「インデックス投資について一から知りたい!」「ETF・インデックス投信・アクティブ投信の違いとは?」「インデックス投資のメリットって?」「資産運用で知っておくべきインデックスとは?」など、インデックスについて疑問がありませんか?
インデックス投資は、投資初心者にとっては、最も合理的に長期的な利益を期待できる資産運用の方法です。
NISA枠を使って、インデックス型の世界株ETFや米国株ETFに長期・積立・分散投資をすれば、長期的に年率5%程度の利益を期待することができます。
この記事では、インデックス投資の概要やメリット・デメリットについて解説した上で、インデックス投資をする上で知っておきたいインデックス(指数)と連動するETFやインデックス投信もあわせて紹介していきます。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、個別株ではなく、日経平均株価やTOPIX、S&P500指数といった指数(インデックス)に投資することです。
インデックス投資を行うための金融商品としては、指数に連動するETF(上場投資信託)もしくはインデックス投信があります。
ETFと投資信託(インデックス投信)の違いは次の通りです。
ETF(上場投資信託) | 投資信託 | |
発行方式 | 流通市場 | 発行市場 |
運用方式 | インデックス型のみ | インデックス型に加えて、アクティブ型もある |
取引時間 | 市場が開いている時間中 | 1日1回のみ |
手数料 | 売買手数料、信託報酬 | 売買手数料、信託報酬、販売手数料 |
信託報酬 | 非常に低い | インデックス投信は低い、アクティブ投信は高め |
信用取引 | 可能 | 不可能 |
新NISA | 成長投資枠(最大1,200万円)で投資可能 | 成長投資枠(最大1,200万円)、一部銘柄がつみたて投資枠に対応 |
必要投資金額 | 数万円~ | 100円~ |
分配金再投資 | 手動でやる必要がある | 自動で再投資されるものが多い |
ETFと投資信託の違いについて、さらに詳しくはこちらの記事を参照ください。
投資信託には、ファンドが独自の視点で運用する「アクティブ投信」もあります。
アクティブ投信は、ETFやインデックス投信と比べて大きなリターンが狙える可能性がある反面、値下がりリスクも大きく、信託報酬も高めに設定されていることが特徴です。
リスク・リターンで見ると、個別株投資>アクティブ投信>ETF・インデックス投信の順番に小さくなっていきます。
成功した場合のリターンで見ると個別株投資・アクティブ投信の方が大きなリターンを期待できますが、成功率や期待値で見るとインデックス投資の方が良いというのが投資の世界の常識です。
当サイトでも、NISAを使ったインデックス投資を推奨しています。
インデックス投資のメリット
インデックス投資のメリットを見ていきましょう。
個別株やアクティブ投信に比べて長期的なリターンが期待できる
金融教育が実施されていない日本では、(金融村の利益重視の努力もあり)投資=個別株投資と発想する人が大半ですが、投資の基本はインデックス投資です。
長期的に見ると、インデックス投資は個別株やアクティブ投信よりも安定して大きなリターンを出すことが知られています。
もちろん、日本株でいうと商社株や半導体株などインデックス投信よりもはるかに大きなリターンを出している個別株もあり、アクティブ投信の中にはインデックスを上回る成績を出しているファンドもあります。
管理人は、個別株のコンテンツやインデックス投資のコンテンツを数多く作っており、個人トレーダーとしても数千銘柄は月足チャートをチェックしています。
それで思うのは、月足チャートで見て長期的に右肩上がりになっている個別銘柄は本当に少ない一方で、ETFは大半の銘柄が右肩上がりになっているということです。
※これはウソだと思うなら、実際に見てみるとすぐに分かります。
このため、管理人は、トレードは個別株でしかやりませんが、資産運用(長期投資)はインデックス投資しかしていません。
インデックス投資が、個別株投資・アクティブ投信よりもおすすめである理由をそれぞれ解説していきます。
インデックス投資が個別株投資より強い理由
インデックス投資が個別株投資より強い理由を見ていきましょう。
これはインデックス(指数)の算出方法にあります。
TOPIXやS&P500指数、NASDAQ100指数などは、時価総額加重平均型となっており、時価総額が大きい成長株の構成比率が大きくなるようになっています。
現に、S&P500指数の構成銘柄上位はGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといった世界時価総額ランキングトップの銘柄が中心です。
つまり、インデックスは、産業構造の変化に対応して、構成銘柄の入れ替えが行われているということです。
日経平均株価やダウ平均株価は株価単純平均型であり時価総額加重平均型ではありませんが、これらの指数も産業構造の変化に対応して定期的に銘柄入れ替えが行われているため同じようなことです。
個別株投資だと、その個別株もいつかは古くなってしまうという欠点があります。
2010年代以降は半導体株がとにかく強いですが、2020年代以降は分かりません。
AI向け半導体などで【NVDA】NVIDIAが強いため、「とにかくNVIDIAに積立投資すればいい」といった意見もありますが、少なくとも管理人は推奨しません。
もしかしたら、NVIDIAが没落する可能性もあるためです。
一方、米国株や世界株にインデックス投資していれば、仮にNVIDIAが覇権企業となった場合には、構成銘柄比率という形でちゃんと反映されます。
