レバナスETF投資について徹底検証!新NISAでは代わりの銘柄についても紹介!

「レバナスで利益を出す方法とは?」「新NISAではレバナスに投資できる?」「新NISAでレバナスの代わりとなる投資方法とは?」など、レバナス投資について疑問に思っていませんか?

レバレッジ型のNASDAQ100指数連動型ETFに投資する「レバナス」は非常にハイリスク・ハイリターンであり、買い方を工夫しないと上手く利益を出すことはできません。

なお、新NISAの成長投資枠ではレバレッジ型ETFは対象外となっているため特定口座で行う必要があります。

この記事では、レバナスについて徹底検証した上で、新NISAでレバナスの代わりとなる銘柄についても紹介しています。

※注意

この記事は、当サイトの記事の中でも特にハイリスク・ハイリターンの内容となっています。

当サイトでは、投資初心者から上級者まで、新NISAでは米国株ETFや世界株ETFへの長期・積立・分散投資を推奨しています。

 

レバナスとは?

レバナスについて押さえておきましょう。

 

レバナスとは?

レバナスとは、米国のハイテク市場「NASDAQ100指数」のレバレッジ型ETFに投資することです。

そもそも「NASDAQ100指数」とは、米国の新興市場NASDAQに上場する時価総額が大きい100銘柄(金融業を除く)で構成される指数で、GAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、TASLAといった時価総額が大きい銘柄の比率が高いことが特徴です。

「NASDAQ100指数」はインデックスの中でも、特に大きな値動きをする指数として知られており、インデックス投資においては最もハイリスク・ハイリターンとなっています。

当サイトでも、「NASDAQ100指数」に連動する米国株ETFとして、次の銘柄を新NISAによる長期・積立・分散投資におすすめしています。

  • 【2631】MAXISナスダック100上場投信
  • 【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信

今回注目していくのは、通常のNASDAQ100指数連動型ETFではなく、レバレッジ型のNASDAQ100指数連動型ETFです。

 

東証にもレバナスETF【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジが上場した

東証では長らく、NASDAQ100指数連動型ETFは、2010年8月16日に上場した野村アセットマネジメント運用の【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信だけでした。

新型コロナ相場などでNASDAQ100指数に注目が集まったこともあり、2020年以降はNASDAQ100指数連動型ETFが次々と上場しています。

NASDAQ100指数連動型ETFについては、下記記事を参照ください。

NASDAQ(ナスダック)連動型の東証ETF特集!おすすめ銘柄やインバース型についても解説!
「NASDAQ連動型ETFのおすすめは?」「そもそもNASDAQ(ナスダック)って?」「新NISAやiDeCoでNASDAQに投資する方法はあるの?」など、NASDAQへの投資についてお困りではありませんか? GAFAMやNVIDIA、TE...

そして、2022年11月16日には、NASDAQ100指数のレバレッジ型ETF【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジが上場しました。

遂に、東証ETFでもレバナス投資ができるようになりました。

ただ、こちらの銘柄は上場間もない銘柄であるため、投資対象にはなりますが、チャート検証によるルール作成にはまだ使えません。

 

レバナスは合理的に行う必要がある

当サイトでは、新NISAを使った米国株ETF(S&P500指数、NASDAQ100指数)や世界株ETFの長期・積立・分散投資を推奨しています。

インデックス投資の場合は、毎月○万円や四半期末ごとに○万円など、機械的に長期・積立・分散投資していくだけで問題ありません。

ただ、レバナスとなると、そのような誰にでもできる方法では、長期的に利益を出すことは難しくなっています(詳しくは下記のデメリットの項で解説しています)。

レバナスをするとなると、チャート分析を含めて、合理的な方法で行う必要があります。

 

新NISAではレバナスは対象外

新NISAの成長投資枠では、レバレッジ型ETFは対象外となっているため、レバナスに投資することはできません。

新NISAの成長投資枠では、「デリバティブ取引を用いた投資信託・ETF」は対象外となっているためです。

つみたて投資枠でも、レバレッジ型投信は対象外です。

詳しくは、投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」を参照ください。

レバナスをするには、特定口座などの課税口座でしか投資できないということです。

 

