ETFの為替ヘッジとは?為替ヘッジあり・なしの違いや仕組み、為替相場の影響、コストについて押さえておこう。

「ETFの為替ヘッジとは?」「為替ヘッジあり・なしの違いとは?」「為替ヘッジの仕組みは?」「為替ヘッジのコストって?」など、疑問に思っていませんか?

米国株ETFなど外貨建て資産に連動するETFには、為替ヘッジありの銘柄が上場していることもありますが、為替ヘッジなしの銘柄との違いについて理解しておくことが重要です。

為替ヘッジなしは円安に強く円高に弱く、為替ヘッジありは為替相場の影響を受けなくなる一方で為替ヘッジコストが発生します。

この記事では、為替ヘッジの概要や為替ヘッジのメリット・デメリットについて解説した上で、為替ヘッジありの東証ETFについて紹介しています。

なお、今回は為替ヘッジありのETFについて詳しく解説していきますが、円安に強い為替ヘッジなしのETFについては下記記事を参照ください。

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為替ヘッジとは?

東証ETFは、全銘柄が円建てで取引されていますが、米国株ETFや世界株ETF、商品先物ETFといった外貨建て資産は、資産価格の変動に加えて、為替相場の影響も受けます。

例えば、1ドル140円のときに、ドル建て資産である米国株ETFに投資した場合、米国株が横ばいであっても、1ドル154円まで円安ドル高になった場合には、10%ドル高が進んだ分だけ為替差益が生じます。

逆に、1ドル140円のときに米国株ETFに投資した場合、米国株が横ばいであっても、1ドル126円まで円高ドル安になった場合には、10%ドル安が進んだ分だけ為替差損が生じるということです。

為替ヘッジとは、このような為替変動リスクの影響を低減するものです。

 

為替ヘッジのあり・なしの違い

円の為替相場と、為替ヘッジのあり・なしの違いをまとめると次のようになります。

為替ヘッジなし 為替ヘッジあり どちらが有利か?
円安 為替差益によりプラス 変わらず 為替ヘッジなし
円高 為替差損によりマイナス 変わらず 為替ヘッジあり

つまり、円安が進む場合には為替ヘッジなしが有利となり、円高が進む場合には為替ヘッジありが有利となります。

ただ、急激な為替変動や金利上昇が起きた場合には、為替ヘッジありの銘柄でも、為替変動の影響を完全に排除できない点には注意しておきましょう。

なお、当サイトでは、米国株ETFや世界株ETFについて、新NISAを使った長期・積立・分散投資を推奨していますが、為替ヘッジなしの外貨建て資産として資産形成することをおすすめしています。

円安対策にもなる為替ヘッジなしの外貨建てETFについて詳しくは、下記記事を参照ください。

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為替ヘッジの仕組み

為替ヘッジありのETFは、どのようにして為替ヘッジしているのか、為替ヘッジの仕組みについて見ていきましょう。

為替ヘッジありのETFは、外貨建て資産に投資すると同時に、外貨を売って日本円を買う為替予約取引をすることによって、為替変動の影響を抑えています。

※画像出典:日本取引所「ETFの概要 為替ヘッジ指標」

例えば、1ドル140円のときに、為替ヘッジありの米国株ETFを買った場合には、米国株ETFを買うと同時に、1ドル140円でドルを売って日本円を買うことと同じです。

1ドル154円まで円安ドル高が10%進んだ場合、ドル建て資産の米国株の部分には為替差益で+10%の利益が出ていますが、ドル売り円買いの部分で-10%の損失となるため、プラマイゼロとなります。

1ドル126円まで円高ドル安が10%進んだ場合、ドル建て資産の米国株の部分には為替差損で-10%の損失が出ていますが、ドル売り円買いの部分で+10%の利益が出ているため、プラマイゼロとなります。

この例でまとめると次のようになります。

為替ヘッジなし 為替ヘッジあり
10%円安ドル高 +10% 0%
10%円高ドル安 -10% 0%

よく為替ヘッジなしと為替ヘッジありの比較について行われますが、為替ヘッジありの銘柄自体には為替損益の影響はなく、あくまで為替ヘッジなしの銘柄の為替損益との比較になることに注意しておきましょう。

 

為替ヘッジのコスト

為替ヘッジありのETFでは、為替ヘッジを行う際に、外貨を売って日本円を買っているため、通貨間の金利差分のヘッジコストが発生することに注意が必要です。

ドル円の為替ヘッジコストは、「米ドルの短期金利-日本円の短期金利」となります。

2023年10月17日時点では、日本の短期金利は「-0.028%」(日本 無担保コール翌日物)、米国の短期金利は「5.50%」(アメリカ フェデラルファンド金利)です。
※参考:楽天証券「世界の主要指数・外国為替・金利一覧」

