「つみたてNISAで、海外型のアクティブファンドに投資してみたいけど、どの銘柄がおすすめなんだろう?」と、疑問に思っていませんか?
つみたてNISAで運用できる銘柄の多くはローリスク・ローリターンのインデックスファンドですが、海外型アクティブ投信をポートフォリオに組み込むことで、より大きなリターンを狙うことも可能です。
今回は、つみたてNISAの対象となっている海外型アクティブ投信全11銘柄について徹底解説した上で、おすすめの銘柄を紹介していきます。
つみたてNISAで海外型アクティブ投信を運用するメリットとは?
つみたてNISAは、2018年1月から始まった、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
つみたてNISAの非課税投資枠は毎年40万円、2018年から2037年までの20年間で最大800万円となっています。
※2018年から2037年まで毎年積み立てた場合に非課税枠が最大800万円になるということであり、2020年から始めた場合には2037年までの18年間で最大720万円となります。また、投資信託の購入から20年間が非課税期間となります(2037年に購入した投資信託は2056年まで非課税)。
今回は、つみたてNISAの対象となっている海外型アクティブ投信全11銘柄について徹底解説した上で、おすすめの銘柄を紹介していきます。
海外型アクティブ投信とは、全世界株式や債券など海外資産で構成されているアクティブ型投資信託のことです。
つみたてNISAで対象となっている海外型投資信託の多くは、世界株指数の「MSCIコクサイ・インデックス」などに連動するローリスク・ローリターンのインデックスファンドですが、より大きなリターンを狙える海外型アクティブ投信も一部銘柄が対象となっています。
つみたてNISAで対象となっている海外型アクティブ投信は、①株式で構成されている海外型アクティブ投信、②株式や債券、REITなど複数商品で構成されているバランス型の海外型アクティブ投信の2タイプに大別されます。
アクティブファンドはインデックスファンドと比べて大きなリターンが狙える反面、値下がりリスクも大きく、信託報酬も高めに設定されていますが、年40万円ずつしか積立投資できないつみたてNISAでは大きなリスクを取っても問題ありません。
つみたてNISAで効率的な運用を行うには、インデックスファンドとアクティブファンドを組み合わせて行うことが重要です。
当サイトでは、つみたてNISAではインデックスファンドを50%、アクティブファンドを50%ずつの割合で組み合わせて運用を行うことを推奨します。
つみたてNISAで運用できる海外型アクティブ投信の注目ポイント
つみたてNISAの対象となっている海外型アクティブ投信の注目ポイントについて抑えておきましょう。
※つみたてNISAの対象商品は金融庁の「つみたてNISAの対象商品」を参照しています。また、投資信託の「信託報酬」や「直近5年間の成績」については、日本経済新聞社の各投資信託ページに掲載されている2020年6月末時点のデータを参照しています。
・「商品種別」をチェック!
つみたてNISAで運用する投資信託は、株式や債券など構成される資産によってさまざまなタイプに分けられます。
一般的には、債券より株式の方がリスク・リターンが高く、先進国より新興国の方がリスク・リターンが高くなる傾向があります。
また、複数の資産を組み合わせたバランス型も、つみたてNISAにおいては人気の商品です。
・「運用タイプ」をチェック!
投資信託は、運用する方法によって「インデックス」と「アクティブ」に分けられます。
インデックスとは、日経平均株価やTOPIX、NYダウといった指数(インデックス)との連動を目指すファンドです。
アクティブは、ファンドが独自の観点で運用を行い、インデックスファンドよりも優れた成績を目指すファンドです。
インデックスファンドの方がリスク・リターンが低く、アクティブファンドはリスク・リターンが高いと認識しておきましょう。また、信託報酬もインデックスファンドの方が低くなる傾向があります。
今回見ていく銘柄は、全てアクティブファンドになります。
・投資信託の手数料である「信託報酬」をチェック!
