iDeCoで運用できる先進国REIT投資信託について徹底比較!【2020年最新版】

「iDeCoで運用できる先進国REITには、どういう銘柄があるんだろう?」と、疑問に思っていませんか?

iDeCoで先進国REIT投信を運用すれば、少額資金で海外不動産投資を始めることができ、老後資産の形成に役立てることができます。

今回は、iDeCoの手数料が無料となる13金融機関で扱っている先進国REIT投資信託について徹底比較していきます。

 

iDeCoで先進国REIT投資信託を運用するメリットとは?

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、自分の手で老後資産を形成する私的年金制度です。

iDeCoは、①拠出金が全額所得控除される、②運用益が非課税となるため複利効果が大きくなる、③60歳以降に引き出すときに「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」の対象となるという3つの税制メリットがあります。

iDeCoでの運用には手数料が発生しますが、手数料が最安となる金融機関を選べば、月額171円(拠出しない月は66円)で済みます。

今回は、iDeCoの手数料が無料となる13金融機関(※)で扱っている先進国REIT投資信託について徹底比較していきます。
※SBI証券セレクトプラン、SBI証券オリジナルプラン、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、野村證券、大和証券、イオン銀行、三井住友銀行みらいプロジェクトコース、みずほ銀行、第一生命保険、SOMPOアセットマネジメント。

REIT(リート)とは、投資信託の仕組みを使って投資家から資金を集めて、複数の不動産に分散投資することで収益が還元される金融商品です。

先進国REITなどの海外REITの最大のメリットは、少額から手軽に海外不動産投資ができることが挙げられます。現物のマンションやビルなどに投資しようとすると1,000万円単位の資金が必要になってきますが、REITなら10万円あれば不動産投資を始めることができます。

なお、先進国REIT投信とは言いますが、そのポートフォリオを見てみると、過半数がアメリカのREITとなっているため、実質的には米国REIT投信となっています。

マネックス証券 iDeCo

iDeCoで運用する先進国REIT投資信託の注目ポイント

iDeCoで先進国REIT投資信託を運用する際の注目ポイントについて抑えておきましょう。

※投資信託の「信託報酬」や「直近5年間の成績」については、日本経済新聞社の各投資信託ページに掲載されている2020年3月末時点のデータを参照しています。

 

・「運用タイプ」をチェック!

投資信託は、運用する方法によって「インデックス」と「アクティブ」に分けられます。

インデックスとは、日経平均株価やTOPIX、NYダウといった指数(インデックス)との連動を目指すファンドです。

アクティブは、ファンドが独自の観点で運用を行い、インデックスファンドよりも優れた成績を目指すファンドです。

インデックスファンドの方がリスク・リターンが低く、アクティブファンドはリスク・リターンが高いと認識しておきましょう。また、信託報酬もインデックスファンドの方が低くなる傾向があります。

 

・投資信託の手数料である「信託報酬」をチェック!

iDeCoでは掛け金の拠出時に発生する手数料に加えて、投資信託の運用においてもファンドに支払う手数料である「信託報酬」が発生してきます。信託報酬は年率で表示され、保有残高から日割り計算した金額が毎日差し引かれていきます。

信託報酬は投資信託ごとに異なりますが、言うまでもなく、信託報酬は低ければ低いに越したことはありません。

 

・「直近5年間の成績」をチェック!

投資信託の運用成績をはかる上では、「直近5年間の成績」(2020年3月末時点)をチェックしましょう。

なお、投資信託の運用成績は、個別株投資やETF投資とは異なり、分配金が再投資された上での成績となっています。つまり、「直近5年間の成績」は、直近5年間の値上がり益(キャピタルゲイン)と分配金(インカムゲイン)の合計です。また、投資信託の基準価額は信託報酬が控除されてからの値であるため、信託報酬も「直近5年間の成績」にしっかりと含まれています。

 

・iDeCoでその商品を扱っている「金融機関」をチェック!

iDeCoで扱っている商品は、金融機関ごとに異なります。

iDeCo口座は1人につき1つの金融機関にしか開設することができないため、自分自身の運用スタイルと扱っている商品を考えた上で慎重に選ぶようにしましょう。

 

iDeCoで運用できるインデックス型先進国REIT投資信託について徹底比較!

iDeCo手数料無料となる金融機関で扱っているインデックス型の先進国REIT投資信託について詳しく見ていきましょう。

三井住友・DC外国リートインデックスファンド

三井住友DSアセットマネジメント

運用タイプ インデックス
信託報酬 0.297%
直近5年間の成績 -8.98%
金融機関 SBI証券セレクトプラン、SBI証券オリジナルプラン、楽天証券、マネックス証券

