「1000万円の資金で不動産投資をしてみたいけど、どういう方法があるのか分からない……」とお悩みではないでしょうか?
金融庁が老後に2,000万円必要とのレポートを出す中、毎月の安定収入が得られる不動産投資が、若手サラリーマンの間で密かにブームになっています。
仮に老後資金として2,000万円貯めたとしても、長い時間を掛けて貯金を切り崩す生活をするのは精神的に良いものではありません。
若い内から不動産投資を手掛けて不労所得が得られる仕組みを作っておけば、より安心した老後を送ることができます。
1000万円の資金で始められる不動産投資を見ていきましょう。
1000万円で不動産投資を始めるメリット
不動産投資の最大のメリットは、長期で保有して配当金や値上がり益を受け取る株式投資や投資信託とは違って、毎月の家賃収入が安定的に得られることが挙げられます。
また、不動産投資では、不動産を担保に銀行から融資を受けることで、自己資金の何倍もの価値がある物件に投資することができます。このように自己資金の何倍もの額で運用できる仕組みは「レバレッジ」と呼ばれます。
例えば、自己資金が1,000万円だとして、融資を受けて3,000万円の物件に投資したとします。その物件が年率10%の家賃収入を稼いでくれれば、年300万円の家賃収入が入ってくることになります。
金融庁は、人生100年時代の老後には夫婦二人で2,000万円以上必要だというレポートを発表しましたが、この内訳は生活費が年316万円、年金収入が年251万円だと仮定した場合に95歳まで生きたことを想定したものでした。
1,000万円の資金にレバレッジを掛けて不動産投資をすれば、老後に必要な生活費のほとんどを不動産収入だけでまかなうことも不可能ではありません。
1,000万円の貯金残高を切り崩していく老後と、1,000万円にレバレッジを掛けて不動産投資で運用して家賃収入を得る老後とでは、生活の質は桁違いのものになります。
1000万円で始めるおすすめの不動産投資5選!
1000万円で始めるおすすめの不動産投資の概要と、そのメリット・デメリットを見ていきましょう。
おすすめ1 初心者におすすめの低リスク不動産投資!区分マンション投資
目安投資金額 | 300万円~ |
リスク度合い | ★★☆☆☆ |
リターン度合い | ★★★☆☆ |
区分マンション投資は、マンションの1室を購入し、賃貸することで家賃収入を得る不動産投資です。最も基本的な不動産投資で、初心者におすすめの方法です。
区分マンションには、単身者向けのワンルームマンションから、ファミリー向けの物件までさまざまなタイプの物件があります。
区分マンション投資のメリットは、一棟マンションやアパートなどに比べると少額資金から投資でき、流動性が高いためすぐに売却可能であることが挙げられます。これらの点から、不動産投資の中でも最もリスクが小さい投資となっています。
一方、区分マンションのデメリットは、空室になってしまった場合には家賃収入が途絶えてしまうことです。
区分マンション自体は、300万円以内から買うことも可能ですが、1,000万円あれば複数の区分マンションを買うことが可能になります。複数の区分マンションに投資すれば、1戸だけに投資した場合と比べて、空室リスクを分散することができます。
おすすめ2 レバレッジを効かせてマンション投資!一棟マンション投資
目安投資金額 | 3,000万円~ |
リスク度合い | ★★★★★ |
リターン度合い | ★★★★★ |
自己資金が1,000万円未満なら区分マンション投資一択となりますが、自己資金が1000万円以上ある場合は中古の一棟マンション投資も選択肢に入ってきます。
一棟マンション投資とは、マンションを土地ごと全て購入して、賃貸して家賃収入を得る不動産投資です。
一棟マンションのメリットは、区分マンションよりも利回りが高くなりやすく、複数の部屋を保有するため空室リスクが分散されることが挙げられます。
ただ、中古一棟マンションに投資するとしても、最低でも3,000万円程度の資金が必要となるため、1,000万円の資金に加えて融資を受ける必要が出てきます。
区分マンションと比べるとハイリスクとなっていますが、リターンも相応に大きいおすすめの不動産投資です。不動産投資で老後に安定収入を得るには、最もおすすめの投資方法であると言えます。
おすすめ3 安定の家賃収入!アパート投資
目安投資金額 | 1,500万円~ |
リスク度合い | ★★★★☆ |
リターン度合い | ★★★★☆ |
アパート投資とは、アパート一棟と土地を購入して、賃貸による家賃収入を得る不動産投資です。
アパート投資のメリットは、得られる家賃収入がマンションに比べて大きくなりやすく、空室リスクが分散できる点が挙げられます。また、減価償却費が多く計上できるため、節税効果が大きい点もメリットです。
ただ、アパート投資は、土地ごと購入することになるため、必要となる投資額が大きくなりがちです。中古アパートの購入に必要となる投資額は、区分マンションと一棟マンションの中間程度を目安に考えておくとよいでしょう。
また、アパートの築年数が経つにつれて賃料を下げざるを得なくなり、空室リスクも高くなってくる点もデメリットとなります。区分マンションに比べると、流動性が低く、売りにくい点もネックです。
リスク・リターンともに、区分マンションと一棟マンションの中間程度の、やや中途半端な不動産投資であると言えます。
