場投信

中国株ETFも多数上場していますが、いずれも流動性が低いため、あまりおすすめはできません。

【1309】NEXT FUNDS CHINAAMC・中国株式・上証 50連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「上海50指数」に連動する中国株ETFです。

信託報酬(税込) 0.93%
分配金 0円(年1回)
分配金利回り 0%
直近5年間の値動き +21.83%(31,600円→38,500円)
(参考)2020年1月~の値動き +8.75%(35,400円→38,500円)
必要投資金額 38,500円(1口)
上場日 2007年10月23日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ×

中国株は、米国株と比較すると、新型コロナ以降は不調となっています。

同銘柄は、信託報酬は高く、中国株ETFの中では流動性が高い方ですが、それでも流動性は最低レベルです。

中国株ETFは、かつては高成長ETFとしておすすめできたのですが、近年は流動性もなくなっており、あまりおすすめできなくなっています。

労働力人口の減少や少子化、不動産バブル崩壊など、中国経済が厳しくなってきていることも逆風です。

 

インド株ETF!【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信

中国株ETFに代わって注目されてきているのがインド株ETFです。

【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「Nifty 50指数」に連動するインド株ETFです。

「Nifty 50指数」は、インド・ナショナル証券取引所に上場する銘柄のうち、時価総額、流動性、浮動株比率などから選定した50銘柄の株価を時価総額加重平均したインド株指数となっています。

信託報酬(税込) 1.045%
分配金 0円(年1回)
分配金利回り 0%
直近5年間の値動き +100.71%(153円→307.1円)
(参考)2020年1月~の値動き +89.56%(162円→307.1円)
必要投資金額 30,710円(100口)
上場日 2009年11月26日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★

 

東証に上場している唯一のインド株ETFです。

信託報酬が高い点はネックとなりますが、値上がり益はS&P500指数よりも高くなっており、流動性も問題ありません。

インドは、2023年には人口世界一の座を中国から奪還し、出生率も人口置換水準とほぼ同値(2020年2.05人)となっており、平均年齢も若く、ITに強いなど、21世紀の大国の条件を満たしています。

海外ETFの中でも、今後とも、目が離せない銘柄となりそうです。

新NISAのポートフォリオの一部に加えておいても悪くありません。

 

まとめ

この記事では、ETFと株の違いについて解説した上で、株に比べたETFのメリット・デメリット、ETFの中でも株式連動型ETFについて紹介してきました。

ETFは、分散投資されているためローリスクで、時価総額加重平均型の場合には産業構造の変化も反映できるため長期的には値上がりが期待できます。

新NISAを使った長期・積立・分散投資には、米国株ETFや世界株ETFがおすすめです。

一方、個別株は、ETFに比べるとハイリスク・ハイリターンで、さまざまな銘柄があるため、スイングトレードやデイトレードといった短期投資(トレード)におすすめです。

ETFにも、レバレッジ型やダブルインバース型、VIX指数といった短期投資向けの銘柄はありますが、流動性とボラティリティーからすると個別株の最強の銘柄・最弱の銘柄には及びません。

長期投資はETF、トレードは個別株と、それぞれのメリットを使い分けていきましょう。

 

ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!

新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。

マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。

マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。

また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。

マネックス証券

マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。

マネックス証券のETF投資を解説!新NISAや人気ランキング、買い方についても紹介!
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