新NISAに債券は必要?債券ETFや債券ファンドのおすすめ銘柄を紹介!

「新NISAに債券は必要?」「新NISAにおすすめの債券ETFや債券ファンドって?」など、新NISAと債券について疑問に思っていませんか?

新NISAでは債券そのものや債券ファンドに投資することはできませんが、成長投資枠では債券ETF、つみたて投資枠では債券が多く含まれているバランス型投信に投資できます。

ただ、新NISAのメリットは値上がり益・分配金が恒久非課税となることであるため、リターンが期待できない債券はおすすめできません。

この記事では、新NISAの成長投資枠で投資できる債券ETF、つみたて投資枠で投資できる債券が含まれているバランス型投信について解説しています。

※注意

初めに断っておきますが、当サイトでは、新NISAで債券に投資することは推奨していません。

新NISAは非課税投資枠であり、そもそも利益が出ないことにはメリットはないため、債券のようなリターンが期待できない守りの投資には適していないためです。

今回は、「新NISAで債券に投資するとしたら?」というテーマの記事として進めていきますが、当サイトとしては新NISA枠を債券で埋めることは推奨していないことをご了承ください。

 

新NISAで債券に投資する方法

新NISAでは債券そのものや債券ファンド(債権型投信)に投資することはできません。

成長投資枠の対象は「上場株式・投資信託等」となっており、多くの証券会社では、国内株式(ETF含む)、公募株式投資信託、外国株(海外ETF含む)となっています。

つみたて投資枠では、金融庁が指定した長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託が対象となっており、債券が100%の商品はありません。

とはいえ、新NISAで債券に投資する方法がないわけではなく、次の方法で債券に投資可能です。

  • 成長投資枠で債券ETFに投資する。
  • つみたて投資枠では債券割合が高いバランス型投信に投資する。

新NISAで債券に投資する方法について見ていきましょう。

 

成長投資枠で債券ETFに投資する

新NISAの成長投資枠では、東証ETFや海外ETFも対象となっています。

東証ETFには、債券で構成される債券型ETFが多数上場しています。

債券型ETFには、日本国債ETFや米国国債ETFといった基本的な銘柄から、ハイリスク・ハイリターンのハイイールド債ETFや新興国国債ETFといった銘柄までさまざまです。

債券型ETFは債券割合が100%となっているため、成長投資枠で債券型ETFに投資すれば、新NISAで1,200万円まで債券に投資可能です。

 

つみたて投資枠で債券割合が高いバランス型投信に投資する

新NISAのつみたて投資枠では、債券100%で構成されている債券ファンド(債権型投信)は対象となっていません。

ただ、つみたて投資枠の対象銘柄には、債券比率の高いバランス型投信が多数あります。

バランス型投信とは、株式や債券、REITといった異なる資産クラスの資産を組み合わせた投資信託です。

バランス型投信で基本となるのが、6資産バランス型投信と8資産バランス型投信です。

6資産バランス型投信の基本的なポートフォリオは、日本株、日本債券、国内REIT、先進国株、先進国債券、先進国REITに6分の1(16.67%)ずつ分散投資するというもので、債券割合は33.34%となります。

8資産バランス型投信の基本的なポートフォリオは、日本株、日本債券、国内REIT、先進国株、先進国債券、先進国REIT、新興国株、新興国債券に8分の1(12.5%)ずつ分散投資するというもので、債券割合は37.50%となります。

バランス型投信の基本となる6資産バランス型投信および8資産バランス型投信の債券割合は4割弱です。

バランス型投信の中には、債券比率を高めた銘柄もあり、債券割合が6割~7割以上となっている銘柄もあります。

 

新NISAでは毎月分配型の投信・ETFは対象外

新NISAの成長投資枠では、毎月分配型の投資信託・ETFは対象外となっているため注意しておきましょう。

つみたて投資枠でも、毎月分配型の投資信託は対象外です。

詳しくは、投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」を参照ください。

債券ETFでは、次のETFが対象外となっています。

  • 【1677】上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型
  • 【2866】グローバルX 米国優先証券 ETF

