半導体ETFやAIETFなどグローバルXジャパンが運用するテーマ株ETF全13銘柄を徹底解説!

「東証には半導体ETFや人工知能(AI)ETFは上場している?」「グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFはおすすめ?」など、テーマ株ETFについて疑問に思っていませんか?

東証ETFには、半導体株やAI株など、グローバルXジャパンが運用しているテーマ株ETFが2021年以降に次々と上場しています。

テーマ株ETFは、半導体やAIなど特定のテーマ株で構成されるETFとなっており、例えば半導体ETFに投資すれば半導体株に絞って投資可能です。

ただ、グローバルXジャパンが運用しているテーマ株ETFは、信託報酬が高く、純粋な時価総額加重平均型ではないなど、アクティブ投信寄りのETFとなっていることには注意が必要です。

この記事では、グローバルXジャパンが運用しているテーマ株ETFの概要やメリット・デメリットについて解説した上で、東証のテーマ株ETF全13銘柄について解説しています。

 

テーマ株ETFとは?

テーマ株ETFとは、特定のテーマ株(関連銘柄)で構成されるETFです。

東証には、グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFが上場しています。

テーマ株ETFは、2021年以降に上場した銘柄が多く、東証ETFのカテゴリーとしては2021年以降にできたものです。

ETFとしては、アクティブ投信に近い銘柄となっており、純粋な時価総額加重平均型ではないことに注意が必要です(より詳しくは後述します)。

ここでは一例として、半導体株で構成されるテーマ株ETF【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFを見ていきましょう。

この銘柄は、今回見ていくテーマ株ETFでは最も流動性が大きい人気銘柄となっています。

この銘柄が連動する指数は、「FactSet Japan Semiconductor Index(配当込み)」です。

「FactSet Japan Semiconductor Index(配当込み)」は、東証のパンフレットより、次のように説明されています。

FactSet Research Systems Inc.が算出・公表する、半導体産業に関連する国内上場株式最大40銘柄で構成される、配当込みの指標です。同指標は、半導体製造、原材料および加工等の半導体周辺産業から主に収益を上げる国内上場会社株式によって構成されます。銘柄指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は10%としております。
※出典:日本取引所「【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF」

この銘柄の構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日)。

順位 銘柄名 構成比率 (参考)時価総額
1 【6857】アドバンテスト 14.44% 3兆5,725億円
2 【6723】ルネサスエレクトロニクス 14.26% 4兆6,778億円
3 【6146】ディスコ 10.69% 3兆5,671億円
4 【4063】信越化学工業 9.67% 11兆4,100億円
5 【8035】東京エレクトロン 9.28% 11兆3,758億円

※時価総額は2024年1月6日終値時点。

日本株の半導体株の知識があれば、すぐに分かってしまうことですが、時価総額順になっていません。

ちなみに、2012年から10年で100倍以上の値上がりとなった、東証で大人気の半導体株【6920】レーザーテックの時価総額は3兆2,067億円です。

指数(インデックス)に連動する投資信託は「インデックス投信」と呼ばれますが、この銘柄は指数自体がファンドによって裁量的に決められているため、実質的にアクティブ投信と同じです。

グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFは、いずれもアクティブ投信に近いETFであり、信託報酬も相応に高いため、当サイトではおすすめすることはできません。

 

テーマ株ETFに投資するメリット

東証のテーマ株ETFに投資するメリットについて見ていきましょう。

 

投資したいテーマ株に少額分散投資できる

当サイトでは、テーマ株ETFについてはおすすめしませんが、半導体やAIなど、日本株で投資したいテーマ株に少額分散投資できるという点ではメリットがあります。

日本株は、1単元=100株の単元株制度が採用されているため、あるテーマ株のもとで分散投資したくても、資金制約があってできないという致命的なデメリットがあります。

東証の単元株制度は、少額投資できる米国株やETF、投資信託とは違い、非常に後進的な制度であり、日本中の個人投資家から批判されている悪名高い制度となっています。

例えば、【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFの構成銘柄上位5銘柄について、株価と必要投資金額は次のようになっています。