このような性質があるため、インデックス投資は後出しジャンケンのようなものとなり、個別株投資に比べて有利であると言えます。
インデックス投資がアクティブ投信より強い理由
インデックス投資がアクティブ投信より強い理由を見ていきましょう。
これは、平均回帰で説明できることが大半です。
統計的に、アクティブ投信の成績は、インデックス程度に収束することが明らかになっています。
となると、ファンドへの手数料である信託報酬の分だけ、信託報酬が低いETFやインデックス投信の方が、アクティブ投信よりも有利になるということです。
もちろん、中にはインデックス投資よりも優秀な成績を残すアクティブ投信もありますが、大半は生存バイアスで説明できてしまうものであり、次の10年間も同様なのかは分かりません。
また、仮にアクティブ投信の中に本当に優秀なファンドがあったとしても、それを見分ける方法がそもそもありません。
何百何千とあるアクティブ投信の中から、優秀なファンドを見つけ出す労力を費やすなら、単純に信託報酬が低いETFやインデックス投信を選んでしまった方が合理的です。
自動的に分散投資できる
インデックス投資が優秀な理由としては、1つの金融商品に投資するだけで、分散投資が実現できるということがあります。
例えば、日経平均株価(日経225)のポートフォリオを個人で実現しようとしたら、日経平均株価を構成する225銘柄に投資し、さらに構成比率に応じた分配もする必要があるため、何十億円以上もの資金が必要になります。
※東証は1単元=100株の単元株制度を実施しているため、非常に大変です。
日経平均株価に連動するETFやインデックス投信に投資すれば、それだけで225銘柄への分散投資が実現します。
さらに、これが世界株ETFや世界株投信のポートフォリオを個人で運用するとなったら、世界中の市場で投資をする必要があり、必要な資金や手間は想像を絶します。
ETFやインデックス投信は、多くの個人投資家がお金を出し合うことで実現した、スケールメリットを生かした金融商品です。
少額投資で始められる
インデックス投資は、個別株投資に比べても、少額投資で始めることが可能です。
具体的には、ETFなら数万円から、インデックス投信なら100円から始められます。
なお東証では、1株=100株の単元株制度という、投資家・トレーダーから悪名高い制度を続けていますが、多くの投資家に門戸を開くためにも、さっさと撤廃して欲しいものです。
東証では単元株制度があるため、例えば【9983】ファーストリテイリングに投資したい場合には最低投資金額が300万円からとなっています。
バフェット氏も投資している5大商社株(【8058】三菱商事、【8031】三井物産、【8001】伊藤忠商事、【8053】住友商事、【8002】丸紅)に分散投資するとなると、各100株ずつからしか投資できないため、約230万円必要となります。
※100株ずつのため、230万円は最低単位となり、構成比率もバラバラになってしまいます。構成比率まで揃えたいとなったら、さらに資金が必要です。
これが1株から投資できるとなれば、必要投資金額は100分の1となり、より自由なポートフォリオを組むことも非常に簡単になります。
東証は単元株制度があるため、個別株投資には適しません。
NISAとの相性が抜群
インデックス投資は、NISAとの相性が抜群です。
2024年から始まる新NISAでは、非課税期間が恒久化され、非課税投資枠は1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)に拡大されるため、よりおすすめです。
特に、ETFでインデックス投資する場合には、ETFは保有していると分配金が出るため、分配金再投資が非課税となるのは長期で効いてきます。
当サイトでは、10年~20年程度に分けて時間分散して新NISA枠を使い切り、成長投資枠ではETFに投資し、成長投資枠を使い終わったら、つみたて投資枠で同種のインデックス投信に投資することを推奨しています。
新NISAを使ったインデックス投資について詳しくは、次の記事を参照ください。
インデックス投資のデメリット
インデックス投資のデメリットについて押さえておきましょう。
年率5%以上の利益を期待する手法ではない
インデックス投資は、長期的に年率5%程度の運用を期待する投資手法です。
具体的には、世界経済の成長率が4%として、米国株ETFや世界株ETFは年間4%の値上がりを期待し、分配金利回り1%を足して、年率5%程度の利益を期待するものとなります。
個別株のスイングトレードやデイトレードでは、年率100%以上の利回りを狙うことも可能ですが、インデックス投資ではこのような成績を出すことは不可能です。
インデックス投資はリスクが小さいため、これは仕方ありません。
また、スイングトレードやデイトレードで利益を出すには相応のスキルや経験が必要になるため、インデックス投資が投資初心者にとって最高の資産運用であることには変わりありません。
金融市場で年率5%以上の利益を得るには、相応のスキルや経験が必要となり、相応のリスクを取る必要があります。
表に出てくる情報としては、インデックス投資以上に投資初心者に有益な情報はないと断言できます。
なお、インデックス投資についても、暴落時に狙って買うなど、買い方を工夫することで年率5%を年率10%程度にまで上げることも可能です。詳しくは下記記事などを参照ください。
代表的なインデックスを紹介!
インデックス投資をする上で覚えておいた方がいい代表的なインデックスおよび、そのインデックスに連動するETF・インデックス投信について見ていきましょう。
特に、インデックス投資をする上では、次の6指数については必ず押さえておくようにしてください。
