新NISAで配当金再投資におすすめの高配当株5選!配当金の税金を非課税にする受け取り方法もチェックしておこう。

「新NISAで配当金目的におすすめの銘柄は?」「新NISAで配当金の税金を非課税にする受け取り方法は?」など、新NISAと配当金で疑問がありませんか?

新NISAの成長投資枠では、配当利回りが大きい高配当株に投資でき、配当金は恒久的に非課税となります。

ただ、配当利回りだけを目的とした個別株投資にはリスクもあるため、銘柄選びをしっかりした上での分散投資が重要です。

この記事では、新NISAで配当金の税金を非課税にする受け取り方法について解説した上で、新NISAにおすすめの高配当株、つみたて投資枠の銘柄選びについても紹介しています。

 

新NISA(成長投資枠)で投資した高配当株の配当金は恒久的に非課税となる

新NISAでは、成長投資枠で高配当株に投資して配当金を受け取れます。

高配当株とは、一般的には「配当利回り(=1株当たり配当金÷株価)」が3%以上ある銘柄です。

新NISA枠で発生した配当金は恒久的に非課税となります。

なお、個別株で発生するインカムゲインは「配当金」と呼ばれますが、ETFで発生するインカムゲインは「分配金」と呼ばれます。

分配金利回りが大きい高配当ETFについては、下記記事を参照ください。

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ETFの分配金再投資については、下記記事を参照ください(高配当株の配当金再投資についても、本質部分は下記記事と同様です)。

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新NISAで投資できる高配当ETFや分配金再投資については上記記事で解説しているため、今回は新NISAで投資できる個別株の高配当株について解説していきます。

 

新NISAで配当金の税金を非課税にする受け取り方法

新NISAで投資している個別株・ETFから発生した配当金・分配金は、証券口座に振り込まれるようにしておかないと、非課税にならないため注意が必要です。

配当金・分配金を証券口座に振り込まれるようにするには、証券会社の配当金受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。

「株式数比例配分方式」とは、株の配当金やETF・REITの分配金を、各証券会社に預けている銘柄の数量に応じて各証券口座で受け取る方法です。

ほとんどの証券会社ではデフォルトで「株式数比例配分方式」になっていますが、新NISAを開設した自身の証券口座についても確認しておくようにしましょう。

 

新NISAで高配当株に投資するメリット

新NISAで高配当株に投資するメリットを見ていきましょう。

 

配当金が恒久的に非課税となる

新NISAで投資した個別株やETFから発生する配当金・分配金は、恒久的に非課税となります。

課税口座(特定口座・一般口座)で発生した配当金・分配金には20.315%の税金が掛かりますが、新NISAで投資すれば恒久的に非課税です。

例えば、成長投資枠1,200万円分で、配当利回り4.00%の高配当株に投資している場合には、配当金は年間48万円発生します。

特定口座で投資している場合には、48万円×20.315%=97,512円が税金として徴収されるため、手取り額は382,488円となりますが、新NISAを使って投資していれば、この分が差し引かれません。

これは毎年続くため、10年間で考えれば、配当金の税金だけで約97万円お得になります。

なお、もちろん新NISAでは株・ETFの値上がり益も非課税です。

 

配当金再投資で資産を雪だるま式に増やせる

配当金再投資とは、振り込まれた配当金で、そのまま同じ銘柄を買う投資行為です。

例えば、高配当株を成長投資枠で1,200万円分運用している場合、配当利回りが4.00%とすると、年間48万円の配当金が支払われます。

この48万円の配当金を、そのまま高配当株の投資に回す行為が「配当金再投資」と呼ばれるものです。
※個別株の「配当金再投資」よりも、ETFの「分配金再投資」の方が呼称としては一般的です。

とはいえ、「配当金再投資」という大層な言葉を使っているものの、高配当株を定期的に長期・積立・分散投資している場合には、結局は同じ口座に振り込まれるため、やることは同じです。

例えば、新NISAで四半期(3ヶ月)ごとに20万円ずつ高配当株を買付している場合には、証券口座に振り込む金額が配当金の分だけ少なくなります。

 