また、毎月分配型ではないですが、【1349】ABF汎アジア債券インデックス・ファンドも対象外です。

 

新NISAで債券ETFに投資するメリット

新NISAで債券ETFに投資するメリットを見ていきましょう。

 

新NISA枠分の資産を安全に運用できる

新NISAで債券ETFに投資するメリットは、新NISA枠分の資産を安全に運用できる、元本割れのリスクを小さくできる点が挙げられます。

ただ、これは新NISA枠1,800万円を超えた資産を安全に運用するなら分かりますが、新NISA枠を使ってやることではないと感じます。

新NISAのメリットは非課税投資枠が恒久的に続くことであり、リターンが出れば出るほど新NISAの旨味を享受可能です。

資産運用における債券の目的は、資産を増やすことではなく、守ることにあります。

新NISAは資産を増やすための制度であるため、債券は適していないと言わざるを得ません。

 

米国債券ETFならドル建て資産として運用できる

米国債券ETFに投資すれば、安全にドル建て資産として運用でき、3%前後の分配金も得られます。

円安対策としては、FXでレバレッジを掛けずにドル円をロングする、ドルの外貨預金をするといった方法がありますが、いずれも新NISA非対応です。

2021年11月以降のFRBの利上げ路線によって、ドルの金利が上がる一方で、日本円は金利を上げられず、日米金利差が広がっており、円安ドル高の最たる要因となっています。

ドルの金利が上がると、米国国債の価格は下がるものの、円安ドル高による為替差益でヘッジされます。

円安リスクに備えたドル建て資産として、米国債券ETFに投資するのは、資産防衛の選択肢の一つになるでしょう。

しかし、わざわざ新NISA枠でやることではないかと思います。

新NISAでドル建て資産として運用するなら、リターンが期待できるS&P500指数連動型の米国株ETFや米国株投信が基本です。

 

新NISAで債券ETFに投資するデメリット

新NISAで債券ETFに投資するデメリットを見ていきましょう。

 

新NISA枠がもったいない

新NISAは非課税投資枠であり、利益が出ない債券で運用するのは、もったいないと言わざるを得ません。

実際に、米国株ETFと米国債券ETFでは、直近のリターンで、どの程度の差が出ているのかを見てみましょう。

S&P500指数連動型ETF【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFと、米国債(7-10年)連動型ETF【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETFについて、次のようになっています(2024年3月15日時点)。

種類 銘柄名 信託報酬(税込) 直近5年間リターン 分配金利回り
米国株ETF(S&P500指数) 【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF 0.066% +148.66%(220.9円→549.3円) 1.03%(6円)
米国国債ETF(米国債7-10年) 【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF 0.154% +20.77%(241.2円→291.3円) 2.16%(6.3円)

米国株ETFの方が7倍以上のリターンとなっています。

さらに、直近5年間では、ドル円相場が1ドル約112円から約148円まで約32%円安ドル高が進みました。

米国株ETF・米国国債ETFのいずれも100%ドル建て資産のため、円安ドル高による為替差益で利益がプラスされることになります。

しかし、米国国債ETFの直近5年間リターンは+20.77%と、為替差益分を下回っています。

これは、米国利上げによって米国国債の価格が下がったことで、為替差益が相殺されているためです。

また、米国の政策金利は、2024年3月時点で5.50%となっていますが、米国国債ETFの分配金利回りは2.16%と、その半分以下しかありません。

このように、米国国債ETFではリターンが限定されてきてしまうため、新NISA枠を使うのはもったいないとしか言いようがありません。

 

