東証マザーズ・JASDAQ・中小型株に連動するETF全6銘柄を徹底解説!【2020年最新版】

「東証マザーズやJASDAQなどの新興市場に連動する日本株ETFはないのかな?」と思っていませんか?

マザーズやJASDAQに上場している新興銘柄への個別株投資は、東証一部銘柄や投資信託では実現不可能な大きな利益を生み出せることがある一方で、大暴落に見舞われることも少なくありません。

リスクの高い新興銘柄への個別株投資ではなく、ETFを使って新興市場にインデックス投資をすれば、リスクを抑えることが可能です。

今回は、東証マザーズ・JASDAQに連動するETF全3銘柄の違いについて徹底解説していきます。また、中小型株に連動するETF全3銘柄の違いについても徹底解説しています。

 

東証マザーズ・JASDAQに連動するETFとは?

今回は、日本の新興市場である東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFについて見ていきます。

日本の主要取引所である東京証券取引所は、東証一部、東証二部、東証マザーズ、JASDAQの4市場によって構成されています。

東証一部は言うまでもないメイン市場であり、東証二部は東証一部の二部市場、東証マザーズとJASDAQは新興市場という位置付けです。

各市場の2020年2月25日時点での上場銘柄数は次のようになっています。

東証一部東証二部東証マザーズJASDAQ
2,160銘柄489銘柄316銘柄705銘柄
※スタンダード・グロースの合計

東証マザーズ・JASDAQの特徴は、東証一部に比べてハイリスク・ハイリターンであることです。

例えば、2019年の1年間で10倍以上の値上がり(テンバガー)となった【6195】ホープ、【6096】レアジョブはいずれも東証マザーズの銘柄です。ただ、東証マザーズ・JASDAQに上場している新興銘柄は、爆発的な値上がりになることがある一方、大暴落するリスクも抱えています。

新興市場では個別銘柄が注目されがちですが、東証マザーズ・JASDAQにも、日経平均やTOPIXのような株価指数があります。

東証一部の個別銘柄に投資するよりも日経平均やTOPIXでインデックス運用する方が安全であるように、新興市場の場合もインデックス投資した方が安全であることは言うまでもありません。

 

東証マザーズ・JASDAQに連動するETFの注目ポイント

東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFの注目ポイントを抑えておきましょう。

※信託報酬・分配金については、日本取引所のETF一覧ページにあるパンフレットの情報を参照しています。また、月足チャート画像や値動きについては、マネックス証券の「マーケットライダープレミアム」で当該銘柄を参照したデータを記載しています。

・手数料である「信託報酬」を要チェック!

ETFの手数料には、証券会社で購入する際の売買手数料と、運用会社に支払う信託報酬の2つがあります。ETFの銘柄選びで重要なのは信託報酬です。信託報酬は年率で示され、1日ごとに引かれていきます。

東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFに投資する際にも、信託報酬が低いことは重要なポイントです。

なお、楽天証券や松井証券などの手数料が無料になる証券会社を選ぶことで、売買手数料は問題にならなくなります。ETF投資をする際には、一定の代金以下で手数料が無料になる証券会社で行うようにすることがおすすめです。

 

・ETFの「分配金」と「分配金利回り」を抑えておこう

ETFを保有していると、株の配当金のような形で「分配金」を受け取ることができます。

ただ、株の配当金と同じように、分配金を受け取る際には権利確定日にETFを保有しておく必要があることには注意が必要です。

分配金が年に何回・合計いくら分配されるのかは銘柄によって異なりますが、分配金の目安となる「分配金利回り」は必ずチェックしておきましょう。

分配金利回りは、過去1年間に支払った分配金をある時点の基準価額で割って算出されるものです。例えば、過去1年間の分配金が合計300円、ETFの基準価額が1万円の場合には、分配金利回りは3.00%となります。

ただ、新興銘柄は業績が悪化すると、配当金が減らされる減配・無配が発表されることが少なくありません。このため、東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFでは、分配金利回りにはあまり期待しない方が賢明です。分配金を目的とした投資をするなら、日経平均やTOPIXに連動するETFで行うようにしましょう。
※分配金利回りは、過去1年間の分配金実績を2020年2月23日時点の終値で割った値で算出しています。

なお、ETFの分配金は投資信託とは違って再投資されないことには注意が必要です。ETFで積立・分散投資をする際には、分配金を手動でETFに再投資するようにしましょう。

 

・「直近3年間の値動き」はどうなっていたか?

「直近3年間の値動き」については要チェックしておきましょう。
※今回は、2017年2月1日始値から2020年2月26日終値までの値動き率について記載しています。

新興市場である東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFでは、非常に重要なポイントとなります。

そもそも大きな値上がり益が期待できないのなら、新興市場に投資する旨味はありません。

 

・「必要投資金額」はいくらか?