レバナスのメリット

レバナスのメリットについて見ていきましょう。

 

非常に大きなリターンが期待できる

新NISAの1,800万円の枠だけでは、米国株ETFや世界株ETFへの長期・積立・分散投資をしても、30年で1億円行くかどうかは微妙な所です。

S&P500指数、NASDAQ100指数、世界株(オルカン)について、主要投資信託の実績は次のようになっています(2024年2月末時点)。

指数 銘柄 直近5年間リターン 年率換算
S&P500指数 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) +122.99% +21.44%
NASDAQ100指数 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス +164.09% +27.98%
MSCI ACWI eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) +243.39% +17.40%

2024年2月末時点では、直近5年間でNASDAQ100指数は年率換算すると約+28%ですが、これが30年続くかというと、ちょっと現実的ではないかと思います。

仮に、30年間でこの半分、平均月率+14%だった場合には、毎月5万円の積立で、30年間で2億7,464万円に達します。

レバナスを効率的に行った場合には、年率28%も不可能ではなく、その場合には、30年間で86億5,065万円となります。

さすがに、これはあり得ませんが、レバナスを効率的に行えば、新NISAを使わずとも、1,800万円程度の資金を資産10億円にすることも不可能ではありません。
※注記:下記のシミュレーションで詳しく解説していますが、30年間でリーマンショックやコロナショック級の暴落が起こらないなどの条件が必要です。

 

資金効率が非常に良い

資金効率という点で考えると、S&P500指数や世界株(オルカン)よりも、よりハイリスク・ハイリターンのNASDAQ100指数の方が、メリットを享受できると言えます。

レバナスの場合には、さらに資金効率が上がるため、少ない資金の場合には新NISAを使ったインデックス投資よりも効率的とは言えます(リスクも大きいため積極推奨はしませんが)。

 

レバナスのデメリット

レバナスのデメリットについて見ていきましょう。

 

上級者向けの投資スキルが必要となる

レバナスは、投資初心者にはおすすめできません。

最低でも、月足チャートを見てテクニカル分析ができ、投資ルールを自分の手で作ることができ、そのルールを執行し続けられる規律やメンタルがない場合には、おすすめしません。

この記事では、ここからレバナスについて検証した上で投資ルールについて解説していきますが、必ず自分の手で再検証してください。

投資やトレードにおいては、自分の手で検証したルールでないと、精神的に継続することが難しいためです。

投資初心者の方には、新NISAを使ってS&P500指数か世界株(オルカン)を機械的に積み立てていくことが最もおすすめです。

投資初心者が、下手にレバナスをしてしまうと、大きな損失を出してしまい、「やっぱり、新NISAでS&P500指数かオルカンにしておくべきだった……」となりかねません。

 

大暴落して長期投資では不利になるリスクがある

NASDAQ100指数やレバナスは、上昇率ばかりが話題になりますが、下落率についても必ず押さえておく必要があります。

直近では、2022年には米国利上げを背景に、米国株が大きな下落となりました。

2022年には、世界株ETF・米国株ETF(S&P500指数)・米国株ETF(NASDAQ100指数)の高値から安値までの下落率は次のようになっていました。

2022年1~3月 2022年11月~1月
【2559】世界株 -12.82%(14,420円→12,570円) -11.66%(15,000円→13,250円)
【2558】S&P500指数 -14.95%(15,945円→13,560円) -13.87%(16,650円→14,340円)
【2631】NASDAQ100指数 -21.49%(13,770円→10,810円) -16.72%(12,255円→10,205円)

より詳しくはそれぞれの銘柄の月足チャートを見て確認してもらえたらと思うのですが、世界株>S&P500指数>NASDAQ100指数の順に下落率が大きかったことが分かります。

さらに言うと、これは東証ETFで比較しているため、円安ドル高でヘッジされています(ここで言いたいことは、NASDAQ100指数はS&P500指数・オルカンに比べると、ハイリスク・ハイリターンの指数であるということです)。

