テーマ指数に連動する日本株ETF全8銘柄を徹底解説!【2020年最新版】

「あるテーマで運用できる日本株ETFはないかな?」とお探しになっていませんか?

ETFの中には、日経平均やTOPIXだけではなく、あるテーマ指数に基づいて運用されている銘柄もあります。

ただ、テーマ指数に連動するETFは玄人向けの銘柄が多いため、初心者が安易に投資するのは危険である場合が少なくないことには注意が必要です。

今回は、テーマ指数に連動する日本株ETF全8銘柄の違いについて徹底解説していきます。具体的には、「TOPIX Ex-Financials」に連動する4銘柄、その他のテーマETF4銘柄(※)について銘柄分析しています。
※「S&P 企業グループ指数-三菱系企業群-」「Russell/Nomura ファンダメンタル・プライム・インデックス(配当除く)」「MSCI日本株最小分散インデックス」「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」

 

テーマ指数に連動するETFとは?

今回は、テーマ指数に連動する日本株ETFについて見ていきます。

日本株ETFとしては、日経平均株価やTOPIXといった代表的な指数でインデックス運用するものが主流ですが、あるテーマ指数に基づいて運用されるETFも存在しています。

代表的なテーマ指数としては、「TOPIX Ex-Financials」が挙げられます。

「TOPIX Ex-Financials」は、東証株価指数TOPIXから「銀行業」「証券、商品先物取引業」「保険業」「その他金融業」の金融4業種を除いた29業種で構成される時価総額加重方式の株価指数です。金融銘柄を除外しているため、TOPIXよりも日本経済の実態により近い指数として参考にされており、連動するETFも上場しています。

テーマ指数に連動するETFは他にもありますが、総じて言えることは、日経平均やTOPIXのような代表的な指数に連動するETFに比べると投資難易度が高いということです。

テーマ指数に連動するETFは玄人好みのETFであるため、ある程度の投資経験がなければ手を出すことはあまりおすすめできません。

 

テーマ指数に連動するETFの注目ポイント

テーマ指数に連動するETFの注目ポイントを抑えておきましょう。

※信託報酬・分配金については、日本取引所のETF一覧ページにあるパンフレットの情報を参照しています。また、月足チャート画像や値動きについては、マネックス証券の「マーケットライダープレミアム」で当該銘柄を参照したデータを記載しています。

・手数料である「信託報酬」を要チェック!

ETFの手数料には、証券会社で購入する際の売買手数料と、運用会社に支払う信託報酬の2つがあります。ETFの銘柄選びで重要なのは信託報酬です。信託報酬は年率で示され、1日ごとに引かれていきます。

テーマ指数に連動するETFは信託報酬がそれぞれ異なっており、信託報酬が低いことは重要なポイントです。

なお、楽天証券や松井証券などの手数料が無料になる証券会社を選ぶことで、売買手数料は問題にならなくなります。ETF投資をする際には、一定の代金以下で手数料が無料になる証券会社で行うようにすることがおすすめです。

 

・ETFの「分配金」と「分配金利回り」を抑えておこう

ETFを保有していると、株の配当金のような形で「分配金」を受け取ることができます。

ただ、株の配当金と同じように、分配金を受け取る際には権利確定日にETFを保有しておく必要があることには注意が必要です。

分配金が年に何回・合計いくら分配されるのかは銘柄によって異なりますが、分配金の目安となる「分配金利回り」は必ずチェックしておきましょう。

分配金利回りは、過去1年間に支払った分配金をある時点の基準価額で割って算出されるものです。例えば、過去1年間の分配金が合計300円、ETFの基準価額が1万円の場合には、分配金利回りは3.00%となります。

テーマ指数に連動するETFでも、分配金利回りは信託報酬と並んで重要なポイントとなります。
※分配金利回りは、過去1年間の分配金実績を2020年2月28日時点の終値で割った値で算出しています。

なお、ETFの分配金は投資信託とは違って再投資されないことには注意が必要です。ETFで積立・分散投資をする際には、分配金を手動でETFに再投資するようにしましょう。

 

・「直近3年間の値動き」はどうなっていたか?

値上がりによるリスク・リターンをはかる上でも、「直近3年間の値動き」は要チェックしておきましょう。
※今回は、2017年2月1日始値から2020年2月28日終値までの値動き率について記載しています。

 

・「必要投資金額」はいくらか?

そのETFに投資する際の「必要投資金額」についても抑えておきましょう。

ETFは銘柄ごとに単元口数が異なっており、今回見ていくテーマ指数に連動するETFも銘柄によって1口~100口となっています。

必要投資金額が大きくなってしまうと、取引口数によっては楽天証券や松井証券の1日定額取引で手数料を無料にすることができなくなってしまう場合もあるため注意しておきましょう。

 

TOPIX Ex-Financialsに連動するETF全4銘柄について徹底解説!

