ETFは償還・上場廃止でどうなる?償還金の受け取り方法や税金、VIX指数の償還についても解説!

「保有ETFが償還で上場廃止になったらどうなる?」「償還になるETFの受け取り方法や税金(NISA)は?」「償還リスクがある銘柄って?」「VIX指数が上場廃止になるって本当?」など、ETFの償還について疑問に思っていませんか?

ETFは償還が決まると、「整理銘柄」に指定され、約1ヶ月後に上場廃止となり、そのまま保有していると償還金を受け取るために手続きが必要になります(証券口座では償還金を受け取れません)。

ETFが償還となるケースとしては、受益権口数が基準を下回り、運用会社にとって運用するメリットがなくなる場合が多く、取引量(流動性)が小さい不人気銘柄は償還リスクに注意が必要です。

この記事では、ETFが償還となる理由や保有ETFが償還になった場合について解説した上で、上場廃止となったETFについて紹介しています。

なお、ETFの新規上場については、次の記事を参照ください。

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ETFの償還とは?

ETFの償還とは、運用会社がETFの運用を停止し、信託財産を換金して、ETFを保有していた投資家にお金を変換するまでの一連の流れのことです。

ETFは証券取引所に上場している商品であるため、株と同様に、何らかの事情により上場廃止となる場合があります。

東京証券取引所(東証)に上場している東証ETFの信託期間は、基本的に無期限となっているため、上場廃止による償還は「繰上償還」や「早期償還」とも呼ばれます。

 

ETFが償還となる理由

ETFが償還となる主な理由を見ていきましょう。

※参考:NEXT FUNDS「ETFの上場廃止(繰上償還)とは?【深堀りETF⑱】」

 

ETFの受益権口数が基準を下回った

ETFの受益権口数(発行済み口数)が、運用会社が決めた基準を下回ると、償還となることがあります。

受益権口数の減少は純資産総額の減少に繋がるため、運用会社が対象指数に連動した運用を行うことが厳しくなるためです。

受益権口数の基準については運用会社により異なっており、ETFの目論見書で確認可能です。

受益権口数とその基準について確認する方法を見ていきましょう。

今回は、世界株投信【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信を例に見ていきます。

受益権口数については、東証のETF一覧にあるETFパンフレットに記載されています。

【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の受益権口数は、2023年6月30日時点で164万3,700口であることが分かります。

続いて、受益権口数の基準が記載してあるETFの目論見書については、運用会社のホームページを調べる必要があります。

東証ETFの基準価額に関する以下のページにアクセスし、「各銘柄の情報提供方法」にある「情報提供方法一覧」というエクセルファイルを開いてみましょう。
※参考:日本取引所「基準価額等に関する情報」

銘柄コード「2559」で検索して、【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信について、「一口あたりの純資産額」の列にあるホームページをクリックすると、ETF運用会社のホームページに辿り着けます。

運用会社(三菱UFJアセットマネジメント)のホームページに辿り着けました。

このページを下にスクロールすると、「交付目論見書」という資料があるので、このPDFファイルをクリックしてみましょう。

このファイルをスクロールしていくと、「手続・手数料等」の項目の中に、「繰上償還」という項目があります。

繰上償還となる条件例として、「受益権の口数が10万口を下回ることとなった場合」と記載されています。

同ETFの2023年6月30日時点の受益権口数は164万3,700口であるため、償還リスクはないと言えるでしょう。

世界株ETFは人気銘柄のため償還リスクはありませんが、東証ETFには流動性が低い不人気銘柄は少なくありません。

 

対象指数が廃止となった場合

ETFが連動対象としている指数が廃止された場合には、償還となることがあります。

なお、2022年4月には東証が再編となり、東証一部、東証二部、東証マザーズ、JASDAQの4市場は、東証プライム市場、東証スタンダード市場、東証グロース市場の3市場に再編となりました。

これまで東証一部全銘柄を対象としていたTOPIXは、東証プライム市場全銘柄を対象に徐々に指数の計算方法が変わることになっており、特に東証ETFでは変更点はありません。

これまでマザーズ指数およびJASDAQ指数に連動していた次の3銘柄は、上場廃止とならず、ETF名と連動指数を変えて存続となっています。

旧銘柄名 旧連動指数 新銘柄名 新連動指数
【2516】東証マザーズETF 東証マザーズ指数 【2516】東証グロース250ETF 東証グロース市場250指数
【1563】マザーズ・コア上場投信 東証マザーズCORE指数 【1563】東証グロース・コアETF 東証グロース市場Core指数
【1551】JASDAQ-TOP20上場投信 JASDAQ-TOP20 【1551】東証スタンダードTOP20ETF 東証スタンダード市場TOP20