では、2022年には、オリジナルのNASDAQ100指数はどの程度、下落したのかを見ていきましょう。

※チャート参照:Trading View「NDX」

NASDAQ100指数は、2022年11月に付けていた16,764.86ドルから、2022年10月には10,440.64ドルまで下げました。

この期間の最大下落率は-37.72%となります。

これはレバレッジされていないNASDAQ100指数の下落率です。

では、レバレッジ型のNASDAQ100指数は、この期間にはどうなっていたのかを見てみましょう。

次のチャートは、米国ETFのNASDAQ100指数の2倍レバレッジ型ETF【QLD】プロシェアーズ・ウルトラQQQの月足チャートになります。

※チャート参照:Trading View「QLD」

同ETFは、2021年11月に付けていた94.46ドルから、2022年10月には32.92ドルまで下げました。

最大下落率は-65.14%となっており、長期で見ると2021年11月に付けた高値を、2024年3月時点でもまだ回復していません。

なお、NASDAQ100指数は、2021年11月に付けた高値を2023年12月に回復しています。

「レバナス」という言葉が2022年以降に聞こえなくなっている理由は、このチャートが全てを物語っていると言えるでしょう。

これこそが、機械的にレバナスしてはいけない理由です。

レバレッジ型ETFは、下落の谷が大きくなるため、その後の反動でも回復するまでに時間が掛かるケースが多く、これが長期投資におすすめできない理由の一つとなります。

 

投資初心者がする間違ったレバナスの方法

レバナスは使い方を間違えなければ有効な方法になりますが、そう簡単にできるものではありません。

投資初心者による間違ったレバナスの方法について見ていきましょう。

 

機械的に長期・積立・分散投資している

レバナスをしている投資家の大半に共通しているのが次の2点です。

  • 個別株トレードの取引で利益を出すスキルがない。
  • インデックス投資のリターン(年率5~10%)では満足できない。

スキルがないにも関わらず、インデックス投資の成績では満足できないがために、ハイリスク・ハイリターンのレバナスに手を出してしまっているというケースが大半です。

S&P500指数やオルカンの長期・積立・分散投資を延長した手法で、レバナスに投資してしまいます。

S&P500指数やオルカンへの、機械的な長期・積立・分散投資が上手くいきやすいのは、分散投資されていることから下落が限定されることも挙げられます。

しかし、レバナスは暴落相場でのドローダウンも大きくなるため、2022年のような展開は必ず訪れることになり、これでは長期的に良い成績が出せないということは見てきた通りです。

トレードスキルがない場合には、レバナスは諦めて、S&P500指数やオルカンへの長期・積立・分散投資をするようにしましょう。

 

資金管理の概念がない

レバナスに手を出してしまうのは、スキルがない投資初心者が多いがために、「【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジに投資すれば儲かるのね?」程度の認識しかないケースが大半です。

レバナスで利益を出すには、次のスキルが必要です。

  • 銘柄選び:レバナスETFは【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジである。
  • エントリー:どのタイミングで投資するか?
  • 資金管理:どのような資金配分で投資していくか?

大半は「銘柄選び」止まりであり、「エントリー」まで考えられる人はほとんどおらず、レバナスで「資金管理」まで考えている人については、管理人はほとんど見たことがありません。
※そこまでスキルがあれば、レバナス以上に利益を出すチャンスがある個別株トレードで利益を出せてしまうため、レバナスをする必要がそもそもないためです。

S&P500指数やオルカンは、暴落時にも-20%程度しか落ちないため、機械的な長期・積立・分散投資で問題ありません。

しかし、レバナスの場合は、-50%を超えるドローダウンが当たり前となるため、エントリーと資金管理の考え方が必須です。

そもそも資金管理とは何かというと、これはトレードの概念であり、リスクを小さくするための考え方です。

ただ、個別株のトレードとレバナスが違うのは、個別株の場合には急騰後は長期的に下落していく銘柄が大半ですが、レバナスの場合は長期的に上げていく公算が強い点にあります。

