新NISAの分配金再投資とは?税金が非課税となる設定方法や上限限度額の枠を超える場合についても解説!

「新NISAでできる分配金再投資とは?」「分配金再投資の税金を非課税にするための設定とは?」「分配金再投資で枠を超えた場合にはどうすればいい?」など、新NISAと分配金再投資について疑問に思っていませんか?

新NISAの成長投資枠でETFに投資する場合には、分配金を同じ銘柄に再投資する「分配金再投資」が有効です。

分配金再投資は「雪だるま式に資産が増えていく」とも表現されるもので、分配金が恒久非課税となる新NISAとの相性が抜群です。

この記事では、新NISAで分配金再投資をするメリット・デメリットや枠を超えた場合の投資戦略、新NISAの分配金再投資におすすめのETFについて紹介しています。

 

分配金再投資とは?

分配金再投資とは、ETF(上場投資信託)を保有していると振り込まれる分配金を使って、再度同じETFに投資する行為のことです。

例えば、世界株ETF(オルカン)を600万円分運用していた場合、分配金利回りが1.5%とすると、年間で約9万円の分配金が支払われます。

この9万円の分配金を、そのまま世界株ETFの購入に回す行為が「分配金再投資」と呼ばれるものです。

なお、同じ配当収入(インカムゲイン)であっても、株の個別銘柄の場合は「配当金」ですが、複数銘柄から構成されるETFの場合は「分配金」と呼ばれます。

ETFの分配金は、銘柄ごとに決められた権利確定日(分配金支払い基準日、決算日)に、その銘柄を保有していることで、証券会社の口座に支払われる仕組みとなっています。

ただ、ETFも株と同様に、取引が約定した日と、実際にETFを受け取る日までにタイムラグがあるため、権利確定日の2営業日前までにETFを購入しておく必要がある点には注意が必要です。

ETFの分配金が実際に口座に振り込まれるのは、権利確定日から約40日後程度です。

ETF投資では、分配金利回りが大きい高配当ETFであろうと、NASDAQ100指数連動型ETFのような高成長で分配金利回りが低い銘柄であろうと、分配金再投資をするのは基本となります。

なお、投資信託の場合には、分配金再投資分も含めて基準価額に反映される銘柄がほとんどになっているため、分配金再投資はETF投資のみの概要になりつつあります。

とはいえ、「分配金再投資」という大層な言葉を使っているものの、ETFを定期的に長期・積立・分散投資している場合には、結局は同じ口座に振り込まれるため、やることは同じです。

例えば、四半期(3ヶ月)ごとに20万円ずつETFを買付しているような場合には、証券口座に振り込む金額が分配金の分だけ少なくなるということに過ぎません。

 

新NISAを使った分配金再投資のメリット

新NISAを使った分配金再投資のメリットについて見ていきましょう。

 

値下がりしたとしても分配金の分だけはプラスになる

分配金再投資は、「資産が雪だるま式に複利で増えていく」と表現されることも多くなっています。

仮に、1年間の値上がり率は0%だったとしても、2%の分配金が出れば、年間トータルリターンは+2%です。

さらに分配金再投資をして投資原資を大きくしていけば、分配金がさらに多く出るようになり、雪だるま式に資産が増えていくことになります。

分配金が出ることは、ETFの長期・積立・分散投資の強みの一つであり、上昇や横ばいのときはもちろん、下落しているときにも分配金は出るため、その分だけリスクヘッジにもなります。

 

新NISAの非課税投資枠の恩恵を享受できる

新NISAでは、個別株やETFには、成長投資枠からのみ投資可能です。

新NISAの成長投資枠で投資した、株から出る配当金・ETFから出る分配金は、恒久的に非課税となります。

新NISAを使わずに投資する場合には、配当金・分配金には20.315%の税金が発生してきますが、新NISAで投資すれば恒久的に非課税です。

例えば、成長投資枠1,200万円分で分配金利回り3.00%の高配当ETFに投資している場合には、分配金は年間36万円発生します。

新NISAを使わない場合には、36万円×20.315%=73,134円が税金として徴収されるため、手取り額は286,866円となりますが、新NISAを使って投資していれば、この分が差し引かれません。