このケースで上場廃止となるケースはほとんどないと言えます。

 

東証の上場廃止基準に抵触した場合

ETFが、東証が定める上場廃止基準に抵触すると、上場廃止となり償還になります。

東証ETFの上場廃止基準としては、次のようなケースがあります。

  • ETFの信託受託者が営業の免許又は信託業務を営むことについての認可を取り消された場合
  • 継続して6か月以上、指定参加者が2社未満となっているとき
  • ETFの一口あたりの純資産額と特定の指標の相関係数が0.9未満となった場合において、1年以内に0.9以上とならないとき
  • ETFに係る有価証券報告書等に虚偽記載を行い、かつ、その影響が重大であると当取引所が認めた場合
  • ETFに係る特定の指標がなくなった場合
  • その他公益又は投資者保護のため、当取引所が当該銘柄の上場廃止を適当と認めた場合

特に、上記3つ目の条件は、ETFのインデックス投信としての信頼性を担保するものであり、つまりETFが指標との連動率が0.9未満となって、1年以内に戻らない場合には上場廃止となります。

ETFの上場廃止基準について、より詳しくは日本取引所「上場制度」にあるPDFファイルを参照ください。

 

保有ETFが償還になった場合はどうなる?

保有しているETFが償還となり、上場廃止が決まった場合の処理について押さえておきましょう。

保有ETFが償還となった際に、投資家の取れる行動は次の3つです。

  • 上場廃止日までに市場で売却する
  • 売却せずに償還を待つ
  • 書面決議で反対して、運用会社に買い取り請求を行う

この見出しでは、2つ目のETFを保有したまま売却せずに償還をしなかった場合のケースについて見ていきます。

※参考:NEXT FUNDS「ETFの上場廃止(繰上償還)とは?【深堀りETF⑱】」
※参考:東証マネ部「ETFが上場廃止になったら、どうする?!」

 

ETFの償還が決まると上場廃止までの約1ヶ月は「整理銘柄」となる

ETFの償還が決まると、そのETFは東証で「整理銘柄」に指定されます。

「整理銘柄」とは、上場廃止が決まった銘柄について、投資家が取引所での売買機会を失う被害を軽減するために、上場廃止までの約1ヶ月間は取引できるように指定した銘柄です。

つまり、償還が決まり整理銘柄となったETFは、上場廃止までの約1ヶ月は取引可能となります。

 

ETFを償還まで持っていると償還金が支払われる

整理銘柄に指定されたETFを上場廃止日まで売却せずに保有していると、償還日の時価に基づいて自動的に換金されます。

償還金は、ETFの保有資産の時価(償還価額)から算出される単価(=総資産総額÷受益権総口数)を、投資家が保有する口数に乗じて算出されます。

「償還が決定したら損が出るのか?」という点が気になる方も多いと思いますが、償還決定後に市場で売却する、償還日まで保有して償還金を受け取るのいずれにしても、そこで得られた金額が購入価格よりも上回っていれば利益が得られ、下回っていれば損失です。

 

ETF償還金の受け取りや税金(NISA口座)はどうなる?

ETF償還金の受け取りや税金について見ていきましょう。

※参考:東証マネ部「ETFが上場廃止になったら、どうする?!」

 

分配金と同じ証券口座では受け取れないため注意が必要

償還金の受け取り方法は、ETFの売却代金や分配金が振り込まれる証券口座には振り込まれない点には注意が必要です。

NISA枠で分配金を非課税にするためにも、配当金・分配金が証券口座に振り込まれる「株式数比例配分方式」にしているかと思われますが、償還金は証券口座では受け取れません。

「株式数比例配分方式」にしている場合には、受益者に送付される書面を、ゆうちょ銀行・郵便局に持ち込む形で償還金を受け取ることになります。

 

償還金は償還日から約40日後

償還金は、償還日から約40日以内に支払われます。

ゆうちょ銀行・郵便局で受け取る場合には、書面に記載された期日までに、ゆうちょ銀行・郵便局に持ち込むことで償還金を受け取りましょう。

なお、整理銘柄に指定されてから1ヶ月以内に、取引所で売却した場合には、通常の株・ETF取引同様に、すぐに証券口座に現金化されます。

 