個別株は大きな値上がり益になる可能性がある

今回は、個別株の高配当株について解説していきます。

個別株は、複数銘柄に分散投資されているETFや投資信託とは違って、集中投資によるリスクが大きいデメリットがある一方で、急騰する可能性もあります。

オルカンやS&P500指数といったインデックス投資は、高く見積もっても年率10%程度となり、10年間で見ても5倍程度が上限です。

インデックス投資は、数百銘柄以上に分散投資されてリスクヘッジされているため、リターンも分散されて小さくなっているという表裏一体の関係です。

一方、高配当株への個別株投資は、配当金を目的とした場合であっても、急騰する可能性があります。

例えば、高配当株の一角である商社株や通信株で見てみましょう。

総合商社大手の【8058】三菱商事は、配当利回り3.09%(2024年6月6日時点)の高配当株ですが、2013年から2024年までに約7倍の上昇率となっています。

同様に、通信大手の【9432】NTTも、配当利回り3.44%の高配当株ですが、こちらも2013年から2024年までに5倍近い上昇率となっています。

同期間に、S&P500指数連動型ETFの【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500)は1,428円→9,086円と6.36倍になっていますが、個別株ではインデックス投資を大きく上回るリターンとなる可能性があります。

個別株の中には、レーザーテックやNVIDIAといった100倍以上の上昇となった銘柄もあり、インデックス投資でこのような上昇は不可能です。

 

新NISAで高配当株に投資するデメリットや注意点

新NISAで高配当株に投資するデメリットや注意点を見ていきましょう。

 

個別株投資はリスクが大きい

個別株投資は、リスクが大きい点がデメリットとなります。

特に、高配当株の場合には、業績が悪化により、配当金が減らされる「減配」や、配当金がなくなる「無配」となった場合に大暴落となってしまいます。

配当利回りを売りにしている高配当株が、減配や無配が発表されて大暴落となる事例は少なくありません。

2019年には、高配当を売りにしていた【7201】日産自動車が減配を発表して暴落となりました。

2024年6月時点では、同社の配当利回りは4.69%まで戻っていますが、株価はまだ戻っていません。

2024年には、高配当を売りにしている銀行株の中でも特に配当利回りが高かった【8304】あおぞら銀行が、半期無配を発表して大きく売られました。

高配当株でも、2021年に異次元増配を発表した【9104】商船三井や【9101】日本郵船が、その後の減配でも暴落せず上昇トレンドを継続するケースもありますが、成長している場合に限られます。

高配当株選びにおいても、結局は「成長性があるかどうか?」が重要になってきます。

 

配当利回りは逆張り指数である

当サイトでは、さまざまな記事で、配当利回りや分配利回りを第一目的とする投資には警鐘を鳴らしており、値上がり率やリスクを考慮したトータルリターンを重視すべきと主張しています。

配当利回りの計算式は「1株当たり配当金÷株価」となっており、配当金が増える増配でも大きくなりますが、分母の株価が下落することでも上がる性質があるためです。

逆に言えば、株価が大きく上昇すれば、配当利回りは小さくなります。

配当利回りが高い高配当株だけを選出すると、株価が上昇している成長株が除外されてしまいます。

「新NISAで、ディフェンシブ高配当株に投資して、配当金再投資分だけでも安全に増やしていきたい」という守りの考えは、安全なように見えて、実はそうでもないケースが少なくありません。

配当利回りだけを見た投資は、想像以上にリスクがあります。

配当金の原資が利益である以上、企業が成長して利益を出せていないと、配当金も増配できません。

 

米国株の配当金は10%が源泉徴収される

新NISAでは、米国株や米国ETFも投資対象となりますが、米国株の配当金・米国ETFの分配金は、現地で源泉徴収された後の金額が手取り額となることに注意が必要です。

米国株の配当金の手取り額については、次の手順で計算されます。
(1)米国株からの配当金が、米国源泉徴収税率として10%引かれた分が入金される。
(2)(1)の入金分について為替レート調整後に、国内源泉税(20.315%)が差し引かれる。
(3)配当金から(1)と(2)が差し引かれたものが、手取りの配当金となる。
※ADR銘柄で外国手数料が徴収される場合には、手取り金額からさらに差し引かれる。

具体例として、米国株から合計1,000ドルの配当金が出た場合について見ていきましょう。
(1)1,000ドル×10%=100ドルが米国源泉徴収税率として引かれるため、配当金が900ドル入金される。
(2)入金された900ドルの配当金のうち、900ドル×20.315%=182.835ドルが国内源泉税として差し引かれる。
(3)手取りの配当金は717.165ドル。

ここで重要な点は、新NISAで控除できるのは国内源泉税の(2)のみということです。

(1)の米国源泉徴収税率として引かれる10%は、新NISA口座でも差し引けません。

米国株の配当金について詳しくは、SBI証券の下記ページを参照ください。
※出典:SBI証券「外国株式の配当金・分配金に対する税金の取扱いはどうなりますか?(現地での源泉徴収税率等」