※代表的な6指数
・日本株:TOPIX、日経平均株価
・米国株:S&P500指数、NASDAQ100指数
・先進国株:MSCI-KOKUSAIインデックス
・世界株:MSCI ACWIインデックス
今回は、代表的なインデックスに連動するETF・インデックス投信について、信託報酬の違いを見ていきます。
※信託報酬は2023年9月12日時点のデータ。
なお、ETFについては当サイトのおすすめ銘柄から、インデックス投信については当サイトのiDeCo・つみたてNISAのおすすめ銘柄から選択しています。
日本株
日本株の株価指数にはさまざまなものがありますが、代表的な2指数である「TOPIX(東証株価指数)」と「日経平均株価」については必ず押さえておくようにしましょう。
この2指数以外にも、日本を代表する30銘柄で構成される「TOPIX Core30」、新興市場の状況を見る上で重要な「東証マザーズ指数」「東証グロース市場指数」なども重要ですが、玄人向けであり、インデックス投資をする上では必要ありません。
TOPIX
TOPIX(東証株価指数、Tokyo Stock Price IndeX)は、東証プライム市場に上場する全ての銘柄を対象に時価総額加重平均で算出される日本株の株価指数です。
TOPIXは時価総額加重平均型のため、トヨタ自動車やソニーグループといった時価総額が大きい銘柄の比重が高いことが特徴です。
TOPIXに連動するETF・インデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | TOPIX連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1475】iシェアーズ・コア TOPIX ETF | 0.0495% |
ETF | 【1306】NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 0.0968% |
インデックス投信 | <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.143% |
日経平均株価
日経平均株価(日経225)は、東証プライム市場に上場している代表的な225銘柄を対象に、株価単純平均によって算出される株価指数です。
日経平均株価は、225銘柄の株価単純平均で算出されるため、ファーストリテイリングや東京エレクトロン、ソフトバンクグループなど日経平均を構成する値嵩株の影響を受けやすくなっています。
日経平均株価に連動するETFやインデックス投信は、日本株のインデックス投資でTOPIXよりも大きなリターンを得たい場合におすすめです。
日経平均株価に連動するETF・インデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | 日経平均株価連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1329】iシェアーズ・コア 日経225 ETF | 0.1155% |
ETF | 【1321】NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 0.198% |
インデックス投信 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.143% |
米国株
米国株は、インデックス投資において基本となる銘柄です。
世界株や先進国株についても、米国株の比重が半分以上となっているため、米国株の影響は避けられません。
また、日本株も米国株の動向に非常に大きな影響を受けるため、米国株指数は資産運用において最も重要なインデックスであると言えます。
米国株指数としては、米国株3指数と呼ばれる「ダウ平均株価」「S&P500指数」「NASDAQ100指数」を押さえておきましょう。
インデックス投資においては、時価総額加重平均型の「S&P500指数」「NASDAQ100指数」に連動する銘柄が基本となります。
ダウ平均株価
ダウ平均株価(ダウ・ジョーンズ工業株30種平均)は、米国を代表する30銘柄で構成される、米国市場を代表する株価指数です。
ダウ平均株価は、構成される30銘柄の株価単純平均で算出され、30銘柄で米国市場の時価総額約25%を占めています。
ダウ平均株価に連動するETF・インデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | ダウ平均株価連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1546】NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 0.33% |
インデックス投信 | eMAXIS NYダウインデックス | 0.66% |
S&P500指数
S&P500指数は、米国市場を代表する500銘柄で構成され、時価総額ベースで算出される米国株指数です。
時価総額加重平均型であるため、時価総額が大きいGAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、Teslaといった銘柄の構成比率が高い点が特徴です。
S&P500指数に連動するETFやインデックス投信は、インデックス投資の基本となります。
S&P500指数に連動するETF・インデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | S&P500指数連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【2558】MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 | 0.077% |