つまり、ドル円の為替ヘッジコストは、2023年10月17日時点で約5.528%となります。

なお、逆に、日本円の短期金利の方が、外貨の短期金利よりも高い場合には、その差益を受け取る為替ヘッジプレミアムが発生します(が、そのような通貨はほとんどありません)。

 

為替ヘッジあり・なしのまとめ

米国株ETFの為替ヘッジあり・なしを例として、為替ヘッジあり・なしの違いによる上昇率についてまとめると次のようになります。

為替ヘッジあり 為替ヘッジなし どちらが有利か?
米国株上昇・円安ドル高 上昇 上昇 為替ヘッジなし
米国株上昇・円高ドル安 上昇 相殺 為替ヘッジあり
米国株上昇・ドル円変わらず 上昇 上昇 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)
米国株変わらず・円安ドル高 変わらず 上昇 為替ヘッジなし
米国株変わらず・円高ドル安 変わらず 下落 為替ヘッジあり
米国株変わらず・ドル円変わらず 変わらず 変わらず 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)
米国株下落・円安ドル高 下落 相殺 為替ヘッジなし
米国株下落・円高ドル安 下落 下落 為替ヘッジあり
米国株下落・ドル円変わらず 下落 下落 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)

為替ヘッジありは、通貨価格を固定するため、完全に米国株の値動きに左右されることになります。

再三になりますが、為替ヘッジありは円安になるとマイナス(円高になるとプラス)だと勘違いする方が多いですが、それは為替ヘッジなしの銘柄と比較した場合であり、為替ヘッジありは為替相場の影響を受けなくなるというのが正確です。

 

為替ヘッジありETFのメリット

為替ヘッジありETFのメリットについて見ていきましょう。

 

円高で為替差損とならない

為替ヘッジありのETFは、円高になった際に為替差損とならない点がメリットです。

再三となりますが、為替ヘッジありのETFは、為替相場の影響を受けないように為替ヘッジされているということが正確です。

為替ヘッジありのETFは、円高になるとプラスになるのでも、円安になるとマイナスになるのでもなく、為替ヘッジなしの銘柄と比較した場合に、円安による為替差益および円高による為替差損の影響を受けないのであり、単体で見ると為替の影響はありません。

為替ヘッジなしの米国株ETFはドル建て資産ですが、かといって為替ヘッジありの米国株ETFは円建て資産ではありません(ドル建て資産の米国株ETFを買い、ドルを売っているため為替相場については中立)。

 

リスク要因を資産価格だけに絞れる

米国株ETFや世界株ETFなどの為替ヘッジなしのETFは、資産価格と為替相場という2つのリスク要因の影響を受けます。

為替ヘッジありのETFは、リスク要因を資産価格の1点だけに絞れる点はメリットと言えるでしょう。

為替ヘッジなしのETFは株安かつ円高になった場合にはダブルパンチの大きな下落となりますが、為替ヘッジありのETFは株安による下落だけで済みます。

2022年以降の急激な円安で、為替ヘッジなしは円安でプラスになり、為替ヘッジありは円高でプラスになると勘違いする方が少なくありませんが、為替ヘッジありは為替相場の影響を受けなくするものです。

当サイトでは、日本円のリスクヘッジや、今後も円安が進む可能性を考慮して、為替ヘッジなしの米国株ETFや世界株ETFをおすすめしていますが、為替ヘッジありの特徴を理解しているなら、為替ヘッジありの銘柄で資産運用しても問題ありません。

 

為替ヘッジありETFのデメリット

為替ヘッジありETFのデメリットについて見ていきましょう。

 

円安による為替差益を享受できない

為替ヘッジありのETFは、円安になった際に為替差益を享受できません。

2021年11月以降の米国利上げを受けた日米金利差の拡大などで、2022年以降は急激な円安ドル高となり、ドル建てETFは大きな為替差益を得ていますが、為替ヘッジありの銘柄はこの分の利益は享受できませんでした。

2022年以降の急激な円安ドル高を受けて、為替ヘッジありの銘柄と為替ヘッジなしの銘柄とで、どの程度の差があったのかについては、下記“為替ヘッジありの東証ETF一覧”の各銘柄を参照ください。

 