これは毎年続くため、10年間で考えれば、分配金の税金が非課税になるだけで約73万円お得になります。

 

ETFは高配当株よりもリスクヘッジされている

新NISAで個別株に投資する場合には、配当金で同じ銘柄を買う「配当金再投資」が可能です。

【2914】JTや【9434】ソフトバンクといった個別株の高配当株の方が、複数の高配当株に分散投資されている高配当ETFよりも、配当利回り自体は高くなっています。

ただ、ETFは複数銘柄に分散投資されているため、特定銘柄が配当金を減らす減配や、配当金を出さない無配にしたとしても、個別株に比べて影響が少ない点がメリットです。

高配当株として人気の銘柄は、配当金目的で投資している投資家が多いため、減配・無配を発表すると大暴落になりかねません。

例えば、かつては高配当株として人気だった【7201】日産自動車は、業績不振により2019年5月以降は減配を実施し、2019年11月には無配となり、株価も大暴落しました。

2024年には、銀行株の中でも随一の高配当株であった【8304】あおぞら銀行が半期無配を発表したことで、配当利回りが半減し、株価も暴落となりました。

さらに、日本株は100株からしか買えない単元株制度があるため、分散投資(銘柄分散・時間分散)の観点からしても、新NISAとの相性は悪いと言わざるを得ません。

例えば、【9434】ソフトバンクなどの携帯キャリア3社、バフェット銘柄としても知られる5大商社株は、いずれも高配当株としても有力な銘柄群です。

ただ、単元株制度があるため、新NISAの範囲内で個別株に分散投資することは難しく、投資時期をずらす時間分散までするとなると不可能です。

もしも、携帯キャリア3社に分散投資したいとしても、【9434】ソフトバンク1銘柄に年4回に時間分散して投資するといった案に妥協せざるを得ません。

その点、ETFは複数の銘柄に分散投資した金融商品であり、東証ETFは単元株制度の対象外のため少額投資できる点が大きなメリットです。

 

新NISAを使った分配金再投資のデメリット

新NISAを使った分配金再投資のデメリットについて見ていきましょう。

 

分配金再投資だけを目的とした投資にはリスクがある

当サイトでは、ETF投資をする上では分配金再投資は必ずすることを推奨していますが、分配金はあくまで重要な要素の一つに過ぎず、値上がり益を含めたトータルリターンを考えることが重要です。

当サイトで推奨するのは、米国株ETF(S&P500指数、NASDAQ100指数)、世界株ETF(オルカン)といった、長期的な成長が期待できかつ、そのついでに分配金も出る銘柄です。

分配金利回りの大雑把な目安としては、米国株ETF(S&P500指数)は1.00%、米国株ETF(NASDAQ100指数)は0.50%、世界株ETF(オルカン)は1.50%程度となっています。

分配金利回りがいくらであったとしても、ETF投資では分配金再投資することを推奨します。

ただ、ETF投資において分配金再投資自体は基本戦略となりますが、分配金再投資を第一の目的としたETF投資は推奨しておらず、分配金利回りが高いだけの高配当ETFはおすすめしていません。

そもそも、分配金利回りの計算式は、「1株当たり分配金÷株価」です。

分配金利回りは、分配金が増配になることでも上がりますが、株価が下がることでも上がる性質があります。

逆に言えば、株価が上昇することによって、分配金利回りは悪化する性質があるということです。

高配当銘柄で構成された高配当ETFからは、値上がり率が大きい成長株は排除されてしまう傾向があります。

これは、2024年3月時点での「S&P500指数」と「S&P500配当貴族指数」に連動する銘柄の直近5年間リターンを比較してみると顕著です。

指数 銘柄名 直近5年間値上がり率
S&P500指数 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) +164.09%
S&P500配当貴族指数 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族 +114.46%

ETF投資において重要なことは、値上がり率と分配金を含めたトータルリターンであり、あくまで分配金再投資は重要な要素の一つに過ぎないと認識しておくようにしましょう。

 

高配当ETFのトータルリターンはインデックスに収束する

分配金利回りが大きい高配当ETFは、より長期で見たトータルリターンはインデックスに収束するということが一般論です。

2024年3月時点では、一部の日本株の高配当ETFの中には、日経平均株価・TOPIX連動型ETFを分配金利回りだけではなく、値上がり益を含めたトータルリターンでも超えている銘柄があります。