つみたてNISAの取引手数料は、多くの金融機関で無料となっています。
ただ、投資信託を運用する際には、ファンドに支払う手数料である「信託報酬」が発生してきます。信託報酬は年率で表示され、保有残高から日割り計算した金額が毎日差し引かれていきます。
信託報酬は投資信託ごとに異なりますが、言うまでもなく、信託報酬は低ければ低いに越したことはありません。
・「直近5年間の成績」をチェック!
投資信託の運用成績をはかる上では、「直近5年間の成績」(2020年6月末時点)をチェックしましょう。
なお、投資信託の運用成績は、個別株投資やETF投資とは異なり、分配金が再投資された上での成績となっています。つまり、「直近5年間の成績」は、直近5年間の値上がり益(キャピタルゲイン)と分配金(インカムゲイン)の合計です。また、投資信託の基準価額は信託報酬が控除されてからの値であるため、信託報酬も「直近5年間の成績」にしっかりと含まれています。
つみたてNISAで運用できる海外型アクティブ投信全11銘柄について徹底比較!
つみたてNISAの対象となっている海外型アクティブ投信全11銘柄について詳しく見ていきましょう。
EXE-i グローバル中小型株式ファンド
商品種別 | 全世界株式 |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 0.331% |
直近5年間の成績 | +2.06% |
EXE-i グローバル中小型株式ファンドは、SBIアセットマネジメントが運用する、アクティブ型の世界株投信です。
ETFに投資して、日本を含む世界の中小株式に投資するファンドです。国別構成比率上位は、アメリカ(58.75%)、その他の国・地域(21.99%)、日本(6.24%)、カナダ(5.63%)、英国(4.57%)となっています。
アクティブファンドにしては信託報酬が低いものの、直近の成績はかろうじてプラス程度に留まっています。おすすめできない銘柄です。
セゾン資産形成の達人ファンド
商品種別 | 全世界株式 |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.55% |
直近5年間の成績 | +25.49% |
セゾン資産形成の達人ファンドは、セゾン投信が運用する、アクティブ型の世界株投信です。
世界各地の地域で強みを持ち、安全性や長期的な収益力といった長期的な視点から投資を行う世界株ファンドです。国別配分比率上位は、アメリカ(45.4%)、日本(11.9%)、中国(6.3%)、スイス(5.4%)、フランス(5.3%)となっています。
信託報酬は高いものの、直近5年間で大きなプラスとなっています。
アクティブ型世界株ファンドの代名詞的な銘柄であり、おすすめの銘柄です。
ただ、こちらの投資信託をつみたてNISAで取り扱っているのは、ゆうちょ銀行やセゾン投信など一部の金融機関に限られます。
フィデリティ・欧州株・ファンド
商品種別 | 欧州株式 |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.65% |
直近5年間の成績 | +41.72% |
フィデリティ・欧州株・ファンドは、フィデリティ投信が運用する、アクティブ型の欧州株投信です。
独自の企業調査に基づいて欧州株に投資するファンドです。国別配分比率上位は、イギリス(20.9%)、ドイツ(15.4%)、フランス(13.9%)、欧州(13.7%)、オランダ(11.3%)となっています。構成銘柄上位は、ドイツのSAP(5.1%)、ジャージィーのエクスペリアン(5.1%)、デンマークのノボ・ノルディスク(4.0%)、フランスのインジェニコ(4.0%)、スペインのグリフォルス(3.7%)となっています。
アクティブ欧州株投信としては代表的なファンドです。信託報酬は高いものの、直近5年間では大きなプラスとなっており、おすすめの銘柄です。
eMAXIS NYダウインデックス
商品種別 | 米国株式 |
運用タイプ | インデックス |
信託報酬 | 0.66% |
直近5年間の成績 | +37.44% |
eMAXIS NYダウインデックスは、三菱UFJ国際投信が運用する、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均(配当込み、円換算ベース)」に連動する米国株投信です。
「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」は、アメリカを代表する30銘柄から構成される株価指数です。構成銘柄上位は、BOEING CO/THE(9.6%)、UNITEDHEALTH GROUP INC(5.8%)、HOME DEPOT INC(5.2%)、APPLE INC(5.2%)、GOLDMAN SACHS GROUP INC(5.1%)となっています。