順位 銘柄名 株価 必要投資金額
1 【6857】アドバンテスト 4,663円 466,300円
2 【6723】ルネサスエレクトロニクス 2,388.5円 238,850円
3 【6146】ディスコ 32,920円 3,292,000円
4 【4063】信越化学工業 5,637円 563,700円
5 【8035】東京エレクトロン 24,120円 2,412,000円

主要な半導体株5銘柄に分散投資するとなると、最低でも697万円必要となります。

しかも、これは単に100株ずつ取得する場合の必要投資金額であり、必要投資金額が大きい【6146】ディスコと【8035】東京エレクトロンの比率が極端に高くなってしまいます。

時価総額加重平均型で取得するとなると、どれほどの資金が必要になることでしょうか。

また、1回あたりの必要投資金額が大きくなると、年に数回に分けて時間分散して投資することも難しくなってしまいます。

米国市場のように1株から投資できれば、個人投資家であっても日本株の半導体株上位10銘柄程度のポートフォリオを時価総額加重平均型に近い形で組むことも容易となります。

個人投資家が、日本株でテーマ株のポートフォリオを組む敷居が高い現状では、テーマ株ETFに投資するメリットはあると言えるかもしれません。

東証が頑なに単元株制度を廃止しないのは、裏でファンドと共謀してるのではないかと邪推してしまいます。

 

テーマ株ETFに投資するデメリット

テーマ株ETFに投資するデメリットを見ていきましょう。

 

実質的なアクティブ投信であり信託報酬が高い

上述した通り、テーマ株ETFの大半は、実質的にはアクティブ投信であり、信託報酬も相応に高くなっています。

そもそも、アクティブ投信は、どうしてインデックス投信に比べて不利なのかを説明していきましょう。

個別銘柄の長期動向はプロの投資家でも読めないため、プロが選んだアクティブ投信の成績は、機械的に分散投資したインデックス投信に収束すると考えられるためです。

インデックス投信の方が、信託報酬が小さいため、その差分だけアクティブ投信は不利になります。

つまり、合理的に日本株ETFに投資したいなら、実質的なアクティブ投信であるテーマ株ETFではなく、信託報酬が低い日経平均連動型ETFやTOPIX連動型ETFにすべきということです。

※なお、当サイトでも、管理人がインデックス投資を学び始めた2020年頃は多くのアクティブ投信を推奨していました。穴があったら入りたいほど恥ずかしいことですが、管理人もこの3年間で学習しました。今後は、信託報酬が小さいインデックス型投信しか推奨しません。

 

流動性が小さく取引自体が難しい

ETFは、人気がない銘柄は取引自体が難しくなり、流動性リスクが発生します。

特に、上場歴が浅い銘柄は、取引量が少なくなりやすく、流動性リスクが発生する傾向が高くなりがちです。

余りにも取引量が少な過ぎると、ファンドも儲からなくてやってられなくなってくるため、償還による上場廃止リスクも出てきます。

グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFは、多くの銘柄が2021年以降に上場しており、かろうじて流動性がある銘柄は、半導体株で構成される【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFだけです。

2024年1月時点では、【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF以外の銘柄は、償還リスクもあり得ると考えられるほど流動性がない状態です。

 

テーマ株ETFと業種別ETFの違い

東証ETFには、業種別株価指数「TOPIX17」シリーズに連動する業種別ETFも上場しています。

今回見ていくテーマ株ETFと業種別ETFの違いについてですが、インデックス型かアクティブ型かという違いが挙げられると思います。

業種別ETFは、時価総額加重平均型でウェイト上限がないため、時価総額が高い銘柄の構成比率は極端なことにもなっています。

例えば、【1622】NEXT FUNDS 自動車・輸送機(TOPIX-17)上場投信は、【7203】トヨタ自動車の比率が40%超えです。

一方、グローバルXジャパンが運用するテーマ株ETFは、時価総額加重平均型でありながら構成比率にウェイト上限が設定されています。

ウェイト上限があることで、時価総額が大きい銘柄の構成比率が極端に高くなりにくい一方、時価総額の変動によって構成比率が変わることもない点には注意が必要です。

S&P500指数やTOPIXといったインデックス投信の強みは、時価総額加重平均型であることによって、産業構造の変化を反映できることにありますが、ウェイト上限が設定されていると、このメリットを享受できなくなります。

