空売りにおすすめのETFとは?ETF空売りのメリット・デメリットについて解説!

「ETFで空売りってできるの?」「ETFを空売りするメリット・デメリットって?」「空売りにおすすめのETFとは?」など、疑問に思っていませんか?

ETFの多くは貸借銘柄のため空売り可能ですが、ETFの大半は長期・積立・分散投資に適するインデックス型の銘柄のため、一般的にはETFの空売りはおすすめできません。

ETFの空売りが有効なのはデイトレード・スイングトレードといった短期投資であり、レバレッジ型やダブルインバース型のETFが空売りの候補となります。

この記事では、ETFを空売りするメリット・デメリット、空売りに適するETFの条件について解説した上で、空売り銘柄として押さえておきたいETFについて紹介しています。

なお、この記事は信用取引の中でも空売り(信用売り)に特化した内容となっています。

ETFの信用買いについては、次の記事を参照ください。

ETFと信用取引(信用買い)のメリット・デメリットとは?狙い目はレバレッジ型とダブルインバース型!
「ETFで信用取引するメリット・デメリットって?」「ETFで信用取引は使うべき?」「ETFの信用取引でおすすめの銘柄は?」など、ETFと信用取引について疑問に思っていませんか?ズバリ、長期投資目的のETF投資においては、信用取引は一切使うべ...

 

空売りとは?

空売りとは、信用取引において、証券会社から借りた株を売って後から買い戻す行為を指し、「信用売り」とも呼ばれます。

空売りでは、買い戻した価格が、空売りをした価格よりも低いと利益となり、空売り価格より高いと損失になります。

空売りは株価の下落が利益になるため、下落相場で効果を発揮する取引です。

なお、証券会社の制度信用取引においては、貸借銘柄のみが空売り可能となっており、非貸借銘柄は空売りできないため注意しておきましょう。

大半のETFは貸借銘柄のため、多くの銘柄が空売り可能となっています。

 

ETFを空売りするメリットや使い方

ETFを空売りするメリットや使い方について見ていきましょう。

 

相場の下落局面で利益を出せる

空売りは、相場の下落局面で利益を出しやすいことが最大のメリットです。

ETFの空売りの使い方としては、下落局面において、指数の2倍の値動きをするレバレッジ型ETFを空売りすることが挙げられます。

ただ、ETFには、ダブルインバース型やVIX指数といった下落局面に上昇する銘柄があるため、わざわざレバレッジ型を空売りする必要性が低い点は否定できません。

 

長期・積立・分散投資している銘柄のリスクヘッジに使う

空売りの使い方として、新NISA口座などで長期・積立・分散投資している銘柄について、相場の下落局面で空売りしてリスクヘッジに使うというものも、ETF空売りのメリットとして挙げられるものです。

ただ、管理人としては、この使い方にも懐疑的にならざるを得ません。

恐らくは、2018年の米中摩擦ショックや2020年のコロナショックのような下落局面において、長期投資している銘柄を空売りするといった使い方を想定しているのだと思われます。

ただ、そもそも、下落相場の最中に空売りエントリーして、いつまで空売りするのかという判断は難しいため、下手に空売りなどせずに長期保有していた方がマシな結果になるケースは少なくありません。

 

信託報酬の分だけ得できる

ETFでは、ファンドに支払う手数料である信託報酬は、日々の価格から控除されています。

これは逆に言えば、空売りをすれば、信託報酬として控除されて下がる分は得できるということでもあります。

ただ、その影響は本当に微々たるものです。

例えば、日経平均株価のレバレッジ型ETF【1570】NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信の信託報酬は0.88%です。

これは1年間(365日)で0.88%のため、36.5日保有してようやく0.088%分の影響を受けられるに過ぎません。

空売りでは、信託報酬の分だけ得できるといっても、完全に日々の値動きで相殺されてしまいます。

 

ダブルインバース型ETFを長期的に空売りする

ダブルインバース型ETFは、指数の前日比2倍の値動きをするレバレッジ型ETFと、指数の逆の値動きをするインバース型ETFを掛け合わせたETFとなっており、下落相場で効果を発揮します。

