レバレッジ型ETFの長期保有はおすすめ?レバナスや半導体3倍SOXLについても解説!【※新NISA対象外】

「レバレッジ型ETFの長期投資はアリ?」「新NISAではレバレッジ型ETFに投資できる?」「レバナスや半導体3倍ETFの【SOXL】って?」など、レバレッジ型ETFの長期保有で疑問がありませんか?

新NISAの成長投資枠ではETFに投資できますが、レバレッジ型ETFは対象外となっています。

東証ETFでは日経平均株価やNASDAQ100指数の2倍レバレッジ型ETFに投資でき、米国ETFではS&P500指数や半導体3倍指数といった最大3倍のレバレッジ型ETFに投資できます。

ただ、レバレッジ型ETFは長期投資でも大きなリターンを期待できる可能性がある反面、リスクも相応に大きいことに注意が必要です。

この記事では、レバレッジ型ETFを長期保有するメリット・デメリット、東証ETF・米国ETFでおすすめのレバレッジ型ETFについて解説した上で、レバレッジ型ETFを長期保有した際のシミュレーションについても紹介しています。

 

レバレッジ型ETFについて

レバレッジ型ETFの基本について押さえておきましょう。

 

レバレッジ型ETF(ブル型ETF)とは?

レバレッジ型ETF(ブル型ETF)とは、日経平均株価やTOPIXといった指数の前日変動率に対して2倍の値動きをするETFです。

一般的に、レバレッジ型ETFは、デイトレードやスイングトレードといった短期投資向けのETFとなっています。

一方、レバレッジ型ETFは分配金が出ず、信託報酬も高いため、長期投資には向いていません。

また、レバレッジ型ETFは正確には「指数の前営業日の2倍の値動き」となるように設定されているため、2営業日以上離れた日と比較すると、複利効果によって2倍前後にぶれてくるため完全な2倍の値動きにはならないことに注意が必要です。

特に、「指数の前営業日の2倍の値動き」になるというレバレッジ型ETFの特性により、指数が上昇と下落を交互に繰り返す場合には逓減していってしまいます。

例えば、TOPIXが+5%上昇→-10%下落→+5%上昇という値動きとなった場合、TOPIXは+5%-10%+5%=100%となって元の値に戻りますが、レバレッジ型ETFは2倍の複利効果となるため、10%×(-20%)×10%=96.8%と逓減してしまいます。

これはレバレッジ型ETFの一般的な説明となりますが、2024年3月時点の直近5年間リターンを見ると、レバレッジ型ETFは通常のETFの2倍よりも大きなトータルリターンとなっている銘柄が少なくありません。

これは、直近5年間では、下落や横ばいの期間が少なく、上昇期間が多かったため、上昇へのレバレッジ効果が多く働いたためと説明可能です。

レバレッジ型ETF(ブル型ETF)についてより詳しくは、次の記事を参照ください。

東証のブル型ETF(レバレッジ型ETF・ETN)とは?おすすめ銘柄やベアとの両建てについても解説!
「ブル型ETFって?」「ブル型ETFの仕組みとは?」「ブル型ETFはどんな投資におすすめ?」「東証のおすすめブル型ETFとは?」など、ブル型ETFにお困りではありませんか? ブル型ETFとは、TOPIXや日経平均株価といった指数の倍の値動き...

 

レバレッジ型ETFの種類

証券会社で投資できるレバレッジ型ETFを大別すると次のようになります。

  • 東証のレバレッジ型ETF
  • 東証のレバレッジ型ETN
  • 米国のレバレッジ型ETF

東証に上場しているレバレッジ型ETFは、TOPIXと日経平均株価に連動するレバレッジ型ETFが主となります。

東証にはレバレッジ型ETNも上場しており、原油や金(ゴールド)などのレバレッジ型ETNがあります。

ただ、東証ETNは上場から約20年で償還となってしまうため、長期保有する際には注意が必要です。

米国市場にも多数のレバレッジ型ETFが上場しており、S&P500指数や半導体指数の最大3倍となるレバレッジ型ETFもあります。

 

新NISAではレバレッジ型ETFは対象外

新NISAの成長投資枠では、レバレッジ型ETFは対象外となっていることに注意しておきましょう。

新NISAの成長投資枠では、「デリバティブ取引を用いた投資信託・ETF」は対象外となっているため、レバレッジ型・インバース型・ダブルインバース型ETFは対象となりません。