いずれにしても、今回見ていくテーマ株ETFは、信託報酬が高く、純粋な時価総額加重平均型ではないことに注意しておいてください。

また業種別ETFについては、下記記事を参照ください。

業種別株価指数に連動する日本株ETF全19銘柄を徹底解説!【2020年最新版】
「日本株にETFでインデックス投資したいけど、業種別に投資できるETFはないのかな?」とお困りではありませんか?日本株と言っても一様ではなく、ディフェンシブ銘柄が多い食品や医薬品、成長が期待される精密機器やIT産業など、さまざまな特色を持っ...

 

テーマ株指数に連動する日本株ETF全13銘柄を解説!

テーマ株指数に連動する日本株ETF全13銘柄について見ていきましょう。

※各データは2024年1月6日終値時点。

 

【2626】グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF

【2626】グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「Solactive Digital Innovation Japan Index」に連動する日本株ETFです。

「Solactive Digital Innovation Japan Index」は、主にデジタル分野で生活様式の変化により恩恵を受ける国内上場株式で構成される指標です。

具体的には、事業内容等が電子決済、ゲーム、eラーニング、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド、情報連携、ストリーミング、テレビ会議及びeコマースに関連する企業のうち、特に関連度の高い60銘柄で構成されます。

銘柄指数の算出方法は浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は5%、下限は0.2%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【9984】ソフトバンクグループ 5.98%
2 【7974】任天堂 5.77%
3 【4901】富士フイルムホールディングス 5.77%
4 【9433】KDDI 4.93%
5 【9432】日本電信電話(NTT) 4.91%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 30円(年2回)
分配金利回り 1.46%
直近5年間の値動き -1.91%(2,092円→2,052円)
必要投資金額 2,052円(1口)
上場日 2021年1月27日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

構成銘柄上位は文句なしですが、直近3年間では横ばいとなっています。

信託報酬も高く、流動性も全くないため、おすすめできません。

 

【2627】グローバルX eコマース-日本株式 ETF

【2627】グローバルX eコマース-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「Indxx Japan E-Commerce Index」に連動する日本株ETFです。

「Indxx Japan E-Commerce Index」は、eコマース産業に関連する国内上場株式、物流施設の管理から収益を上げているJ-REITの合計20~30銘柄で構成される指標です。

eコマース、電子決済、サブスクリプション及びオンライン市場に関する売上が企業収益全体の50%以上を占める国内上場会社株式、物流関連の収益比率が高いJ-REITによって主に構成されています。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式となっており、構成銘柄ウェイトの上限は8%です。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【4385】メルカリ 11.37%
2 【3769】GMOペイメントゲートウェイ 8.38%
3 【2371】カカクコム 8.24%
4 【3092】ZOZO 7.84%
5 【3064】MonotaRO 7.74%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 6円(年2回)
分配金利回り 0.45%
直近5年間の値動き -39.89%%(2,178円→1,309円)
必要投資金額 1,309円(1口)
上場日 2021年1月27日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

直近3年間では-40%弱の大きな値下がりとなっています。

これは、新型コロナ相場と上場日の関係で説明できます。

巣ごもり需要によって2020年に多くのeコマース株が買われましたが、直近3年間はその反動で下げたということです。

いずれにしても、信託報酬が高く、流動性もないため、おすすめできません。

ETFではありますが、典型的なアクティブ投信です。

 

【2637】グローバルX クリーンテック ESG-日本株式 ETF

【2637】グローバルX クリーンテック ESG-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan CleanTech & Energy Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan CleanTech & Energy Index」は、クリーンテック関連の国内上場株式で構成される指標です。

再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、環境汚染および資源管理等のクリーンテック事業による売上が企業収益全体の50%以上を占める国内上場株式30~40銘柄によって構成されます。

