新NISA(つみたて投資枠)対象のETF全銘柄を解説!SBI証券や楽天証券で投資できる?

「新NISAのつみたて投資枠でETFには投資できるの?」「つみたて投資枠の対象となっているETFは投信よりもお得?」「SBI証券や楽天証券のつみたて投資枠でETFには投資できる?」など、つみたて投資枠でできるETF投資に疑問に思っていませんか?

新NISAのつみたて投資枠では、制度上では一部の東証ETFに投資可能となっているものの、SBI証券や楽天証券、マネックス証券の三大ネット証券など多くの金融機関では対応していません。

つみたて投資枠で対象となっているETFの中には、投資信託よりも信託報酬が低い銘柄があるため、今後対応するようになれば新NISA投資の戦略が変わってくる可能性があります。

この記事では、三大ネット証券のつみたて投資枠でETFが対象となっているかどうか、つみたて投資枠でETFに投資するメリット・デメリット、つみたて投資枠で対象となっているETF全銘柄について投信と比較解説していきます。

 

新NISAのつみたて投資枠では東証ETFも対象となっている

ETFとは「Exchange-Traded Fund」の略称で、「上場投資信託」や「上場投信」と呼ばれる金融商品です。

ETFは、インデックス投信と同様に、日経平均やTOPIX、S&P500指数といった指数(インデックス)に連動することを目的としており、分散投資されているため個別株投資よりもリスクが小さく長期投資向きです。

ETFは上場商品であるため、株式銘柄のように市場が開いている間はいつでも売買できます(ただ、流動性リスクがあるため、取引量が最も大きくなる寄り付き・大引けで取得することを推奨します)。

ETFには、新NISAの成長投資枠で投資することができ、当サイトでも推奨しています。

新NISAのつみたて投資枠では、金融庁指定のインデックス投信や一部のアクティブ投信に加えて、一部の東証ETFも対象です。

東証ETFは、2024年3月12日時点で318銘柄が上場していますが、つみたて投資枠の対象となっている銘柄は8銘柄に限られています。
※参考:日本取引所「ETF 銘柄数」金融庁「つみたて投資枠対象商品」

また、東証ETFは、つみたて投資枠の制度上では対象となっていますが、多くの金融機関のつみたて投資枠では、ETFは対象外となっていることに注意が必要です。

 

3大ネット証券ではつみたて投資枠で東証ETFに投資できる?

東証ETFは日本株と同じ扱いのため、新NISAの成長投資枠では、全ての証券会社で東証ETFに投資することが可能です。

3大ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)では、つみたて投資枠で東証ETFに投資できるかどうかについて見てみましょう。

ネット証券 つみたて投資枠で東証ETFは対象になる?
SBI証券 ×
楽天証券 ×
マネックス証券 ×

※SBI証券はSBI証券「つみたて投資枠」SBI証券「つみたてNISA取扱商品」を参照。
※楽天証券は楽天証券「NISA/新NISA(非課税投資)とは?」楽天証券「つみたてNISA取引ルール」を参照。
※マネックス証券はマネックス証券「2024年から始まる新NISA制度」マネックス証券「つみたてNISA 取扱ファンド」を参照。

SBI証券は、「つみたて投資枠」のページではETFに関する記述はありませんが、SBI証券「つみたてNISA取扱商品」では「※制度上ではETFも対象商品になりますが、SBI証券では現在、つみたてNISA対象のETFの取扱はございません。」と記載されています。

楽天証券では、「新NISA」のページでは、つみたて投資枠にETFに関する記述はなく、楽天証券「つみたてNISA取引ルール」では、次のように記載されておりETFは対象外となっています。

(2)当社取扱い商品
当社では、法令上の要件を満たした公募型株式投資信託がつみたてNISA取扱対象となります。なお、国内上場株式等の現物取引、信用取引、先物オプション取引、FX(外国為替証拠金取引)等その他取扱商品は制度上、つみたてNISA取扱の対象外となります。
※引用:楽天証券「つみたてNISA取引ルール」

マネックス証券では、「新NISA」および「旧・つみたてNISA」のページに、東証ETFに関する記述はなく、ETFは取引できません。

2024年3月時点では、3大ネット証券のつみたて投資枠では東証ETFに投資することはできず、成長投資枠で投資するしかない状況です。

 