TOPIX Ex-Financialsは、TOPIXから金融銘柄を抜いて算出される代表的なテーマ指数です。

TOPIX Ex-Financialsに連動するETF全4銘柄について詳しく見ていきましょう。

 

【1585】ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financials

【1585】ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financials

信託報酬(税込)0.198%
分配金28.5円(年2回)
分配金利回り2.45%
直近3年間の値動き+0.69%(1,153円→1,161円)
必要投資金額11,610円(10口)

【1585】ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financialsは、大和証券投資信託委託が運用する、TOPIX Ex-Financials連動型のETFです。

TOPIX Ex-Financials連動型ETFの中では最も流動性が高い人気銘柄ですが、信託報酬も最も高くなっています。ただ、TOPIX Ex-Financials連動型ETFは、いずれも流動性が低くて取引しにくいため、信託報酬が高くても流動性が高いことは大きなメリットです。

TOPIX Ex-Financials連動型ETFでは、こちらのETF以外の銘柄は流動性が低すぎて手掛けることには取引リスクがあるため、消去法で最もおすすめの銘柄となります。

 

【1586】上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials

【1586】上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials

信託報酬(税込)0.0968%
分配金30円(年2回)
分配金利回り2.21%
直近3年間の値動き+6.70%(1,268円→1,353円)
必要投資金額1,353円(1口)

【1586】上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financialsは、日興アセットマネジメントが運用する、TOPIX Ex-Financials連動型のETFです。

TOPIX Ex-Financials連動型ETFの中で最も信託報酬が低いことがメリットです。ただ、問題は流動性にあります。下記は、2020年2月28日終値時点での板の状態です。

ほとんど流動性がなく、買った瞬間から含み損になってしまうような状態となっています。買うときも大変ですが、売るときも大変です。いくら信託報酬が低くても、ここまで流動性が低い銘柄を取引するのは危険です。

 

【1596】NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials

【1596】NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials

信託報酬(税込)0.121%
分配金40.4円(年2回)
分配金利回り2.85%
直近3年間の値動き+17.98%(1,201円→1,417円)
必要投資金額14,170円(10口)

【1596】NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financialsは、農林中金全共連アセットマネジメントが運用する、TOPIX Ex-Financials連動型のETFです。

こちらのETFは流動性が全くありません。信託報酬と分配金利回りを見ると悪くありませんが、2020年2月には1ヶ月で3日しか取引が成立していません。直近3年間の値動きは、他のTOPIX Ex-Financials連動型ETFに比べて高くなっていますが、これは取引が成立しておらず、2020年2月の新型コロナウイルスによる暴落を織り込んでいないためです。信託報酬や分配金利回りなどの表面上のデータだけを見て、下手に手を出さないようにしましょう。

 

【2523】MAXISトピックス(除く金融)上場投信

【2523】MAXISトピックス(除く金融)上場投信

信託報酬(税込)0.1188%
分配金15円(年2回)
分配金利回り1.10%
直近3年間の値動き-0.14%(1,355円→1,353円)
必要投資金額13,530円(10口)

【2523】MAXISトピックス(除く金融)上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、TOPIX Ex-Financials連動型のETFです。

信託報酬は低いですが、運用歴が浅く、やはり流動性が全くありません。流動性がないデメリットは、他のメリットがどれだけ大きくても補いきれないものです。

 

TOPIX Ex-Financialsに連動するETF比較一覧表

TOPIX Ex-Financials連動ETFメリットデメリット信託報酬(税込)分配金利回り直近3年間の値動き必要投資金額
【1585】ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financials流動性がある信託報酬が高い0.198%2.45%+0.69%11,610円
【1586】上場インデックスファンドTOPIX Ex-Financials信託報酬が低い流動性がない0.0968%2.21%+6.70%1,353円
【1596】NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials分配金利回りが高い流動性がない0.121%2.85%+17.98%14,170円
【2523】MAXISトピックス(除く金融)上場投信信託報酬が低い流動性がない0.1188%1.10%-0.14%13,530円

 

 

テーマ指数に連動するETF全4銘柄について徹底解説!

さまざまなテーマ指数に連動するETF全4銘柄について詳しく見ていきましょう。

【1670】MAXIS S&P三菱系企業群上場投信

【1670】MAXIS S&P三菱系企業群上場投信

信託報酬(税込)0.55%
分配金3.84円(年2回)
分配金利回り3.12%
直近3年間の値動き-11.51%(139円→123円)
必要投資金額12,300円(100口)

【1670】MAXIS S&P三菱系企業群上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「S&P 企業グループ指数-三菱系企業群-」に連動するETFです。

「S&P 企業グループ指数-三菱系企業群-」は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出している、三菱グループに属している銘柄で構成される株価指数です。構成銘柄上位は、キリンホールディングス(10.83%)、三菱電機(10.55%)、三菱地所(10.45%)、東京海上ホールディングス(10.05%)、三菱商事(9.79%)となっています。

同ETFは、分配金利回りが3%以上と高くなっていることは大きなメリットです。また、流動性も問題ありません。ただ、信託報酬は日本株ETFの中では高めとなっており、直近3年間の価格もマイナスです。