「為替ヘッジあり」の債券ETFには手を出してはいけない

米国債券ETFなどの海外債券ETFの中には、「為替ヘッジあり」の銘柄がありますが、これは絶対に手を出してはいけません。

「為替ヘッジあり」の銘柄は、対円で為替ヘッジするものとなっており、為替変動による為替差益・為替差損の影響を受けなくなる代わりに、「為替ヘッジコスト(=外貨の短期金利-日本円の短期金利)」が生じます。

為替ヘッジコストは、FXで言うと、スワップポイントを払うものと認識して問題ありません。

為替変動による為替差益・為替差損の影響を受けなくなるということは、例えば米国債券ETFならドル建て資産としては機能しなくなる(円安ドル高で為替差益が出なくなる)ということです。

さらに、「為替ヘッジコスト」が非常に重く、米国の政策金利が5.50%で、日本円がゼロ金利の現状では、年間5.50%のコストが掛かってくることになります。

「為替ヘッジあり」の債券型ETFで、年間5%のコストが掛かり続けたら、利益を出すのはほぼ不可能になります。

「為替ヘッジなし」と「為替ヘッジあり」の銘柄について、実際に比較してみましょう。

為替ヘッジ 銘柄名 信託報酬(税込) 直近5年間リターン 分配金利回り
為替ヘッジなし 【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF 0.154% +20.77%(241.2円→291.3円) 2.16%(6.3円)
為替ヘッジあり 【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり) 0.154% -22.25%(2,238円→1,740円) 2.18%(38円)

いずれもブラックロック・ジャパンが運用する米国国債(7-10年)に連動する米国国債ETFですが、為替ヘッジ有無の違いでここまでの差が出ています。

月足チャートで見てみると、より明確になります。

  • 為替ヘッジなし:【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF

  • 為替ヘッジあり:【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)

同じ米国債7-10年に連動する銘柄にも関わらず、為替ヘッジの有無でここまで対照的な動きになってしまいます。

為替ヘッジありの【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)のマイナス分は、2022年以降は為替ヘッジコストが掛かり、米国利上げによる米国国債下落で説明可能です。

さらに、為替ヘッジコストは金利を逆に払う手数料であるため、発生した分は今後も戻らないという点もあります。

「為替ヘッジあり」の債券ETFには絶対に手を出してはならず、新NISA枠を使うのは明確に無駄です。

 

新NISAで投資できる債券ETF一覧

新NISAの成長投資枠で投資できる東証の債券ETFを一覧で見ていきましょう。

※データは2024年3月16日時点。

 

国内債券ETF

銘柄名 連動指数 信託報酬(税込) 分配金利回り 長期投資 流動性 パンフレット
【2510】NEXT FUNDS国内債券・NOMURA‐BPI総合連動型上場投信 NOMURA-BPI総合 0.077% 0.48% × リンク
【2561】iシェアーズ・コア 日本国債 ETF FTSE日本国債インデックス 0.066% 0.82% リンク

 

米国債券ETF

銘柄名 連動指数 信託報酬(税込) 分配金利回り 長期投資 流動性 パンフレット
【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) 0.154% 2.18% ★★ リンク
【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし) S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て) 0.176% 3.21% ★★ × リンク
【1487】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり) S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て、円ヘッジ) 0.176% 2.27% リンク
【1496】iシェアーズ 米ドル建テ投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) MARKIT IBOXX 米ドル建てリキッド投資適格指数(TTM円ヘッジ付き) 0.308% 3.85% × リンク
【1497】iシェアーズ 米ドル建テハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり) MARKIT IBOXX 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数(TTM円ヘッジ付き) 0.638% 5.49% リンク
【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース) 0.154% 2.16% ★★★ リンク
【2554】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国投資適格社債(1-10 年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 ブルームバーグ米国投資適格社債(1-10年)インデックス(円ヘッジ・円ベース) 0.297% 3.20% × リンク
【2620】iシェアーズ 米国債1-3年 ETF FTSE米国債1-3年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース) 0.154% 2.27% ★★★ ★★ リンク
【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) 0.154% 2.85% ★★ リンク
【2647】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジなし、円ベース) 0.143% 2.19% ★★ × リンク
【2648】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジあり、円ベース) 0.143% 2.22% × リンク
【2838】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジなし) S&P 米国債7-10年指数(円換算ベース) 0.132% 1.97% ★★ × リンク
【2839】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジあり) S&P 米国債7-10年指数(円ヘッジ・円換算ベース) 0.132% 2.09% × リンク
【2649】iシェアーズ 米国政府系機関ジニーメイMBS ETF(為替ヘッジあり) ブルームバーグ米国GNMAインデックス TTM(為替ヘッジ有り、円ベース) 0.1375% 3.43% × リンク
【2856】iシェアーズ 米国債3-7年 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債3-7年セレクト・インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース) 0.154% 1.75% × リンク