こちらの銘柄はダウに連動するインデックスファンドなのですが、金融庁のつみたてNISAの商品分類上ではアクティブファンドとなっています。
直近5年間では+40%を超える高成績となっています。ダウ構成銘柄は値上がりしている銘柄が多いことに加えて、分配金に優れる銘柄が多いことが特徴であり、分配金を非課税で再投資して複利効果を享受できるつみたてNISAの強みを最大限に生かすことができます。
つみたてNISAの全銘柄の中でも特におすすめの銘柄です。
ただ、主要証券会社のつみたてNISAではSBI証券とマネックス証券でしか扱っていないことには注意しておきましょう。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 0.59% |
直近5年間の成績 | +10.65% |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、セゾン投信が運用する、アクティブ型のバランス投信です。
世界中の株式と債券に分散投資を行い、株式と債券の比率は50%ずつとするファンドです。資産配分比率は、先進国債券(除く日本)(44.3%)、先進国株式(除く日本)(39.8%)、新興国株式(5.9%)、国内債券(5.5%)、国内株式(3.6%)、短期金融資産(0.9%)となっています。国際配分比率上位は、アメリカ(54.9%)、ユーロ圏(18.1%)、ヨーロッパ(9.3%)、日本(9.1%)、新興国(5.9%)となっています。
アクティブ型のバランス投信として定評があるおすすめの銘柄です。ポートフォリオの半分が債券で構成されているため、リスク分散目的でポートフォリオに組み込んでも問題ありません。
ただ、こちらの投資信託をつみたてNISAで取り扱っているのは、ゆうちょ銀行やセゾン投信など一部の金融機関に限られます。
ハッピーエイジング20
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.617% |
直近5年間の成績 | +0.30% |
ハッピーエイジング20は、SOMPOアセットマネジメントが運用する、アクティブ型のバランス投信です。
国内外の株式、債券に投資するファンドです。資産配分比率は、国内株式52%、国内債券2%、外国債券6%、外国株式33%、新興国株式5%、短期資産2%とし、株式比率を90%としています。
バランス投信としては信託報酬が高く、成績も伴っておらず、おすすめできない銘柄です。
ハッピーエイジング30
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.485% |
直近5年間の成績 | +1.03% |
ハッピーエイジング30は、SOMPOアセットマネジメントが運用する、アクティブ型のバランス投信です。
国内外の株式、債券に投資するファンドです。資産配分比率は、国内株式44%、国内債券8%、外国債券20%、外国株式21%、新興国株式5%、短期資産2%とし、株式比率を70%としています。
バランス投信としては信託報酬が高く、成績も伴っておらず、おすすめできません。
ハッピーエイジング40
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.32% |
直近5年間の成績 | +3.11% |
ハッピーエイジング40は、SOMPOアセットマネジメントが運用する、アクティブ型のバランス投信です。
国内外の株式、債券に投資するファンドです。資産配分比率は、国内株式31%、国内債券33%、外国債券15%、外国株式14%、新興国株式5%、短期資産2%とし、株式比率を50%としています。
信託報酬が高く、成績も伴っておらず、おすすめできません。
世界経済インデックスファンド
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 0.66% |
直近5年間の成績 | +7.25% |
世界経済インデックスファンドは、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用する、アクティブ型のバランス投信です。
国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券の6資産に分散投資するファンドです。株式と債券は50%ずつの割合で保有し、組み入れ比率はGDPによって決定されます。直近の資産配分比率は、先進国株式(除く日本)(32.18%)、先進国債券(除く日本)(27.96%)、新興国債券(14.95%)、新興国株式(11.63%)、国内株式(4.89%)、国内債券(3.97%)、外国株式(2.5%)となっています。
株式と債券のバランスファンドとして、問題なく運用できます。
フィデリティ・米国優良株・ファンド
商品種別 | 米国株式 |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.639% |