ETF | 【1547】上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 0.165% |
インデックス投信 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372% |
NASDAQ100指数
NASDAQ100指数は、米国のハイテク市場NASDAQに上場する時価総額が大きい100銘柄(金融業を除く)で構成される指数です。
S&P500指数と比べて、GAFAM(Google、Amazon、Facebook(Meta)、Apple、Microsoft)やNVIDIA、TeslaといったNASDAQの有力銘柄の比率をより高めた指数となっています。
NASDAQ100指数に連動する銘柄は、S&P500指数よりも大きなリターンを求めたい場合におすすめです。
NASDAQ100指数に連動するETF・インデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | NASDAQ100指数連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1545】NEXT FUNDS NASDAQ-100(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 0.22% |
インデックス投信 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 0.495% |
なお、NASDAQ100指数に連動する銘柄は、つみたてNISA(新NISA枠のつみたて投資枠)では採用されていません。
iDeCoでは、マネックス証券が「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」を取り扱っています。
世界株
世界株に連動するETFやインデックス投信は、インデックス投資において基本となる銘柄であり、通称「オルカン」とも呼ばれます。
世界株指数としては、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」と「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE GACI)」の2つが代表的ですが、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」さえ押さえておけば問題ありません。
この2つの世界株指数の違いは次の通りです。
世界株指数 | 対象銘柄数 | 企業規模 | 算出方法 |
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス | 約2,900銘柄 | 大型株・中型株 | 時価総額加重平均 |
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | 約9,500銘柄 | 大型株・中型株・小型株 | 時価総額加重平均 |
「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE GACI)」は対象銘柄数が6,500銘柄ほど多く小型株も対象ですが、そもそも時価総額加重平均型のため、株価に与える影響はほとんどありません(両指数ともに時価総額が大きい銘柄で指数の動きの大半が決まってしまうため)。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)は、代表的な世界株指数です。
全世界の大型株・中型株約2,900銘柄を対象にしており、時価総額加重平均で算出されます。
全世界の時価総額が大きい銘柄が対象となるため、指数の6割程度は米国株が占めており、その分はほぼ「S&P500指数」と同じです。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 | 0.0858% |
インデックス投信 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% |
三菱UFJ国際投信は、2023年9月8日から「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬を年0.11330%(税込み)以内から年0.05775%(同)以内に引き下げました。
【2559】MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信も、三菱UFJ国際投信が運用しているため、信託報酬が引き下げになると思われます。
ただ、管理人としては、これが純粋に投資家の利益に繋がるとは思っていません。
ETFやインデックス投信は、信託報酬を下げた分を、分配金を下げることによってコスト回収している場合が多々あるためです。
信託報酬を引き下げなくても、いずれにしても世界株ETF・世界株投信はおすすめ銘柄に変わりありません。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは、先進国・新興国47ヶ国の大型・中型・小型株約9,500銘柄で構成されている世界株指数です。
東証ETFには、この指数に連動する世界株ETFはありませんが、米国ETFでは【VT】バンガード トータル ワールド ストックETFが知られています。