償還金はNISAの対象外となり確定申告が必要となる

償還金は、証券会社の口座には振り込まれないため、NISA口座・特定口座(源泉徴収あり)で保有している場合には、確定申告が必要となるため注意が必要です。

また、償還金はNISAの対象外となるため、償還金の受け取りで譲渡益が発生する場合には、償還金が課税対象となり、利益となっていた場合には確定申告を行う必要も出てきます。

特定口座(源泉徴収あり)で保有していた場合にも、特別口座内で損益通算は行われないため、損益通算する場合には確定申告をする必要が出てきます。

これらの手間を考えると、流動性リスクがあったとしても、整理銘柄に指定されている間に売却してしまった方が得になるケースも考えられるでしょう。

 

上場廃止が決まったETFはどうするべき?

ETFの償還・上場廃止が決まった場合、投資家が取れる行動としては、整理銘柄となった銘柄を市場で売却するか、償還まで待つかの2つです(書面決議で反対して運用会社に買い取り請求を行うことも可能ですが手間が掛かります)。

個別株の企業が経営破綻して上場廃止となる場合には、上場廃止までに0円に向かう流れとなるため、すぐに売却すべきですが、ETFの償還は運用資産で担保されているため即売却する必要はありません。

償還になったからといって損失になるということではなく、単に換金するタイミングが異なるだけです。

償還金が購入価格よりも高ければ利益となり、償還金が購入価格よりも低ければ損失となります。

整理銘柄となった期間に売却するのもアリですが、そもそもETFで上場廃止になるということは、取引が全くなく流動性が低い銘柄であるケースが大半です。

整理銘柄となった期間に下手に売却すると、流動性リスクを喰らって、大きく損してしまうケースもあります。

流動性が低い銘柄の場合には、償還まで待った方がいいケースが少なくないと思います。

ただ、前述したように償還金は証券口座には振り込まれず、NISAの対象外になる点には注意が必要です。

NISA口座で保有していて含み益が出ている場合には、整理銘柄に指定されている期間中に売却してしまった方がよいでしょう。

その際には、銘柄の取引量が最も大きくなりやすい大引けに成行の売り注文(引成注文)で売却して、できるだけ流動性リスクを小さくすることを推奨します。

 

東証ETFの上場廃止銘柄一覧

上場廃止となったETFについては、東証の「上場廃止銘柄一覧」に、上場廃止となった理由とともに掲載されています。

2020年から2023年11月21日までに上場廃止となった銘柄は次の通りです。

上場廃止日 コード 銘柄名 上場廃止理由
2023/7/21 1385 UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1386 UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1387 UBS ETF ユーロ圏株(MSCI EMU) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1388 UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1389 UBS ETF 英国大型株100(FTSE 100) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1390 UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除く日本) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1391 UBS ETF スイス株(MSCIスイス20/35) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1392 UBS ETF 英国株(MSCI英国) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1393 UBS ETF 米国株(MSCI米国) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/7/21 1394 UBS ETF 先進国株(MSCIワールド) 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2023/6/11 1467 JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ) 受益証券 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2023/6/11 1468 JPX日経400ベア上場投信(インバース) 受益証券 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2023/3/8 1312 NEXT FUNDS ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投信 受益証券 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2023/3/1 1313 サムスンKODEX200証券上場指数投資信託[株式] 受益権証券 管理会社が上場廃止を申請し、当取引所が上場廃止を決定したため。
2023/3/1 1584 サムスンKODEXサムスングループ株証券上場指数投資信託[株式] 受益権証券 管理会社が上場廃止を申請し、当取引所が上場廃止を決定したため。
2022/11/14 1575 ChinaAMC CSI 300 Index ETF—JDR 受益証券 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2022/7/25 1323 NEXT FUNDS 南アフリカ株式指数・FTSE/JSE Africa Top40 連動型上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2022/3/19 1471 NEXT FUNDS JPX日経400インバース・インデックス連動型上場投信 受益証券 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/11/5 1327 S&P GSCI商品指数Ⓡエネルギー&メタル・キャップド・コンポーネント35/20・THEAM・イージーUCITS・ETFクラスA米ドル建受益証券 上場する全ての外国金融商品取引所等において上場廃止が決定されたため。
2021/10/9 1344 MAXIS トピックス・コア30上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/10/9 1460 MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/10/9 1567 MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/10/9 1574 MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/9/17 1598 NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/6/29 1470 NEXT FUNDS JPX日経400レバレッジ・インデックス連動型上場投信 受益証券 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2021/6/9 1576 南方 FTSE 中国A株50 ETF 上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。
2021/4/18 1670 MAXIS S&P三菱系企業群上場投信 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2020/8/1 1683 One ETF 国内金先物 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。
2020/6/13 1613 東証電気機器株価指数連動型上場投資信託 投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。