直近5年間の成績 | +23.30% |
フィデリティ・米国優良株・ファンドは、フィデリティ投信が運用する、アクティブ型の米国株投信です。
独自の企業調査を駆使して、米国株に投資するファンドです。構成銘柄上位は、マイクロソフト(5.6%)、アマゾン・ドット・コム(3.1%)、アップル(2.9%)、アルファベット(2.6%)、ビザ(2.4%)となっています。
直近5年間で大きなプラスになっていますが、ダウ連動型の米国株投信には劣ります。
のむラップ・ファンド(積極型)
商品種別 | バランス |
運用タイプ | アクティブ |
信託報酬 | 1.518% |
直近5年間の成績 | +8.66% |
のむラップ・ファンド(積極型)は、野村アセットマネジメントが運用する、アクティブ型のバランス投信です。
国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、日本を含む世界REITに分散投資するファンドです。直近の資産配分比率は、先進国株式(除く日本)(48.6%)、先進国債券(除く日本)(19.2%)、世界REIT(13.9%)、国内株式(11.7%)、国内債券(5.1%)となっています。
信託報酬の高さに成績が見合っておらず、おすすめできない銘柄です。
つみたてNISAで運用できる海外型アクティブ投信の比較一覧表
海外型アクティブ投信 | 商品種別 | 運用タイプ | 信託報酬 | 直近5年間の成績 |
EXE-i グローバル中小型株式ファンド | 全世界株式 | アクティブ | 0.331% | +2.06% |
セゾン資産形成の達人ファンド | 全世界株式 | アクティブ | 1.55% | +25.49% |
フィデリティ・欧州株・ファンド | 欧州株式 | アクティブ | 1.65% | +41.72% |
eMAXIS NYダウインデックス | 米国株式 | インデックス | 0.66% | +37.44% |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | バランス | アクティブ | 0.59% | +10.65% |
ハッピーエイジング20 | バランス | アクティブ | 1.617% | +0.30% |
ハッピーエイジング30 | バランス | アクティブ | 1.485% | +1.03% |
ハッピーエイジング40 | バランス | アクティブ | 1.32% | +3.11% |
世界経済インデックスファンド | バランス | アクティブ | 0.66% | +7.25% |
フィデリティ・米国優良株・ファンド | 米国株式 | アクティブ | 1.639% | +23.30% |
のむラップ・ファンド(積極型) | バランス | アクティブ | 1.518% | +8.66% |
結論:つみたてNISAで運用できる海外型アクティブ投信でおすすめの銘柄!
最後に、つみたてNISAで運用できる海外型アクティブ投信について、おすすめの銘柄をまとめていきましょう。
海外型アクティブ投信でおすすめの銘柄は商品種別ごとに分かれます。
アクティブ型の米国株投信でおすすめなのは、ダウに連動する「eMAXIS NYダウインデックス」です。ダウ構成銘柄は値上がりが期待できることはもちろん、分配金に優れる銘柄も多いことから、分配金を非課税で複利運用できるつみたてNISAとの相性が抜群です。
アクティブ型の欧州株投信としては、「フィデリティ・欧州株・ファンド」もおすすめです。欧州株にも優れたグローバル企業は多く、ポートフォリオに加えておくことをおすすめします。
アクティブ型の世界株投信としては、「セゾン資産形成の達人ファンド」がおすすめです。また、世界株と世界債券を50%ずつの比率で運用する「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」も、リスク分散目的でポートフォリオに加えてもよいおすすめ銘柄です。ただ、こちらの投資信託をつみたてNISAで取り扱っているのは、ゆうちょ銀行やセゾン投信など一部の金融機関に限られます。
当サイトでは、つみたてNISAではインデックスファンドを50%、アクティブファンドを50%ずつの割合で組み合わせて運用を行うことを推奨します。
つみたてNISAでは最大でも年40万円のリスクしか負わないため、アクティブファンドで100%ポートフォリオ構成しても問題ありません(ただし、つみたてNISAの範囲を超えて、このような運用をすることはおすすめできません)。
つみたてNISAで海外型アクティブ投信を運用できるおすすめネット証券は?
つみたてNISAで海外型アクティブ投信を運用するなら、「eMAXIS NYダウインデックス」「フィデリティ・欧州株・ファンド」を取り扱っているマネックス証券がおすすめです。
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