種別 | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス連動型 | 信託報酬 |
米国ETF | 【VT】バンガード トータル ワールド ストックETF | (経費率)0.07% |
先進国株
先進国株に連動するETFやインデックス投信は、米国株・世界株と並んでインデックス投資において基本となる銘柄です。
先進国株ETFの中身は、米国株が半分で、残りは欧州株などの他の先進国株が入っているものとなります。
MSCI-KOKUSAIインデックス
MSCI-KOKUSAIインデックスは、日本以外の先進国株式で構成される時価総額加重平均型の先進国株指数です。
MSCI-KOKUSAIインデックスに連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | MSCI-KOKUSAIインデックス連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 | 0.165% |
インデックス投信 | たわらノーロード 先進国株式 | 0.09889% |
基本的には、ETFの方がインデックス投信より信託報酬が低いですが、先進国株では例外となっています。
また、【1550】MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信は流動性リスクがある点もネックとなるため、先進国株についてはETFよりもインデックス投信の方がおすすめできるかもしれません。
新興国株
新興国株のインデックスとしては、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」と「FTSE エマージング・インデックス」の2つが代表的です。
この2つの新興国株指数の違いは次の通りです。
新興国株指数 | 対象国 | 対象銘柄数 | 企業規模 | 算出方法 |
MSCI エマージング・マーケット・インデックス | 24ヶ国(韓国含む) | 約1,400銘柄 | 大型株・中型株 | 時価総額加重平均 |
FTSE エマージング・インデックス | 23ヶ国(韓国含まない) | 約1,900銘柄 | 大型株・中型株 | 時価総額加重平均 |
この2つの指数の違いは、韓国株を含むかどうかです。
MSCI エマージング・マーケット・インデックス
MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、世界24ヶ国の大型・中型株約1,400銘柄で構成される、時価総額加重平均型の新興国株指数です。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | MSCI エマージング・マーケット・インデックス連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1681】上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) | 0.264% |
インデックス投信 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド | 0.1859% |
新興国株についても、先進国株と同様に、インデックス投信の方が東証ETFより信託報酬が低くなっている状況です。
FTSE エマージング・インデックス
FTSE エマージング・インデックスは、世界23ヶ国の大型・中型株約1,900銘柄で構成される、時価総額加重平均型の新興国株指数です。
FTSE エマージング・インデックスに連動する東証ETFはありませんが、つみたてNISA(新NISAのつみたて投資枠)では「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」が採用されています。
種別 | FTSE エマージング・インデックス連動型 | 信託報酬 |
インデックス投信 | SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 0.176% |
つみたてNISAでは、MSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動する「<購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド」、FTSE エマージング・インデックスに連動する「SBI・新興国株式インデックス・ファンド」がありますが、信託報酬はほぼ同じであるため、韓国株の有無で決めてしまってよいでしょう。
サムスン電子などの韓国株にも投資したい場合には、MSCI エマージング・マーケット・インデックスに連動する新興国株に投資するようにしましょう。
中国株
東証ETFには、様々な指数に連動する中国株が上場しています。
種別 | 銘柄名 | 連動指数 | 信託報酬 |
ETF | 【2553】ONE ETF 南方 中国A株 CSI500 | CSI スモールキャップ 500指数 | 0.864% |
ETF | 【1322】上場インデックスファンド中国A株(パンダ) E FUND CSI300 | CSI300指数 | 0.53% |
ETF | 【1309】NEXT FUNDS CHINAAMC・中国株式・上証 50連動型上場投信 | 上海50指数 | 0.93% |
ETF | 【2530】MAXIS HUAAN中国株式(上海180A株)上場投信 | SSE180インデックス | 0.798% |
ETF | 【2628】iFreeETF 中国科創板50(STAR50) | STAR 50 | 0.993% |