三井住友・DC外国リートインデックスファンドは、三井住友DSアセットマネジメントが運用する、「S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックス型の先進国REIT投資信託です。SBI証券セレクトプラン、SBI証券オリジナルプラン、楽天証券、マネックス証券のiDeCoで取り扱っています。

「S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース)」は、S&Pが算出するグローバル・インデックスである「S&Pグローバル株価指数」から、REIT及びREITと同様の制度に基づく銘柄から算出される指数です。国別配分比率上位は、アメリカ(72.2%)、オーストラリア(6.8%)、イギリス(4.9%)、フランス(3.9%)、シンガポール(3.8%)となっています。

先進国REIT投信として、問題なく運用することが可能です。

ただ、先進国REIT投信は、ほとんどの銘柄が直近5年間では大きなマイナスになっていることは留意しておきましょう。

 

三菱UFJ <DC>先進国REITインデックスファンド

三菱UFJ国際投信

運用タイプ インデックス
信託報酬 0.583%
直近5年間の成績 -19.01%
金融機関 auカブコム証券

三菱UFJ <DC>先進国REITインデックスファンドは、三菱UFJ国際投信が運用する、「S&P先進国REITインデックス(除く日本、配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックス型の先進国REIT投資信託です。auカブコム証券のiDeCoで取り扱っています。

インデックス型の先進国REIT投信では信託報酬が高く、直近5年間では大きなマイナスとなっています。おすすめできません。

 

たわらノーロード先進国リート

アセットマネジメントOne

運用タイプ インデックス
信託報酬 0.297%
直近5年間の成績 -14.51%
金融機関 松井証券、イオン銀行、みずほ銀行、第一生命保険

たわらノーロード先進国リートは、アセットマネジメントOneが運用する、「S&P先進国REIT指数(除く日本、円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)」に連動するインデックス型の先進国REIT投資信託です。松井証券、イオン銀行、みずほ銀行、第一生命保険のiDeCoで取り扱っています。

直近5年間では大きなマイナスとなっているものの、信託報酬は低く、先進国REIT投信として問題はありません。

 

野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け)

野村アセットマネジメント

運用タイプ インデックス
信託報酬 0.363%
直近5年間の成績 -17.39%
金融機関 野村證券

野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け)は、野村アセットマネジメントが運用する、「S&P先進国REIT指数(配当込み、円換算ベース)」に連動するインデックス型の先進国REIT投資信託です。野村證券のiDeCoで取り扱っています。

「S&P先進国REIT指数(配当込み、円換算ベース)」は、S&Pが算出するグローバル・インデックスである「S&Pグローバル株価指数」から、REIT及びREITと同様の制度に基づく銘柄から算出される指数です。国別配分比率上位は、アメリカ(66.77%)、日本(9.79%)、先進国(除く日本)(9.19%)、オーストラリア(5.81%)、イギリス(4.74%)となっています。

日本を含む先進国REIT投信です。信託報酬はやや高めで、直近5年間では大きなマイナスとなっています。

 

DCダイワ・グローバルREITインデックスファンド

大和アセットマネジメント

運用タイプ インデックス
信託報酬 0.583%
直近5年間の成績 -19.91%
金融機関 大和証券

DCダイワ・グローバルREITインデックスファンドは、大和アセットマネジメントが運用する、「S&P先進国REIT指数(除く日本、円ベース)」に連動するインデックス型の先進国REIT投資信託です。大和証券のiDeCoで取り扱っています。

インデックス型の先進国REIT投信では信託報酬が高く、直近5年間では大きなマイナスとなっています。先進国REIT投信としては他の銘柄をおすすめします。

 

iDeCoで運用できるインデックス型先進国REIT投資信託比較一覧表

先進国REIT投資信託 運用タイプ 信託報酬 直近5年間の成績 金融機関
三井住友・DC外国リートインデックスファンド インデックス 0.297% -8.98% SBI証券セレクトプラン、SBI証券オリジナルプラン、楽天証券、マネックス証券
三菱UFJ <DC>先進国REITインデックスファンド インデックス 0.583% -19.01% auカブコム証券
たわらノーロード先進国リート インデックス 0.297% -14.51% 松井証券、イオン銀行、みずほ銀行、第一生命保険
野村世界REITインデックスファンド(確定拠出年金向け) インデックス 0.363% -17.39% 野村證券
DCダイワ・グローバルREITインデックスファンド インデックス 0.583% -19.91% 大和証券