そのETFに投資する際の「必要投資金額」についても抑えておきましょう。

ETFは銘柄ごとに単元口数が異なっており、東証マザーズ・JASDAQの株価指数に連動するETFは銘柄によって1口~10口となっています。

必要投資金額が大きくなってしまうと、取引口数によっては楽天証券や松井証券の1日定額取引で手数料を無料にすることができなくなってしまう場合もあるため注意しておきましょう。

 

東証マザーズ・JASDAQに連動するETF全3銘柄について徹底解説!

東証マザーズ・JASDAQに連動するETF全3銘柄について詳しく見ていきましょう。

【2516】東証マザーズETF

【2516】東証マザーズETF

信託報酬(税込)0.55%
分配金0円(年1回)
分配金利回り0%
直近3年間の値動き-41.58%(1,022円→597円)
必要投資金額5,970円(10口)

【2516】東証マザーズETFは、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する、「東証マザーズ指数」に連動するETFです。

「東証マザーズ指数」は、東証マザーズ市場に上場している全銘柄を対象に時価総額加重平均して算出される株価指数です。全銘柄を対象にしてかつ時価総額ベースで算出されることから、東証マザーズ版のTOPIXであると認識して問題ありません。

東証マザーズ指数は時価総額加重平均で算出されるため、時価総額が大きい銘柄の寄与度が大きくなっています。2020年2月26日終値時点で、東証マザーズ上場銘柄で時価総額が大きい銘柄トップ5は次のようになっており、メルカリの指数に与える影響が強いことが分かります。

東証マザーズ銘柄時価総額
【4385】メルカリ3,686億円
【4478】フリー1,819億円
【4443】Sansan1,665億円
【3923】ラクス1,441億円
【4565】そーせいグループ1,391億円

 

同ETFの運用が開始されたのは2018年2月からとなっていますが、運用開始から2年間で-41%と大暴落しています。分配金はなく、信託報酬は0.55%と、日本株ETFの中では高めです。

じっくりと長期投資するにはおすすめできないETFです。

2年間で約半分になったということは、逆に言えば、今後2年間で2倍以上になる可能性もあるということです。しかし、ETFでギャンブル的な投資をしたい場合を除くとおすすめできません。

 

【1563】マザーズ・コア上場投信

【1563】マザーズ・コア上場投信

信託報酬(税込)0.55%
分配金38円(年1回)
分配金利回り1.60%
直近3年間の値動き-36.05%(3,705円→2,369円)
必要投資金額2,369円(1口)

【1563】マザーズ・コア上場投信は、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する、「東証マザーズCore指数」に連動するETFです。

「東証マザーズCore指数」は、東証マザーズ市場に上場する銘柄の内、時価総額・売買代金・利益・配当状況などから選定された15銘柄から構成される株価指数です。

2019年10月末時点の東証マザーズCore指数の構成銘柄上位5銘柄とその構成比は次のようになっています。

東証マザーズCore指数の構成上位銘柄構成比
【2121】ミクシィ27.50%
【4565】そーせいグループ26.70%
【3923】ラクス17.10%
【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー5.36%
【6556】ウェルビー4.49%

ミクシィ、そーせいグループ、ラクスの3銘柄で約71%となっており、この3銘柄に偏っていることが分かります。リスク分散が不十分であると言わざるを得ないでしょう。

直近3年間では-36%もの大幅下落となっていることが目に付きます。信託報酬は0.55%と日本株ETFの中では高く、分配金も1.60%に留まります。

ギャンブルをしたいなら別ですが、長期の安定運用を行う上では、安易におすすめできる銘柄ではありません。

 

【1551】JASDAQ-TOP20上場投信

【1551】JASDAQ-TOP20上場投信

信託報酬(税込)0.55%
分配金38円(年1回)
分配金利回り0.92%
直近3年間の値動き+12.60%(3,650円→4,110円)
必要投資金額41,100円(10口)

【1551】JASDAQ-TOP20上場投信は、シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する、「JASDAQ-TOP20」に連動するETFです。

「JASDAQ-TOP20」は、JASDAQに上場する銘柄の内、時価総額・流動性などから選定された20銘柄で構成される株価指数です。

2019年10月末時点のJASDAQ-TOP20の構成銘柄上位5銘柄とその構成比は次のようになっています。

JASDAQ-TOP20の構成上位銘柄構成比
【7564】ワークマン16.94%
【2782】セリア11.99%
【2702】日本マクドナルドホールディングス11.95%
【6324】ハーモニック・ドライブ・システムズ11.13%
【6425】ユニバーサルエンターテインメント7.99%

直近3年間の値動きは+12.60%と上昇していますが、これは構成比率トップのワークマンが大きく寄与したものと見られます。ただ、新興市場にも関わらず、この上昇率は日経平均やTOPIXとほとんど変わりません。にも関わらず、信託報酬は0.55%と高く、分配金利回りは日経平均ETFの半分程度に留まります。