つみたて投資枠でも、レバレッジ型投信は対象外です。

詳しくは、投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」を参照ください。

レバレッジ型ETFに投資するには、特定口座などの課税口座でしか投資できません。

 

レバレッジ型ETFを長期保有するメリット

レバレッジ型ETFを長期保有するメリットについて見ていきましょう。

 

大きなリターンを期待できる

レバレッジ型ETFは、インデックス投資の一般論からすると、値下がり時のリスクが大きく、信託報酬が高く、分配金が出ず、横ばい時には逓減する性質があるため、長期投資には向かないと説明されます。

ただ、上昇が続く場合には、値上がり率は一般的なETFの2倍を上振れすることもあるなど、これらのデメリットを差し引いても大きなリターンが期待できることも事実です。

一般論からすると、レバレッジ型ETFは通常のETFの2倍弱の値上がり率(信託報酬で差し引かれる分が大きいため2倍弱になる)となり、分配金が貰えないため、より長期的なトータルリターンは2倍弱以下に収束するとされます。

例えば、日経平均株価のレバレッジ型ETFの場合には、通常の日経平均株価連動型ETFの2倍弱のトータルリターンになると期待されるということです。

ただ、2024年3月20日時点では、このようにはなっていません。

これについては実際の数値で見てみましょう。

種類 銘柄名 直近5年間の上昇率 分配金利回り 信託報酬
日経平均株価連動型ETF 【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETF +87.57%(22,060円→41,380円) 1.46%(607円) 0.0495%
レバレッジ型ETF(日経平均株価) 【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 +228.57%(9,100円→29,900円) 0%(0円) 0.88%

直近5年間で、レバレッジ型の日経平均株価連動型ETFは、通常の日経平均株価連動型ETFの2倍以上の値上がり率となっており、トータルリターンでも2倍を上回っています。

【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信の直近5年間のトータルリターンは+228.57%となっており、信託報酬最安値の日経平均株価連動型ETF【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETFの直近5年間のトータルリターンの単純な2倍(直近5年間の上昇率×2+分配金利回り×5=182.44%)を大きく上回っていることが分かります。

これは、直近5年間で日経平均株価が大きく上昇したことが、レバレッジ効果で増幅されたことが要因です。

結果的にはレバレッジ型ETFのトータルリターンは大きくなっていますが、一般論からすると、レバレッジ型ETFへの長期投資がおすすめできないことには変わりありません。

とはいえ、レバレッジ型ETFへの長期投資が大きな結果を残していることは確かであるため、より大きな利益を求めたい場合には、これらのリスクを踏まえた上で選択することは否定できません。

 

資金効率が良い

資金効率という観点から見ると、レバレッジ型ETFは効率的であるとも言えます。

レバレッジ型ETFの長期的なトータルリターンは通常のETFの2倍弱に収束すると言っても、投資資金が少ない場合にはメリットと言えなくもありません。

S&P500指数で見ると、直近5年間のリターンは次の通りです。

銘柄名 直近5年間リターン
S&P500指数 +85.69%(2,822.61ドル→5,241.54ドル)
【SPUU】DirexionデイリーS&P・500ブル2倍ETF +136.21%(52.14ドル→123.16ドル)
【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF +187.81%(46.45ドル→133.69ドル)

S&P500指数に2倍投資すれば、レバレッジ2倍に投資するよりも大きなリターンとなります。

ただ、投資資金が限られているなら、2倍弱としてもレバレッジ型に投資する方が資金効率は良いと言えます。

 

レバレッジ型ETFを長期保有するデメリット

レバレッジ型ETFを長期保有するデメリットについて見ていきましょう。

 