多くのインデックスは長期的には上昇することが期待されるため、ダブルインバース型ETFは長期投資には向きません。

さらにダブルインバース型ETFは、「指数の前営業日の-2倍の値動き」になるという特性があるため、指数が上昇と下落を交互に繰り返す場合には、逓減していってしまいます。
※例えば、TOPIXが-5%下落→+10%上昇→-5%下落という値動きとなった場合、TOPIXは-5%+10%-5%=100%となって元の値に戻りますが、ダブルインバース型ETFは2倍の複利効果となるため、10%×(-20%)×10%=96.8%と逓減してしまいます。

つまり、ダブルインバース型ETFは上記2点の特性から長期的には下落していくため、ダブルインバース型ETFを空売りすれば、長期的には利益になるのでは?と考える方がいるかと思います。

確かに、勝率自体は高くなることが期待できますが、暴落相場が来た場合には踏み上げられてしまうため、そう簡単な話ではありません。

次のチャートは、恐怖指数こと「VIX短期先物指数」に連動するインバース型ETF【1552】国際のETF VIX短期先物指数の月足チャートです。

長期的には逓減していますが、2020年2~3月のコロナショック時には、2020年2月安値の4,650円から、3月には一時27,080円まで5倍以上に急騰しました。

もし空売りをしていたら、この急騰で一発退場となってしまいます。

 

ETFを空売りするデメリットや注意点

ETFを空売りするデメリットや注意点について見ていきましょう。

 

ETFは空売りに適する商品ではない

そもそもETFは、空売りに適する銘柄ではありません。

ETFの最も基本的な使い方は、長期・積立・分散投資するというものです。

TOPIXやS&P500指数、世界株ETFなど時価総額加重平均型の指数は、十分に銘柄分散が行われており、産業構造の変化も反映されるため、長期的には上昇していくことが期待されます。

逆に言えば、米国株ETFや世界株ETFについて、長期の空売りは絶対的におすすめできません(そもそも、制度信用取引の空売り期間は最長6ヶ月です)。

ETFの大半は指数連動型の銘柄のため、ほとんどのETFは空売りに適さないということになります。

例外として、短期投資に適するレバレッジ型やダブルインバース型の銘柄もあります。

下落相場においてはレバレッジ型を空売りする、上昇相場においてはダブルインバース型を空売りするといった使い方ができなくもありません。

ただ、わざわざ空売りするなら、下落相場ではダブルインバース型を買って、上昇相場ではレバレッジ型を買えばいいだけのことです。

 

買いの利益は青天井だが、空売りは最大+100%

下落相場ではレバレッジ型を空売りする、上昇相場ではダブルインバース型を空売りするといった使い方ができなくはありませんが、買いと空売りの特性を考えると、買いの方が有利です。

買いの場合は、利益が青天井で、損失は最悪-100%(上場廃止となった場合)となります。

【1552】国際のETF VIX短期先物指数は、コロナショック時には一時4,650円→27,080円まで5.82倍になっていたため、買いなら5倍以上の利益になっていました。

一方、空売りの場合は、損失額が青天井となる一方で、利益は最大+100%(空売りした銘柄が上場廃止となった場合)に留まります。

仮に、コロナショック時に、レバレッジ型ETFを空売りしていたとしても、精々+50%程度の利益に留まっていたものと思われます。

100円の株価が1,000円になった場合の買いの利益は+1,000%ですが、1,000円の株価が100円になった場合の空売りの利益は+90%です。

このような買いと空売りの特性もあるため、ETFの短期投資においては、下落相場ではダブルインバース型を買って、上昇相場ではレバレッジ型を買うことが基本となります。

 

信用売りの手数料は低いが、逆日歩リスクがある

信用取引では、空売りの方が信用買いよりも手数料自体は低くなっています。

主要ネット証券について、制度信用取引の手数料は次の通りです。

SBI証券 楽天証券 マネックス証券
取引手数料 0円 0円 99円~385円
買方金利 2.80% 2.80% 2.80%
売方金利(貸株料) 1.10% 1.10% 1.15%
品貸料(逆日歩) 発生する可能性あり 発生する可能性あり 発生する可能性あり

