「新NISAでETF投資した場合のシミュレーションが知りたい!」「ETF投資のポートフォリオによるシミュレーションの違いとは?」など気になっていませんか?
新NISAを使ったETF投資などのインデックス投資は、最も合理的な資産形成方法の一つです。
当サイトでは、新NISAを使って米国株ETFや世界株ETFで長期・積立・分散投資を行うことを推奨しており、毎月5万円の積立かつ年率5%で運用できれば30年間で4,161万円になります。
この記事では、新NISAを使ったETF投資のポートフォリオ(米国株(S&P500指数)ETF、世界株ETF、米国株(NASDAQ100指数)ETF、先進国株ETF、高配当ETF)ごとの運用シミュレーションについて解説しています。
この記事は、下記の新NISAによるETF投資記事の補足・解説記事という位置付けです。
ETF投資のポートフォリオとシミュレーションについて解説する前に
この記事では、ETF投資のポートフォリオごとに運用結果をシミュレーションしていきます。
なお、シミュレーションにおいては、金融庁「資産運用シミュレーション」を使って解説していきます。
シミュレーションの条件は次の通りです。
- 新NISAを使って月5万円の長期・積立・分散投資するものとする
- ポートフォリオはETF1銘柄(+同種のインデックス投信1銘柄)のみとする
- 想定利回りは直近の実績から厳しく想定する
それぞれの条件について見ていきましょう。
新NISAを使って月5万円の長期・積立・分散投資するものとする
今回のシミュレーションでは、2024年から始まる新NISAを使って、月5万円の長期・積立・分散投資するものとします。
2024年から始まる新NISAは、非課税期間が恒久化し、最大投資枠が1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)、年間投資額が360万円(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)まで拡大されます。
年間360万円を拠出すれば、5年間で枠を全て埋められますが、一般的には現実的ではありません(5年後以降も毎年360万円の積立投資を継続できる場合は問題ありません)。
時間分散の観点からも、月5万円(年間60万円)の積立を30年間継続するものとしてシミュレーションしていきます。
なお、ETF投資は、成長投資枠で1,200万円まで可能ですが、枠を使い切ったら、つみたて投資枠で同種のインデックス投信に投資していくものとします。
新NISAを使ったETF投資について、詳しくは下記の記事を参照ください。
ETFの長期・積立・分散投資について、詳しくは下記の記事を参照ください。
ポートフォリオはETF1銘柄(+同種のインデックス投信1銘柄)のみとする
ポートフォリオは基本的に、ETF1銘柄(成長投資枠を使い切った場合には、つみたて投資枠で同種のインデックス投信1銘柄)のみとします。
ETFやインデックス投信は、1銘柄のみで数百銘柄以上に分散投資できるため、ポートフォリオは1銘柄だけで十分なためです。
S&P500指数に投資する場合には、成長投資枠ではS&P500指数連動型ETF1銘柄、つみたて投資枠ではS&P500指数連動型投信1銘柄となります。
世界株(オルカン)に投資する場合には、成長投資枠では世界株ETF1銘柄、つみたて投資枠では世界株投信1銘柄といった具合です。
※NASDAQ100指数連動型ETFに投資する場合には、成長投資枠ではNASDAQ100指数連動型ETF1銘柄となりますが、つみたて投資枠にはないためS&P500指数連動型投信1銘柄で代用します。
想定利回りは直近の実績から厳しく想定する
想定利回りについては、直近の実績からすると厳しい値を想定することにします。
S&P500指数連動型ETFや世界株ETFは直近5年間では年率10%を超えており、NASDAQ100指数連動型ETFは年率20%を超える実績となっていますが、厳しく見積もります。
これは、より長期的に見ると、世界経済成長率の4%程度に収束していく可能性があると思われるためです。
新NISAによる資産形成は、人生のリスクヘッジの一つとして行うものであり、想定利回りを厳しく想定しておくこともリスクヘッジの一環となります。
なお、下記の運用シミュレーションの年率換算の値は、直近5年間の値上がり益÷5ではないことに注意しておいてください(複利計算になっているため)。
米国株ETF(S&P500指数)の運用シミュレーション
米国株を代表する500銘柄で構成される「S&P500指数」は、インデックス投資において最も基本となる指数です。
米国株ETF(S&P500指数)のポートフォリオと実績
「S&P500指数」に連動する米国株ETFは多数ありますが、信託報酬が低く、取引量も十分にある【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信がおすすめです。
つみたて投資枠では、「S&P500指数」に連動する米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がおすすめです。
新NISAでは、成長投資枠が1,200万円になるまで【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信に投資し、残りのつみたて投資枠では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資するポートフォリオとなります。
両銘柄の実績は次の通りです(2023年11月24日時点)。