銘柄指数の算出方法は、FactSet社傘下のTruValue Labs社が行うESG評価考慮後の時価総額加重方式によって決定し、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【6367】ダイキン工業 13.24%
2 【6370】栗田工業 9.18%
3 【5938】LIXIL 7.53%
4 【5332】TOTO 7.33%
5 【5947】リンナイ 6.75%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 22円(年2回)
分配金利回り 1.43%
直近5年間の値動き -13.11%(1,761円→1,530円)
必要投資金額 1,530円(1口)
上場日 2021年3月31日
長期投資おすすめ度
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

直近約3年間で-10%以上下げており、信託報酬が高く、流動性もなく、おすすめできません。

構成銘柄を見ても、「これが再生可能エネルギー関連銘柄だろうか?」と首をかしげてしまいます。

東証の代表的な再エネ株である【9519】レノバや【3856】Abalanceなどが入っておらず、再エネ関連ニュースでもほとんど反応しない銘柄が構成銘柄上位に来ています。

テーマ株ETFと時価総額加重平均型は合わないと言わざるを得ません。

また、そもそも“ESG”と入っている時点で、避けるべきです。

 

【2638】グローバルX ロボティクス&AI-日本株式ETF

【2638】グローバルX ロボティクス&AI-日本株式ETFは、Global X Japanが運用する、「Indxx Japan Robotics & AI Index」に連動する日本株ETFです。

「Indxx Japan Robotics & AI Index」は、ロボティクス産業およびAI産業に関連する国内上場株式最大40銘柄で構成される指標です。

産業用ロボット、ドローン、ビッグデータをはじめとするロボティクス産業およびAI産業に関する売上が企業収益全体の50%以上を占める国内上場会社株式によって主に構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式となっており、構成銘柄ウェイトの上限は8%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【6506】安川電機 9.16%
2 【6645】オムロン 8.65%
3 【4684】オービック 8.16%
4 【7732】トプコン 8.09%
5 【6273】SMC 8.04%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 17円(年2回)
分配金利回り 0.86%
直近5年間の値動き -15.14%(2,324円→1,972円)
必要投資金額 1,972円(1口)
上場日 2021年6月23日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

ロボットとAIを謳っていますが、その中身はロボット株です(【6954】ファナックが入ってないことが疑問符です)。

東証のAI株は、グロース銘柄を中心に、2021~2022年に暴落となりましたが、一部の銘柄が生成AIバブルで2023年に反発しました。

ただ、東証にはNVIDIAやオープンAIのような世界的なAI関連企業はないため、時価総額加重平均型にしてしまうと、AI株は入らなくなってしまうという背景があります。

ロボット株は、直近の相場ではそこまで調子が良くないこともあり、上場から直近2年半では下げています。

テーマ株ETFとしての聞こえはよく、検索されている銘柄ではありますが、流動性もないため、おすすめできません。

 

【2639】グローバルX バイオ&メドテック-日本株式ETF

【2639】グローバルX バイオ&メドテック-日本株式ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan Bio & Med Technologies Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan Bio & Med Technologies Index」は、バイオ産業及びメドテック産業関連の国内上場株式で構成される指標です。

医療機器、バイオ医療サービス・ソフトウェア、バイオ医薬品および総合医薬品による売上が企業収益全体の50%以上を占める国内上場株式20~35銘柄によって構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式によって決定し、構成銘柄ウェイトの上限は8%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【4543】テルモ 9.12%
2 【6869】シスメックス 8.54%
3 【7701】島津製作所 8.50%
4 【7747】朝日インテック 7.54%
5 【7733】オリンパス 6.85%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 7円(年2回)
分配金利回り 0.43%
直近5年間の値動き -15.07%(1,877円→1,594円)
必要投資金額 1,594円(1口)
上場日 2021年6月23日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

2022年に下落したこともあり、上場から2年半で-15%となっています。

流動性は最低レベルで、信託報酬もアクティブ投信並みであるため、おすすめできません。

 