※出典:SBI証券「信用取引にかかる費用」楽天証券「信用取引 手数料/金利/貸株料」マネックス証券「信用取引の種類」

SBI証券・楽天証券では、2023年9月30日以降は“ゼロ革命”により国内株式・ETFの取引手数料は無料となりました。

信用買いの手数料である買方金利は2.80%、空売りの手数料である売方金利(貸株料)は1.10%となっています。

ただ、空売りする場合には、空売り銘柄が多い場合に、品貸料(逆日歩)が発生することがあるため注意が必要です。

逆日歩リスクを差し引いても、売方金利の方が買方金利よりも低いため、空売りの方が手数料は有利かもしれませんが、本当に微々たる差であるため当サイトではおすすめしません。

 

全力空売りは非常にリスクがある

これは信用取引の基本となりますが、信用枠をフルに使った全力信用や全力信用2階建ては非常にリスクがある取引です。

全力信用で空売りする場合には、総資産の約3.3倍まで空売り可能ですが、その銘柄が約30%上昇した時点で全資産が融けてしまいます(そこまで行く前に追証が発生して強制ロスカットになります)。

また、空売りは、損失額が理論上∞になるという特性があるため、少額投資であっても損切りなしの空売りにはリスクがあります。

 

配当落調整金を支払うことになる

ETFを信用買いして、分配金の権利付き最終日を迎えると、配当金相当額を受け取ることができます。

逆に、ETFを空売りしている場合に、分配金の権利付き最終日を迎えると、配当金相当額を支払うことになるため注意が必要です。

とはいえ、レバレッジ型やダブルインバース型のETFには分配金は出ないため、実質的には影響はありません。

 

空売りに適するETFの条件

空売りに適するETFの条件について見ていきましょう。

とにかく、まず第一に「流動性が十分にあること(1日の売買代金が10億円以上)」が絶対条件となります。

 

流動性が十分にあること(1日の売買代金が10億円以上)

ETFを空売りするとしたら、十分な流動性があることが絶対条件となります。

流動性とは、取引のしやすさを示すもので、売買代金や板の状態を見ることで分かります。

短期投資(トレード)における銘柄選びにおいては、流動性があることは絶対条件です。

どうして、流動性があることが重要なのかについて、実際の例で見ていきましょう。

まず、次の板は「JPX日経400ダブルインバース・インデックス」に連動するダブルインバース型ETF【1466】ダイワ上場投信-JPX日経400ダブルインバース・インデックスの2023年10月13日終値時点の板です。

現在価格1,078円に対して、買い板は1,071円にしか出ていないため、売ろうと思っても1,071円でしか売れません。

流動性が低い銘柄では、このように現在価格に対して不利な価格で取引するしかない「流動性リスク」が発生してしまいます。

短期投資において流動性リスクが恐ろしいのは、エントリーや利益確定の際に不利な価格で約定せざるを得なくなってしまうことはもちろん、損切りしたくても逃げづらくなってしまうことが挙げられます。

なお、この日の売買代金は84万円しかありませんでした。

ダブルインバース型ETFであっても、このような銘柄は取引してはいけません。

続いて、ダブルインバース型ETFの中でも人気が高い日経平均のダブルインバース型ETF【1459】楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型の2023年10月13日終値時点の板です。

もはや解説するまでもなく、気持ち悪い位に売り板・買い板ともに数字がびっしりと埋まっており、ほぼ常に現在値で取引できる状況です。

このような銘柄は「流動性がある」と言われ、デイトレードやスイングトレードをするためには絶対必要な条件となります。

なお、この日の売買代金は116億1,615万円でした。

 

空売りもできる短期トレード向きETF4銘柄!

