「設備投資・人材投資に積極的な企業に投資してみたいけど、良いETFはないかな?」とお困りではありませんか?
日本株ETFには数多くの銘柄がありますが、設備・人材投資指数に連動する設備・人材投資ETFは成長が期待できるおすすめETFとなっています。
ただ、設備・人材投資指数に連動するETFは、流動性が低いというデメリットを抱える銘柄が多いため、ETF選びには注意が必要です。
今回は、設備・人材投資指数に連動する日本株ETF全6銘柄の違いについて徹底解説していきます。
設備・人材投資指数に連動するETFとは?
今回は、設備・人材投資指数に連動する日本株ETFについて見ていきます。
設備・人材投資指数とは、設備投資や人材投資を積極的に行っている銘柄から構成される株価指数です。
例えば、設備・人材投資指数として最も広く使われている指数には「JPX/S&P 設備・人材投資指数」があります。この指数は、東証一部に上場している全銘柄の中から「設備投資の成長性」「設備投資の効率性」「人材投資の充実度」の3点から評価を行って、上位200銘柄で構成される株価指数です。
設備・人材投資指数は、設備投資・人材投資に積極的な銘柄で構成されるため、将来的な成長による値上がり益が期待できます。また、設備・人材投資ETFは信託報酬も低めになっており、分配金も多めです。
設備・人材投資指数に連動するETFは、日本株ETFの中でもおすすめできますが、日経平均やTOPIXといった主要指標に比べると、どうしても設備・人材投資指数はマイナー指標であるため注目度が小さくなってしまいがちです。
このため、設備・人材投資指数に連動するETFは取引量が少なく流動性が低い銘柄が多くなっている点がデメリットです。設備・人材投資指数に連動するETFを選ぶ際には、流動性に気を付ける必要があります。
設備・人材投資指数に連動するETFの注目ポイント
設備・人材投資指数に連動するETFの注目ポイントを抑えておきましょう。
※信託報酬・分配金については、日本取引所のETF一覧ページにあるパンフレットの情報を参照しています。また、月足チャート画像や値動きについては、マネックス証券の「マーケットライダープレミアム」で当該銘柄を参照したデータを記載しています。
・手数料である「信託報酬」を要チェック!
ETFの手数料には、証券会社で購入する際の売買手数料と、運用会社に支払う信託報酬の2つがあります。ETFの銘柄選びで重要なのは信託報酬です。信託報酬は年率で示され、1日ごとに引かれていきます。
設備・人材投資指数に連動するETF選びにおいても、信託報酬が低いことは重要なポイントです。
なお、SBI証券や楽天証券などの手数料が無料になる証券会社を選ぶことで、売買手数料は問題にならなくなります。ETF投資をする際には、一定の代金以下で手数料が無料になる証券会社で行うようにすることがおすすめです。
・ETFの「分配金」と「分配金利回り」を抑えておこう
ETFを保有していると、株の配当金のような形で「分配金」を受け取ることができます。
ただ、株の配当金と同じように、分配金を受け取る際には権利確定日にETFを保有しておく必要があることには注意が必要です。
分配金が年に何回・合計いくら分配されるのかは銘柄によって異なりますが、分配金の目安となる「分配金利回り」は必ずチェックしておきましょう。
分配金利回りは、過去1年間に支払った分配金をある時点の基準価額で割って算出されるものです。例えば、過去1年間の分配金が合計300円、ETFの基準価額が1万円の場合には、分配金利回りは3.00%となります。
設備・人材投資指数に連動するETFでは、分配金利回りは信託報酬と並んで重要なポイントとなります。
※分配金利回りは、過去1年間の分配金実績を2020年3月2日時点の終値で割った値で算出しています。
なお、ETFの分配金は投資信託とは違って再投資されないことには注意が必要です。ETFで積立・分散投資をする際には、分配金を手動でETFに再投資するようにしましょう。
・「直近3年間の値動き」はどうなっていたか?
設備・人材投資指数に連動するETFは、将来的な値上がりが期待できることが大きな強みです。
信託報酬や分配金利回りでは日経平均やTOPIXと連動するETFとそれほど変わらないため、この点は特にチェックが必要です。
具体的な値上がりの目安としては、「直近3年間の値動き」をチェックしておきましょう。
※今回は、2017年3月1日始値から2020年3月2日終値までの値動き率について記載しています。
・「必要投資金額」はいくらか?