【2640】グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式ETF

【2640】グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式ETFは、Global X Japanが運用する、「Solactive Japan Games & Animation Index」に連動する日本株ETFです。

「Solactive Japan Games & Animation Index」は、ゲーム産業およびアニメーション産業に関連する国内上場株式で構成される指標です。

コンソールゲーム、モバイルゲーム、PCゲーム、eスポーツ、ストリーミング、アニメーションおよびマンガに関連する企業のうち、特に関連度の高い20銘柄で構成されます。

指数の算出方法は、時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率 (参考)時価総額
1 【9697】カプコン 11.62% 1兆2,800億円
2 【7974】任天堂 11.25% 9兆3,804億円
3 【7832】バンダイナムコホールディングス 10.39% 1兆8,908億円
4 【6758】ソニーグループ 9.83% 16兆6,104億円
5 【9766】コナミホールディングス 9.24% 1兆1,299億円

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 28円(年2回)
分配金利回り 1.02%
直近5年間の値動き +7.58%(2,532円→2,724円)
必要投資金額 2,724円(1口)
上場日 2021年6月23日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

ゲーム株は新型コロナ相場以降も上げており、上場から2年半でプラスになっています。

アニメ・ゲーム・漫画大国の日本のエンタメ株は、ほぼゲーム株が上位を占めています。

ただ、時価総額加重平均型となっているものの、ウェイト上限があるため、上位4銘柄は上限の10%となっており、実質的に時価総額加重平均型が破綻しています。

時価総額で約10倍の差があるソニー・任天堂と、カプコン・バンナム・コナミが同じ構成比率というのは……。

実質的にアクティブ投信にも関わらず、時価総額加重平均型を謳うのは、どうなるのかと思ってしまいます。

そもそも、信託報酬が高く、流動性がないため、おすすめできません。

ゲーム株に投資したいなら、極端な話、ソニーと任天堂の2銘柄に分散投資した方がマシです。

 

【2641】グローバルX グローバルリーダーズESG-日本株式ETF

【2641】グローバルX グローバルリーダーズESG-日本株式ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan Global Leaders ESG Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan Global Leaders ESG Index」は、海外売上高比率および海外顧客比率の高い国内上場株式で構成される指標です。

海外での売上高が全体の25%以上、且つ海外顧客比率が50%以上である企業のうち各セクターのグローバルマーケットシェアで上位3位以内に入る国内上場株式20銘柄によって構成されています。

指数の算出方法は、FactSet社傘下のTruValue Labs社が行うESG評価考慮後の時価総額加重方式によって決定し、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【7203】トヨタ自動車 9.81%
2 【8058】三菱商事 9.71%
3 【6758】ソニーグループ 9.11%
4 【8031】三井物産 8.54%
5 【6501】日立製作所 7.66%

信託報酬(税込) 0.3025%
分配金 67円(年2回)
分配金利回り 2.58%
直近5年間の値動き +33.23%(1,947円→2,594円)
必要投資金額 2,594円(1口)
上場日 2021年6月23日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

海外売上高比率が高い銘柄は、円安メリット関連銘柄でもあります。

構成銘柄上位は有力銘柄が並び、上場から2年半でも大きく上げていますが、だったらTOPIX連動型ETFで十分じゃないかと思ってしまいます。

流動性も低く、信託報酬が高いため、TOPIX連動型ETFより優先しておすすめはできません。

 

【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF

【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan Semiconductor Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan Semiconductor Index」は、半導体産業に関連する国内上場株式最大40銘柄で構成される指標です。

半導体製造、原材料および加工等の半導体周辺産業から主に収益を上げる国内上場会社株式によって構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

順位 銘柄名 構成比率 (参考)時価総額
1 【6857】アドバンテスト 14.44% 3兆5,725億円
2 【6723】ルネサスエレクトロニクス 14.26% 4兆6,778億円
3 【6146】ディスコ 10.69% 3兆5,671億円
4 【4063】信越化学工業 9.67% 11兆4,100億円
5 【8035】東京エレクトロン 9.28% 11兆3,758億円