新NISA | 銘柄名 | 信託報酬 | 直近5年間の値上がり益 | 分配金利回り |
成長投資枠 | 【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 | 0.077% | +92.87% | 1.14% |
つみたて投資枠 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372 % | +119.72%(年率+17.05%) | - |
※【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信の実績は東証マネ部を参照。直近5年間の値上がり益は2020年1月の上場値→2023年11月24日終値の値。
※eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実績は日本経済新聞を参照。
【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信は2020年1月上場のため、直近5年間の成績が小さくなっています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、直近5年間では年率+17.05%です。
米国株ETF(S&P500指数)の運用シミュレーション
米国株ETF(S&P500指数)の実績の半分として、年率9%(毎月5万円積立)で運用するものとしてシミュレーションしてみましょう。
30年間で9,153万円(元本1,800万円)となりました。
世界株ETFの運用シミュレーション
米国株を中心に構成される世界株ETFは、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」に連動する銘柄が基本となっており、「オールカントリー」を略して「オルカン」とも呼ばれます。
世界株ETFのポートフォリオと実績
世界株ETFとしては、「MSCI ACWIインデックス」に連動する【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信がおすすめです。
つみたて投資枠では、「MSCI ACWIインデックス」に連動する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がおすすめです。
新NISAでは、成長投資枠が1,200万円になるまで【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信に投資し、残りのつみたて投資枠では「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に投資するポートフォリオとなります。
両銘柄の実績は次の通りです(2023年11月24日時点)。
新NISA | 銘柄名 | 信託報酬 | 直近5年間の値上がり益 | 分配金利回り |
成長投資枠 | 【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858% | +67.15% | 1.51% |
つみたて投資枠 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% | +91.68%(年率+13.90%) | - |
※【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の実績は東証マネ部を参照。直近5年間の値上がり益は2020年1月の上場値→2023年11月24日終値の値。
※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実績は日本経済新聞を参照。
【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信は2020年1月上場のため、直近5年間の成績が小さくなっています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、直近5年間では年率+13.90%です。
なお、世界株投信の信託報酬引き下げの影響で、世界株投信の方が世界株ETFより信託報酬が小さくなっています。
つみたて投資枠で「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」にだけ投資しても問題ありません(当サイトの存在意義が否定するようなことですが……)。
世界株ETFの運用シミュレーション
世界株ETFの実績の半分として、年率7%(毎月5万円積立)で運用するものとしてシミュレーションしてみましょう。
30年間で6,099万円(元本1,800万円)となりました。
米国株(NASDAQ100指数)ETFの運用シミュレーション
米国のNASDAQ市場を代表する100銘柄で構成される「NASDAQ100指数」は、インデックス投資でより大きなリターンを得たい場合におすすめです。
米国株(NASDAQ100指数)ETFのポートフォリオと実績
「NASDAQ100指数」に連動する米国株ETFは多数ありますが、長年の実績があり、信託報酬が低く、取引量も十分にある【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信がおすすめです。
つみたて投資枠では、「NASDAQ100指数」に連動する銘柄はないため、「S&P500指数」に連動する米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で積み立てていくことにします。