いずれの銘柄も、流動性が非常に小さい不人気銘柄でした。

2023年7月21日には、欧州株ETFなどを運用していたUBSの銘柄が上場廃止となりました。

UBSの欧州株ETFは、当サイトでもおすすめ銘柄の一角だったのですが、不人気で流動性がなかった点がネックとなっていました。

逆に言えば、日経平均株価やTOPIXに連動する日本株ETF、S&P500指数やNASDAQ100指数に連動する米国株ETFなど、インデックス投資で人気の銘柄に償還リスクはまずないと言えます。

 

償還リスクが高いETFとは?

償還となるリスクが高いETFの特徴について見ていきましょう。

 

取引量が少なく流動性リスクがある銘柄

取引量が少なく流動性リスクがある銘柄、一言で言うと不人気銘柄は、償還リスクが高い銘柄と言えます。

ETFが償還となる条件の一つである「ETFの受益権口数が基準を下回った」に該当しやすくなるためです。

運用会社からすると、利益が出ないためやってられないということになります。

流動性リスクが高い銘柄はどのようにして調べるかについてですが、ETFのパンフレットに書いてある受益権口数と、目論見書を照らし合わせてもいいですが、面倒くさいです。

売買代金を見ることが、最も手っ取り早い方法です。

売買代金が最低でも1日1億円はないと、流動性リスクがあり、取引において難がある銘柄と言えます。

当サイトでは、下記記事でETF全銘柄の流動性リスクについて6段階で評価しているため、参考にしてみてください。

ETF銘柄一覧!東証の全ETFの分類ごとのおすすめ銘柄を紹介
東証に上場している全ETF銘柄について分類した上で、分類ごとのおすすめETFについても解説しています。 ※上場から1年未満の銘柄については、データが不十分のため未掲載です。 各ETFについては、当サイトによるETFの個別解説ページへのリンク...

 

マイナーな指数に連動する銘柄

ETFとしておすすめの銘柄であっても、不人気であるケースは少なくありません。

例えば、2023年7月21日に上場廃止となった、欧州株ETF【1385】UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50)、環太平洋アジア株ETF【1390】UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除く日本)、英国株ETF【1393】UBS ETF 米国株(MSCI米国)は、ETFとしては欧州や環太平洋アジアの先進国に投資できる有望な銘柄でした。

ただ、不人気銘柄で、取引量がほとんどなかったこともあり、上場廃止となってしまいました。

このようにETFとしては面白い銘柄であったとしても、マイナーな指数に連動する不人気銘柄は償還リスクが高くなります。

ETFでは裏道的な銘柄というのは、流動性リスクや償還リスクが高くなるため、おすすめ銘柄はメジャーな米国株ETFや世界株ETFに行き着くことになります。

 

2023年に償還となったETFについて解説

2023年に償還となったETFについて解説していきます。

2023年に償還となったETFは次の通りです(銘柄名のリンクは当サイトの解説記事です)。

上場廃止日 コード 銘柄名
2023/7/21 1385 UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50) 受益証券
2023/7/21 1386 UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ) 受益証券
2023/7/21 1387 UBS ETF ユーロ圏株(MSCI EMU) 受益証券
2023/7/21 1388 UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株) 受益証券
2023/7/21 1389 UBS ETF 英国大型株100(FTSE 100) 受益証券
2023/7/21 1390 UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除く日本) 受益証券
2023/7/21 1391 UBS ETF スイス株(MSCIスイス20/35) 受益証券
2023/7/21 1392 UBS ETF 英国株(MSCI英国) 受益証券
2023/7/21 1393 UBS ETF 米国株(MSCI米国) 受益証券
2023/7/21 1394 UBS ETF 先進国株(MSCIワールド) 受益証券
2023/6/11 1467 JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ) 受益証券
2023/6/11 1468 JPX日経400ベア上場投信(インバース) 受益証券
2023/3/8 1312 NEXT FUNDS ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投信 受益証券
2023/3/1 1313 サムスンKODEX200証券上場指数投資信託[株式] 受益権証券
2023/3/1 1584 サムスンKODEXサムスングループ株証券上場指数投資信託[株式] 受益権証券