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 29円(年2回)
分配金利回り 0.79%
直近5年間の値動き +48.26%(2,472円→3,665円)
必要投資金額 3,665円(1口)
上場日 2021年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★★★
流動性 ★★

東証唯一の半導体ETFとなっており、テーマ株ETFの中で唯一の良心とも言える銘柄です。

2022年には半導体株は大きく下落しましたが、2023年は生成AIブームを受けて急騰しています。

テーマ株ETFの中では圧倒的な流動性を誇っており、長期投資にも悪い銘柄ではありません。

ただ、時価総額加重平均型を謳っているものの、ウェイト上限があることがネックになっていると言わざるを得ません。

半導体ETFについては、ウェイト上限なしの、本当の意味でのインデックス型のETFが上場して欲しいものです。

また、上場から2年半で+50%近い上昇になっているものの、半導体株はハイリスク・ハイリターンの景気敏感株・先導株であることには注意が必要です(2022年の下落率を見てみてください)。

 

【2645】グローバルX レジャー&エンターテインメント-日本株式 ETF

【2645】グローバルX レジャー&エンターテインメント-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「Solactive Japan Leisure & Entertainment Index」に連動する日本株ETFです。

「Solactive Japan Leisure & Entertainment Index」は、レジャー産業およびエンターテインメント産業に関連する国内上場株式で構成される指標です。

旅行関連商品、アウトドア用品、オンライン予約サービス、宿泊施設のシェアリング、動画ストリーミングサービス、オンライン学習等のレジャー産業およびエンターテインメント産業に関連する企業のうち、特に関連度の高い30銘柄で構成されます(ホテル、レストランや鉄道等の伝統的なレジャー産業は除きます)。

指数の算出方法は、時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【6098】リクルートホールディングス 11.53%
2 【4661】オリエンタルランド 11.44%
3 【6758】ソニーグループ 10.10%
4 【4324】電通グループ 9.33%
5 【9602】東宝 8.30%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 12円(年2回)
分配金利回り 0.61%
直近5年間の値動き -8.31%(2,129円→1,952円)
必要投資金額 1,952円(1口)
上場日 2021年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

構成銘柄上位は優秀な銘柄が並んでいますが、上場から2年3ヶ月でマイナスとなっています。

リクルートがレジャー産業というのもよく分からないですが、他の銘柄と同様に時価総額加重平均型にも関わらず、ウェイト上限があることが……。

信託報酬が高く、流動性も全くないため、おすすめできません。

 

【2646】グローバルX メタルビジネス-日本株式 ETF

【2646】グローバルX メタルビジネス-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan Metal Business Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan Metal Business Index」は、メタルビジネスに関連する国内上場株式30銘柄で構成される指標です。

金属鉱業や金属加工業をはじめとするメタルビジネスに関する売上が企業収益全体の50%以上を占める国内上場会社株式によって主に構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は10%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【8053】住友商事 12.15%
2 【6479】ミネベアミツミ 11.29%
3 【5406】神戸製鋼所 11.26%
4 【5713】住友金属鉱山 7.87%
5 【5711】三菱マテリアル 7.63%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 39円(年2回)
分配金利回り 2.24%
直近5年間の値動き +22.37%(1,421円→1,739円)
必要投資金額 1,739円(1口)
上場日 2021年9月28日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

ウクライナ情勢による資源高もあってか、上場から2年3ヶ月で+20%以上の上昇率となっており、分配金利回りも2%を超えています。

ただ、流動性がなく取引自体が難しい銘柄のため、強くおすすめすることはできません。

 

【2836】グローバルX フィンテック-日本株式 ETF

【2836】グローバルX フィンテック-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「Indxx Japan Fintech Index」に連動する日本株ETFです。

「Indxx Japan Fintech Index」は、フィンテック産業に関連する国内上場株式で構成される指標です。

ウェルス・マネジメント、デジタルペイメント・POSシステム、ブロックチェーン、金融システム、信用リスク管理、およびオンラインブローカレッジ等のフィンテック産業から主に収益を上げる国内上場会社株式によって構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は8%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【4307】野村総合研究所 10.35%
2 【8697】日本取引所グループ 9.37%
3 【3994】マネーフォワード 8.79%
4 【3769】GMOペイメントゲートウェイ 7.47%
5 【7164】全国保証 7.47%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 38円(年2回)
分配金利回り 1.34%
直近5年間の値動き -19.74%(2,786円→2,236円)
必要投資金額 2,236円(1口)
上場日 2021年12月8日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