ETF | 【2629】iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション100(GBA100) | GBA Innovation 100 | 0.748% |
ただ、いずれも流動性が低いため、これといった銘柄はありません。
かろうじて流動性がある【1309】NEXT FUNDS CHINAAMC・中国株式・上証 50連動型上場投信が最もおすすめでしょうか。
なお、つみたてNISAでは、中国株投信は取り扱っていません。
インド株
中国に代わって人口世界一となったインドは、株式投資においても注目度が高い国です。
種別 | 銘柄名 | 連動指数 | 信託報酬 |
ETF | 【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信 | NIFTY 50指数 | 1.045% |
【1678】NEXT FUNDS インド株式指数・NIFTY 50連動型上場投信は、東証唯一のインド株ETFであり、長期的にも成長していてかつ、流動性も十分にあるためおすすめの銘柄です。
こちらのETFは、コロナショック以降では、NASDAQ100指数と並ぶほどの上昇率となっており、今後も注目度が上がっていくと思われる銘柄です。
ただ、信託報酬が高い点がネックとなります。
なお、つみたてNISAでは、インド株投信は取り扱っていません。
外国債券
外国債券を代表するインデックスを見ていきましょう。
なお、当サイトでは、ローリスク資産である外国債券に、NISA枠を使って投資することは推奨していません。
つみたてNISAでは、外国債券投信に連動する銘柄はありません。
米国債7-10年指数
米国の長期金利を見る上では「米国債7-10年指数」を参照することが一般的です。
東証ETFでは、米国長期金利に連動する米国債ETFがいくつか上場しています。
種別 | 銘柄名 | 連動指数 | 信託報酬 |
ETF | 【1486】上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし) | S&P 米国債7-10年指数(TTM、円建て) | 0.176% |
ETF | 【1656】iシェアーズ・コア 米国債7-10年 ETF | FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス(国内投信用 円ベース) | 0.154% |
ETF | 【2647】NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックスTTM(為替ヘッジなし、円ベース) | 0.143% |
S&PもFTSEもブルームバーグも、ほとんど変わりません。
FTSE世界国債インデックス
FTSE世界国債インデックスは、代表的な先進国債権指数です。
種別 | 銘柄名 | 連動指数 | 信託報酬 |
ETF | 【2511】NEXT FUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 | FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジなし・円ベース) | 0.132% |
REIT
不動産投資信託ことREITに連動するETFやインデックス投信は、REIT型ETFやREIT投信として人気の銘柄です。
特に、REITは賃貸収入を原資とする分配金が安定しているため、REIT型ETFは高配当型ETFとして分配金再投資にもおすすめの銘柄です。
REITは、国内REITと海外REITがありますが、国内REITのインデックス指数としては「東証REIT指数」、海外REITのインデックス指数としては「S&P先進国REIT指数」に連動する銘柄が一般的です。
東証REIT指数
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場するREIT全銘柄で構成される時価総額加重平均型の国内REIT指数です。
東証REIT指数に連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | 東証REIT指数連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1343】NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 | 0.1705% |
インデックス投信 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド | 0.275% |
なお、つみたてNISAには、REIT型投信はありません(つみたてNISAで国内REITに投資するには、6資産以上のバランス型に投資するしかありません)。
上記の「<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド」は、SBI証券のiDeCoで取り扱っています。
S&P先進国REIT指数(除く日本)
海外REIT、正確に言うと先進国REITの指数としては、「S&P先進国REIT指数(除く日本)」が最も一般的なものとなっています。
S&P先進国REIT指数(除く日本)は、S&Pが算出するグローバル・インデックスである「S&Pグローバル株価指数」から、REIT及びREITと同様の制度に基づく銘柄で算出される指数です。