そのETFに投資する際の「必要投資金額」についても抑えておきましょう。
ETFは銘柄ごとに単元口数が異なっており、設備・人材投資指数に連動するETFも銘柄によって1口~10口となっています。
必要投資金額が大きくなってしまうと、取引口数によってはSBI証券や楽天証券の1日定額取引で手数料を無料にすることができなくなってしまう場合もあるため注意しておきましょう。
設備・人材投資指数に連動するETF全6銘柄について徹底解説!
設備・人材投資指数に連動するETF全6銘柄について詳しく見ていきましょう。
【1479】ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数
信託報酬(税込) | 0.165% |
分配金 | 461円(年2回) |
分配金利回り | 2.53% |
直近3年間の値動き | +0.16%(18,180円→18,210円) |
必要投資金額 | 18,210円(1口) |
【1479】ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数は、大和証券投資信託委託が運用する、「MSCI日本株人材設備投資指数」と連動するETFです。
「MSCI日本株人材設備投資指数」は、大型・中型・小型株から構成される日本株株価指数「MSCIジャパンIMI指数」をユニバースとして、設備投資額や人的資本投資基準から算出される人的資本スコア上位150銘柄で算出される指数です。人的資本スコアは、各企業の福利厚生や研修制度、インセンティブ報酬などからスコアリングされています。構成銘柄上位は、ソニー(5.46%)、花王(4.83%)、トヨタ自動車(4.80%)、アステラス製薬(3.50%)、NTTドコモ(2.90%)となっています。
信託報酬は日本株ETFの中でも低水準であり、分配金利回りも平均以上です。また、直近3年間の値動きもプラスを維持しています。唯一の問題点を挙げるとしたら、流動性が低いことです。
【1480】NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信
信託報酬(税込) | 0.253% |
分配金 | 321円(年2回) |
分配金利回り | 2.14% |
直近3年間の値動き | +3.44%(14,500円→15,000円) |
必要投資金額 | 15,000円(1口) |
【1480】NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「野村企業価値分配指数」に連動するETFです。
「野村企業価値分配指数」は、収益性が高く、適切な設備・人材投資に積極的に取り組んでいる日本株で構成される株価指数です。構成銘柄は最大300銘柄となっており、構成銘柄上位は、トヨタ自動車(3.02%)、NTT(2.86%)、キーエンス(2.62%)、ソフトバンクグループ(2.22%)、KDDI(2.12%)となっています。
直近3年間でプラスとなっており分配金利回りは平均水準です。ただ、信託報酬はやや高めとなっており、流動性が低いことがデメリットとなります。
【1481】上場インデックスファンド日本経済貢献株
信託報酬(税込) | 0.165% |
分配金 | 37円(年2回) |
分配金利回り | 2.50% |
直近3年間の値動き | +5.71%(1,400円→1,480円) |
必要投資金額 | 1,480円(1口) |
【1481】上場インデックスファンド日本経済貢献株は、日興アセットマネジメントが運用する、「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動するETFです。
「JPX/S&P 設備・人材投資指数」は、TOPIXをユニバースとして「設備投資の成長性」「設備投資の効率性」「人材投資の充実度」の3点から評価を行い、総合スコア上位200銘柄で構成される株価指数です。構成銘柄上位は、トヨタ自動車(4.88%)、キーエンス(4.19%)、NTT(4.13%)、武田薬品工業(3.82%)、東京海上ホールディングス(3.24%)となっています。設備・人材投資の指数としては最もポピュラーな株価指数であり、同ETF以外にも連動するETFが多数上場しています。
信託報酬は低く、分配金利回りも高く、直近3年間の値動きも+5%を超えています。最もポピュラーな設備・人材投資の指数である「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動するETFだけあって、流動性もかろうじて及第点です。
特にデメリットは見当たらず、設備・人材投資ETFとしては最もおすすめの銘柄です。日本株ETF全体で見てもおすすめできます。
【1483】iシェアーズ JPX/S&P 設備・人材投資 ETF
信託報酬(税込) | 0.209% |
分配金 | 36円(年2回) |
分配金利回り | 2.22% |
直近3年間の値動き | +18.91%(1,359円→1,616円) |
必要投資金額 | 1,616円(1口) |
【1483】iシェアーズ JPX/S&P 設備・人材投資 ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動するETFです。
「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動する他のETFと比べると、直近3年間の値動きが10%ほど高くなっています。構成銘柄は同じであるにも関わらず、このような差が出てしまうのは、同ETFは流動性が低く、新型コロナウイルスによる株価下落の影響がまだ価格に反映されていないためであると考えられます。値動き率だけを見て下手に投資しないように気を付けましょう。