値下がりリスクが大きい

レバレッジ型ETFは、値上がりの方が多い場合には、長期的には2倍を超える成績となることもあります。

ただ、横ばい(値上がりと値下がりが同数)が多い場合には逓減していく性質があり、値下がりの方が多い場合には2倍を上回る下落率になる場合があります。

上昇が多い場合にはよいですが、横ばいや下落時には大きなリスクです。

少なくとも、レバレッジ型ETFを長期投資するなら、長期・積立・分散投資をより徹底してリスクを小さくする必要があることは間違いありません。

レバレッジ型ETFを集中投資で長期保有することはリスクが余りにも大きく、リーマンショック級の下落が来たら精神的にも多大なダメージになりかねません。

レバレッジ型ETFを長期保有するとしても、毎年100万円(四半期ごとに25万円など)を12年間に分散するなど、集中投資を避けることがとにかく重要です。

2008年リーマンショックでは、S&P500指数は次のようになっていました。

S&P500指数は2007年10月に付けた高値1,576.09から2009年2月には666.79まで-57.69%下落し、2007年10月の高値を回復したのは2013年4月と5年6ヶ月掛かりました。

投資用語で言うと、最大ドローダウン率-57.69%、最大ドローダウン期間5年6ヶ月です。

単純に考えて、通常のS&P500指数連動型ETFに投資していた場合には、値を戻すまでに5年6ヶ月掛かったということです(正確には、長期・積立・分散投資をリーマンショック後の株価が安くなった所でも継続していれば平均取得単価を有利にできるため、トータルプラスに戻すのはより早くなります)。

しかし、レバレッジ型のS&P500指数連動型ETFに投資していた場合には、下落がより強烈になるため、値を戻すまでにはより長い時間が掛かることが懸念されます。

なお、これはあくまでリーマンショック級前に集中投資していた場合であり、しっかりと長期・積立・分散投資していた場合には、回復はより早くなります。

 

信託報酬が高く、分配金が出ないなど長期投資向きではない

レバレッジ型ETFは、通常のETFよりも信託報酬が高く、分配金が出ないなど、長期投資におけるETFの指標は良くありません。

より確率の高い資産形成を行う場合には、レバレッジ型ETFはおすすめできる銘柄ではありません。

日経平均株価が4万円を超えた2024年3月時点では、どうしてもレバレッジ型ETFのリターンに目が行ってしまうかもしれませんが、やはり一般的に長期投資におすすめはできません。

ETF投資の一般的な説明では、レバレッジ型ETFはスイングトレードやデイトレードなどの短期投資向けという説明になります。

ただ、短期投資となると、それはそれで中途半端になるため、レバレッジ型ETFよりも個別株の方がよいですが……。

 

東証ETNのレバレッジ型には償還期間がある

東証には原油や金(ゴールド)のブル型ETNが上場していますが、東証ETNには償還期間が設定されているため注意が必要です。

東証ETNの中では、次の3銘柄はレバレッジ型として候補にもなります。

銘柄名 種類 管理費用 直近5年間の値上がり率 償還日 短期投資 流動性 パンフレット
【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN ゴールド先物 0.80% +362.12%(10,350円→47,830円) 2033年2月7日 ★★ リンク
【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN 原油先物 0.80% +37.05%(1,568円→2,149円) 2033年2月7日 ★★★ ★★ リンク
【2046】NEXT NOTES インドNifty・ダブル・ブル ETN インド株 0.85% +210.91%(9,300円→28,915円) 2034年11月6日 ★★ リンク

ゴールド先物のレバレッジ型ETN【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETNは、ゴールド価格の上昇かつ円安ドル高による為替差益にレバレッジが乗っているため、通常のゴールドETFの3倍以上の上昇率となっています。

ただ、いずれの銘柄も償還期間が上場から20年後に設定されており、2024年3月時点から投資したとしても10年程度しか保有できない点に注意が必要です。

東証ETNについて、より詳しくは次の記事を参照ください。

ETN銘柄一覧!東証の全ETN(レバレッジ型、インバース型を含む)を徹底解説!
東証に上場している全ETN銘柄について一覧で紹介した上で、全ETNについて解説しています。 ※上場から1年未満の銘柄については、データが不十分のため未掲載です。 各ETNについては、連動指数、管理費用、長期投資おすすめ度(★~★★★★★の5...