レバナスの元になる「NASDAQ100指数」は、100銘柄に分散投資された時価総額加重平均型の指数のため、長期的には上昇していく公算が強いです。

もしもGAFAMやNVIDIAが没落したとしても、新しい企業が出てくれば、それが指数に反映されるため、「NASDAQ100指数」自体は上昇していくと考えられます。

これは、インデックス投資が合理的な理由です。

このため、個別株トレードの場合は損切りによる資金管理が必要となりますが、レバナスの場合にはエントリータイミングを見極めて集中投資した上で長期保有することが効果的と言えます。

 

レバナスについて検証~売買ルール作成

レバナス及び「NASDAQ100指数」について検証した上で、レバナスの売買ルールについて考えていきましょう。

まず、「NASDAQ100指数」について、リーマンショックを含む2008年以降の月足チャートを見てみましょう。

※チャート参照:Trading View「NDX」

長期的に上がっていることが確認できます。

ただ、「NASDAQ100指数」は長期的には上がっていますが、当然ながら調整による下落も繰り返しています。

ここからは、Trading Viewの月足チャートではやや見づらいため、マネックス証券「マーケットライダープレミアム」でNASDAQ100指数連動型ETF【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信について見ていくことにしましょう。

今回、レバナスのルール作りにおいては、10年以上の運用実績があり価格信頼性がある【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信を参考にすることにします。

【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信の月足チャートを見ながら、レバナスETF【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジに投資するということです。

東証ETFのため、オリジナルの「NASDAQ100指数」に比べると円安ドル高による為替差益も加味されますが、そこはご了承ください。

上図は、【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信の2010年以降の全期間の月足チャートになります。

同銘柄について、2010年以降の月足チャートでのドローダウン、つまり直近高値から安値までの下落率についてまとめると次のようになります。

番号 期間 最大ドローダウン率
1 2011年7月~8月 -22.36%(1,985円→1,541円)
2 2012年3月~6月 -17.68%(2,329円→1,917円)
3 2015年7月~8月 -19.25%(5,920円→4,780円)
4 2015年11月~2月 -23.89%(5,900円→4,490円)
5 2016年5月~6月 -15.33%(5,120円→4,335円)
6 2018年10月~12月 -26.71%(8,870円→6,500円)
7 2019年4月~6月 -14.71%(8,970円→7,650円)
8 2020年2月~3月 -33.03%(11,020円→7,380円)
9 2020年9月~10月 -12.69%(13,390円→11,690円)
10 2022年1月~2月 -21.49%(19,400円→15,230円)
11 2022年3月~6月 -21.31%(19,000円→14,950円)
12 2022年9月~12月 -21.38%(18,450円→14,505円)

ここから言えることはズバリ、「【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信が、直近4ヶ月の高値から-20%下落したら、レバナスETF【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジに投資する」というルールが作れるかと思います。

-20%未満までの下落は全てスルーして、【1545】が直近4ヶ月の高値から-20%下落したときにだけ、レバナスETF【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジに投資するということです。

このルールを2010年から2024年3月時点まで適用すると、投資タイミングは次の5回のみとなります。

  • 2011年8月
  • 2016年2月
  • 2018年12月
  • 2020年3月
  • 2022年2月 ※投資は年1回とすると、2022年は2月のみとなります。

レバナスをする場合には、上記の条件が適用された瞬間に、「押し目で集中投資する」という方法になるかと思います。

集中投資するとは言っても、1回に投じるのは総資産の5分の1程度にしておいた方が賢明かと思います。

2~3年に1度あるかないかのエントリータイミングとなりますが、レバナスのベストは現状ではこのルール以外に思い浮かびません。

 

レバナスの売買ルールの注意点

以上で見てきたレバナスの売買ルールの注意点について見ていきましょう。

 

暴落を待ってからレバナスに投資すること!!!