ここからは空売りに適するETFを紹介していきます。

まずは、ETFの中でも短期投資におすすめの4銘柄を押さえておきましょう。

 

日本株の短期投資は日経平均株価のレバレッジ型・ダブルインバース型

日本株のレバレッジ型・ダブルインバース型ETFで空売りに適するのは、流動性とボラティリティーが大きい日経平均株価連動型のみです。

TOPIX型のレバレッジ型・ダブルインバース型ETFもありますが、流動性が低く、ボラティリティーも低いため、短期投資には不向きです。

JPX日経インデックス400のレバレッジ型・ダブルインバース型に至っては、全く流動性がなく問題外の銘柄となっており、絶対に手を出してはいけません。

短期投資におすすめの日経平均株価連動型のレバレッジ型・ダブルインバース型ETFは次の銘柄となります。

銘柄名 ETFの種類 短期投資 流動性
【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 レバレッジ型(日経平均株価) ★★★★★ ★★★★★
【1459】楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 ダブルインバース型(日経平均株価) ★★★★★ ★★★★★

【1458】楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型は、日経平均株価に連動するレバレッジ型ETFの中では信託報酬が最も低くなっており、流動性も問題ありません。

【1459】楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型は、日経平均株価に連動するダブルインバース型ETFの中では信託報酬が最も低くなっており、流動性も問題ありません。

ただ、やはり、わざわざ空売りをするなら、下落相場ではダブルインバース型を買って、上昇相場ではレバレッジ型を買えばいいのでは?と思ってしまいます。

 

米国株・世界株・先進国株ETFでは「VIX指数」と「NASDAQ100インバース指数」を要チェック

当サイトで新NISAを使った長期・積立・分散投資としておすすめしている米国株・世界株・先進国株ETFは、空売りには全く適しません。

ただ、米国株のインバース型ETFとしては、次の2銘柄を押さえておきましょう。

銘柄名 ETFの種類連動指数 短期投資 流動性
【1552】国際のETF VIX短期先物指数 インバース型(S&P 500 VIX短期先物指数(円換算)) ★★★★★ ★★★★
【2842】iFreeETF NASDAQ100インバース インバース型(NASDAQ100インバース指数) ★★★★ ★★

恐怖指数こと「VIX短期先物指数」に連動する【1552】国際のETF VIX短期先物指数は、世界株安局面の短期投資においては最有力の銘柄となっているため、トレーダーなら必ずチェックしておきましょう。

ただ、【1552】国際のETF VIX短期先物指数は上場廃止が決まっているため、今後は「NASDAQ100インバース指数」に連動する【2842】iFreeETF NASDAQ100インバースが注目銘柄となっていく可能性もあります。

とはいえ、米国株のインバース型である、この2銘柄を空売りするということは、S&P500指数やNASDAQ100指数が上昇しているということであるため、だったらS&P500指数やNASDAQ100指数に連動する銘柄を買った方がいいと思います。

ETFの短期投資においては、ここまで見てきた4銘柄が基本銘柄となります。

 

空売りにおすすめのETFを種類別に紹介!

ここからは、レバレッジ型・ダブルインバース型がないETFで空売りの候補となる銘柄について、ETFの種類別に見ていきましょう。

ただ、いずれの銘柄も長期的には上昇する期待が強いため、あくまで短期投資狙いで、資金管理や損切りが必ずできることが絶対条件となります。

なお、管理人はスイングトレード・デイトレードについては、レバレッジ型・ダブルインバース型を含めてETFは全く手掛けておらず、個別株でしか行っていません(長期の資産形成でのみETFを手掛けています)。

こちらの見出しは、あくまで「もしもETFで空売りするとしたら、どの銘柄が候補となる?」と考えた際のコンテンツとなることをあらかじめ断っておきます。

 

日本株の業種別ETFやテーマ株ETFも候補になるが流動性リスクがネック

日本株の業種別ETFやテーマETFは、その業種やテーマが過熱している場合には空売りの候補となります。

日経平均のレバレッジ型ETFを空売りするとなると、「だったら、そもそもダブルインバース型ETFを買えばいいじゃないか」となりますが、業種別やテーマ株の空売りについてはインバース型がないため、業種別ETF・テーマ株ETFを空売りするしかありません。