S&P先進国REIT指数(除く日本)に連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | S&P先進国REIT指数(除く日本)連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【2515】NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 0.187% |
インデックス投信 | 三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.297% |
国内REIT型投信と同じく、つみたてNISAには、海外REIT型投信はありません(つみたてNISAで海外REITに投資するには、6資産以上のバランス型に投資するしかありません)。
上記の「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券のiDeCoで取り扱っています。
コモディティ
コモディティ(商品先物)では、金(ゴールド)価格と原油価格に連動するインデックスを押さえておくようにしましょう。
金(ゴールド)先物価格
金(ゴールド)先物価格は、シカゴ・ロンドン・大阪などたくさんありますが、基本的にはどれも一緒と考えて問題ありません。
金(ゴールド)先物価格に連動する金(ゴールド)ETFや金(ゴールド)投信は、ドル建て資産であることが特徴です。
また、金(ゴールド)に関わらず、コモディティ価格に連動する商品先物ETFは、分配金は出ない点には注意しておきましょう。
金(ゴールド)先物価格に連動するETFとインデックス投信としては次のような銘柄があります。
種別 | 金(ゴールド)先物価格連動型 | 信託報酬 |
ETF | 【1540】純金上場信託(現物国内保管型) | 0.44% |
インデックス投信 | ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり) | 0.407% |
なお、つみたてNISAには、金(ゴールド)投信はありません。
上記の「ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)」は、マネックス証券のiDeCoで取り扱っている銘柄です(為替ヘッジありのため、ドル建て資産にならない点が残念です)。
なお、参考までに、SBI証券の現物純金投資の手数料は税込み1.65%となっています(2023年9月14日時点)
WTI原油先物価格
株式市場にも大きな影響を与える原油価格としては、「WTI原油先物価格」を参照するのが一般的です。
WTI原油先物価格は、世界最大の商品・エネルギー先物取引所であるニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で算出され、世界の原油価格のスタンダードとして知られる原油先物指数です。
原油先物価格は、1バレル当たりの価格がドル建てで決定されるため、原油ETF・原油投信のいずれもドル建て資産となっています。
また、原油ETFには分配金は一切出ません。
原油先物価格に連動するETFとしては次のような銘柄があります。
種別 | 原油先物価格連動型 | 連動指数 | 信託報酬 |
ETF | 【1671】WTI原油価格連動型上場投信 | WTI原油先物価格 | 0.935% |
ETF | 【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 | NOMURA原油ロングインデックス | 0.55% |
東証ETFでは、上記2銘柄の原油先物ETFがメジャーとなっていますが、信託報酬が低い【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信の方がおすすめです。
「NOMURA原油ロングインデックス」は、WTI原油先物で構成されているため、実質的にWTI原油先物価格とほぼ同じです。
なお、つみたてNISAには、原油先物投信はありません。
iDeCoでも、主要証券会社では原油先物投信は取り扱っていません。
まとめ
この記事では、インデックス投資の概要やメリット・デメリットについて解説した上で、インデックス投資をする上で知っておきたいインデックス(指数)と連動するETFやインデックス投信もあわせて紹介してきました。
インデックス投資は、個別株やアクティブ投信に比べて長期的にリターンが期待できる資産運用の方法です。
インデックス投資が個別株投資よりも強い理由としては、算出方法が時価総額加重平均型や銘柄の定期入れ替えがあることなどにより、産業構造の変化に対応できる点が挙げられます。
インデックス投資がアクティブ投信よりも強い理由としては、アクティブ投信の成績は平均回帰すると考えられるため、信託報酬の分だけ、信託報酬が低いETFやインデックス投信の方が有利になるというものです。
当サイトでは、NISA枠を使って、世界株ETFや米国株ETFに長期・積立・分散投資をするインデックス投資をおすすめしています。
ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!
新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。
マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。
マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。
また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。
マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。