レバナスを効果的に運用するためには、とにかく待つことが重要です。

その一つの目安として、当サイトでは、NASDAQ100指数連動型ETF【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信が、直近4ヶ月の高値から-20%下落した場合としました。

仮に、-19.99%の下落となった場合にも、まだ待ちます。

リミットマインダーで直近4ヶ月の高値から-20%のラインを設定しておき、リミットマインダーが鳴ったら、翌日に買います。

とにかく待つことが重要です。

2~3年に一度しかない、NASDAQ100指数の押し目タイミングでのみ出動します。

このようなルールである以上、SNSでレバナス投資している自慢をすることもできませんし、誰もが総悲観状態でレバナスに集中投資することには精神的抵抗があるかと思いますが、仕方ありません。

 

レバナスの目安はNASDAQ100指数でもNASDAQ100指数連動型ETFでもよい

今回は、東証のNASDAQ100指数連動型ETF【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信で売買ルールを作りました。

これは、管理人が使っている「マーケットライダープレミアム」でチャートが見やすいためという理由もあります。

オリジナルのNASDAQ100指数や、米国ETFのNASDAQ100指数連動型ETF、レバナスETFそのものでルールを作っても問題ありません。

これは、どのチャートを見てルールを作ることが正解ということはありません。

ただ、共通しているのは、「NASDAQ100指数の押し目でレバナスに投資したい」ということです。

どのチャートを見ていても、NASDAQ100指数の安値は絶対に予測できません(もしも、これが常に分かるようなら世界一のお金持ちになれます)。

コロナショックのときのNASDAQ100指数の安値、2022年のNASDAQ100指数の安値は、絶対に事前に予測することはできませんでしたし、今後も同様です。

チャートを見て過去の統計から、「NASDAQ100指数が直近高値から、この位まで落ちたら、そろそろ安値じゃないだろうか?」と推測することしかできないのです。

 

大きな含み益が出たら利食いすべき?

レバナス投資で、大きな含み益が出たら利食いすべきでしょうか?

これは難しい問いになるかと思います。

レバナスの元になっているNASDAQ100指数は、分散投資された時価総額加重平均型のインデックスであるため、長期的には成長していくことが期待されます。

そのため、レバナスを長期で保有していた方がいいでしょう。

ただ、レバナスは大きな山と谷を繰り返す動きになります。

レバナスのチャートについて直近で見ても、2021年末の山から、2022年には谷となり、その後は大きな山となっており、大きな山と谷を繰り返しながら長期的には上昇していくことが期待されます。

レバナスはこのような動きを繰り返していくため、ある程度の含み益が出たら、その一部(5分の1~4分の1程度)を売却するのはアリです。

問題は、「どのタイミングで売却するか?」です。

これは、「前回、押し目買いした谷から2倍になったら」程度で良いのではないでしょうか?

これも、山の頂点(NASDAQ100指数の高値)は絶対に分からないため、自分でルールを決めてしまうしかありません。

このようにして、レバナスを長期でしながら、一部売却を繰り返していくことはアリです。

売買ルールに、この点を追加すると次のようになります。

 

レバナスの利食い目安は?

レバナスの利食いについて、もう少しだけ検証してみましょう。

月足チャートで見ると、レバナスは山と谷を繰り返しながらも上昇していくとすると、谷(押し目)で買って、次の山(高値)で売ることができれば最高です。

しかし、安値で買って、高値で買うということは、絶対にできません。

統計的に見て、「一時的にこの位まで落ちたら安値かもしれない」「この辺まで上がったら高値かもしれない」と推測することしかできません。

高値だと思って売ったのにさらに大きく上げていくことも、押し目だと思って買ったのにさらに暴落してしまった(リーマンショックやコロナショック)ということもありますが、それは仕方ありません。

今回ルール作りの元とした【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信は、2010年~2024年3月までの14年間で、-20%以上下落したのは次の5回でした。

  • 2011年8月
  • 2016年2月
  • 2018年12月
  • 2020年3月
  • 2022年2月

では、この安値から、次の高値(定義:前回の高値から-20%以上下落してから、次に-20%以上下落するまでの高値)までに、どの程度まで順行していたのかを見ていきましょう。