新NISAでは、成長投資枠が1,200万円になるまで【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信に投資し、残りのつみたて投資枠では「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資するポートフォリオとなります。
両銘柄の実績は次の通りです(2023年11月24日時点)。
新NISA | 銘柄名 | 信託報酬 | 直近5年間の値上がり益 | 分配金利回り |
成長投資枠 | 【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 0.22% | +173.89% | 0.53% |
つみたて投資枠 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372 % | +119.72%(年率+13.90%) | - |
※【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信の実績は東証マネ部を参照。
※eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の実績は日本経済新聞を参照。
【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信は、直近5年間では+173%となっており、全ETFの中でトップの数値となっており、年率に換算すると約22%です。
米国株(NASDAQ100指数)ETFの運用シミュレーション
米国株ETF(NASDAQ100指数)の実績の半分として、年率10%(毎月5万円積立)で運用するものとしてシミュレーションしてみましょう。
※上記のポートフォリオでは、成長投資枠1200万円でNASDAQ100指数、残りのつみたて投資枠でS&P500指数となりますが、単純化のためにこのようにします。
30年間で1億1,302万円(元本1,800万円)となりました。
先進国株ETFの運用シミュレーション
米国株を中心とする先進国株ETFとしては、日本を含まない「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する銘柄が基本となります。
先進国株ETFのポートフォリオと実績
先進国株ETFとしては、「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信がおすすめです。
つみたて投資枠では、「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する「たわらノーロード 先進国株式」がおすすめです。
先進国株については、【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信は流動性が小さく流動性リスクがあり信託報酬も大きいため、最初からつみたて投資枠で「たわらノーロード 先進国株式」に全投資するポートフォリオがおすすめです。
※こちらの見出しでは便宜上、【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信についても記載しています。
両銘柄の実績は次の通りです(2023年11月24日時点)。
新NISA | 銘柄名 | 信託報酬 | 直近5年間の値上がり益 | 分配金利回り |
成長投資枠 | 【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 | 0.165% | +100.60% | 1.40% |
つみたて投資枠 | たわらノーロード 先進国株式 | 0.09889% | +102.89%(年率+15.20%) | - |
※【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信の実績は東証マネ部を参照。
※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の実績は日本経済新聞を参照。
先進国株ETF・投信ともに、直近5年間の成績はほぼ同じであること分かります(分配金利回りの分だけトータルリターンは先進国株ETFの方が勝っています)。
たわらノーロード 先進国株式の利回りを年率に換算すると+15.20%となります。
先進国株ETFの運用シミュレーション
先進国株ETFの実績の半分として、年率8%(毎月5万円積立)で運用するものとしてシミュレーションしてみましょう。
30年間で7,451万円(元本1,800万円)となりました。
世界株ETFのシミュレーションとは年率1%の違いですが、30年間の積立投資となると、年率1%で約1,300万円の差になります。
高配当ETFの運用シミュレーション
最後に、高配当ETFで運用した場合について運用シミュレーションしてみたいと思います。
当サイトでは、分配金はETF投資の延長でもらえるものという認識であり、高配当ETFについては厳しい意見を多くの記事で述べていますが、この見出しでも厳しめに見ていきます。
高配当ETFのポートフォリオと実績
東証の高配当ETFでおすすめの銘柄としては、次の銘柄が挙げられます。
- 日本株ETF:【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF
- 日本株ETF:【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信