1,000万円の資金があるなら、レバレッジを掛けて一棟マンションに投資する方がおすすめです。
なお、500万円程度で中古アパートが売りに出ていることもありますが、利益を出すのはほぼ不可能なボロ物件しかありません。このような物件には絶対に手を出さないようにしましょう。
おすすめ4 不動産投資のブルーオーシャン!ビル投資
目安投資金額 | 2,000万円~ |
リスク度合い | ★★★★★ |
リターン度合い | ★★★★☆ |
ビル投資とは、収益を生むビルを購入して、テナント料などを得る不動産投資です。
ビル投資のメリットは、マンションに比べて高い家賃を設定できることが多いため、高い利回りが期待できることです。
一方、デメリットは、空室リスクや土地価格の下落による賃料下落リスク・資産価値下落リスクなどが挙げられます。
ビル投資は、マンション投資やアパート投資に比べると、不動産投資の中でもやや異色の投資に分類されます。あまりポピュラーな不動産投資ではありませんが、競争相手が少ない分、ブルーオーシャンとして美味しい領域になる可能性も秘めています。
なお、収益ビルに投資する場合にも、一棟マンションやアパートと同様に自己資金の1,000万円では十分な物件には投資できないため、融資を受ける必要があります。
おすすめ5 不動産金融商品!REIT
目安投資金額 | 10万円~ |
リスク度合い | ★☆☆☆☆ |
リターン度合い | ★★☆☆☆ |
REIT(リート)は、多くの投資家から集めた資金を、不動産ファンドが複数の不動産物件に分散投資し、得られた収益が投資家に還元される金融商品です。
REITは、証券取引所に上場しており、株式銘柄のようにいつでも売買することが可能となっています。流動性の高さにおいては、不動産投資で右に出るものはありません。
REITでも実際の不動産投資と同じく、保有していれば賃貸収入として分配金を受け取ることも可能です。
REITは、10万円前後の少額資金から始めることができます。投資資金が100万円あれば、ほぼ全てのREIT商品を買うことが可能です。
1,000万円の資金をREITで運用するのも悪くはありませんが、レバレッジを掛けて一棟マンションやアパートに投資した場合に比べると、リターンは非常に小さくなってしまいます。
また、REITは金融商品であるため、いくらREITに詳しくなったとしても、現物の不動産投資に必要なスキルは一向に身に付きません。
1,000万円の資金を安全運用したいならともかく、老後に向けた不労所得の仕組みを実現したいなら、レバレッジ効果を最大限に生かして現物不動産に投資することをおすすめします。
1000万円で始めるおすすめの不動産投資比較一覧表
不動産投資 | メリット | デメリット | 目安投資金額 | リスク度合い | リターン度合い |
区分マンション投資 | 少額資金で投資可能、流動性が高い | 空室リスクがある | 300万円~ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
一棟マンション投資 | 高利回り、空室リスクが分散 | 必要資金が多い | 3,000万円~ | ★★★★★ | ★★★★★ |
アパート投資 | 空室リスクが分散、節税効果 | 必要資金が多い、劣化リスク | 1,500万円~ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
ビル投資 | 高利回り | 必要資金が多い、空室リスク、賃料下落リスク | 2,000万円~ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
REIT | 流動性が高い | レバレッジ効果が低い | 10万円~ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
1000万円で不動産投資を始めるときの注意点
1000万円で不動産投資を始めるときの注意点を抑えておきましょう。
下手な物件に投資しない
1,000万円以内でも、中古の一棟マンションやアパート、収益ビルが売りに出ていることがあります。
しかし、大半のケースではボロ物件であり、ほとんど旨味はありません。お金をドブに捨てることにもなりかねず、「安物買いの銭失い」となってしまうパターンがほとんどです。
投資において節約志向は大敵です。1,000万円で買えるボロ物件と、3,000万円の優良物件とでは、どちらが明るい未来に繋がる物件なのかは言うまでもありません。
リスクを取らないことが最大のリスクである
銀行から融資を受けて不動産投資をするのは、大きな借金をしてリスクを取る行為であるため、「融資を受けなくても、1,000万円の資金で十分な不動産投資ができる!」と考えてしまうのも仕方ありません。
しかし、自己資金の1,000万円と、融資を受けた3,000万円とでは、投資できる不動産物件の質に大きな差があります。
また、同じ年利回り10%だったとしても、1,000万円の物件なら年100万円の収益となりますが、3,000万円の物件なら年300万円の収益となります。
そして、空室リスクが小さく、確実な利回りを見込めるのは、1,000万円の物件と3,000万円の物件のどちらなのかは言うまでもありません。
レバレッジを掛けて投資することによって、より大きな利回りを、より高い確率で得られるようになるのです。
「リスクを取らないことが最大のリスクである」ということを肝に銘じておくようにしましょう。