安値 高値 上昇率 上昇期間
1,541円(2011年8月) 5,920円(2015年7月) +284.16% 3年11ヶ月
4,490円(2016年2月) 8,870円(2018年10月) +97.55% 2年8ヶ月
6,500円(2018年12月) 11,020円(2020年2月) +69.53% 1年3ヶ月
7,380円(2020年3月) 19,400円(2022年1月) +162.87% 1年8ヶ月
15,230円(2022年2月) 28,230円(2024年3月) +85.35% 2年1ヶ月

チャートに印を付けると、次のようになります。

利食いは簡単には行かず、過去の統計からすると、上昇率・上昇期間ともにバラバラです。

上昇率は+69.53%~+284.16%、上昇期間は1年3ヶ月~3年11ヶ月となっています。

レバナスETFが2~3倍程度になったら利食いと考えるしかないかと思います。

なお、2024年3月末時点では、前回の谷から+85.35%、上昇期間は2年1ヶ月となっており、そろそろ下落が来てもおかしくありませんが、さらに上昇が続いてもおかしくありません。

 

レバナスのポートフォリオとシミュレーション

レバナスのポートフォリオとシミュレーションについて見ていきましょう。

レバナスのポートフォリオは、次の通りです。

  • 100% レバナスETF:【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジ

問題はシミュレーションですが、おなじみの金融庁の資産運用シミュレーションは積立投資を前提のシミュレーションとしており、今回は積立投資ではなく集中投資のため使えません。

また、今回のレバナスを年率換算すると20~30%と言いたい所ですが、順調に右肩上がりで行くわけではないため、この点でも金融庁のシミュレーターは使えません。

イメージとしては、「+60%→+60%→-40%」を3年間で繰り返しながら上昇していくものになるかと思います。

なお、「+60%→+60%→-40%」は掛け算のため、合計+80%ではなく、(160%×160%×60%)=1.536=153.6%です。
※長期では逓減していくというレバレッジ型ETFのデメリットが、レバナスではより顕著に出ます。

そして、-40%となる押し目(谷)を確認したら集中投資するというものになります。

表にすると、次のようなイメージです(1回の投資額を240万円としています)。

投資額 累計投資額 成績 累計成績 資産額 利益合計
1年 240 240 0% 100% 240 0
2年 0 240 60% 160.0% 384 144
3年 0 240 60% 256.0% 614 374
4年 240 480 -40% 153.6% 608 128
5年 0 480 60% 245.8% 972 492
6年 0 480 60% 393.2% 1555 1075
7年 240 720 -40% 235.9% 1173 453
8年 0 720 60% 377.5% 1876 1156
9年 0 720 60% 604.0% 3001 2281
10年 240 960 -40% 362.4% 2040 1080
11年 0 960 60% 579.8% 3264 2304
12年 0 960 60% 927.7% 5222 4262
13年 240 1200 -40% 556.6% 3373 2173
14年 0 1200 60% 890.6% 5396 4196
15年 0 1200 60% 1425.0% 8633 7433
16年 0 1200 -40% 855.0% 5179 3979
17年 0 1200 60% 1368.0% 8286 7086
18年 0 1200 60% 2188.7% 13257 12057
19年 0 1200 -40% 1313.2% 7954 6754
20年 0 1200 60% 2101.2% 12726 11526
21年 0 1200 60% 3361.9% 20361 19161
22年 0 1200 -40% 2017.2% 12216 11016
23年 0 1200 60% 3227.4% 19545 18345
24年 0 1200 60% 5163.9% 31272 30072
25年 0 1200 -40% 3098.3% 18763 17563
26年 0 1200 60% 4957.4% 30020 28820
27年 0 1200 60% 7931.8% 48032 46832
28年 0 1200 -40% 4759.1% 28819 27619
29年 0 1200 60% 7614.5% 46110 44910
30年 0 1200 60% 12183.2% 73776 72576

もちろん、実際はこんな単純にはいきませんが、あくまでイメージとして捉えてください。

なお、今回は、1,200万円以降の売却については加味しておらず、ずっと保有し続けた場合のイメージとなります。

これをグラフにすると、次のようになります。

30年間で7億3,776万円になりました(元本1,200万円)。

ただ、30年間の内、10年に1回はリーマンショックやコロナショック級の下落が来るものとして、10年目、19年目、28年目の下落を“-70%”にすると、次のようになります。