直近3年間の値動きを差し引いても、信託報酬や分配金利回りは一定水準であり、おすすめできるETFです。ただ、やはり流動性が低い点がデメリットです。
【1484】One ETF JPX/S&P 設備・人材投資指数
信託報酬(税込) | 0.1815% |
分配金 | 35.9円(年2回) |
分配金利回り | 2.45% |
直近3年間の値動き | +4.80%(1,393円→1,460円) |
必要投資金額 | 14,600円(10口) |
【1484】One ETF JPX/S&P 設備・人材投資指数は、アセットマネジメントOneが運用する、「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動するETFです。
信託報酬も低く、分配金利回りも一定以上あり、直近3年間でプラスとなっています。流動性も何とか及第点となっています。おすすめできるETFです。
【1485】MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信
信託報酬(税込) | 0.242% |
分配金 | 452円(年2回) |
分配金利回り | 1.77% |
直近3年間の値動き | +6.29%(24,000円→25,510円) |
必要投資金額 | 25,510円(1口) |
【1485】MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス」に連動するETFです。
「iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200インデックス」は、東証に上場する時価総額が高い600銘柄で構成される「STOXX Japan 600指数」をユニバースとして、収益性スコア・設備投資スコア・人材投資スコアの3点から選定した200銘柄で算出される指数です。構成銘柄上位は、リクルートホールディングス(2.15%)、信越化学工業(2.14%)、ソニー(2.13%)、KDDI(2.06%)、第一三共(2.04%)となっています。
信託報酬・値動きは問題ありませんが、設備・人材投資ETFの中では分配金利回りが低いことがネックです。そして、最大のデメリットは、流動性がほとんどないことです。
下記は、同ETFの2020年3月2日終値時点での板の画像です。
買い板と売り板の価格がここまで離れてしまっているのは問題です。これは、価格が25,510円を付けていたとしても、22,100円でしか売れないということを意味します。流動性が低いと、このように思うような価格で取引できない事態に陥ってしまいます。
設備・人材投資ETFに投資するとしても、他の銘柄をおすすめします。
設備・人材投資指数に連動するETF比較一覧表
設備・人材投資指数連動ETF | メリット | デメリット | 信託報酬(税込) | 分配金利回り | 直近3年間の値動き | 必要投資金額 |
【1479】ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数 | 信託報酬が低い | 流動性が低い | 0.165% | 2.53% | +0.16% | 18,210円 |
【1480】NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信 | 特になし | 信託報酬がやや高い、流動性が低い | 0.253% | 2.14% | +3.44% | 15,000円 |
【1481】上場インデックスファンド日本経済貢献株 | 信託報酬が低い、流動性も及第点 | 特になし | 0.165% | 2.50% | +5.71% | 1,480円 |
【1483】iシェアーズ JPX/S&P 設備・人材投資 ETF | 信託報酬が低い | 流動性が低い | 0.209% | 2.22% | +18.91% | 1,616円 |
【1484】One ETF JPX/S&P 設備・人材投資指数 | 信託報酬が低い、流動性も及第点 | 特になし | 0.1815% | 2.45% | +4.80% | 14,600円 |
【1485】MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 特になし | 信託報酬がやや高い、流動性がない | 0.242% | 1.77% | +6.29% | 25,510円 |
結論:設備・人材投資指数に連動するETFでおすすめはこの銘柄!
最後に、設備・人材投資指数に連動する日本株ETFでおすすめの銘柄についてまとめていきましょう。
設備・人材投資ETFは、信託報酬が低く、分配金利回りも十分あり、そして値上がり益が期待できることから、日本株ETFの中でもおすすめの銘柄です。ただ、流動性が低く取引リスクを抱えることが大きなデメリットとなっています。
最もポピュラーな設備・人材投資指数である「JPX/S&P 設備・人材投資指数」に連動するETFは、かろうじて流動性は及第点となっています。
その中でも流動性が高い【1481】上場インデックスファンド日本経済貢献株が最もおすすめです。
設備・人材投資指数に連動するETFは、日本株ETFの中でも長期・分散・積立投資による資産形成におすすめできるETFです。
人生100年時代に向けて、設備・人材投資ETFで資産形成してみてはいかがでしょうか?
ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!
新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。
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マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。