信託報酬は変わらないが、為替ヘッジコストが発生する

同じ指数に連動する、為替ヘッジなしのETFと、為替ヘッジありのETFとでは、信託報酬は基本的に変わりません。

ただ、為替ヘッジありの銘柄には、為替ヘッジコストが発生します。

円は低金利通貨のため、ドル建ての米国株ETFなどで為替ヘッジすると、為替ヘッジコストが高くなってしまう点がデメリットです。

2022年以降の急激な円安ドル高の主要因は日米金利差ですが、為替ヘッジしたとしても結局は為替ヘッジコストという形で回収されてしまうことになります。

ただ、日銀は植田新総裁の体制となり、今後はマイナス金利の撤廃など利上げとなる展開も十分にあるため、日米金利差が縮まれば為替ヘッジコストも縮小されます。

為替ヘッジありのETFは、円安・円高の影響を直接は受けないものの、昨今の円安の要因が日米金利差にあり、為替ヘッジコストという観点から考えれば、やはり円高の方が有利だと言えるでしょう(ただ、為替ヘッジコストの拡大、円安の拡大のいずれも、その要因は円の低金利にあり、為替ヘッジコストと為替相場の間には直接の因果関係はない点は別々に考えておきましょう)。

なお、為替ヘッジコストは、どのタイミングで引かれるのかは東証のETFページにも書いていませんが、恐らくは信託報酬と同様に、価格から日々控除されているのではないかと思われます。

 

当サイトでは為替ヘッジありの銘柄はおすすめしない

当サイトでは、為替ヘッジありの銘柄はおすすめしていません。

その2つの理由を押さえておきましょう。

 

日本円で給料をもらっている場合にはドル建て資産を積み立てた方がリスクヘッジになる

資産運用において、通貨のリスクヘッジという観点で考えると、為替ヘッジなしの外貨建て資産を積み立てておくことはおすすめです。

日本で暮らすほとんどの日本人は、日本円で給料を受け取り、資産のほとんどは銀行預金(円預金)で保有しています。

これは、資産のほぼ全てを日本円にベッドしている状態であるため、非常にリスクがあると言わざるを得ません。

仮に、為替ヘッジなしのドル建てETFに投資してから、円安が是正されて円高になってやや損をしたとしても、それは円安へのリスクヘッジに対する保険のようなものではないでしょうか?

 

より長期的には円安が進むことが懸念される

これはあくまで管理人の考えになりますが、長期的には、日本円は今後さらなる円安になるのではないかと思っています。

日本では人口減少が進んでおり、大量移民受け入れも実現しないため、どうしても日本の国力や国際競争力は下がらざるを得ません。

特に、今後深刻化する日本の人口減少は、労働力人口の激減かつ高齢者人口は横ばいという最悪の形で起こります。

一方、米国も少子化の影響を受けているものの、それでも人口増加が続いており、あと数十年は成長が期待できると考えられます。

日本政府が抱える莫大な債務や、高齢社会による社会保障費(年金・医療・介護)などは、もはや取り返しが付かない状況ではないかと思うのです。

また、円安は急激に進んでいるため、ドル預金や米国株投資などを通して、日本の家計資産の一部が円預金から逃避するキャピタルフライトが起これば、よりいっそう円安が進むことも考えられます。

やや陰謀論になってしまいますが、将来的にはインフレ税でリセットするしかないのではないかと思います。

今日・明日と今すぐに猛烈な円安やインフレが起こるとは思えませんが、10~20年スパンの長期で考えれば、ドル建て資産の割合を増やしておいた方がよいのではないかと。

具体的には、政治力が強い団塊世代が退場していき、人口ボリュームが多い団塊ジュニア世代(ロスジェネ世代)が高齢者になったタイミングあたりで、グレートリセットが起こってもおかしくないのではないかと思います。

ただ、それまではまだ20年前後はあります。

2024年から新NISAが始まりますが、2024年からドル建てETFの割合を増やしていっても、余裕で間に合うのではないでしょうか。

むしろ、直近の円安から、今すぐに全資産をドル建てETFに替えるような動きもありますが、管理人としては、それも早急でリスクがある行為だと感じます。

当サイトでは、新NISAを最大限に活用して、10~20年の時間を掛けて無理のない範囲で、為替ヘッジなしのドル建てETFの資産割合を増やしていくことを推奨しています。

 

為替ヘッジありの東証ETF一覧

東証ETFで、為替ヘッジありのETF一覧を見ていきましょう。

なお、今回は、為替ヘッジありのETFに加えて、同じ運用会社でかつ同種の指数(インデックス)に連動する銘柄については、参考として為替ヘッジなしの銘柄についても記載して、比較チャートも掲載しています。