 

日本株の高配当株に分散投資するなら単元未満株制度を使おう

個別株投資はリスクが大きいため、数銘柄以上への分散投資が不可欠です。

1銘柄だけに集中投資して大きな値上がりとなれば最高ですが、減配による暴落をくらうリスクもあります。

ただ、米国株は1株から投資できるため簡単に分散投資可能ですが、日本株は制度を使わないと分散投資しづらくなっています。

なぜなら、日本株は、1単位100株の単元株制度を採用しているためです。

例えば、バフェット氏が投資していることでも知られている、5大商社株の株価と必要投資金額は次の通りです(2024年6月6日時点)。

銘柄 株価 必要投資金額
【8058】三菱商事 3,233円 323,300円
【8031】三井物産 7,637円 763,700円
【8001】伊藤忠商事 7,329円 732,900円
【8053】住友商事 3,997円 399,700円
【8002】丸紅 2,957円 295,700円

単元株制度のもとで5大商社株に分散投資するには、合計250万円以上必要となり、これだけで年間の成長投資枠を超えてしまいます。

さらには、株価が大きい銘柄の比重が高くなり(5大商社株では、三井物産と伊藤忠商事の割合が高くなる)、時間分散もできません。

1株から買えるなら、5大商社株に1年に4回分けて投資するといったことも可能になるのですが、単元株制度のもとでは集中投資するしかありません。

ネット証券では、1株から取引できる「単元未満株」や「ミニ株」を実施しており、新NISAでも対応しており、配当金も貰えます。

ネット証券 単元未満株制度 新NISA 新NISA手数料
SBI証券 S株 対応 買付・売却無料
楽天証券 かぶミニ 対応 買付・売却無料
マネックス証券 ワン株 対応 買付・売却無料(売却は手数料キャッシュバックで実質無料)

単元未満株は、成行でしか取引できない点がデメリットですが、損切りが必要なトレードの場合には問題になりますが、新NISAでは長期投資のため問題ありません。

新NISAで高配当株投資をする場合には、単元株未満株制度を活用して、最低でも5銘柄以上に分散投資するようにしてください。

 

新NISA(成長投資枠)におすすめの高配当株5選!

新NISAの成長投資枠で投資できる、おすすめの高配当株について見ていきましょう。

今回は、高配当に加えて、長期的な成長も期待できかつ長期的にリスクが低い銘柄として、日本株の大型銘柄から選定しました。

※データは2024年6月7日終値時点

 

【8058】三菱商事などの5大商社株

【8058】三菱商事は、日本の大手総合商社です。

5大商社の中では、資源・非資源のいずれにも強く、総合商社の代名詞的な銘柄となっています。

配当利回り 3.07%
直近5年間の値動き +248.39%(932円→3,247円)
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★★★

【8058】三菱商事を含む5大商社株(【8031】三井物産、【8001】伊藤忠商事、【8053】住友商事、【8002】丸紅)は、ウォーレン・バフェット氏が投資している「バフェット銘柄」としても知られています。

5大商社株の配当利回りと直近5年間の値上がり率は次の通りです。

銘柄 配当利回り 直近5年間の値上がり率
【8058】三菱商事 3.07% +248.39%
【8031】三井物産 2.60% +365.61%
【8001】伊藤忠商事 2.72% +274.71%
【8053】住友商事 3.23% +160.19%
【8002】丸紅 3.03% +343.07%

5大商社株の中では、長らく【8053】住友商事が最も配当利回りが大きくなっていますが、値上がり率も低くなっています。

単元未満株制度を使って、5大商社株に分散投資するのもアリです。

なお、商社株で構成される東証ETF【1629】NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信は、5大商社株に分散投資されているにも関わらず、分配金利回り0.92%のため投資しないように注意しておいてください。

 

【9434】ソフトバンクなどの3大通信キャリア株

【9434】ソフトバンクは、携帯キャリアの一角を占める大手通信株です。

配当利回りが大きい高配当株でありかつ、リスクが小さいディフェンシブ銘柄となっており、配当金や配当金再投資を目的とした投資におすすめです。

配当利回り 4.41%
直近5年間の値動き +38.60%(1,404円→1,946円)
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★★★