直近3年間ではプラスになってはいるものの、おすすめできるETFとは言えません。

なお、JASDAQの株価指数としては「日経ジャスダック平均株価」が広く使われていますが、この株価指数に連動するETFはありません。

 

東証マザーズ・JASDAQに連動するETF比較一覧表

新興市場連動ETFメリットデメリット信託報酬(税込)分配金利回り直近3年間の値動き必要投資金額
【2516】東証マザーズETF大きな値上がり益が得られる可能性リスクが高い、分配金がない0.55%0%-41.58%5,970円
【1563】マザーズ・コア上場投信大きな値上がり益が得られる可能性、分配金が得られるリスクが高い0.55%1.60%-36.05%2,369円
【1551】JASDAQ-TOP20上場投信直近3年間はプラスリスクが高い0.55%0.92%+12.60%41,100円

 

中小型株に連動するETF全3銘柄について徹底解説!

日本株ETFの中には、中小型株に連動するETFもあります。

中小型株に連動するETF全3銘柄について詳しく見ていきましょう。

 

【1312】ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託

【1312】ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託

信託報酬(税込)0.55%
分配金294円(年1回)
分配金利回り1.61%
直近3年間の値動き-2.14%(18,610円→18,210円)
必要投資金額18,210円(1口)

【1312】ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託は、野村アセットマネジメントが運用する、「Russell/Nomura Small Cap Core インデックス」に連動するETFです。

「Russell/Nomura Small Cap Core インデックス」は、日本の全上場銘柄の内、時価総額が下位5~15%の銘柄で構成された指数です。

直近3年間の値動きはマイナスとなっています。信託報酬は高めとなっており、分配金利回りは日本株ETFでは平均的です。時価総額が小さい銘柄で運用するというコンセプトは面白いかもしれませんが、日経平均やTOPIXで運用した方が合理的です。

 

【1492】MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信

【1492】MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信

信託報酬(税込)0.55%
分配金220円(年2回)
分配金利回り1.66%
直近3年間の値動き+7.30%(12,320円→13,220円)
必要投資金額13,220円(1口)

【1492】MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信は、三菱UFJ国際投信が運用する、「JPX日経中小型株指数」に連動するETFです。

「JPX日経中小型株指数」は、東京証券取引所に上場する全上場銘柄の中から時価総額上位20%以内の大型銘柄を除外した上で、企業の資本効率を示す自己資本利益率(ROE)、営業利益、時価総額の3つの指標を評点として、投資家に魅力のある200銘柄で構成された株価指数です。

直近3年間の値動きは+7.30%とプラスとなっています。信託報酬は高めですが、分配金利回りは平均的です。日経平均やTOPIXに連動するETFに勝っている部分は特に見当たりません。

 

【1493】One ETF JPX日経中小型

【1493】One ETF JPX日経中小型

信託報酬(税込)0.55%
分配金221円(年2回)
分配金利回り1.68%
直近3年間の値動き-6.63%(14,010円→13,080円)
必要投資金額13,080円(1口)

【1493】One ETF JPX日経中小型は、アセットマネジメントOneが運用する、「JPX日経中小型株指数」連動型ETFです。

直近3年間の値動きは-6.63%となっているものの、これは運用開始時期の差でしかなく、【1492】MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信と全く同じ銘柄であると考えて問題ありません。また、流動性がほとんどないため取引リスクを抱えます。

 

中小型株に連動するETF比較一覧表

中小型株ETFメリットデメリット信託報酬(税込)分配金利回り直近3年間の値動き必要投資金額
【1312】ラッセル野村小型コア・インデックス連動型上場投資信託特になし信託報酬が高い0.55%1.61%-2.14%18,210円
【1492】MAXIS JPX 日経中小型株指数上場投信特になし信託報酬が高い0.55%1.66%+7.30%13,220円
【1493】One ETF JPX日経中小型特になし信託報酬が高い、流動性がほとんどない0.55%1.68%-6.63%13,080円

 

結論:東証マザーズ・JASDAQ・中小型株に連動するETFでおすすめはこの銘柄!

最後に、東証マザーズ・JASDAQ・中小型株に連動するETFでおすすめの銘柄についてまとめていきましょう。

東証マザーズ・JASDAQに連動するETFでおすすめできる銘柄はありません。

ETFのメリットは長期・分散・積立投資をしながら分配金を受け取って資産形成ができるというものですが、新興市場ETFは値下がりリスクが高く、このメリットを生かしきれないためです。

新興銘柄の個別株投資はハイリスク・ハイリターンですが、新興市場へのインデックス投資はリスク・リターンともに中途半端になっている感が否めません。

中小型株に連動するETFは、日経平均やTOPIXに連動するETFと比べて信託報酬がただ高いだけというのが実態です。悪いETFではありませんが、日本株ETFの中からわざわざ信託報酬が高い中小型株連動型ETFを優先して選ぶ合理性はないと言ってよいでしょう。