※信託報酬は、2023年10月19日時点の東証ETFパンフレット掲載時の値。

 

米国株ETF

ダウ平均株価連動型ETF

ダウ平均株価連動型ETFの為替ヘッジありETFは次の通りです。

ダウ平均株価連動型ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2846】NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価(為替ヘッジあり)連動型上場投信は次の通りです。

為替ヘッジなしの【1546】NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価(為替ヘッジなし)連動型上場投信は次の通りです。

S&P500指数連動型ETF

S&P500指数連動型ETFの為替ヘッジありETFは次の通りです。

S&P500指数連動型ETFの為替ヘッジありで上場している4銘柄は、4銘柄の運用会社の全てで為替ヘッジなしの銘柄も上場しています。
※為替ヘッジあり・なしのチャート画像の違いはほぼ同じであるため、日興アセットマネジメントの2銘柄のみ掲載します。

S&P500指数連動型ETFで、日興アセットマネジメントが運用する銘柄は為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジありは次の通りです。

為替ヘッジなしの【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)は次の通りです。

S&P500指数連動型ETFで、ブラックロック・ジャパンが運用する銘柄は次の通りとなります。
・為替ヘッジあり:【2563】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【1655】iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF

S&P500指数連動型ETFで、三菱UFJアセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2630】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信

S&P500指数連動型ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2634】NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信
・為替ヘッジなし:【2633】NEXT FUNDS S&P 500 指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信

 

NASDAQ100指数連動型ETF

NASDAQ100指数連動型ETFの為替ヘッジありETFは次の通りです。

NASDAQ100指数連動型ETFの為替ヘッジありで上場している4銘柄は、4銘柄の運用会社の全てで為替ヘッジなしの銘柄も上場しています。
※為替ヘッジあり・なしのチャート画像の違いはほぼ同じであるため、野村アセットマネジメントの2銘柄のみ掲載します。

NASDAQ100指数連動型ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2845】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジあり)連動型上場投信は次の通りです。

為替ヘッジなしの【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信は次の通りです。

NASDAQ100指数連動型ETFで、日興アセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りとなります。
・為替ヘッジあり:【2569】上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジあり
・為替ヘッジなし:【2568】上場インデックスファンド米国株式(NASDAQ100)為替ヘッジなし

NASDAQ100指数連動型ETFで、三菱UFJアセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2632】MAXISナスダック100上場投信(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【2631】MAXISナスダック100上場投信

NASDAQ100指数連動型ETFで、大和アセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2841】iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【2840】iFreeETF NASDAQ100(為替ヘッジなし)

 

先進国株ETF

「MSCI-KOKUSAIインデックス」に連動する先進国株ETFの為替ヘッジありETFは次の通りです。

銘柄名 連動指数 長期投資 流動性 信託報酬
【2514】NEXT FUNDS外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信 MSCI-KOKUSAI指数(円ベース・為替ヘッジあり) ★★★ 0.187%
※参考:【2513】NEXT FUNDS外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 MSCI-KOKUSAIインデックス ★★★★★ 0.187%

先進国株ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2514】NEXT FUNDS外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信は次の通りです。

為替ヘッジなしの【2513】NEXT FUNDS外国株式・MSCI-KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信は次の通りです。

海外債券ETF

米国債券ETF

米国債券ETFの為替ヘッジありETFは次の通りです。

銘柄名 連動指数 長期投資 流動性 信託報酬
【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) ★★ ★★ 0.154%
※参考:【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース) ★★★★ 0.154%
【1487】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり) S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て、円ヘッジ) ★★ 0.176%
※参考:【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし) S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て) ★★★★ 0.176%
【2839】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジあり) S&P 米国債7-10年指数(円ヘッジ・円換算ベース) × 0.132%
※参考:【2838】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジなし) S&P 米国債7-10年指数(円換算ベース) ★★★ × 0.132%
【2648】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジあり、円ベース) × 0.143%
※参考:【2647】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジなし、円ベース) ★★★ × 0.143%
【1496】iシェアーズ 米ドル建テ投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) MARKIT IBOXX 米ドル建てリキッド投資適格指数(TTM円ヘッジ付き) 0.308%
【1497】iシェアーズ 米ドル建テハイイールド社債 ETF(為替ヘッジあり) MARKIT IBOXX 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数(TTM円ヘッジ付き) ★★ 0.638%
【2554】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国投資適格社債(1-10 年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 ブルームバーグ米国投資適格社債(1-10年)インデックス(円ヘッジ・円ベース) × 0.297%
【2621】iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース) ★★ 0.154%
【2649】iシェアーズ 米国政府系機関ジニーメイMBS ETF(為替ヘッジあり) ブルームバーグ米国GNMAインデックス TTM(為替ヘッジ有り、円ベース) × 0.1375%
【2856】iシェアーズ 米国債3-7年 ETF(為替ヘッジあり) FTSE米国債3-7年セレクト・インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース) × 0.154%