 

米国ETFの3倍レバレッジ型はリスクが非常に大きい

米国ETFには3倍レバレッジ型(3倍ブル型)ETFが上場していますが、リターンが大きい一方でリスクも大きくなっています。

これは実際に「S&P500指数」で比較してみましょう。

次の3つについて、2024年3月22日時点の直近5年間リターンについて比較してみます。

  • S&P500指数
  • S&P500指数の2倍レバレッジ型ETF【SPUU】DirexionデイリーS&P・500ブル2倍ETF
  • S&P500指数の3倍レバレッジ型ETF【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF

まずは、直近5年間リターンの比較表は次のようになります。

直近5年間リターンで見ると、S&P500指数<レバレッジ2倍<レバレッジ3倍となっていますが、これは元のS&P500指数が上がっているため当然の結果であると言えます。

続いて直近5年間のチャートを見ていきましょう。

・S&P500指数
※チャート参照:Trading View「SPX」

・【SPUU】DirexionデイリーS&P・500ブル2倍ETF
※チャート参照:Trading View「SPUU」

・【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF
※チャート参照:Trading View「SPXL」

ここでは次の点に注目です。

  • 直近5年間リターンはS&P500指数<レバレッジ2倍<レバレッジ3倍だが、その差は2倍以下となっている。
  • ↑の理由としては、2020年コロナショック、2022年の米国利上げによる下落の影響が大きかったことが挙げられる。
  • 2021年末~2022年初めに付けた最高値の回復(最大ドローダウン期間)は、S&P500指数>レバレッジ2倍>レバレッジ3倍の順番に早かった。

まず、2020年コロナショックと2022年の米国利上げによる下落相場で、どの程度の下落があったのかは次のようになっています。
※コロナショック下落率は、2020年1~2月高値→コロナショックでの安値の値。
※2022年下落率は、直近高値から2022年安値の値。

銘柄名 コロナショック下落率 2022年下落率
S&P500指数 -35.24%(3,385.09ドル→2,191.86ドル) -26.24%(4,733.99ドル→3,491.58ドル)
【SPUU】DirexionデイリーS&P・500ブル2倍ETF -60.74%(73.22ドル→28.74ドル) -49.53%(118.85ドル→59.98ドル)
【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF -78.37%(76.33ドル→16.51ドル) -66.90%(147.98ドル→48.97ドル)

レバレッジ型ETFは、上昇時には大きな上昇となりますが、下落時にも相応の下落率となることが分かります。

レバレッジ型ETFは安値からの反発力も強いですが、下落率の大きさが響いて、ドローダウンの回復(最大ドローダウン期間)も次のように遅くなっています。

銘柄名 コロナショック前の高値回復(週) 2022年前の高値回復(週)
S&P500指数 2020年7月20日 2024年1月16日
【SPUU】DirexionデイリーS&P・500ブル2倍ETF 2020年8月24日 2024年3月4日
【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF 2021年1月4日

S&P500指数のレバレッジ3倍型ETFは、2021年末に付けた147.98ドルを、2024年3月22日時点でもまだ回復していません。

2024年3月時点では相場が好調であり、長期のトータルリターンでもレバレッジ型ETFの方が優秀ですが、このようなリスクがあることを必ず押さえておくようにしてください。

レバレッジ型ETFへの長期投資は必ずしも悪いということではありませんが、長期・積立・分散投資が絶対に必須となります。

 

長期保有におすすめの東証のレバレッジ型ETF

長期保有におすすめの東証のレバレッジ型ETFを見ていきましょう。

ただ再三になりますが、ETF投資の一般論においては、レバレッジ型ETFは長期投資におすすめできません。

「それでも、どうしてもレバレッジ型ETFに長期投資したい!」という場合におすすめの銘柄について紹介していきます。

 

TOPIXのレバレッジ型ETF!【1367】ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数

【1367】ダイワ上場投信-TOPIXレバレッジ(2倍)指数は、大和アセットマネジメントが運用する、「TOPIX レバレッジ(2倍)指数」に連動するレバレッジ型ETFです。

「TOPIX レバレッジ(2倍)指数」は、「TOPIX」の前日比変動率に2倍を乗じた変動率となるように計算された指数です。

なお、「TOPIX」は、東証プライム市場に上場している全銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数で、トヨタやソニーグループなど時価総額が大きい銘柄の比重が高いことが特徴となっています。

信託報酬(税込) 0.825%
分配金 0円(年1回)
分配金利回り 0%
直近5年間の値動き +214.21%(12,520円→39,340円)
必要投資金額 39,340円(1口)
上場日 2015年1月6日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ★★