日本株の中でも、特に配当利回りが大きい銘柄となっています。

3大通信キャリア株の配当利回りと直近5年間の値上がり率は次の通りです。

銘柄 配当利回り 直近5年間の値上がり率
【9434】ソフトバンク 4.41% +38.60%
【9432】NTT 3.46% +56.25%
【9433】KDDI 3.40% +55.55%

5大商社株に比べると値上がり率は控えめですが、いずれも長期投資に問題ない高配当ディフェンシブ銘柄です。

単元未満株制度を使って、3大通信キャリア株に分散投資するのもアリでしょう。

 

【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンク株

【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループは、メガバンク大手の代表的な銀行株です。

配当利回り 3.08%
直近5年間の値動き +227.57%(495.3円→1,622.5円)
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★★★

銀行株は、配当利回りが大きい高配当株セクターとなっていますが、衰退セクター気味である点には注意が必要です。

直近5年間では、米国利上げを受けた日銀の金利引き上げが期待されたこともあり、金利上昇メリット関連銘柄として買われ、3倍以上の上昇率となっています。

3大メガバンクの配当利回りと直近5年間の値上がり率は次の通りです。

銘柄 配当利回り 直近5年間の値上がり率
【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ 3.08% +227.57%
【8316】三井住友フィナンシャルグループ 3.24% +174.23%
【8411】みずほフィナンシャルグループ 3.70% +105.69%

単元未満株制度を使って、3大メガバンク株に分散投資しても問題ありません。

 

【9101】日本郵船などの3大海運株

【9101】日本郵船は、海運最大手で、3大海運株の一角です。

2021年8月には、一時配当利回りが10%超えとなる異次元増配を実施し、その後は減配して配当利回り3%台となっていますが、成長性が強いため減配による暴落は起こりませんでした。

配当利回り 3.16%
直近5年間の値動き +839.88%(537.3円→5,050円)
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★★★★

直近5年間では9倍以上となっており、個別株投資のロマンが感じられます。

3大海運株の配当利回りと直近5年間の値上がり率は次の通りです。

銘柄 配当利回り 直近5年間の値上がり率
【9101】日本郵船 3.16% +839.88%
【9104】商船三井 3.45% +585.39%
【9107】川崎汽船 3.45% +1,749.32%

【9107】川崎汽船は直近5年間で18倍以上の値上がりとなっています。

単元未満株制度を使って、3大海運株に分散投資しても問題ありません。

 

【2914】JT

【2914】JTは、日本のたばこ製造のトップ企業です。

日本株を代表する高配当株として知られており、配当金再投資の代名詞的な銘柄となっています。

配当利回り 4.25%
直近5年間の値動き +84.61%(2,470.5円→4,561円)
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ★★★★★

JTは長らく下落トレンドにありましたが、2020年以降は反発しており、直近5年間では+84%となっています。

 

高配当株の探し方と分散投資の方法

日本株の高配当株として、商社株・通信株・メガバンク株・海運株・JTを紹介してきました。

今後も、新たな有力銘柄が出現する場合もあるため、日本株の高配当株の探し方、新NISAで投資する方法(分散投資の方法)について見ていきましょう。

 

高配当株の探し方

高配当株を探す方法としては、「Yahoo!ファイナンス」の株式ランキング「株式ランキング(配当利回り(会社予想))」を使う方法があります。

配当利回りランキングを上から順番に見ていき、大型株(大企業)をピックアップする方法がおすすめです。

2024年6月8日時点で、配当利回りランキングを300位まで見ていくと、次の銘柄も高配当株として有力です。

  • 【5938】LIXIL:日本最大の住設機器・建材メーカー。配当利回り5.31%
  • 【5411】JFEホールディングス:鉄鋼大手。配当利回り4.81%
  • 【5401】日本製鉄:鉄鋼最大手。配当利回り4.75%
  • 【7201】日産自動車:自動車大手。配当利回り4.70%
  • 【4502】武田薬品工業:製薬最大手。配当利回り4.63%
  • 【1802】大林組:総合建設大手。配当利回り4.42%

いずれも時価総額1兆円以上の大型銘柄(【5938】LIXILは4870億円)で、配当利回りが大きい高配当株となっています。

高配当株を探す際には、単に配当利回りが大きいだけではなく、減配リスクができる限り小さい大型銘柄を選ぶようにしましょう。

とはいえ、【7201】日産自動車も2019年に減配となったように、大型銘柄を選んでも確実とは言えません。

また、連続増配年数で見ると【4452】花王(配当利回り2.16%)が34年連続増配となっています。

ただ、米国株の【T】AT&Tの連続増配が2022年に止まったように、連続増配中の銘柄だからといって確実ではありません。

 