 

その他・海外債券ETF

銘柄名 連動指数 信託報酬(税込) 分配金利回り 長期投資 流動性 パンフレット
【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) 0.132% 2.99% ★★★ リンク
【2512】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信 FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ・円ベース) 0.132% 2.28% × リンク
【1566】上場インデックスファンド新興国債券 ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックス 0.495% 4.65% ★★ リンク
【2519】NEXT FUNDS 新興国債券・J.P.モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 J.P.モルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・プラス 0.209% 4.85% × リンク
【2622】iシェアーズ 米ドル建テ新興国債券 ETF(為替ヘッジあり) J.P.モルガン・エマージング・マーケッツ・ボンド・インデックス・グローバル・コア・インデックス 国内投信用(円建て、円ヘッジ) 0.495% 4.26% × リンク
【2623】iシェアーズ ユーロ建テ投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) ブルームバーグ・ユーロ社債インデックス TTM(為替ヘッジ有り、円ベース) 0.308% 1.51% × リンク
【2843】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり) ブルームバーグ豪州国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり、円ベース) 0.121% 1.70% × リンク
【2844】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし) ブルームバーグ豪州国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジなし、円ベース) 0.121% 3.72% ★★ × リンク
【2853】iシェアーズ 気候リスク調整世界国債 ETF(除く日本・為替ヘッジあり) FTSEアドバンスト気候リスク調整世界国債インデックス(除く日本、国内投信用、円ヘッジ・円ベース) 0.132% 2.04% × リンク
【2857】i シェアーズ ドイツ国債 ETF(為替ヘッジあり) FTSEドイツ国債インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース) 0.132% 1.73% × リンク
【2861】上場インデックスファンドフランス国債(為替ヘッジなし) ブルームバーグ・フランス国債(7-10年)インデックスTTM 0.121% 2.40% × リンク
【2862】上場インデックスファンドフランス国債(為替ヘッジあり) ブルームバーグ・フランス国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジあり) 0.121% 1.61% × リンク

 

新NISAの成長投資枠におすすめの債券ETF3選!

新NISAの成長投資枠におすすめの債券ETFについて見ていきましょう。

※再三になりますが、あくまで「新NISAで債券ETFに投資したら?」というケースでのおすすめ銘柄であり、新NISAで債券ETFに投資することは推奨していません。

 

米国債(7-10年)!【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF

【1656】Iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース)」に連動する米国債ETFです。

「FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用円ベース)」は、償還残存期間が7年以上10年未満の米国債の収益率を時価総額で加重平均し、三菱東京UFJ銀行が公表する対顧客直物電信売買相場の仲値(TTM)を用いて日本円に換算した指数です。

信託報酬(税込) 0.154%
分配金 6.3円(年4回)
分配金利回り 2.16%
直近5年間の値動き +20.77%(241.2円→291.3円)
必要投資金額 2,913円(10口)
上場日 2017年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性

米国国債ETFとしては、最も基本となる銘柄です。

信託報酬では、【2838】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジなし)(信託報酬0.132%)、【2647】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信(信託報酬0.143%)の方が低いですが、いずれも取引量が少なく流動性リスクが高いためおすすめできません。