日本株ETFとして悪い銘柄ではありませんが、「三菱グループに投資したい」といった特別な思惑がないなら、信託報酬が低く分配金利回りも同程度の日経平均やTOPIXに連動する日本株ETFをおすすめします。

 

【1598】NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信

【1598】NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信

信託報酬(税込)0.33%
分配金452円(年2回)
分配金利回り2.64%
直近3年間の値動き-3.61%(17,710円→17,070円)
必要投資金額17,070円(1口)

【1598】NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「Russell/Nomura ファンダメンタル・インデックス」に連動するETFです。

「Russell/Nomura ファンダメンタル・インデックス」は、売上高や営業キャッシュフローなどのファンダメンタル指標から算出される株価指数です。なお、同ETFの構成銘柄は、「Russell/Nomura ファンダメンタル・インデックス」の構成銘柄から流動性が著しく低い銘柄や指数ウエイトが極端に低い銘柄は除外されています。

同ETFは、信託報酬は日本株ETFの中でもやや高い一方で、分配金利回りもやや高めです。ただ、問題なのは流動性がほとんどないことです。2020年2月には、1ヶ月で2月26日の1日しか取引が成立していません。日本株ETFを手掛けるにしても他の銘柄にしましょう。

 

【1477】iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF

【1477】iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF

信託報酬(税込)0.209%
分配金38円(年2回)
分配金利回り2.30%
直近3年間の値動き-3.39%(1,707円→1,649円)
必要投資金額1,649円(1口)

【1477】iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETFは、ブラック・ロックジャパンが運用する、「MSCI日本株最小分散インデックス」に連動するETFです。

「MSCI日本株最小分散インデックス」は、日本株の大型・中型株を対象としている「MSCIジャパン指数」から不動産投信(J-REIT)を除外した銘柄を対象とした上で、株式ポートフォリオのリスクを最小化するため、銘柄間・業種間・ファクター間の相関関係を考慮した最適化が行われた指数となっています。

信託報酬・分配金利回りともに平均程度であり、流動性も問題なく、可もなく不可もなくの日本株ETFである言えます。悪いETFではありませんが、特別おすすめする理由も見当たりません。

 

【1460】MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信

【1460】MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信

信託報酬(税込)0.264%
分配金310円(年2回)
分配金利回り1.67%
直近3年間の値動き+13.80%(16,230円→18,470円)
必要投資金額18,470円(1口)

【1460】MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」に連動するETFです。

「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」は、東証上場銘柄の中から、高いROEを継続することが見込まれる150銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。
※ROE(自己資本利益率)とは、「当期純利益 ÷ 自己資本」で求められる収益指標で、株式投資において最も重視される指標の一つ。

成長指標であるROEを重視するETFだけあって、直近3年間では+10%を超える値上がりを記録しています。ただ、流動性がないことが致命的です。ETFのテーマとしては面白く結果も出しているものの、流動性がないという大きなデメリットを抱えていることから積極的におすすめすることはできません。

なお、同じ期間に日経平均株価は+10.41%(19,148.08円→21,142.96円)となっています。値上がり益を求めるなら、流動性が十分にあり、信託報酬・分配金利回りが優れる日経平均ETFで運用した方がよさそうです。

 

テーマ指数に連動するETF比較一覧表

テーマ指数ETFメリットデメリット信託報酬(税込)分配金利回り直近3年間の値動き必要投資金額
【1670】MAXIS S&P三菱系企業群上場投信分配金利回りが高い信託報酬が高い0.55%3.12%-11.51%12,300円
【1598】NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信分配金利回りが高い流動性がほとんどない0.33%2.64%-3.61%17,070円
【1477】iシェアーズ MSCI 日本株最小分散 ETF平均的な日本株ETF特になし0.209%2.30%-3.39%1,649円
【1460】MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信値上がり益が期待できる流動性がほとんどない0.264%1.67%+13.80%18,470円

 

結論:テーマ指数に連動するETFでおすすめはこの銘柄!

最後に、テーマ指数に連動する日本株ETFでおすすめの銘柄についてまとめていきましょう。

「TOPIX Ex-Financialsに連動するETFでは、流動性が唯一ある【1585】ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financialsが最もおすすめとなります。信託報酬は最も高くなっていますが、他の銘柄は流動性がないため問題外です。

その他の日本株ETFとしては、三菱グループで運用する【1670】MAXIS S&P三菱系企業群上場投信は、分配金利回りが高く、値上がりも期待できるため悪くありません。

ROEが高い銘柄で運用する【1460】MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信は、値上がり益が期待できますが、流動性が低いため取引するにはコツが必要となってきます。

テーマ指数連動型のETFは玄人向けの銘柄が多くなっており、初心者に積極的におすすめできるものではありません。

わざわざテーマ指数に連動する日本株ETFで運用するなら、素直に日経平均やTOPIXに連動する日本株ETFで手堅く運用することをおすすめします。