上場から2年間で-20%弱の下落率となっています。

流動性も最低レベルであり、信託報酬も高いため、おすすめできません。

構成銘柄上位を見ると、ハイリスク・ハイリターンのアクティブ投信そのものです。

 

【2847】グローバルX 新成長インフラ-日本株式 ETF

【2847】グローバルX 新成長インフラ-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan New Growth Infrastructure Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan New Growth Infrastructure Index」は、今後成長が期待できるインフラ事業に関連するビジネスを行う国内上場株式最大40銘柄で構成される指標です。

5G関連事業等の次世代通信や輸送/物流、ソーシャル/ヘルスケアおよび次世代エネルギーの4つのサブテーマに属する業種に関連する国内上場会社株式によって主に構成されます。

指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式を採用しており、構成銘柄ウェイトの上限は8%となっています。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【6701】日本電気(NEC) 10.56%
2 【6201】豊田自動織機 9.79%
3 【6762】TDK 8.60%
4 【9432】日本電信電話(NTT) 7.78%
5 【9433】KDDI 7.62%

信託報酬(税込) 0.649%
分配金 26円(年0回)
分配金利回り 1.44%
直近5年間の値動き +16.45%(1,544円→1,798円)
必要投資金額 1,798円(1口)
上場日 2022年3月24日
長期投資おすすめ度 ★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

上場から1年9ヶ月で上昇しています。

ただ、信託報酬が高く、流動性がないため、おすすめできません。

この銘柄に投資するなら、【9432】NTT、【9433】KDDI、【9434】ソフトバンクの3大キャリアに分散投資することをおすすめします。

上記3銘柄への分散投資なら、配当金利回りも3%を超えて、信託報酬も掛からないためです。

 

【2854】グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETF

【2854】グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETFは、Global X Japanが運用する、「FactSet Japan Tech Top 20 Index」に連動する日本株ETFです。

「FactSet Japan Tech Top 20 Index」は、日本を代表するテクノロジー関連ビジネスを行う国内上場株式20銘柄で構成される指標です。

具体的には、ハードウェア/電子機器、自動化(ロボティクス)、クラウド、コンテンツ/プラットフォーム、eコマース、半導体の6つのサブテーマに属する銘柄で構成されます。

銘柄指数の算出方法は、浮動株調整後の時価総額加重方式となっており、構成銘柄ウェイトの上限は10%です。

構成銘柄比率は次の通りです(2023年6月30日時点)。

銘柄名 構成比率
1 【8035】東京エレクトロン 11.94%
2 【6861】キーエンス 10.19%
3 【6758】ソニーグループ 9.74%
4 【7974】任天堂 9.72%
5 【6098】リクルートホールディングス 8.61%

信託報酬(税込) 0.3025%
分配金 11円(年2回)
分配金利回り 0.87%
直近5年間の値動き +27.59%(982円→1,253円)
必要投資金額 1,253円(1口)
上場日 2022年6月24日
長期投資おすすめ度 ★★★
流動性 ☆(取引が難しい最低レベル)

構成銘柄上位は文句なしの銘柄であり、上場から1年半で+30%弱の上昇となっています。

ただ、流動性が低いため、積極的におすすめすることはできません。

 