信託報酬がわずかに高くとも流動性があるため、米国国債ETFでは【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETFがおすすめです。

 

先進国債券ETF!【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)」に連動する先進国債券ETFです。

「FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)」は、日本を除く世界主要国の国債の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均した指数です。

信託報酬(税込) 0.132%
分配金 31.7円(年2回)
分配金利回り 2.99%
直近5年間の値動き +10.09%(961円→1,058円)
必要投資金額 10,580円(10口)
上場日 2017年12月11日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性

先進国債券ETFとしては、信託報酬が低く、流動性もかろうじてあるため、おすすめできる銘柄です。

米国国債ETFよりも直近5年間のリターンが小さいのは、米国国債(米ドル)比率が7割程度と推測され、円安ドル高による為替差益の影響が小さいことで説明できそうです。

 

日本国債ETF!【2561】iシェアーズ・コア 日本国債 ETF

おすすめはしませんが、東証の日本国債ETFについて紹介します。

【2561】iシェアーズ・コア 日本国債 ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「FTSE日本国債インデックス」に連動する日本国債ETFです。

「FTSE日本国債インデックス」は、日本銀行保有分・財務省償還分を除いた、償還残存期間1年以上の日本国債を時価総額で加重平均した日本国債市場の値動きを表す債券インデックスです。

信託報酬(税込) 0.066%
分配金 20円(年4回)
分配金利回り 0.82%
直近5年間の値動き -22.86%(3,140円→2,422円)
必要投資金額 2,422円(1口)
上場日 2020年2月26日
長期投資おすすめ度
流動性

日本国債ETFは、この4年間で下がり続けています。

分配金利回りもほぼないようなものであり、値下がりはしない分、普通預金しておいた方が圧倒的にマシです。

手を出してはいけない銘柄です。

 

新NISAのつみたて投資枠におすすめのバランス型投信4選!

新NISAのつみたて投資枠で投資できる、債券比率の高いバランス型投信について見ていきましょう。

当サイトでは、つみたて投資枠のバランス型投信は、自分の手でポートフォリオを組むことが難しい投資初心者向けに紹介していますが、今回の記事では債券が含まれている投資信託という観点から選定しています。

なお、つみたて投資枠のバランス型投信一覧については、次のページを参照ください。

新NISA(つみたて投資枠)の銘柄一覧!インデックス投信・アクティブ投信・ETFの分類ごとのおすすめ銘柄を紹介!
新NISA(つみたて投資枠)の対象となっているインデックス投信・アクティブ投信・ETF全銘柄について分類した上で、分類ごとのおすすめ投信についても解説しています。各投信については、日経新聞の投信ページへのリンク、信託報酬(税込)、設定日、長...

 

6資産バランス型!<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)」は、ニッセイアセットマネジメントが運用する、6資産バランス型投信です。

日本株(TOPIX)、日本債券(NOMURA-BPI総合)、国内REIT(東証REIT指数)、先進国株(MSCIコクサイ・インデックス)、先進国債券(FTSE世界国債インデックス)、先進国REIT(S&P先進国REITインデックス)に6分の1(16.67%)ずつ投資する6資産バランス投信となります。

債券比率は、日本債券と先進国債券が6分の1ずつで33.3%です。

銘柄名 信託報酬(税込) 設定日 直近5年間リターン おすすめ度
<購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型) 0.1749% 2017年10月13日 +48.81% ★★★★

6資産バランス型投信では、信託報酬が低く、唯一初心者におすすめできる銘柄となります。

 

8資産バランス型!たわらノーロード バランス(8資産均等型)

8資産バランス型投信では、アセットマネジメントOneが運用する「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が基本銘柄となります。

いずれもポートフォリオは、日本株、日本債券、国内REIT、先進国株、先進国債券、先進国REIT、新興国株、新興国債券に8分の1(12.5%)ずつ分散投資するもので、債券比率は37.5%です。