2024年3月18日時点のデータで見ると、次の通りです。

銘柄名 種類 信託報酬 分配金利回り 直近5年間値上がり率
【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETF 日本株ETF(TOPIX連動型) 0.0495% 1.79%(50円) +71.16%(1,630円→2,790円)
【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETF 日本株ETF(日経平均株価連動型) 0.0495% 1.47%(607円) +86.40%(22,060円→41,120円)
【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF 日本株ETF(高配当) 0.429% 3.73%(105円) +82.70%(1,538円→2,810円)
※2020年8月上場
【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 日本株ETF(高配当) 0.308% 3.13%(70.433円) +93.15%(1,163.3円→2,247円)

東証ETFで人気の高配当ETF【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF、【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信の直近5年間のトータルリターンは、TOPIX連動型ETF、日経平均株価連動型ETFを上回っていることが分かります。

ただ、インデックス投資の一般論では、高配当ETFのようなアクティブ型ETFについて、より長期で見たトータルリターンは日経平均株価・TOPIXに収束すると考えます。

トータルリターンが日経平均株価・TOPIXに収束するとなると、信託報酬が高い分だけ高配当ETFは不利になるということです。

つまり、より長期的なトータルリターンを考えると、信託報酬が高い日本株の高配当ETFよりも、基本となる日経平均株価・TOPIX連動型ETFがおすすめということになります。

とはいえ、この一般論を理解した上で、敢えて分配金再投資の価値を重視して、新NISAで高配当ETFに投資したいというなら問題ありません。

問題なのは、高配当ETFの方が日経平均株価・TOPIX連動型ETFをトータルリターンで上回っていることから、「高配当ETFの方が絶対にお得だ!」と早まって理解してリスクを取り過ぎてしまうことです。

 

新NISAでは毎月分配型の投信・ETFは対象外

新NISAの成長投資枠では、毎月分配型の投資信託・ETFは対象外となっているため注意しておきましょう。

つみたて投資枠でも、毎月分配型の投資信託は対象外です。

詳しくは、投資信託協会「NISA成長投資枠の対象商品」を参照ください。

具体的には、次のようなETFが対象外となっています。

  • 【2865】グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF
  • 【2868】グローバルX S&P500・カバード・コール ETF
  • 【2866】グローバルX 米国優先証券 ETF
  • 【1677】上場インデックスファンド海外債券(FTSE WGBI)毎月分配型

 

新NISAの分配金再投資に関してよくある質問

新NISAで分配金再投資を行う上で、よくある質問についてまとめてみました。

 

新NISAの分配金再投資の上限限度額は?

分配金再投資や配当金再投資ができるのは、ETFや個別株に投資できる新NISAの成長投資枠だけです。

成長投資枠の上限額は1,200万円(年間240万円)となっており、これが新NISAで分配金再投資ができる上限限度額となります。

成長投資枠1,200万円で投資した銘柄から出る分配金は、恒久的に非課税となります。

 

新NISAの分配金再投資が枠を超える場合は?

分配金再投資ができるのは、新NISA1,800万円の内、成長投資枠1,200万円までです(つみたて投資枠の投資信託は、分配金が自動で再投資されるため)。

では、「成長投資枠1,200万円を埋めてからの分配金は何に投資すべきか?」を考えてみましょう。

当サイトでは、成長投資枠で投資していたETFと同種の投資信託について、つみたて投資枠で投資することを推奨しています。

例えば、成長投資枠で世界株ETFに投資していたら、世界株ETFから出る分配金は、つみたて投資枠で世界株投信に投資するといった具合です。

このようにして残りのつみたて投資枠600万円分を埋めていくと、「新NISA枠1,800万円枠を全て埋めてからの分配金は何に投資すべきか?」という話になってきます。

この場合も、同様にして考えてください(インデックス投資のメリットと新NISAのメリットを分けて考えてください)。

インデックス投資は、新NISAによる非課税投資枠がなくても長期的に利益が出ると期待される投資方法です。

そのため、特定口座で同種のETFを積み立てていくことを推奨します。

特定口座では、値上がり益・分配金に対して20.315%の税金が発生しますが、インデックス投資ではそれでもプラスになるためです。

当サイトで推奨するETF投資の流れをまとめると、次の通りです。

  1. 成長投資枠でETF投資をする(分配金再投資する)。
  2. 成長投資枠を使い切ったら、つみたて投資枠で同種のETFに投資する。
  3. 新NISA枠を使い切ったら、特定口座で1.のETFに投資していく。

 

新NISAの分配金再投資の受取や非課税にするための設定とは?