TOPIXのレバレッジ型を長期保有するとしたら、こちらの銘柄になります。

信託報酬は高く、分配金(通常のTOPIX連動型ETFなら2.00%程度)も出ないため、一般的には長期投資におすすめできませんが、直近5年間ではNASDAQ100指数連動型ETF並みの成績となっています。

なお、レバレッジ型のTOPIX連動型ETFは【1568】TOPIXブル2倍上場投信もあり、信託報酬は変わらず、流動性はこちらの方が高いですが、10株からとなっており最低投資金額が約45万円と高いため、時間分散の観点からおすすめできません。

 

日経平均株価のレバレッジ型ETF!【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型

【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型は、楽天投信投資顧問が運用する、「日経平均レバレッジ・インデックス」に連動するレバレッジ型ETFです。

「日経平均レバレッジ・インデックス」は、「日経平均株価」の前日変動率の2倍となるように計算された指数です。

なお、「日経平均株価」は、東証プライム市場に上場している代表的な225銘柄の株価平均で算出される株価指数で、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど値嵩株の影響を受けやすい点が特徴となっています。

信託報酬(税込) 0.385%
分配金 0円(年1回)
分配金利回り 0%
直近5年間の値動き +253.41%(10,390円→36,720円)
必要投資金額 36,720円(1口)
上場日 2015年7月15日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★★★

日経平均株価のレバレッジ型ETFで最も信託報酬が低い銘柄となっており、短期投資でもおなじみの銘柄です。

信託報酬が低いことから、長期投資でも日本株のレバレッジ型ETFでは最もおすすめとなります。

日経平均株価は、TOPIXに比べると値上がり率が大きくなりやすく、分配金(日経平均株価連動型ETFは1.50%程度)もやや少ないため、レバレッジ型の長期投資ではTOPIXより期待できると言えます。

 

レバナス型ETF!【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジ

【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジは、大和アセットマネジメントが運用する、「NASDAQ100レバレッジ指数」に連動するレバレッジ型ETFです。

「NASDAQ100レバレッジ指数」は、「NASDAQ100指数」の前日変動率の2倍となるように計算された指数です。

なお、「NASDAQ100指数」は、米国の新興市場NASDAQに上場する時価総額が大きい100銘柄(金融業を除く)で構成される指数で、GAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、TASLAといった時価総額が大きい銘柄の比率が高いことが特徴となっています。

信託報酬(税込) 0.825%
分配金 44円(年2回)
分配金利回り 0.11%
直近5年間の値動き +95.02%(20,510円→40,000円)
必要投資金額 40,000円(1口)
上場日 2022年11月16日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★

2022年11月16日、東証ETFにもレバナスETFが上場しました。

レバナス勢には地獄となっていた2022年の年末に上場し、直近1年半では2倍近い上昇率となっています。

短期投資でも人気の銘柄となりつつありますが、長期保有するとしたら長期・積立・分散投資は必須となります。

 

長期保有におすすめの米国のレバレッジ型ETF

長期保有におすすめの米国のレバレッジ型ETFについて見ていきましょう。

 

S&P500指数のレバレッジ3倍!【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF

【SPXL】Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETFは、ディレクションが運用する、「S&P500指数」の3倍に連動するレバレッジ型ETFです。

なお、「S&P500指数」は、米国市場を代表する500銘柄で構成される時価総額加重平均型の指数で、時価総額が大きいGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、TESLAといった銘柄の構成比率が高い点が特徴です。

経費率(税込) 0.91%
分配金 0.39478ドル
分配金利回り 0.29%
直近5年間の値動き +187.81%(46.45ドル→133.69ドル)
必要投資金額 133.69ドル(1口)
上場日 2008年5月11日
長期投資おすすめ度 ★★★

※チャート参照:Trading View「SPXL」
※データ参照:Bloomberg「SPXL:US」

S&P500指数の3倍レバレッジ型となります。

ただ、直近5年間リターンで見ると、東証ETFの日経平均株価のレバレッジ型(2倍)よりも落ちます。

これは、2020年2~3月のコロナショック、米国利上げによる2022年下落相場での下落が大きかったことでも説明可能です。
※さらに言うと、上で見た東証ETFの日経平均レバレッジ型は円建て価格であり、こちらはドル建て価格です。ドル建て換算すると、日経平均のレバレッジ型ETFの成績は落ちます。