ただ、これについても、そもそも個別株で最も過熱している銘柄を空売りすればいいじゃないかと思ってしまいますが……。

業種別ETFについては業種別株価指数「TOPIX17」シリーズに連動する下記の銘柄が挙げられます。

銘柄名 連動指数 流動性
【1617】NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 食品 ×
【1618】NEXT FUNDS エネルギー資源(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 エネルギー資源
【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 建設・資材 ×
【1620】NEXT FUNDS 素材・化学(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 素材・化学 ×
【1621】NEXT FUNDS 医薬品(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 医薬品 ×
【1622】NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 自動車・輸送機
【1623】NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 鉄鋼・非鉄 ×
【1624】NEXT FUNDS 機械(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 機械 ×
【1625】NEXT FUNDS 電機・精密(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 電機・精密 ×
【1626】NEXT FUNDS 情報通信・サービスその他(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 情報通信・サービスその他 ×
【1627】NEXT FUNDS 電力・ガス(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 電力・ガス
【1628】NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 運輸・物流
【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 商社・卸売
【1630】NEXT FUNDS 小売(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 小売 ×
【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 銀行
【1632】NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 金融(除く銀行) ×
【1633】NEXT FUNDS 不動産(TOPIX-17)上場投信 TOPIX-17 不動産 ×
【1615】NEXT FUNDS 東証銀行業株価指数連動型上場投信 銀行業株価指数 ★★

ただ、いずれの銘柄も流動性が小さいため、短期投資には適していません。

この中で過熱している銘柄としては、商社株で構成される【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信が挙げられます(なお、この銘柄は分配金をかすめとっている疑惑が強いため、長期投資にはおすすめしていません。この銘柄に投資するなら5大商社株への個別株投資を推奨します)。

続いて、グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFは次の通りです。

どの銘柄も流動性がなく、短期投資には適していません。

唯一、半導体株ETFである【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFは、流動性もあり、過熱感もあります。

ただ、半導体株ETFへの空売りにしても、買われ過ぎている半導体株を個別株で空売りすればいいじゃないかと思ってしまいますが……。

 

日本株のマザーズETFも短期投資にアリ

「東証グロース市場指数(旧・東証マザーズ指数)」に連動する【2516】東証マザーズETFなどの新興市場ETFは、トレーダーにも注目される日本株ETFです。

銘柄名 連動指数 流動性
【2516】東証マザーズETF 東証マザーズ指数 ★★★
【1563】マザーズ・コア上場投信 東証マザーズCORE指数 ★★
【1551】JASDAQ-TOP20上場投信 JASDAQ-TOP20

特に、【2516】東証マザーズETFは、流動性も大きく、ボラティリティーもあり、長期的にも乱高下が続いている銘柄となっているため、ETFの中でもトレードにおすすめの銘柄の一つです。

東証グロース市場の銘柄は、大半が非貸借銘柄で制度信用取引で空売りできないため、新興市場の指数を空売りできる、この銘柄は有望な銘柄と言えるでしょう。

 

新興国株ETFも空売りアリ?

米国株ETFや世界株ETFの空売りはおすすめできませんが、新興国株ETFの空売りはアリかもしれません。

新興国株ETFで流動性がある銘柄としては、新興国株インデックス、中国株ETF、インド株ETFの代表銘柄である下記3銘柄をチェックしておきましょう。

ただ、新興国株ETF【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)と中国株ETF【1309】NEXT FUNDS CHINAAMC・中国株式・上証 50連動型上場投信は、流動性がなく、短期投資には適していません。

インド株ETFの【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信は、新型コロナ以降はNASDAQクラスの上昇率となっており、流動性も何とかあるため短期投資ができなくもありません。

REIT型ETFは代表銘柄を押さえておこう

REIT型ETFは、国内REIT、米国REIT、先進国REITの3種類ごとに最も代表的な銘柄を押さえておきましょう。

銘柄名 連動指数投資 流動性
【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 東証REIT指数 ★★
【1659】iシェアーズ 米国リート ETF FTSE NAREIT EQUITY REITS インデックス(TTM 円建て)
【2515】NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし) S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み)