新NISAで投資している銘柄の分配金は、証券口座に振り込まれるようにしておかないと、分配金再投資はもちろん、新NISAで分配金が非課税にならないため注意が必要です。

分配金を証券口座に振り込まれるようにするためには、証券会社の配当金受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。

「株式数比例配分方式」とは、株の配当金やETF・REITの分配金を、各証券会社に預けている銘柄の数量に応じて各証券口座で受け取る方法です。

ほとんどの証券会社ではデフォルトで「株式数比例配分方式」になっていますが、新NISAを開設した自身の証券口座についても確認しておくようにしましょう。

 

新NISAの分配金再投資におすすめのETF3選!

新NISAで分配金再投資をする上でおすすめのETFについて見ていきましょう。

 

ETF投資の基本銘柄!【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信

【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する世界株ETFです。

「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」は、全世界の大型株・中型株約2,900銘柄を対象に時価総額加重平均で算出される、代表的な世界株指数です。

信託報酬(税込) 0.0858%
分配金 274円(年2回)
分配金利回り 1.45%
直近5年間の値動き +85.09%(10,200円→18,880円)
必要投資金額 18,880円(1口)
上場日 2020年1月9日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性 ★★
ドル比率 62.4%

オールカントリーを略して「オルカン」とも呼ばれる、ETF投資の代名詞的な銘柄です。

ETF投資をする上では、分配金再投資自体は、どのETFであっても基本となります。

当サイトでは、米国株ETF(S&P500指数)【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信や米国株ETF(NASDAQ100指数)【2631】MAXISナスダック100上場投信もおすすめしていますが、同様です。

NASDAQ100指数連動型ETFの分配金利回りは0.5%弱と小さいですが、分配金再投資をすること自体は同様です。

トータルリターンを考えると、これらの銘柄に投資して、分配金再投資をしていくのがETF投資の基本となります。

ここからは、分配金再投資にだけ特化した銘柄をいくつか紹介していきます(トータルリターンの観点からすると、世界株ETFや米国株ETFに比べておすすめはしません)。

 

日本株の高配当ETF!【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信

【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信は、野村アセットマネジメントが運用する、「日経平均高配当株50指数」に連動する日本株ETFです。

「日経平均高配当株50指数」は、日経平均株価を構成する225銘柄の中から配当利回りが高い50銘柄で算出される株価指数です。

信託報酬(税込) 0.308%
分配金 70.433円(年4回)
分配金利回り 3.13%
直近5年間の値動き +93.15%(1,163.3円→2,247円)
必要投資金額 2,247円(1口)
上場日 2017年2月13日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★

日本株50銘柄に分散投資された高配当ETFです。

2024年3月時点では、日経平均株価連動型ETFよりも直近5年間のトータルリターンで優れています。

ただ、日経平均構成銘柄の高配当株50銘柄に投資するため(成長株が除外されてしまう)、より長期で見たトータルリターンは日経平均株価連動型ETFに収束し、信託報酬の分だけ不利になるということが一般論です。

なお、日本株の高配当ETFとしては【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETFも人気銘柄ですが、こちらは25銘柄にしか分散投資されておらずハイリスク・ハイリターンとなっています。

 

米国REIT型ETF!【1659】iシェアーズ 米国リート ETF

【1659】iシェアーズ 米国リート ETFは、ブラックロック・ジャパンが運用する、「FTSE NAREIT EQUITY REITS インデックス(TTM 円建て)」に連動する米国REIT型ETFです。

「FTSE Nareit Equity REITs インデックス(TTM 円建て)」は、米国市場に上場するREITを浮動株ベースの時価総額加重平均方式で算出している、米国の代表的なREIT指数です。