米国債券ETFは、米国長期金利(米国債7-10年)に連動する銘柄が主力となっており、為替ヘッジあり・なしの銘柄が上場しています。
※為替ヘッジあり・なしのチャート画像の違いはほぼ同じであるため、ブラックロック・ジャパンの2銘柄のみ掲載します。

米国債7-10年連動型ETFで、ブラックロック・ジャパンが運用する銘柄は、為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【1482】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF(為替ヘッジあり)は次の通りです。

為替ヘッジなしの【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETFは次の通りです。

米国債7-10年連動型ETFで、日興アセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りとなります。
・為替ヘッジあり:【1487】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)

米国債7-10年連動型ETFで、三菱UFJアセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2839】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジあり)
・為替ヘッジなし:【2838】MAXIS米国国債7-10年上場投信(為替ヘッジなし)

米国債7-10年連動型ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は次の通りです。
・為替ヘッジあり:【2648】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信
・為替ヘッジなし:【2647】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信

米国債7-10年連動型ETF以外にも為替ヘッジありの銘柄は上場していますが、それぞれ対応する為替ヘッジなしの銘柄は上場していません。

 

その他・海外債券ETF

米国以外の海外債券ETFで為替ヘッジありETFは次の通りです。

銘柄名 連動指数 長期投資 流動性 信託報酬
【2512】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信 FTSE世界国債インデックス(除く日本、円ヘッジ・円ベース) × 0.132%
※参考:【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) ★★★★★ 0.132%
【2843】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり) ブルームバーグ豪州国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり、円ベース) × 0.121%
※参考:【2844】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし) ブルームバーグ豪州国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジなし、円ベース) ★★★ × 0.121%
【2623】iシェアーズ ユーロ建テ投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり) ブルームバーグ・ユーロ社債インデックス TTM(為替ヘッジ有り、円ベース) ×
【2853】iシェアーズ 気候リスク調整世界国債 ETF(除く日本・為替ヘッジあり) FTSEアドバンスト気候リスク調整世界国債インデックス(除く日本、国内投信用、円ヘッジ・円ベース) ×
【2857】i シェアーズ ドイツ国債 ETF(為替ヘッジあり) FTSEドイツ国債インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース) ×

世界国債指数「FTSE世界国債インデックス」に連動する海外債券ETFで、野村アセットマネジメントが運用する銘柄は為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2512】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジあり)連動型上場投信は次の通りです。

為替ヘッジなしの【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信は次の通りです。

豪州国債に連動するETFで、日興アセットマネジメントが運用する為替あり・なしの2銘柄が上場しており、信託報酬は変わりません。

為替ヘッジありの【2843】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり)は次の通りです。

為替ヘッジなしの【2844】上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジなし)は次の通りです。

上記以外にも為替ヘッジありの銘柄は上場していますが、それぞれ対応する為替ヘッジなしの銘柄は上場していません。

 

為替ヘッジあり・なしの差を検証!

2022年以降は、為替ヘッジありと為替ヘッジなしの銘柄とで大きな差となっているため、S&P500指数連動型ETFで、この差について検証してみました。

今回は、2020年1月時点の値を軸に、2023年10月26日終値時点の値で検証していきます。

S&P500指数連動型ETFについて、いずれも日興アセットマネジメントが運用する、為替ヘッジありの【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり、為替ヘッジなしの【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)について比較します。

為替ヘッジありのS&P500指数連動型ETF【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジの月足チャートは次の通りです。

為替ヘッジなしのS&P500指数連動型ETF【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)の月足チャートは次の通りです。

米国市場で算出されるS&P500指数の月足チャートは次の通りです。

以上の銘柄と指数について、2020年1月から2023年10月26日時点までの値は次のようになります。

2020年1月 2023年10月26日 上昇率
【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり 1,129円 1,344.5円 +19.08%
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 3,790円 6,850円 +80.73%
S&P500指数 3,244.67ドル 4,186.78ドル +29.03%