ただ、国内REIT、海外REITともに過熱感は出ておらず、分配金利回りは安定して3%はあるため、空売りで利益を出すのは難しいと言えます。

コロナショックの際は大暴落しましたが、月足チャートでこのボラティリティーでは、短期投資で利益を出すのは非常に厳しく、空売りには向いていません。

今後、REITが過熱するようなことがあれば、短期投資向きになるかもしれませんが、現時点では手を出すべきではないでしょう。

 

債券ETFの空売りは為替相場に大きく左右される

債券ETFは、ボラティリティーが小さく空売りには向いていないと思われがちですが、為替相場に大きく左右される点から空売り候補になるかもしれません。

債券ETFで流動性がある銘柄は次の通りです。

銘柄名 連動指数 流動性
【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) ★★
【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし) S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て)
【2620】iシェアーズ 米国債1-3年 ETF FTSE米国債1-3年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース) ★★
【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) ★★
【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース)

米国債ETFは、ドル円相場の影響を強く受けることも特徴的です。

次のチャートは、米国債7-10年に連動する為替ヘッジなしのドル建てETF【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)の月足チャートです。

一方、米国債7-10年に連動する為替ヘッジありの円建てETF【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)の月足チャートは次の通りです。

この下げている分は、2022年以降に急激に進んだ円安ドル高の影響であり、為替相場によるものです。

米国債の価格自体はそこまで大きく動かないため、円建ての米国債ETFを空売りするならドル預金をすればいいのでは?、逆にドル建ての米国債ETFを空売りするなら円預金をしておけばいいのでは?と思ってしまいます。

また、債券ETFを長期に空売りするとなると、2~3%程度の分配金調整金を支払わなければなりません。

 

原油・金(ゴールド)連動型の商品先物ETFも押さえておこう

商品先物ETF(コモディティー型ETF)では、流動性がある原油・金(ゴールド)に連動する銘柄を押さえておきましょう。

原油・金(ゴールド)価格の急騰後などに空売りすることはアリと言えるでしょう。

また、商品先物ETFはドル建てETFのため、円高になっても下落するという性質があります。

銘柄名 連動指数 流動性
【1671】WTI原油価格連動型上場投信 WTI原油先物価格 ★★★
【1540】純金上場信託(現物国内保管型) 大阪取引所における金地金1グラムあたりの先物価格 ★★

原油先物価格に連動するETFは、【1671】WTI原油価格連動型上場投信が最も流動性があります。

信託報酬だったら【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信の方が低いですが、空売りとなると信託報酬分も得できる【1671】WTI原油価格連動型上場投信の方がおすすめです。

原油先物ETFは、コロナショック時に空売りしていれば、大きな利益になっていました。

金(ゴールド)ETFでは、【1540】純金上場信託(現物国内保管型)が最も流動性が高く、長期投資・トレードともにこちらの銘柄がおすすめです。

ただ、金(ゴールド)価格は長期で上昇しており、空売りで利益を出すのは非常に厳しくなっています。

 

まとめ

この記事では、ETFを空売りするメリット・デメリット、空売りに適するETFの条件について解説した上で、空売り銘柄として押さえておきたいETFについて紹介してきました。

多くのETFが空売り可能ですが、一般的には、ETFの空売りはおすすめできません。

わざわざETFを空売りするなら、下落相場ではダブルインバース型を買い、上昇相場ではレバレッジ型を買う方がおすすめです。

買いでは利益が青天井な一方で、空売りでは+100%(2倍)が最大のため、短期投資の利益追求という点で見ても、ETFを空売りする利点はないと言えます。

今回は、空売り銘柄としても候補になるETFを見てきたものの、レバレッジ型ETF・ダブルインバース型ETFの買いや、個別株の空売りに比べると、ETFの空売りの優先度は低いと言わざるを得ません。

 

ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!

新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。

マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。

マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。

また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。

マネックス証券

マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。

マネックス証券のETF投資を解説!新NISAや人気ランキング、買い方についても紹介!
「マネックス証券で新NISAを使ったETF投資はおすすめ?」「マネックス証券でETFを買う方法とは?」など、お困りではありませんか?マネックス証券では、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、マネックスカードのクレカ投信積立の還元率が...

 

ETF投資について
fgunをフォローする