信託報酬(税込) 0.22%
分配金 78円(年4回)
分配金利回り 2.66%
直近5年間の値動き +41.02%(2,072円→2,922円)
必要投資金額 2,922円(1口)
上場日 2017年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★★★★
流動性

高配当ETFの一角となる米国REIT型ETFです。

REITは賃貸収入などを原資に分配金を出しており、株に比べると分配金が安定している傾向があるため、分配金再投資にはおすすめです。

ドル比率100%のドル建てETFでもあり、円安ドル高が寄与したこともあって、直近5年間では値上がりもしました。

ただ、分配金は安定しているものの、トータルリターンでは米国株ETFに比べると劣ります。

 

分配金再投資後につみたて投資枠におすすめの銘柄

成長投資枠ではETFに投資して分配金再投資するとして、成長投資枠を使い切ったら、つみたて投資枠ではどの銘柄に投資すべきかを考えていきましょう。

つみたて投資枠で投資できる投資信託は、いずれも自動で分配金再投資されるため、分配金は出ません。

となると、次の基本銘柄から選択になるかと思います。

種類 銘柄名 信託報酬(税込) 直近5年間リターン
日本株投信(TOPIX) eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 0.143% +86.74%
日本株投信(日経平均株価) eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.143% +100.64%
世界株投信(MSCI ACWI) eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.05775% +122.99%
先進国株投信(MSCIコクサイ・インデックス) eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.09889% +140.03%
米国株投信(S&P500指数) eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372% +164.09%
バランス型投信(8資産) eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.143% +47.15%
米国株投信(NASDAQ100指数) iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 0.495% +243.39%

基本になるのは世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」になるかと思います。

 

新NISAで分配金再投資する場合のポートフォリオとシミュレーション

新NISAで分配金再投資する場合のポートフォリオと運用シミュレーションについて考えてみましょう。

なお、今回は基本となる世界株ETF(実績は直近5年間で年率16%)については省略し、あくまで分配金再投資に振り切ったポートフォリオについて考えてみたいと思います。

成長投資枠で、高配当ETFで運用する場合のポートフォリオ例は次のようになります。

  • 50% 日本株ETF:【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信
  • 50% 米国REIT型ETF:【1659】iシェアーズ 米国リート ETF

成長投資枠を使い切ってからの、つみたて投資枠のポートフォリオ例は次のようになります。

  • 100% 世界株投信:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

シミュレーションとしては、高配当ETFの値上がり益については厳しく1%、分配金利回りについては3%として、値上がり益と分配金再投資分の合計で年率4%と仮定しましょう。

トータルリターンが年率4%(毎月5万円積立)と仮定した場合の運用シミュレーションは次の通りです。

30年間で3,470万円(元本1,800万円)となりました。

値上がり0%、分配金利回り4%という、直近の実績からすると厳し目の数値でシミュレーションしましたが、分配金再投資だけでも、この程度にはなります。

ただ、より大きなトータルリターンを求めたい場合には、より大きな値上がり益が期待できる世界株ETFや米国株ETFの方がおすすめです。

 

まとめ

この記事では、新NISAで分配金再投資をするメリット・デメリットや枠を超えた場合の投資戦略、新NISAの分配金再投資におすすめのETFについて紹介してきました。

分配金再投資は分配金が恒久非課税となる新NISAとの相性が抜群ですが、重要なことは値上がり益も含めたトータルリターンを考えることです。

分配金再投資だけを考えると高配当ETFに目が行きがちですが、世界株ETFや米国株ETFなどに投資した上で、分配金再投資を行うことを推奨します。

新NISAで分配金再投資をする場合には、証券会社の配当金受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要がある点には注意しておきましょう。

新NISAの枠を超える場合の分配金再投資について、当サイトで推奨する分配金再投資を含めたETF投資の流れをまとめると次の通りになります。

  1. .成長投資枠でETF投資をする(分配金再投資する)。
  2. 成長投資枠を使い切ったら、つみたて投資枠で同種のETFに投資する。
  3. 新NISA枠を使い切ったら、特定口座で1.のETFに投資していく。