コロナショックからの2年間では7倍以上となっており、その爆発力が凄まじいことは確かですが、2021年12月から2022年10月に掛けては3分の1にまで暴落しています。

2024年3月22日時点でも、2021年末に付けた高値を回復していないことは、長期投資においては大きなデメリットに映ります。

 

半導体指数のレバレッジ3倍!【SOXL】Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF

【SOXL】Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETFは、ディレクションが運用する、「PHLX 半導体・セクター指数(SOX指数)」の3倍に連動するレバレッジ型ETFです。

なお、「PHLX 半導体・セクター指数(SOX指数)」は、「フィラデルフィア半導体株指数」とも呼ばれる、米国の主要半導体株30銘柄で構成されている株価指数です。

経費率(税込) 0.76%
分配金 0.0353ドル
分配金利回り 0.07%
直近5年間の値動き +401.19%(9.24ドル→46.31ドル)
必要投資金額 46.31ドル(1口)
上場日 2010年3月11日
長期投資おすすめ度 ★★★

※チャート参照:Trading View「SOXL」
※データ参照:Bloomberg「SOXL:US」

半導体指数の3倍レバレッジ型です。

S&P500指数の3倍レバレッジ型以上に凄まじい値動きとなっており、直近5年間では5倍となっています。

コロナショックから2021年末に掛けては、約4ドルから約73ドルと18.25倍となりましたが、2022年には一時6ドルまで落ちました。

そこから、生成AIによるNVIDIA効果もあって、2024年3月現在では46.31ドルまで再び急騰していますが、長期で見ると2021年の高値を取り戻せていないことには注意しておいてください。

3倍レバレッジ型は凄まじい爆発力がありますが、値下がりリスクからすると、安易な長期保有におすすめできる銘柄ではありません。

NVIDIAが爆発的に上昇しているにも関わらず、直近高値を取り戻せていないという事実は、長期投資において重いと言わざるを得ません。

 

レバレッジ型ETFを長期保有する場合のポートフォリオとシミュレーション

レバレッジ型ETFを長期保有する場合のポートフォリオと運用シミュレーションについて考えてみましょう。

レバレッジ型ETFを長期保有する場合のポートフォリオ例は次のようになります。

  • 50% 日本株ETF(日経平均株価レバレッジ型):【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型
  • 50% 米国株ETF(NASDAQ100指数レバレッジ型):【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジ

完全にレバナス重視にしたい場合は、次のようにしてもよいでしょう。

  • 100% 米国株ETF(NASDAQ100指数レバレッジ型):【2869】iFreeETF NASDAQ100レバレッジ

シミュレーションとしては、直近の実績からすると20~30%と言いたい所ですが、現実的に年率15%と仮定しましょう。
※とはいえ、この年率15%というのは乱高下を繰り返してのトータル年率15%です。

年率15%(毎月5万円積立)と仮定した場合の運用シミュレーションは次の通りです。

30年間で3億4,616万円(元本1,800万円)となりました。

とはいえ、これは安定して年率15%を30年続けた場合のシミュレーションであり、レバレッジ型ETFの場合には30年間こんなに上手くいくわけはなく、大きく乱高下します。

相場が好調な2024年3月時点では期待するかもしれませんが、レバレッジ型ETFでこのような安定した右肩上がりの資金曲線には絶対になりません。

例えば、「+50%→-30%→+50%→-30%→+35%」でも年平均15%です。

 

まとめ

この記事では、レバレッジ型ETFを長期保有するメリット・デメリット、東証ETF・米国ETFでおすすめのレバレッジ型ETFについて解説した上で、レバレッジ型ETFを長期保有した際のシミュレーションについても紹介してきました。

新NISAの成長投資枠ではレバレッジ型ETFは対象外となっているため、長期保有するとしても特定口座で投資するしかありません。

一般的には、レバレッジ型ETFは、値下がりリスクが大きく、信託報酬が高く、分配金が出ず、横ばい時には長期的には逓減するといった性質から長期保有には向いていません。

2024年3月時点では、TOPIX・日経平均株価連動型ETFは通常のETFのトータルリターンの2倍を上回る成績となっていますが、これは直近5年間で上昇の方が多かったためです。

レバレッジ型ETFは資金効率が良いというメリットがあることも確かですが、下落局面での下げは強烈であり、当サイトでは推奨していません。