- 国内REIT型ETF:【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信
高配当ETFの考え方としては、分配金を再投資していくことが基本です。
ただ、配当利回りの計算は「配当金÷株価」と、分母に株価が入っているため、株価が下落している銘柄の配当利回りが大きくなり、成長株が除外されてしまう逆張り指数の性質があります。
このため、当サイトでは、高配当ETFについては、値上がり益は0%(横ばい)になるものと想定することにします。
高配当ETF3銘柄の実績は次の通りです。
銘柄名 | 信託報酬 | 直近5年間の値上がり益 | 分配金利回り |
【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF | 0.429% | +64.43% | 4.15% |
【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 | 0.308% | +57.38% | 3.60% |
【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 | 0.1705% | +4.84% | 3.80% |
※【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETFは東証マネ部を参照。直近5年間の値上がり益は2020年8月の上場値→2023年11月24日終値の値。
※【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信は東証マネ部を参照。
※【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信は東証マネ部を参照。
【2564】グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETFと【1489】NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信の値上がり益は、直近5年間では日経平均株価よりも大きくなっています。
ただ、一般論としては、高配当ETFのより長期的なトータルリターンは、日経平均株価・TOPIXに収束すると考えられます(信託報酬の差分だけ日経平均株価・TOPIXの方が有利となる)。
高配当ETFの運用シミュレーション
高配当ETFのトータルリターンが、年率5%(毎月5万円積立)と仮定した場合の運用シミュレーションを見ていきましょう。
30年間で4,161万円(元本1,800万円)となりました。
ETF投資のシミュレーションで分かること
ETF投資のシミュレーションから分かることを考えていきましょう。
商品選びも重要だが、積立効果も大きい
新NISAやiDeCo、ETF投資などでインデックス投資の話になると、とにかく話題になるのは商品選びについてです。
ただ、シミュレーションを色々といじってみると分かりますが、商品選びと同等に毎月の積立効果も重要です。
資産が大きくなればなるほど、積立効果よりも運用効果の方が大きくなりますが、資産が小さい内には積立効果の影響が大きくなります。
例えば、年率10%で30年間運用したとしても、毎月の積立が1万円だった場合のシミュレーション結果は次のようになります。
30年間で、2,260万円(元本360万円)となりました。
なお、同条件で毎月5万円を積み立てしていた場合には、30年間で4,161万円(1,800万円)となります。
新NISAを使ったETF投資においては、商品選びはもちろんですが、長期・積立・分散投資を継続することが、いかに重要かが分かります。
死ぬまで働くことが最高の資産運用
これはあまり語られないことですが、インデックス投資の最高のゴールとは、自分が死ぬまで積立と運用を続けて、子供や孫に相続することとなります。
新NISAでは非課税期間が恒久化されたため、これがやりやすくなりました(問題は相続税です)。
そして、新NISAを使ったETF投資でもそうですが、死ぬまで働くことが最高の資産運用であるということを認識することが非常に重要です。
60歳までインデックス投資を続けて資産形成し、同時に退職して、以降は年金と資産を取り崩しながら生活するというプランは、おすすめできるライフスタイルではありません。
そもそも、今後の日本では高齢者人口は横ばいとなる一方で、労働者人口が激減するという最悪の人口動態となるため、年金水準が実質的に切り下げられることは避けられません。
だったら、年収200~300万円でもいいので、好きな仕事で死ぬまで働き続けて、同時にインデックス投資を継続することをおすすめします。
この生活では、仮にETFの残高が5,000万円だったとしたら、分配金利回りが1%だとしても、年間50万円の分配金も出ます。
死ぬまで働き続ければ、労働収入・年金・分配金の3つのフローがある状態で、さらにETFの資産だけでも数千万円ある生活となります。
今回のシミュレーションで見てきたように、新NISAを使って毎月5万円の積立投資を継続すれば不可能なことではありません。
サラリーマンや公務員などの勤め人で当サイトのコンテンツを見る方も多いかと思いますが、新NISAによるETF投資を始めると同時に、副業などで死ぬまで働ける道を模索するきっかけにもなればと思います。
インデックス投資はFIRE達成するためのものではない
シミュレーションからも明らかですが、新NISAを使ったインデックス投資は、長期的に資産形成することが目的であり、FIRE達成するためのものではありません。