オリジナルのS&P500指数の上昇率+29.03%に対して、為替ヘッジなしの【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)の上昇率は+80.73%と非常に大きく、一方で為替ヘッジありの【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジありは+19.08%と10%ほど低くなっています。

 

為替ヘッジなしとS&P500指数の差は為替相場

為替ヘッジなしのS&P500指数連動型ETFとS&P500指数との差は、2022年以降に円安ドル高が急激に為替相場が影響しています。

ドル円チャートの月足チャートは次の通りです。

2020年1月 2023年10月26日 上昇率
米ドル/日本円 108.623ドル 150.509ドル +38.56%
【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) 3,790円 6,850円 +80.73%
S&P500指数 352,445円 630,148円 +78.79%

2020年1月以降、ドル円相場は+38.56%もの円安ドル高が進みました。

S&P500指数連動型ETFに限らず、為替ヘッジなしの米国株ETFはいずれもドル比率が100%のドル建て資産であるため、この影響をモロに受けます。

オリジナルのS&P500指数を円換算してみると、上表の通りです。

円安ドル高の影響を加味すると、S&P500指数の上昇率は+78.79%となり、【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)の上昇率とほぼ等しくなることが分かります。

 

為替ヘッジありとS&P500指数の差は為替ヘッジコスト

為替ヘッジありのS&P500指数連動型ETFとS&P500指数との差は、為替ヘッジコストで説明できます。

為替ヘッジありの銘柄は、外貨建てETF購入と同時に、為替予約取引をすることによって、為替ヘッジの影響を除外するものです。

ただ、為替ヘッジを行う際に、外貨を売って日本円を買っているため、通貨間の金利差分のヘッジコストが発生します。

ドル円の為替ヘッジコストは、「米ドルの短期金利-日本円の短期金利」となります。

ここで、米ドルの短期金利と日本円の短期金利を見ていきましょう。

上図は、Trading Viewのスーパーチャートで、米国債2年物利回りのローソク足に、日本国債2年物利回りはオレンジ線で追加しています。

米国は2021年11月から利上げ路線に舵を切ったことから、2022年以降に金利が大きく上がり、長短金利ともに日米の金利差は拡大し、円安の際たる要因となっています。

2023年10月26日時点では、米国債2年物利回り5.114%に対して、日本国債2年物利回りは0.083%となっており、その差は約5.2%となっています。

為替ヘッジありのS&P500指数連動型ETF【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジありと、S&P500指数の差をもう一度見てみましょう。

2020年1月 2023年10月26日 上昇率
【2521】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり 1,129円 1,344.5円 +19.08%
S&P500指数 3,244.67ドル 4,186.78ドル +29.03%

この約10%の差は、米国利上げが始まってから2年間で付いた為替ヘッジコストの差と考えると、ほぼ一致します。

低金利の日本円で為替ヘッジしてしまうと、現在の世界的な利上げ路線の中では為替ヘッジコストを大きく負担することになってしまうことがよく分かります。

 

まとめ

この記事では、為替ヘッジの概要や為替ヘッジのメリット・デメリットについて解説した上で、為替ヘッジありの東証ETFについて紹介してきました。

米国株ETFなどの外貨建て資産に連動するETFについて、為替ヘッジなしの銘柄は円安に強く円高に弱く、為替ヘッジありの銘柄は為替相場の影響を受けなくなる一方で為替ヘッジコストが発生することがデメリットです。

より正確には、次の表を参照してください。

為替ヘッジあり 為替ヘッジなし どちらが有利か?
米国株上昇・円安ドル高 上昇 上昇 為替ヘッジなし
米国株上昇・円高ドル安 上昇 相殺 為替ヘッジあり
米国株上昇・ドル円変わらず 上昇 上昇 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)
米国株変わらず・円安ドル高 変わらず 上昇 為替ヘッジなし
米国株変わらず・円高ドル安 変わらず 下落 為替ヘッジあり
米国株変わらず・ドル円変わらず 変わらず 変わらず 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)
米国株下落・円安ドル高 下落 相殺 為替ヘッジなし
米国株下落・円高ドル安 下落 下落 為替ヘッジあり
米国株下落・ドル円変わらず 下落 下落 為替ヘッジなし(為替ヘッジコストの差)

なお、当サイトでは、日本円のリスクヘッジのためと、今後も円安が進む可能性が高いと思われることから、為替ヘッジされていないドル建ての米国株ETFや世界株ETFによる資産形成を推奨しています。

 

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