新NISA(つみたて投資枠)で東証ETFに投資するメリット

今後、3大ネット証券のつみたて投資枠でETFに投資できるようになった場合に備えて、新NISA(つみたて投資枠)で東証ETFに投資するメリットについて見ていきましょう。

 

インデックス投信よりも信託報酬が低い

一般的に、ETFはインデックス投信よりも信託報酬が低い傾向があります。

つみたて投資枠の対象となっている東証ETFにしても、つみたて投資枠のインデックス投信よりも信託報酬が低い銘柄が少なくありません。

日経平均株価、TOPIX、S&P500指数に連動する銘柄の信託報酬について見てみると次の通りです。

指数 ETF 信託報酬 インデックス投信 信託報酬
日経平均株価 【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型) 0.132% eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.143%
TOPIX 【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型) 0.066% eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.143%
S&P500指数 【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF 0.066% eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372%

日経平均株価、TOPIX、S&P500指数の主要3指数に連動するETFについては、信託報酬が最安値帯で知られる三菱アセットマネジメントのeMAXIS Slimシリーズよりも信託報酬が低くなっていることが分かります。

当サイトでも、成長投資枠でETFに投資し、1,200万円の枠を使い切ってから、つみたて投資枠で同種の投信に投資することを推奨している理由でもあります。

 

成長投資枠から切り替える必要がない

当サイトでは、成長投資枠でETFに投資し、枠を使い切ってから、つみたて投資枠で同種の投信に投資することを推奨しています。

例えば、新NISAでS&P500指数に投資する場合には、次のような流れとなります。

  1. 成長投資枠でS&P500指数連動型の米国株ETF【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFに投資する。
  2. 成長投資枠1,200万円の枠を埋める。
  3. つみたて投資枠でS&P500指数連動型の米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資する。

最初からつみたて投資枠でETFに投資できれば、最初から最後まで同じ銘柄(【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF)で継続できるため、わざわざ成長投資枠から切り替える必要はありません。

2024年3月時点では、3大ネット証券のつみたて投資枠が対応していないためできませんが、つみたて投資枠でETFに対応するようになれば可能となります。

 

分配金再投資ができる

投資信託は自動で分配金が再投資されますが、ETFの分配金は、株の配当金のように証券口座に振り込まれるため、手動で再投資する必要があります。
※新NISAで分配金を非課税にするには、受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要がある点には注意しておきましょう。

これは「分配金再投資」と呼ばれるもので、振り込まれた分配金で同じ銘柄を購入すれば、雪だるま式に資産が増えていく投資方法です。

分配金再投資は、気分的に良いものであり、純粋に楽しくワクワクするという要素があります。

ただ、このようなエンタメ要素を抜きにすれば、投資信託もETFも変わらず、むしろETFではわざわざ手動で分配金を再投資しなくてはいけないというデメリットにもなりかねないため、必ずメリットとも言えません。

 

新NISA(つみたて投資枠)で東証ETFに投資するデメリット

新NISA(つみたて投資枠)で東証ETFに投資するデメリットについて見ていきましょう。

 

ほとんどの金融機関が対応していない

3大ネット証券をはじめ、ほとんどの金融機関では、新NISAのつみたて投資枠ではETFに対応していません。

これは、つみたて投資枠で上場商品のETFに対応するとなるとシステム的に複雑となり、わざわざETFに対応するコストを考えると、リターンがそこまで高くないためと推測されます。

いくら、つみたて投資枠でETFに投資するメリットがあったとしても、対応していない以上は絵に描いた餅に過ぎません。

 

成長投資枠でETFに投資する方が幅広い銘柄に投資できる

ETF投資という観点からすると、つみたて投資枠で対応している銘柄で有望なのは、S&P500指数連動型の米国株ETF【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFだけです。

当サイトでおすすめしている、世界株ETF【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信、NASDAQ100指数連動型ETF【2631】MAXISナスダック100上場投信は対象銘柄になっていません。

また、日本株ETFにしても、TOPIX連動型ETF【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETF、日経平均株価連動型ETF【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETFの2銘柄の方が、信託報酬が安くなっています。