マネックス証券 iDeCo

iDeCoで運用できるアクティブ型先進国REIT投資信託について徹底比較!

iDeCo手数料無料となる金融機関で扱っているアクティブ型の先進国REIT投資信託について詳しく見ていきましょう。

DIAM ワールドREITアクティブファンド<DC年金>

アセットマネジメントOne

運用タイプ アクティブ
信託報酬 1.738%
直近5年間の成績 -15.84%
金融機関 第一生命保険

DIAM ワールドREITアクティブファンド<DC年金>は、アセットマネジメントOneが運用する、アクティブ型の先進国REIT投資信託です。第一生命保険のiDeCoで取り扱っています。

日本を除く世界各国のREITに投資するファンドです。

信託報酬が非常に高く、直近5年間では大きなマイナスとなっています。信託報酬の高さに成績が伴っておらず、おすすめできない銘柄です。

 

損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)

運用タイプ アクティブ
信託報酬 1.5895%
直近5年間の成績 -13.93%
金融機関

損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型)は、SOMPOアセットマネジメントが運用する、アクティブ型の先進国REIT投資信託です。SOMPOアセットマネジメントのiDeCoで取り扱っています。

日本を含む世界各国のREITに投資するファンドで、毎月分配金が出ることが特徴です。国別配分比率上位は、アメリカ(62.07%)、日本(14.01%)、オーストラリア(5.96%)、イギリス(4.52%)、先進国(除く日本)(3.92%)となっています。

信託報酬は高く、直近5年間で大きく下げています。信託報酬の高さに成績が伴っていません。

 

iDeCoで運用できるアクティブ型先進国REIT投資信託比較一覧表

先進国REIT投資信託 運用タイプ 信託報酬 直近5年間の成績 金融機関
DIAM ワールドREITアクティブファンド<DC年金> アクティブ 1.738% -15.84% 第一生命保険
損保ジャパン・グローバルREITファンド(毎月分配型) アクティブ 1.5895% -13.93% SOMPOアセットマネジメント

マネックス証券 iDeCo

結論:iDeCoでおすすめの先進国REIT投資信託とおすすめの金融機関!

最後に、iDeCoで運用できる先進国REIT投資信託でおすすめの銘柄と金融機関についてまとめていきましょう。

先進国REIT投資信託は、いずれの銘柄も直近5年間で大きなマイナスとなっています。

インデックス型の先進国REIT投資信託としては、信託報酬が低い次の銘柄がおすすめです。
・「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」(SBI証券セレクトプラン、SBI証券オリジナルプラン、楽天証券、マネックス証券)
・「たわらノーロード先進国リート」(松井証券、イオン銀行、みずほ銀行、第一生命保険)

アクティブ型の先進国REIT投資信託は、いずれも信託報酬が高いだけでおすすめできる銘柄はありません。

先進国REIT投資信託は、「iDeCoで海外不動産投資ができる!」と聞くと聞こえはいいかもしれませんが、実績は芳しくありません。

iDeCoで運用する商品としては、先進国REIT投資信託は新興国株式や新興国債券のような位置付けとして考えておくべきでしょう。

当サイトでは、iDeCoで何としてでも海外不動産投資がしたいといった場合を除くと、先進国REIT投信をポートフォリオに加えることはおすすめしません

マネックス証券 iDeCo

iDeCoで先進国REIT投信を運用できるおすすめのネット証券は?

iDeCoを始めるなら、先進国REIT投信「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」も取り扱っているマネックス証券がおすすめです。

マネックス証券のiDeCoは運営管理手数料が完全無料、マネックス証券への加入時・移換時の手数料や運用管理機関をマネックス証券に変更する際にかかる手数料も無料となっており、iDeCo手数料は最安値です。

マネックス証券のiDeCoでは、全26銘柄の投資信託を取り扱っており、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」や「ひふみ年金」を始めとした日本株投信が充実していることが最大の強みです。

さらに、マネックス証券で取り扱っている金(ゴールド)価格連動型投信「ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)」は、iDeCoで扱っている金(ゴールド)商品としては信託報酬が低く、iDeCoのポートフォリオに金(ゴールド)を組み込みたい場合にはおすすめです。

米国株投信や債券投信、REIT投信にも優良商品が揃っているため、どのような運用目的でiDeCoを始めるにしても、目的に沿ったポートフォリオを構成することができます。

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