当サイトの過去の解説記事から、これらの銘柄が上場廃止となった理由を見ていきましょう。

 

サムスン資産運用の韓国株ETFが償還となった理由

2023年3月1日には、サムスン資産運用が運用する、韓国株ETF2銘柄が上場廃止となりました。

上場廃止理由は「管理会社が上場廃止を申請し、当取引所が上場廃止を決定したため。」となっています。

これによって、東証に上場している韓国株ETFはなくなったことになります。

当サイトの過去の解説記事のデータを見てみると、次の通りです。

銘柄名 長期投資 流動性
【1313】サムスンKODEX200証券上場指数投資信託 ★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1584】サムスンKODEXサムスングループ株証券上場指数投資信託 ★★ ☆(取引が難しい最低レベル)

韓国株ETFの両銘柄ともに、流動性は最低レベルとなっていたことが分かります。

なお、両銘柄ともにサムスン電子の構成銘柄が約30%になっていました。

不人気銘柄であったため、東証に上場していても儲からないために、運用会社が撤退したものと推測されます。

 

UBSの欧州株ETFなどが償還となった理由

2023年7月21日には、UBSが運用する欧州株ETFなどが償還となりました。

上場廃止理由は、「上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。」となっています。

当サイトの過去の解説記事のデータを見てみると、次の通りです。

銘柄名 長期投資 流動性
【1385】UBS ETF ユーロ圏大型株50(ユーロ・ストックス50) ★★★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1386】UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ) ★★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1387】UBS ETFユーロ圏株(MSCI EMU) ★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1388】UBS ETFユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株) ☆(取引が難しい最低レベル)
【1389】UBS ETF 英国大型株100(FTSE 100) ★★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1390】UBS ETF MSCIアジア太平洋株(除ク日本) ★★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1391】UBS ETF スイス株(MSCIスイス20/35) ★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1392】UBS ETF 英国株(MSCI英国) ★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1393】UBS ETF 米国株(MSCI米国) ★★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)
【1394】UBS ETF 先進国株(MSCIワールド) ★★★ ☆(取引が難しい最低レベル)

UBSが運用していたETFは、ETF自体はおすすめの銘柄も多かったのですが、いずれも取引量がほとんどなく流動性リスクがあったことが分かります。

つまり、東証に上場していても儲からないがために償還に至ったものと推測されます。

 

野村アセットマネジメントの日本株ETFが上場廃止となった理由

2023年3月8日には、野村アセットマネジメントが運用する【1312】NEXT FUNDS ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投信が上場廃止となりました。

上場廃止理由は「投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。」です。

こちらの銘柄は、日本株の中でも時価総額下位5~15%の小型株で構成される、日本株ETFとしてはマイナーな銘柄でした。

ただ、流動性はある程度はあったため、上場廃止理由の通りだと思われます。

2023年6月11日には、野村アセットマネジメントが運用する、JPX日経400インデックスに連動するレバレッジ型・インバース型ETFが上場廃止となりました。

上場廃止の理由は「投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。」です。

銘柄名 短期投資 流動性
【1467】JPX日経400ブル2倍上場投信(レバレッジ) ☆(取引が難しい最低レベル)
【1468】JPX日経400ベア上場投信(インバース) ☆(取引が難しい最低レベル)

この2銘柄は、レバレッジ型・インバース型ETFの中でも、取引量がほとんどなく流動性リスクの塊であるため、取引してはいけない銘柄の代表例として、当サイトではいくつかの記事で悪い例として取り上げてきた銘柄です。

JPX日経400インデックスに連動するレバレッジ型・インバース型・ダブルインバース型ETFはいずれも流動性がないため、絶対に取引してはいけません。

JPX日経400インデックスに連動するレバレッジ型・インバース型・ダブルインバース型ETFは、投資家保護のためにも全銘柄を上場廃止すべきだと思います。

 

VIX指数連動型ETFが償還・上場廃止になる見込み

世界株暴落局面のトレードにおいて最高のETFとして知られていた【1552】国際のETF VIX短期先物指数が、遂に償還・上場廃止となる見込みとなっています。

【1552】国際のETF VIX短期先物指数は、「S&P500指数」の逆相関指数である「S&P 500 VIX短期先物指数(円換算)」に連動するETFで、「恐怖指数」とも呼ばれています。