現状の対象銘柄のまま、つみたて投資枠でETFに対応したとしても、結局は成長投資枠でいいじゃないかとなってしまいます。

 

新NISA(つみたて投資枠)に指定されている東証ETF一覧

新NISA(つみたて投資枠)に指定されている東証ETFは次の通りです。
※参考:金融庁「つみたて投資枠対象商品」
※2024年2月29日時点。

銘柄名 種類 連動指数 信託報酬 分配金利回り おすすめ度 流動性 パンフレット
【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型) 日本株ETF TOPIX 0.066% 1.88% ★★★★★ ★★ リンク
【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型) 日本株ETF 日経平均株価 0.132% 1.48% ★★★★★ ★★★ リンク
【1599】iFreeETF JPX日経400 日本株ETF JPX日経インデックス400 0.198% 1.84% × リンク
【1554】上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本 世界株ETF(日本除く) MSCI ACWI EX JAPANインデックス 0.264% 1.39% ★★★★ × リンク
【1680】上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI) 先進国株ETF MSCI-KOKUSAIインデックス 0.264% 1.32% ★★★★ × リンク
【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF 米国株ETF S&P500指数 0.066% 1.09% ★★★★★ ★★★ リンク
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 米国株ETF S&P500指数 0.165% 1.05% ★★★★ ★★ リンク
【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) 新興国株ETF MSCI エマージング・マーケット・インデックス 0.264% 2.28% ★★★ × リンク

 

新NISA(つみたて投資枠)の対象となる東証ETF全銘柄を解説!

新NISA(つみたて投資枠)の対象となる東証ETF全銘柄について解説していきます。

なお、今回は、つみたて投資枠のコンテンツであるため、比較銘柄としてはETFではなく、つみたて投資枠で対象となっているインデックス投信で比較しています。

 

日本株ETF(TOPIX連動型)!【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型)

【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型)は、大和アセットマネジメントが運用する、「TOPIX」に連動する日本株ETFです。

「TOPIX(東証株価指数)」は、東証プライム市場に上場する全銘柄を対象に時価総額加重平均で算出される日本株の株価指数です。

TOPIXは東証プライム市場に上場している全銘柄の時価総額から算出されるため、日経平均よりも市場全体の値動きを表していると言え、リスクも分散されています。

TOPIXは時価総額加重平均型のため、トヨタやソニーグループなど時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいことが特徴です。

信託報酬(税込) 0.066%
分配金 53.1円(年1回)
分配金利回り 1.88%
直近5年間の値動き +66.27%(1,690円→2,810円)
必要投資金額 28,100円(10口)
上場日 2001年7月13日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★

TOPIX連動型ETFとしては、信託報酬が低く、流動性も十分にあるため、おすすめできる銘柄です。

つみたて投資枠の比較対象となるTOPIX連動型投信としては、信託報酬が低い銘柄を中心に次の銘柄が挙げられます。

【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型)は、いずれの銘柄よりも信託報酬が低くなっていることが分かります。

 

日本株ETF(日経平均株価連動型)!【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型)

【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型)は、大和アセットマネジメントが運用する、「日経平均株価」に連動する日本株ETFです。

「日経平均株価(日経225)」は、東証プライム市場に上場している代表的な225銘柄を対象に、株価平均によって算出される株価指数です。

日経平均株価は、225銘柄の株価平均で算出されるため、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど、日経平均を構成する値嵩株の影響を受けやすいことが特徴となっています。

日本株のインデックス投資においては、TOPIXよりもリスク・リターンが高い株価指数です。

信託報酬(税込) 0.132%
分配金 596円(年1回)
分配金利回り 1.48%
直近5年間の値動き +81.50%(22,110円→40,130円)
必要投資金額 40,130円(1口)
上場日 2001年7月13日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★★

日経平均株価連動型ETFとしては、信託報酬が低く、流動性も十分にあるため、おすすめできる銘柄です。

つみたて投資枠の比較対象となる日経平均株価連動型投信としては、信託報酬が低い銘柄を中心に次の銘柄が挙げられます。

【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型)は、SBI証券のつみたて投資枠限定の「SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド」よりは信託報酬が高いものの、それ以外の銘柄よりは低くなっています。