30年となると、こちらが現実的じゃないかと思います。

それでも、元本1,200万円がジャストで1億2,000万円に到達しています。

このように実際にシミュレーションしてみると、長期投資におけるレバレッジ型ETFのリスクを感じることができます。

簡単なモデルとして、3年間で「+60%→+60%→-40%」を繰り返すとなると、レバレッジ型は2年目には+156%になりますが、この全額に対して下落がレバレッジで効いてくるため-40%の下落は大ダメージです。

下落が大きければ大きいほど、レバレッジ型は戻すことにも時間が掛かってしまいます。

なお、2024年3月時点では、レバナスはこの2年目の時期に相当していることには注意しておきましょう。

ちなみに、通常のNASDAQ100指数連動型ETFや投信の直近実績は年率約+28%となっていますが、30年間でこの半分として、毎月5万円の積立で年率14%となると、30年間で2億7,464万円に到達します。

結論としては、NASDAQ100指数が安値から上げている2~3年程度ではレバナスの方が有利になりますが、長期で見ると、通常のNASDAQ100指数ETFもレバナスETFもそこまで変わりません。

レバナスだけで10億円に到達することも不可能ではないかもしれませんが、最終的には資産額が大きくなった状態での運用益の寄与分が全てとなるため、30年以上に渡ってリーマンショックやコロナショック級の経済危機が来ないことが必須条件です。

しかし、それはちょっと現実的ではないかと思います。

 

新NISAでレバナスの代わりとなる銘柄!iFreeNEXT FANG+インデックス

新NISAでは、レバナス型ETFや投信には対象外となっています。

新NISAでレバナスの代わりとなる銘柄としては、「iFreeNEXT FANG+インデックス」をおすすめします。

「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、大和アセットマネジメントが運用する、「NYSE FANG+指数」に連動する米国株投信です。

NYSE FANG+指数は、次世代テクノロジーでグローバル社会に大きな影響力を持つ米国株で構成される指数です。

具体的には、GAFAM(Google(Alphabet)、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)、NVIDIA、TESLA、Netflix、AMD、SNOWFLAKEの10銘柄に、均等に10%ずつ分散した指数となっています。

種類 株投信(インデックス)
連動指数 NYSE FANG+指数
信託報酬(税込) 0.7755%
直近5年間リターン +403.07%
設定日 2018年1月31日
おすすめ度 ★★★★★

「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、つみたて投資枠では、NYSE FANG+指数連動型の唯一の銘柄です。

直近5年間では、5倍を超える凄まじい成績となっています。

ただ、分散投資が不十分で、さすがにリスクが高過ぎるため、NASDAQ100指数連動型投信よりも積極的におすすめすることはできません。

SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3大ネット証券で取り扱っています。

 

まとめ

この記事では、レバナスについて徹底検証した上で、新NISAでレバナスの代わりとなる銘柄についても紹介してきました。

レバナスの売買ルールについてまとめると、次のようになります。

  • 【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信が、直近4ヶ月の高値から-20%下落したら、成長投資枠で【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジに集中投資する。

レバナス投資で重要なのは、暴落をとにかく待ってから買うことです。

レバナスは、長期的には下落がきつくなるため、通常の長期・積立・分散投資では、上手く結果が出ません。

レバナスを長期保有して、リーマンショックやコロナショック級の下落が30年ほどなければ、1000万円程度の投資で資産10億円まで行く可能性もありますが、現実的ではありません。

長期投資として考えると、レバナスで上手く投資したとしても、通常のNASDAQ100指数連動型ETFに長期・積立・分散投資するのもそれほど変わりません(レバナスは暴落から戻すことに時間が掛かるため)。

ただ、2~3年のスパンで考えると、暴落時にレバナスを買って、2~3倍程度になったら売却する方法は有効であるため、活用してみてはいかがでしょうか?

いずれにしても、当サイトでは、レバナスETFはNASDAQ100指数の暴落時の買いのみ推奨しており、既に上がってしまっている2024年3月時点では買い推奨しません。