高配当株に分散投資する方法

【7201】日産自動車も2019年に業績不振から減配となり、【T】AT&Tの連続増配も2022年に止まったように、大型銘柄だからといって減配リスクがないわけではありません。

高配当株の減配リスクや値下がりリスクを小さくするためには、複数銘柄に分散投資した上で長期・積立・分散投資が重要です。

具体的に、高配当株の分散投資はどのように行うのかについて解説していきます。

今回、おすすめ銘柄として紹介してきた次の5銘柄に分散投資する場合を考えてみましょう。

銘柄名 株価 配当利回り
【8058】三菱商事 3,247円 3.07%
【9434】ソフトバンク 1,946円 4.41%
【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ 1,622.5円 3.08%
【9101】日本郵船 5,050円 3.16%
【2914】JT 4,561円 4.25%

普通に日本株に投資する場合には、単元株制度で100株からしか投資できないため、単元未満株制度を使って分散投資してください。

例えば、年間80万円ずつ投資して、成長投資枠1,200万円を高配当株で15年間掛けて埋めると考えましょう。

年初に80万円を一括投資しても良いですが、四半期末(3月末、6月末、9月末、12月末など)に20万円ずつや、毎月6万円ずつでも問題ありません。

いずれの場合も、ドルコスト平均法に基づいて、銘柄分散をしっかり行うことが重要です。

分散投資する際には、金額ベースで均一化して、投資する株数を揃えます。

例えば、年初に80万円を5銘柄に一括投資する場合には、5銘柄に16万円ずつ投資することになります。

この場合、投資株数は次のようになります(全て、16万円÷株価で計算して四捨五入で株数を算出できます)。

銘柄名 株価 株数(16万円)
【8058】三菱商事 3,247円 49株
【9434】ソフトバンク 1,946円 82株
【8306】三菱UFJフィナンシャル・グループ 1,622.5円 99株
【9101】日本郵船 5,050円 32株
【2914】JT 4,561円 35株

金額ベースをなるべく揃えるように分散投資すると、リスクが均一化されます。

 

成長投資枠で高配当株に投資するなら、つみたて投資枠はどうするべき?

成長投資枠で個別の高配当株に分散投資する場合、つみたて投資枠はどう使うべきかについて考えていきましょう。

つみたて投資枠は、王道の米国株投信かオルカン(世界株投信)で良いかと思います。

特に、日本株の高配当株に分散投資する場合は、外貨建て資産となる米国株投信・世界株投信に投資すると円安ヘッジにもなります。

種類 銘柄名 信託報酬(税込) 直近5年間リターン
世界株投信(MSCI ACWI) eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.05775% +146.44%
米国株投信(S&P500指数) eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 0.09372% +187.65%
米国株投信(NASDAQ100指数) iFreeNEXT NASDAQ100インデックス 0.495% +268.99%

※直近5年間リターンは2024年5月末時点の値。

つみたて投資枠には、「日経平均高配当利回り株ファンド」や「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族」などの高配当株投信もありますが、つみたて投資枠でも合わせる必要はないかと思います。

また、つみたて投資枠の投資信託は、自動的に分配金再投資されるため、分配金は出ません。

もちろん、つみたて投資枠でも高配当ファンドに投資しても構わないですが、成長投資枠で個別株に投資するヘッジと考えると、つみたて投資枠ではS&P500指数かオルカンで良いのではないかと思います。

個別株投資はリターンのバラツキが大きく、分散投資していても長期ではマイナスになる可能性もあるため、つみたて投資枠では期待値が大きいインデックス投資をおすすめします。

 

まとめ

この記事では、新NISAで配当金の税金を非課税にする受け取り方法について解説した上で、新NISAにおすすめの高配当株、つみたて投資枠の銘柄選びについても紹介してきました。

新NISAでは配当金・分配金が恒久的に非課税となりますが、証券会社の配当金受け取り方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要がある点については一応確認しておきましょう。

日本株の高配当株としては、商社株・通信株・メガバンク株・海運株・JTなどがおすすめです。

ただ、個別株投資は減配リスクもあるため、ドルコスト平均法に基づく分散投資をした上での長期・積立・分散投資が重要です。

成長投資枠で高配当株に投資する場合は、つみたて投資枠では個別株投資のリスクヘッジをするために、王道のS&P500指数・オルカンによるインデックス投資をおすすめします。