 

日本株ETF(JPX日経400連動型)!【1599】iFreeETF JPX日経400

【1599】iFreeETF JPX日経400は、大和アセットマネジメントが運用する、「JPX日経インデックス400」に連動する日本株ETFです。

JPX日経インデックス400は、東京証券取引所に上場している全銘柄の中から、企業の資本効率を示す自己資本利益率(ROE)、営業利益、時価総額の3つの指標を評点として、投資家に魅力のある400銘柄で構成される株価指数です。

ただ、TOPIX・日経平均株価と連動する銘柄に比べると信託報酬が高い銘柄が多いため、日本株のインデックス投資としてはおすすめできません(実質的にはTOPIX連動型ETFの亜種です)。

信託報酬(税込) 0.198%
分配金 452円(年2回)
分配金利回り 1.84%
直近5年間の値動き +68.88%(14,480円→24,455円)
必要投資金額 24,455円(1口)
上場日 2014年3月27日
長期投資おすすめ度
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

TOPIX連動型ETFに比べると信託報酬が高く、取引量が全くなく流動性リスクがあるため、おすすめできません。

つみたて投資枠の比較対象となるJPX日経インデックス400連動型投信としては、信託報酬が低い銘柄を中心に次の銘柄が挙げられます。

そもそもJPX日経インデックス400連動型投信はおすすめしませんが、仮にJPX日経インデックス400に投資したいとしたら、信託報酬が高くても投資信託の方をおすすめします。

JPX日経インデックス400連動型ETFは信託報酬が低くても、取引量が全くなく流動性リスクがあるためです。

金融庁は、つみたて投資枠に指定しているETFの条件として「流動性があること」を挙げていますが、この銘柄は条件を満たしているとは言えません。

 

世界株ETF(日本除く)!【1554】上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本

【1554】上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本は、日興アセットマネジメントが運用する、「MSCI ACWI EX JAPANインデックス」に連動する世界株ETFです。

「MSCI ACWI ex Japanインデックス」は、日本を除く世界の先進国・新興国の株式の総合投資収益を各市場の時価総額比率で加重平均した指数です。

信託報酬(税込) 0.264%
分配金 59.4円(年1回)
分配金利回り 1.39%
直近5年間の値動き +108.13%(2,041円→4,248円)
必要投資金額 42,480円(10口)
上場日 2011年3月8日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

オルカン(世界株ETF)から日本株を抜いた世界株ETFですが、信託報酬が高く、取引量が厳しく流動性リスクがあるため、おすすめ度は★-1となります。

成績自体は申し分ないものの、大引けに取引が成立しないことも多く、日本を含む世界株ETF【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信に比べて取引量は10分の1しかありません。

つみたて投資枠の比較対象となる世界株投信(日本除く)としては次の銘柄が挙げられます。

銘柄名 信託報酬(税込)
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 0.05775%

明らかに、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」の方がおすすめです。

ETFには取引時の流動性リスクがあるため、投資信託は流動性リスクがない点において優位性を持ちます。

 

先進国株ETF!【1680】上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)

【1680】上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)は、日興アセットマネジメントが運用する、「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する先進国株ETFです。

「MSCIコクサイ・インデックス」は、日本以外の先進国株式で構成される時価総額加重平均型の先進国株指数です。

信託報酬(税込) 0.264%
分配金 69.7円(年1回)
分配金利回り 1.32%
直近5年間の値動き +121.69%(2,378円→5,272円)
必要投資金額 52,720円(10口)
上場日 2010年1月29日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

成績は申し分ないものの、信託報酬が高く、取引量が少なく流動性リスクが高いため、おすすめ度は★-1となります。

つみたて投資枠の比較対象となる先進国株投信としては次の銘柄が挙げられます。

信託報酬が低く、流動性リスクがないことから、投資信託の方がおすすめです。

なお、当サイトでは、先進国株のインデックス投資については、ETF投資ではなく、最初からつみたて投資枠で投信に投資することを推奨しています。

東証ETFで最も信託報酬が低い先進国株ETF【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信にしても信託報酬0.165%で、流動性リスクがあるためです。

 