2020年2~3月のコロナショックでは5倍の急騰となるなど、暴落相場のトレードにおいては最高の銘柄です。

トレードでも大人気の銘柄となっており、流動性は全く問題ありません。

これまで長らく上場廃止となる噂が流れてきましたが、遂に償還が決まりそうです。

詳しくは、下記の三菱UFJ国際投信の資料を参照ください。
※参考:三菱UFJ国際投信「「国際のETF VIX短期先物指数」 に関する重要なお知らせ」

ただ、2023年11月22日時点では、まだ正式に上場廃止が決まったわけではありません。

上記資料によると、今後のスケジュールは次のようになっています。

現時点では以下のスケジュールを予定しています。
2023年11月14日(火) 書面決議の対象受益者の確定基準日
2023年12月20日(水) 書面決議に関する書類発送日
2024年1月11日(木) 書面決議日
-以下、書面決議で繰上償還が決定した場合の予定-
2024年2月9日(金) 東京証券取引所における最終売買日
2024年2月12日(月) 上場廃止日
2024年2月13日(火) 約款変更実施日
(信託期限を無期限から 2024 年 2 月 19 日に変更)
2024年2月19日(月) 信託終了日
※今後スケジュールは変更となる可能性があります。変更した場合には適時開示等でお
知らせいたします。

繰上償還は、まだ決まってはおらず、2023年12月から実施する書面決議にて、受益者の方々に賛否をうかがい、賛成多数だった場合には繰上償還の実施が決定されるとのことです。

繰上償還が決まった場合には、2024年2月9日までは取引可能ですが、償還に向けて保有資産を現金化していくため、対象指数には徐々に連動しなくなっていき、現時点では2024年1月下旬頃までは指数に連動する予定とのことです。

また、上場廃止理由としては、上記の資料では次のように記載されています。

Q なぜこのタイミングで繰上償還を行うのですか。
A 本ETFは中長期では価格が逓減する特性を有しており、2017年の受益権併合後も、価格は大きく変動しながらも低下傾向にあります。これまで皆さまより頂戴してきた多くのご意見をふまえ、本ETFの継続の是非について社内で議論を重ねる中で、2020年に米国での市場ボラティリティに連動する取引所取引商品の不適切販売*が報じられたこともあり、本ETFをご提供し続けることの意義を熟考いたしました。
その結果、価格が逓減していく特性を有する本ETFのご提供を続けることで、将来的に投資家のみなさまの大切なご資産を減価させてしまう可能性を考慮し、この度、本ETFを繰上償還することを提案させていただき、書面決議にお諮りするという決断をいたしました。

同ETFの特性である、長期的に価格が逓減していく性質がネックになったということですが、この論理に従うとダブルインバース型ETFも全て上場廃止にしなければならなくなります。

恐らくは、「米国での市場ボラティリティに連動する取引所取引商品の不適切販売」が理由ではないでしょうか。

ただ、「VIX指数」に連動する同ETFは、下落相場のトレードにおいては唯一無二の銘柄であったため、上場廃止になったとしても、再上場して欲しいと願います。

管理人は、トレードは個別株でしかしていませんが、同ETFだけは例外的な銘柄として認識していました。

新NISAを使ったETF投資においては全く関係ないニュースですが、VIX指数の上場廃止は非常に残念でなりません。

 

まとめ

この記事では、ETFが償還となる理由や保有ETFが償還になった場合について解説した上で、上場廃止となったETFについて紹介してきました。

ETFが償還となる理由で多いのは、受益権口数が基準を下回り、運用会社にとって運用するメリットがなくなることであるため、取引量が小さい不人気銘柄には注意しておきましょう。

保有しているETFが償還となった場合には、「整理銘柄」に指定されてから上場廃止になるまでの間に売却するかどうかを決める必要があります。

流動性が低い銘柄の場合には、下手に取引せずに保有して償還金として受け取ることも手ですが、証券口座では受け取れないため注意が必要で、NISAの恩恵も受けられない点には注意が必要です。

当サイトでもおすすめしている、米国株ETFや世界株ETFは取引量が十分にある人気銘柄のため償還リスクはありません(先進国株ETFはやや償還リスクがあります)。

 

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