当サイトでは、ETF投資(インデックス投資)というのは「死ぬまで好きな仕事をしつつ、お金でも困らない生活を送るためのツール」だと考えています。
現代社会においては、投資やトレードは、自由に好きな生活をするための最高のツールとなるものです。
例えば、管理人は、投資・トレードのお陰で、死ぬまで続けたい娯楽コンテンツ制作をしながら生活することが可能となりました。
近年は、「FIRE達成すると、夢のような生活が送れる」といった風潮がありますが、管理人としては否定的に捉えています。
問題となるのは、暇対策です。
FIRE達成したとしても、仕事もせずに趣味だけで暮らし続けるというのは、無理があります。
ETF投資と並んで重要なことが、仕事の価値を認識することだと思います。
仕事で体験できる貢献感や達成感、時間を潰せる価値というものは、いくらお金があっても買うことはできません。
管理人は、投資コンテンツ制作の仕事をしていますが、いくらお金があったとしたとしても、この仕事をすることによる体験を買うことはできません。
もちろん、どのような仕事であろうと大変なことには変わりませんが、仕事で体験できる貢献感や達成感は、いくらお金を使おうと趣味や旅行だけでは絶対に得られないものです。
新NISAを無理に使うこともおすすめできない
新NISAでは、年間で最大360万円(成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円)まで投資できます。
新NISAは、非常にお得な制度であるため、この枠を5年間で使い切ってしまおうといった案が散見される場合があります。
年間360万円、つまり月30万円の拠出を、新NISAによる拠出が終わってからも継続できるほど資産があるなら、それで問題ありません。
ただ、一般的にはおすすめできない考え方です。
第一に、時間分散の問題があります。
例えば、総資産が2,000万円の場合、新NISA枠を5年間で埋めるように拠出すると、5年間で残り現金200万円になってしまいます。
そうではなくて、20~30年程度に分散投資すると考えれば、毎月5~10万円程度の無理のない拠出で済みます。
時間分散が重要なのは、2008年リーマンショックのようなリスクを軽減できるためです。
リーマンショックのとき、S&P500指数は2007年10月に付けた高値1,576.09から2009年2月には666.79まで、-57.69%下落しました。
また、S&P500指数は、2007年10月の高値を回復したのは2013年4月と、5年6ヶ月掛かっています。
ただ、リーマンショック後にも長期・積立・分散投資を継続していれば、資産は回復し、2023年11月時点では4倍以上の水準になっていました。
リーマンショックの教訓からすると、インデックス投資に投じるべき資産は、多くても全資産の半分程度になるかと思います。
リーマンショック級の暴落が起きたとして、全資産をインデックス投資に投じていたら資産が半分になってしまいますが、全資産の半分までに留めておけば総資産への影響は25%程度に抑えられます。
第二に、お金の限界効用は年齢とともに逓減していくためです。
いくら新NISAがお得だからといって、現在の生活を犠牲にしてまでインデックス投資に回すというのは本末転倒です。
若い内にしかできないことがたくさんありますし、友達や家族との体験を削ってまで、新NISAに回すということは絶対におすすめできません。
多くの方には、普通預金の延長として、新NISAで月5万円の拠出を継続していこうというアドバイスが現実的なラインになるかと思いますし、生活水準を無理に上げない限りはそれで十分です。
なお、新NISAの最大値となる月30万円の積立で、月10%で運用すると、次のようになります。
30年間で、6億7,814万円になりました。
資産が大きくなればなるほど、積立効果よりも運用効果の方が大きくなることが分かります。
まとめ
この記事では、新NISAを使ったETF投資のポートフォリオ(米国株(S&P500指数)ETF、世界株ETF、米国株(NASDAQ100指数)ETF、先進国株ETF、高配当ETF)ごとの運用シミュレーションについて解説してきました。
いずれのポートフォリオも、直近5年間の実績は年率10%を大きく上回っていますが、これからの30年間も同等以上の利回りが期待できるとは楽観視せず、半分以下程度と見積もっておいた方がよいでしょう。
運用シミュレーションをしてみると分かりますが、運用効果と並んで積立効果も大きく、月5万円程度の積立を継続することが重要です。
また、新NISAは非常にお得な制度であるため、毎月30万円積立して、すぐに使い切ってしまうべきといった意見も散見されますが、資産が十分あるならともかく、一般的には時間分散の観点からもおすすめできません。
当サイトでは、フローや貢献感をもたらす仕事を継続しながら、新NISAを使って毎月5万円程度のETF投資を継続しつつ、副業などで死ぬまで働ける仕事を確立することをおすすめします。
ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!
新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。
マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。
また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。
マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。