テーマ株指数に連動する日本株ETF一覧

銘柄名 連動指数 信託報酬(税込) 権利確定日 分配金 分配金利回り 長期投資 流動性 パンフレット
【2626】グローバルX デジタル・イノベーション-日本株式 ETF Solactive Digital Innovation Japan Index 0.649% 1月24日、7月24日(年2回) 30円 1.46% ★★ × リンク
【2627】グローバルX eコマース-日本株式 ETF Indxx Japan E-Commerce Index 0.649% 1月24日、7月24日(年2回) 6円 0.45% ★★ × リンク
【2637】グローバルX クリーンテック ESG-日本株式 ETF FactSet Japan CleanTech & Energy Index 0.649% 3月24日、9月24日(年2回) 22円 1.43% × リンク
【2638】グローバルX ロボティクス&AI-日本株式ETF Indxx Japan Robotics & AI Index 0.649% 6月24日、12月24日(年2回) 17円 0.86% ★★ × リンク
【2639】グローバルX バイオ&メドテック-日本株式ETF FactSet Japan Bio & Med Technologies Index 0.649% 6月24日、12月24日(年2回) 7円 0.43% ★★ × リンク
【2640】グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式ETF Solactive Japan Games & Animation Index 0.649% 6月24日、12月24日(年2回) 28円 1.02% ★★ × リンク
【2641】グローバルX グローバルリーダーズESG-日本株式ETF FactSet Japan Global Leaders ESG Index 0.3025% 6月24日、12月24日(年2回) 67円 2.58% ★★ × リンク
【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF FactSet Japan Semiconductor Index 0.649% 4月24日、10月24日(年2回) 29円 0.79% ★★★★ ★★ リンク
【2645】グローバルX レジャー&エンターテインメント-日本株式 ETF Solactive Japan Leisure & Entertainment Index 0.649% 4月24日、10月24日(年2回) 12円 0.61% ★★ × リンク
【2646】グローバルX メタルビジネス-日本株式 ETF FactSet Japan Metal Business Index 0.649% 4月24日、10月24日(年2回) 39円 2.24% ★★★ × リンク
【2836】グローバルX フィンテック-日本株式 ETF Indxx Japan Fintech Index 0.649% 6月24日、12月24日(年2回) 38円 1.34% ★★ × リンク
【2847】グローバルX 新成長インフラ-日本株式 ETF FactSet Japan New Growth Infrastructure Index 0.649% 4月24日、10月24日(年2回) 26円 1.44% ★★ × リンク
【2854】グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETF FactSet Japan Tech Top 20 Index 0.3025% 4月24日、10月24日(年2回) 11円 0.87% ★★★ × リンク

 

まとめ

この記事では、グローバルXジャパンが運用しているテーマ株ETFの概要やメリット・デメリットについて解説した上で、東証のテーマ株ETF全13銘柄について解説してきました。

グローバルXジャパンが運用しているテーマ株ETFは、信託報酬が高く、純粋な時価総額加重平均型ではないなど、アクティブ投信寄りのETFとなっていることに注意が必要です。

唯一、半導体ETFの【2644】グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFだけは、流動性も大きく、長期投資におすすめはできるかと思います。

ただ、日本株のインデックス投資をするなら、TOPIX連動型ETFか日経平均株価連動型ETFが最もおすすめであることには変わりありません。

 

ETF投資を始めるならマネックス証券がおすすめ!

新NISAを使ったETF投資を始めるなら、マネックス証券がおすすめです。

マネックス証券は、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、成長投資枠を使って世界株ETFや米国株ETFを手数料無料で長期・積立・分散投資できます。

マネックスカードでクレカ投信積立すると還元率1.1%となっており、つみたて投資枠で世界株投信や米国株投信に投資するとAmazonギフト券やdポイントと交換できるマネックスポイントが貯まります。

また、マネックス証券のiDeCoは、NASDAQ100指数「iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と揃っているため、新NISAとiDeCoを同時に始めたい場合には特におすすめです。

マネックス証券

マネックス証券のETF投資について、より詳しく知りたい場合には下記記事も参照してみてください。

マネックス証券のETF投資を解説!新NISAや人気ランキング、買い方についても紹介!
「マネックス証券で新NISAを使ったETF投資はおすすめ?」「マネックス証券でETFを買う方法とは?」など、お困りではありませんか?マネックス証券では、新NISAの取引手数料が完全無料となっており、マネックスカードのクレカ投信積立の還元率が...

 

ETF投資について
fgunをフォローする