銘柄名 信託報酬(税込) 設定日 直近5年間リターン おすすめ度
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.143% 2017年7月28日 +45.24% ★★★★
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.143% 2017年5月9日 +47.15% ★★★★

バランス型投信では基本となる銘柄ですが、今回のテーマである債券比率という点で見ると、まだ低めと言えます。

以上の銘柄がバランス型投信の基本銘柄となりますが、ここからは債券比率が高く、信託報酬が低いバランス型投信について見ていきましょう。

 

4資産バランス型!DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)

「DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)」は、ニッセイアセットマネジメントが運用する、4資産バランス型投信です。

日本株20%、日本債券45%、外国株10%、外国債券20%、(短期金融資産5%)で運用する4資産バランス型投信となっています。

債券比率は合計65%ですが、日本債券の比率が高い点が気になります。

銘柄名 信託報酬(税込) 設定日 直近5年間リターン おすすめ度
DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) 0.154% 2003年1月10日 +28.16%

債券比率が高いため、当サイトではおすすめしていない銘柄ですが、今回のコンセプトに当てはめてると悪くない銘柄になるかと思います。

 

債券重視の8資産バランス型!たわらノーロード バランス(堅実型)

「たわらノーロード バランス(堅実型)」は、アセットマネジメントOneが運用する、8資産バランス型投信です。

株式17%、REIT3%、債券80%(日本債券36%、先進国債券36%、新興国債券8%)と、債券比率を高めた8資産バランス型投信となっています。

銘柄名 信託報酬(税込) 設定日 直近5年間リターン おすすめ度
たわらノーロード バランス(堅実型) 0.143% 2017年11月8日 +5.75%

債券比率が高く、信託報酬が低いという、今回のコンセプトにおいては、つみたて投資枠において最も適する銘柄かと思いますが、直近5年間リターンはわずか5%しかありません。

 

新NISAで債券に投資する場合のポートフォリオとシミュレーション

新NISAで債券に投資する場合のポートフォリオと運用シミュレーションについて考えてみましょう。

成長投資枠で米国国債ETF・先進国債券ETFに投資する場合のポートフォリオは次のようになります。

  • 50% 米国国債ETF:【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF
  • 50% 先進国債券ETF:【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信

成長投資枠を使い切ってからの、つみたて投資枠のポートフォリオ例は次のようになります。

  • 100% 8資産バランス型投信:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

シミュレーションとしては、債券ETFの値上がり益については厳しく0%として、分配金利回りによる再投資分2%のみが利益になると仮定しましょう。

トータルリターンが年率2%(毎月5万円積立)と仮定した場合の運用シミュレーションは次の通りです。

30年間で2,463万円(元本1,800万円)となりました。

ほぼ積立効果による資産形成となっており、含み益は663万円のため、新NISAの非課税効果は132万円相当に過ぎません。

これでは、新NISAの旨味はほとんど享受できないと言わざるを得ず、当サイトで債券をおすすめしない理由です。

新NISAの恒久非課税というメリットを享受するには、長期的に成長することが期待される米国株ETFや世界株ETFの方がおすすめです。

 

まとめ

この記事では、新NISAの成長投資枠で投資できる債券ETF、つみたて投資枠で投資できる債券が含まれているバランス型投信について解説してきました。

新NISAでは、債券や債券ファンドには投資できないものの、債券ETFやバランス型投信に投資することで、実質的に債券に投資可能です。

ただ、新NISAでリターンが期待できない債券ETFに投資するのは、もったいないと言わざるを得ず、当サイトでは推奨していません。

新NISAのメリットは非課税投資枠が恒久的に続くことであり、リターンが出ないことには新NISAの旨味を享受できません。

資産運用において債券の目的は、資産を増やすことではなく、守ることにあります。

新NISAは資産を増やすための制度であるため、米国株インデックスや世界株インデックスといった、ローリスクで長期的な成長が期待できる銘柄がおすすめです。

 

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