米国株ETF(S&P500指数連動型)!【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF

【1655】Iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「S&P500指数」に連動する米国株ETFです。

「S&P500指数」は、米国市場を代表する500銘柄で構成され、時価総額ベースで算出される米国株指数です。

時価総額加重平均型であるため、時価総額が大きいGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、TESLAといった銘柄の構成比率が高い点が特徴となっています。

信託報酬(税込) 0.066%
分配金 6円(年2回)
分配金利回り 1.09%
直近5年間の値動き +147.12%(220.9円→545.9円)
必要投資金額 5,459円(10口)
上場日 2017年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★★

S&P500指数連動型の米国株ETFは非常に人気が高く、信託報酬の引き下げ競争が激化しています。

この銘柄は信託報酬最安値帯となっており、取引も活発で流動性リスクはなく、文句なしでおすすめの銘柄です。

つみたて投資枠でETF投資ができるかどうかの議論は、この銘柄のためにあると言っても過言ではありません。

つみたて投資枠の比較対象となるS&P500指数連動型の米国株投信としては次の銘柄が挙げられます。

【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETFは、マネックス証券のつみたて投資枠限定銘柄の「つみたてiシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド」よりは信託報酬が高いものの、それ以外の銘柄よりは信託報酬が低くなっています。

 

米国株ETF(S&P500指数連動型)!【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)

【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)は、日興アセットマネジメントが運用する、「S&P500指数」に連動する米国株ETFです。

信託報酬(税込) 0.165%
分配金 87.1円(年1回)
分配金利回り 1.05%
直近5年間の値動き +147.07%(3,335円→8,240円)
必要投資金額 82,400円(10口)
上場日 2010年10月29日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★

S&P500指数連動型の米国株ETFの中では、最も上場歴が古く歴史があり、価格信頼性がある銘柄です。

ただ、信託報酬は引き下げられておらず、絶対的にはおすすめの銘柄ですが、相対的に他の米国株ETFに比べるとおすすめはできません。

価格信頼性が高いため、S&P500指数によるインデックス投資のルール作りをする上では参考になる銘柄です。

 

新興国株ETF!【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)

【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)は、日興アセットマネジメントが運用する、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」に連動する新興国株ETFです。

「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は、世界24ヶ国の大型・中型株約1,400銘柄で構成される、時価総額加重平均型の新興国株指数です。

信託報酬(税込) 0.264%
分配金 44円(年1回)
分配金利回り 2.28%
直近5年間の値動き +32.71%(1,452円→1,927円)
必要投資金額 19,270円(10口)
上場日 2010年2月24日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

新興国株ETFの中では最も代表的な銘柄ではあるものの、取引量がほとんどなく、流動性リスクに注意が必要な銘柄です。

また、新興国株ETFはリスクが大きい割にリターンもそれほどではないため、おすすめはできません。

つみたて投資枠の比較対象となるMSCIエマージング・マーケット・インデックス連動型の新興国株投信としては次の銘柄が挙げられます。

銘柄名 信託報酬(税込)
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 0.1518%

新興国株でインデックス投資したい場合には、信託報酬が低く、投資信託には流動性リスクがないため、「eMAXIS Slim 新興国株式インデックス」の方がおすすめです。

 

まとめ

この記事では、三大ネット証券のつみたて投資枠でETFが対象となっているかどうか、つみたて投資枠でETFに投資するメリット・デメリット、つみたて投資枠で対象となっているETF全銘柄について投信と比較解説してきました。

制度上では、新NISAのつみたて投資枠では東証ETFも対象となっているものの、三大ネット証券をはじめ多くの金融機関では対応していません。

特に、次の3銘柄については、つみたて投資枠の投信よりも信託報酬が低いため、つみたて投資枠で投資できるようになれば有力銘柄になってきます。

  • 日本株ETF(日経平均株価):【1320】iFreeETF 日経225(年1回決算型)
  • 日本株ETF(TOPIX):【1305】iFreeETF TOPIX(年1回決算型)
  • 米国株ETF(S&P500指数):【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF

ETFには成長投資枠から投資できるため、成長投資枠でETFに投資して、枠を使い切ってから、つみたて投資枠で同種の投信に投資することをおすすめします。